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帽振れ〜平成29年幹部候補生学校 卒業式

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平成29年3月18日に江田島で行われた幹部候補生の卒業式についてお話ししています。
見送りの人たちの前を生徒館から出て敬礼しながら行進した彼らは、
そのまままっすぐ表桟橋に向かい、内火艇に乗り込んでいきます。

少しずつ大きさ形の違う船がこちら側には5隻も横並びに!
見ていなかったのが残念ですが、端っこの船に乗り移る際も彼らは
行進曲「軍艦」に合わせて足を運んだのでしょうか。

多分これ、一回は通しで練習してるんじゃないかな。 

ラッタルからは最後の一団が来つつあります。

ここで見送りの桟橋に注目。
昔からここにあり、卒業生を見送る海軍軍人たちが居並んで
ここから帽子を振った桟橋に、本日は遠目にもやんごとなきお姿が。

大講堂ではちょうどわたしのいる位置からは真上でお姿を拝見できなかった
三笠宮家の女王殿下が視察のための台にお立ちになっておられます。

海幕長と幹部校校長の間には防衛副大臣の若宮氏。
殿下の後方にはSPに混じってくれ地方総監がおられます。

女王殿下はこの後お召し船?に乗り込まれ、海上から練習艦隊を刺殺されるとのことです。 

こちら一番最初に乗り込んだ卒業生たち。
船尾には(自衛艦ではないので)自衛艦旗ではなく国旗が揚げられています。 

一隻には23〜4人がみっちりと乗り込んでいる模様。

「ふゆづき」に乗艦する飛行幹部たちの最後尾が乗り込んでいきます。
飛行幹部は約40名ということですから、船はこの2隻で全員でしょう。

たまたま一番最後の卒業生が船に乗り込む瞬間が捉えられていました。

はい、今!

船の作業をするメンバーは首に救命バッグ(多分海中で膨らます)をつけています。

そして全員が無事船に乗り込み終わった瞬間です。

救命ブイに「呉警」とありますが、警備艇ということでしょうか。 

そしてあっという間に全部の船が一斉に航行を始めました。
全員が乗り組んだら次の瞬間という感じで、そのスムーズさに驚かされます。 

今動き出したYT98には14〜5人しか乗っていないようです。

YTというのは自衛隊では曳船を意味します。
YT91と98は「曳船75型」というタイプです。 

見ていると、本当にスルスルといった感じで船が進み出ていきます。

走りだした船の上では新幹部たちが敬礼。

江田内には、今から幹部たちが乗り込む練習艦隊の艦船が錨を上げた状態で待っています。
TV-3519 は「やまゆき」。
「はつゆき」型護衛艦の8番艦で、DD-129の艦番号でしたが、2016年4月、
練習艦に種別変更されて現在に至ります。

つまり、昨年度の練習艦隊遠洋航海が最初の練習艦としてのデビューだったということになります。 

「やまゆき」の艦首側甲板には出港準備中の乗組員の姿が見えています。

船が前進するときのエンジンが立てる煙越しに敬礼する幹部たちが見えます。
彼らの姿と出港の様子を記録するためにカメラとビデオ係が活躍中。

遠洋航海には当然カメラ専門の係が随行すると思うのですが、彼らがそうでしょうか。 

桟橋のこちら側の船は全て出港しました。
続いて向こう側です。 

そのとき「帽ふれ!」の声がかかりました。
同時に始まった呉音楽隊の演奏による「蛍の光」。

彼らの向こうには艦番号102の「はるさめ」が見えています。

海賊対策としてアデン湾に何度も派遣された護衛艦ですが、
今回は練習艦隊の一員として世界を回るのです。

皆の視線は女王殿下と海幕長らのいる桟橋に向けられているようです。
彼らの乗っているのはB、つまりボートを意味する(に違いない)
支援船の「機動船」という種類の船です。 

こ、これは・・・・。((((;゚Д゚)))))))


おそらく「交通艇」と呼ばれる内火艇では内火艇、と思われるのですが、
もともと船室があって乗り込むタイプの船上に無理やり立っています。 

キャビンの両脇は海に向かって傾斜しているわけで、柵もなければ支えもない。
この船にに乗ることを知ったとき、この両端の14人はきっと

「これ、下手に舵切ったら海に落ちね?」
「万が一落ちたら未来永劫幹校の歴史に残るな」

くらいのことはいいあったんではないかと思われます。
交通艇を操舵する自衛官もきっと細心の注意を払っていることでしょう。 

 

そんな無理めの船で去っていく彼らをぜひアップで。
こうしてみると、彼らの両足はきっちりと角度を揃えて開かれ、
賞状の筒の持ち方まで決められているようです。

動く船上で直立している彼らもですが、ずっと中腰の海曹も大変そう・・。

写真に撮ると時間がかかっているようですが、
外側の船が動き出し、この最後の通船が桟橋を離れるまでに数分もかかっていません。
さすがは海軍、小船の操舵も熟練の技で見事なくらい統制が取れています。

こちら側の5隻が全部いなくなってから飛行幹部の乗っている
桟橋向こう側の船は出立することになっているようです。

内火艇などが船出するのはポンツーンと言って浮き桟橋のようです。
海軍兵学校に在学していた人から、兵学校の頃から
ここにポンツーンがあった、と聞いたことがあります。 

曳船98に続いて最後に桟橋を離れた91が、98の後に続くために
取り舵を切りました。 

その後、面舵をとったはずみに船体が大きく右に傾き・・。

この傾き具合を見ていると、よろけて手をついてしまったのが
たった一人だったというのはすごいなあと逆に感心します。 

みんな必死で?姿勢を保っているのが泣ける(´;ω;`)
帽ふれのときでなくてよかったですね。 

そして何事もなかったかのように彼らは立ち続けるのでした。
それにしても海上自衛隊の制服の一団は感動的なまでに美しい。

・・・と思ったらまた取り舵に船体が左傾し、手をついてしまう人が。
うーん、曳船ってあまり安定性ないのかしら。 

スピードを上げて練習艦隊旗艦「かしま」に向かう船。

ところで、2015年の練習艦隊遠洋航海で、わたしは壮行会に出席し、
これがマゼラン海峡を通過するということを聞き、ここでもご報告しましたが、
その後「かしま」は、日本国所属の軍艦として明治初期から現在までを通じて、
つまり近代日本においても史上初となるこの挑戦に成功し、

「初めてマゼラン海峡を通過した日本の軍艦」

というタイトルを得ることができたことを今更ですがここに書いておきます。

ん?ところでこの時に練習艦隊僚艦だった「しまゆき」と「やまぎり」も
どこにも書かれていませんが、一緒に通過したんですよね?

「かしま」に向かう船は一斉に艦尾を目指して行きます。

曳船88は「やまゆき」に向かっていく模様。

「かしま」「せとゆき」「せとゆき」の練習艦隊が横須賀地方隊の岸壁から出港し、
同じ岸壁に迎えに行ったのがついこの最近のことに思えるのに、
今日また新幹部たちを乗せて新しい練習艦隊の航海が始まりました。

今日から約2ヶ月の間、彼らは全国の地方総監部(こういう時には鎮守府と言いたい)
並びにいくつかの寄港地で慰霊や参拝を行い、最終的に横須賀から
遠洋航海に出発していくのです。

飛行幹部たちは近海を練習潜水艦「みちしお」と共に周り、
5月1日に帰国予定で、「ふゆづき」のみマレーシアとベトナムを訪問予定です。

 

続く。

 

 

 

 


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