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Channel: ネイビーブルーに恋をして
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平成28年度富士総合火力演習予行〜オート隊のアヒル

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涼しいアメリカにいたと思ったら帰るなり熱い熱い総火演と暑い花火大会に参加。

まるで振り子の両極端のような環境にあえてこの身を置く、
というのがここ最近の恒例の行事になっているわたしです。

今年は主に世帯主の理由で花火大会には不参加と決まったため、
夏前から声をかけていただいていた予行に行くつもりで、
アメリカ帰りの時差ぼけをそのまま利用して4時起きの生活をしておりました。
これで朝早く起きて参加もばっちり。

と こ ろ が 。

世の中上には上がいる。というかこの道(どの道だ)奥が深いというか、
そんな準備も全く役に立たないハードな1日が待ち受けていたのです。

「払暁3時半御殿場某所で集合」

と、こんなことをやっているうちにできた蛇の道は蛇、というか
こんなことばかりやっている同病のじゃなくて同好のよしみ知り合いが
総火演前日送ってきたメールを見て、
わたしは一瞬思考が数光年の彼方にワープするのを感じました。

3時半集合ってことは家を出るのは1時半、で、起きるのが12時半ってこと?
普通の人はその時間に寝るんだって(笑) 

しかしこんなもので驚いている場合ではなかったのです。
後からこのメンバーと話したところ、土曜日の予行のためには
前夜11時に御殿場入りして現地で並ぶというツワモノさえおりました。
予想通りみなさん例外なくNikonの上級機種をお持ちの方ばかりです。


こういう人たちがそんなにしてまで良いポジションをゲットしたいと願うのも、
せっかくの良いカメラなので少しでも良い写真を撮りたいという欲望。
つまり必要以上に高いカメラに人間様が行動を操られているみたいなもんです。

いつも思うのですが、もしこの世に「カメラ」というツールがなければ
おそらく誰もここまではしないのではないでしょうか。

総火演をはじめとする自衛隊イベントが年々加熱傾向にあるのも
おそらくこの「撮り自(衛隊)」な人々の増加と関係があります。

誰にでもそこそこな絵が撮れるデジタルカメラの普及も罪なものだ。
とわたしは他人事のように思うのでした。



といいながら、3時半に集合し、そこからタクシーに相乗りして現地到着。
0400です。
日の出前の富士山麓には灯りが見えることを初めて知りました。

現地に到着した時、くらがりの中に(本当に暗かった)列を作り、中には
地面に完全熟睡する人や小さなテントを張る人たちの姿を見ました。



自衛官の話によると、早い人でやはり前夜11時から並ぶそうです。
それを聞いて同行の人は、

「やっぱり土曜は11時に来よう」

と決心した、というわけです。

「うーん・・・・馬鹿ですね」

と自嘲しながらも、

「カメラを持たずにゆっくり来て見えるところから楽しむ。
そんな楽しみ方も否定はしませんが、私はそうではないというか」

わたしもまたそんな考えを否定するものではありませんが、
なんか話を聞いていると心配したりイライラしたり・・。
いいポジションを取れるかどうかまでストレスマックスみたいなんですよね。 

体に悪くないか? 



まあ、そういう人たちと行動を共にしなければ、こんな席を確保することはおそらく無理。
ありがたくこの幸せに感謝することにいたしましょう。
夜明け前にやってきた人がわたしたちの列を見て、

「えっ、もうこんなに並んでいるの?」

と驚いていましたが、周りにいるのは全て「その道のベテラン」らしい人ばかり。
前の列の人たちなど、この10人足らずの機材だけで 、
足せば購入時価格1千万は下るまいというくらいの豪華版ばかりでした。

外国の軍演習のことは知りませんが、こんなの日本だけだろうなあ。 



わたしたちが会場に入れてもらえたのはたしか6時半。
人が増えて混乱するようになったので最近は少し早く入れるようにしたようです。 

自衛隊は総火演のために周囲に4〜5箇所の駐車場を用意していますが、
そのうち一つを除き、皆シャトルバスでの来場になるので、
駐車場を利用する時点でもういわゆる「いい場所」は諦めなくてはならない。
ということです。(皆さんの話によると)

戦車などのリハーサルはわたしたちが並んでいる時からすでに始まっており、
ヒトマル式らしい射撃音が聞こえていたのですが、
入場し、荷物を置いてカメラを取り上げた時には89式が試射を行っていました。

この時点ではシート席の前列にはまだ人が案内されていません。



区画ごとに前からびっちりと詰められるのが総火演の掟。
というわけで、Eスタンド前のシート席には3列並んでいます。
この時点で午前7時半。
まあ、カメラということさえ考えなければ、いや考えたとしても
この時間頃来たって十分って話もあるんですけどね・・。



続いてリハーサルを行う火砲集団が待機しています。
96式を先頭に、自走榴弾砲などのイカツイ面々です。



この時ほんの一瞬ですが雲の上から富士山がその頂上を見せました。
この日は1日晴天でしたが、富士山は雲に覆われたままだったので、
本当にこのときだけその姿を拝むことができたという感じです。

登山ができるくらいなので当たり前なのかもしれませんが、雪が全くないんですね。



シート席は一番前に座れても前にロープがあるので、「撮り自」的には
無理して取りたい場所ではないようです。

何でも昔はロープはなかったのだけど、例によって前に出る人がいたため
(確かめていないけど多分カメラ持ち)そういうことになったのだとか。

聞けば自衛隊イベントはこういう”撮り”のおかげでどんどんと規制が進み、
悪貨は良貨を駆逐するというのか、つまり自分で自分の首を絞めている状態。
他のカメラマニアにも言えることですが、結局こういう人たちって
自分たちがそのときにいい写真を撮ることしか考えてないんでしょうね。



時間がさかのぼりますが6時半には74式戦車の試弾は始まりました。
わたしは今年で総火演参加3年目。(だっけ)
もうそろそろ戦車の射撃の瞬間を撮れればいいなーと思いつつ、
この頃には、タイミングが測れませんでした。

74式はとくにリハーサルでは赤旗が上がってから号令もなく
いきなり撃つので、周りの人たちも「空振り」が多かったようです。



フィールドにいるのは90式先輩。
(74式の方が先輩だとかは言いっこなしね)



黒い排気をもうもうと立ててバックする90式。
確か去年の総火演で

「きっと台数も大したことないし、運用は山の中だし、
排ガス規制なんかやっていないに違いない」


と確信的に書いてしまったのですが、このとき同行の方が

「聞いたことあるんですけど、戦車ってみんな排ガス規制してるんですよ」

これを聞いて自衛隊にすみませんでした、と心の中で土下座したわたしです。
戦車は公道を走ることもあるのでこれがないと認可されないのだと聞いて納得。



74式のターレット部分拡大。
青いヘルメットの人が登っているのと、コマンダーキューポラ?
から戦車長ではないかと思われる隊員が顔を出しています。

それにしても戦車長(だとしたら)って、若いのねえ・・・。



次にどれが撃つのかわからないので、前に撃った戦車の隣とかに
狙いを定めて気配を窺ったりして(笑)、ようやく撮れた・・・・
と思ったらその隣の戦車の射弾でした。orz



1台1台狙っていては確率的に成功率が低すぎるので、3台まとめて狙い、
その結果ようやくこれが撮れました。

本当は快心の一写があったんだけど、今日は出し惜しみしちゃう。



「案内」の腕章の隊員さんたちは会場の整理係。
朝から注意事項をアナウンスしたり、階段に座っている人を排除したり、
手前に見えているロープで座る人の列を整理したり、
(何人か客がたまると、このロープで「追い込み漁」を行い、
ロープの前にきっちりとまっすぐ座るようにして列を作っていく)
今日の功労賞といってもいいくらいの大変そうな仕事でした。

「なんでここに座っちゃダメなんだ!」

とか食ってかかる人もいたみたいだし(´・ω・`)



さて、続いての予行はオート隊です。
以前見たオート隊の展示は6人以上いたと思うのですが、
今年は人員縮小なのか少数精鋭なのか、3人だけでした。

おそらく小隊長?が二人に何やら指示をしております。

「ぱーっと飛ぶんだよ。鳥になったつもりでな!」

ってそれはないか。



というわけで鳥になったわたし、その1。

鳥になったわたしその2。
実は当方の席からオート隊がジャンプするバンプまで大変遠く、
こんな迫力のない写真しか撮れませんでしたが、それでも
あの距離からこの写真が撮れるのだから、Nikon1の望遠、優秀です。



鳥になった、といえばですね。
このオート隊のジャンプを見守っている隊員がいたのですが、
なぜかその人のお腹に鳥が・・・・・いやアヒルがいるんですわ。



なぜアヒル????

これ、どう見てもジャンプするオート隊員のためですよね?

「ここを見て目標にジャンプするんだぞ!」

みたいな? それとも

「アヒルさんも見守ってくれてるぞ!頑張ろう!」

とか・・・(なんか不安になってきた)
 



さて、そんなわたしの不安もよそに、オート隊の予行は続きます。
オート隊というのは偵察部隊ですが、バイクの偵察隊を持っているのは
世界の軍隊でもあまりないらしいですね。(調べてません) 

バイクで偵察、非常に日本らしい気がします。
目的地に着いたら自分のバイクを盾に状況を偵察。



状況確認したら素早くその場を離脱。



偵察の結果は即時火砲隊などに伝えられ、攻撃が決定されます。

予行演習、まだまだ続きます。
 


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