自衛隊記念日の行事として自衛隊からの感謝状贈呈、
そして音楽演奏などの式典が終了し、全員は隣の体育館に移動しました。
こちらで式典の後の懇親会が行われるのです。
ちなみに外はとんでもない雨で、帰りの飛行機が飛ぶか
不安になるほどでした。
岡山空港って、天候不良だと着陸が難しいため、 機材が到着せず
それで欠航になるパターンが非常に多いのだそうです。
前方には呉地方総監部と呉警備区内の基地司令、
そして先任伍長たちがすでに待機。
前列真ん中には衆議院議員寺田稔先生。
地元の方によると、開票と同時に当確が出たそうで、
この地方では圧倒的な強さを誇っておられます。
財務省主計官時代には大和ミュージアムの建設に尽力されました。
ただいま隣の呉地方総監夫人と歓談中。
海自のパーティには必ず登場するのが大きな刺身の盛り合わせ。
今回は舟盛りではなく大きな「たらい盛り」です。
陸自は例えば降下始めの後に隊員家族などを招待して
野外で焼肉?みたいなことをするそうですが、これも陸自らしい。
海自はやはり海、ということで刺身は欠かせないのでしょう。
ちなみに空自のパーティで刺身は見たことがありません。
焼き鳥とフライドチキンはあります。空自だけに。
さて、時間が来て宴会が始まりましたが、乾杯は行われず、
それがヘリコプターの墜落事故を受けてのことであるという
説明を池海将が行ったのが開式の合図となりました。
わたしの周りの人たちは
「えーと」
「乾杯しないんですね」
「食べ始めていいのかな」
と戸惑いつつも宴会に突入。
しばらくして、前方の自衛官の紹介が行われました。
まず一番最初は8月に着任した阪神基地隊司令の深谷克郎一佐と、
阪神基地隊先任伍長。
深谷司令は潜水艦出身で、後でお話しした際、
オススメの潜水艦映画を教えていただきました。
またここでご紹介できればと思います。
続いて呉地方総監部の各部司令と先任伍長が紹介されました。
弾薬整備補給所や増収補給所などです。
貫禄十分、ベテランの風格。
衛生隊の隊長と先任伍長。
呉音楽隊長と先任伍長。
ちなみに、隊長にこの日演奏した「オマージュ」という曲について
お話ししついでに、ふと思い出し、
「恋ダンスも、よかったです〜〜」
「いっいやあれは・・///」
一番右、女性海曹は、総監の説明によると、女性の積極登用が
推進された時、最初に先任伍長に昇進されたということです。
各テーブルの上には、さりげなく「愚直たれ」が置かれていました。
もう説明するまでもありませんが、呉地方総監の指導方針である
「愚直たれ」という言葉から、隊員の一人がこの「たれ」を作ることを
思いつき、着任してすぐにレシピの募集を行い、厳正な審査を経て
採用されたのがこの「華麗なる愚直タレ」です。
メディアが取り上げたおかげで全国区で有名にもなりましたが、
販売はあくまでも行わないということに決まったようです。
その代わり、呉市内のいくつかの協力店がメニューに採用しています。
その時に行われたポスターコンテスト入賞作とレシピ、
「侮らない、諦めない、欺かない」の「三つの”あ”」を記した
愚直たれ精神についての説明もちゃんと会場に掲示されております。
初めてらしく、この方は物珍しげに説明に見入っていました。
ところで観桜会の時に呉地方総監のゆるキャラを
人気投票で決めるというイベントを行なっていたのですが、
今回紙バッグに使われていたこのイラストを見て、それが
「くれこ と やまと」
に決まったらしいということがわかりました。
やまとは大和の、くれこはくじら(てつのくじらと思われ)
の被り物をした普通の人間?です。
この日エスコートしてくださっていた自衛官のお話によると、
もう着ぐるみも完成しており、地方総監庁舎の某所に置いてあるのだとか。
「私これかぶってみましたが、目のところが空いているだけで、
そこからしか外が見えないんです」
とのことですので、もしどこかで彼らを見かけても引っ張り回したり、
後ろから急に脅かしたりしないように。危険です。
なんと、大々的に愚直たれを宣伝するコーナー。
それよりこのボトル、こっそり一つ持って帰りたかったなあ・・。
観桜会の時にはきゅうりにつけて出していましたが、今回は
何にでも合うということで、焼きそばにかけて食すのが推奨されていました。
会場のカレーコーナーでは、巷の飲食店のオヤジとは全く雰囲気が違う、
何やら凄みのある佇まいの自衛官がニコリともせず、ただ黙々と
カレーをよそっておりました。
わたしは会場にいた知人に
「愚直たれ、カレーにかけると美味しいですよ」
と言われ、騙されたと思ってその通りしてみたのですが、
食べて見てやっぱり騙されたと思いました。
何にでも合う愚直たれですが、カレーには合いません(断言)
カレーの屋台は人気でいつまでも列が絶えませんでした。
お味は辛めでコクと苦味が混在する大人の味。
「あきづき」でいただいたカレーと似ている気がしました。
ちなみにこちらの方がこのカレーを作りました。
この隊員さんも給養の方。
海自のこうしたパーティでは必ず料理を作った人が紹介されます。
副官は帽子を置く時、この一番左のように自分の帽子の上に
ボスの帽子を重ねて置くことが決まっています。
帽子置きの上に、このような表が貼ってあるのを発見。
こんなものに目を輝かせて写真を撮っていたのは、断言してもいいですが
この日会場にいた中で、わたし一人であったと思います。
これは本日のためだけに制作された(しかもパウチしてある)席次です。
前方のメインテーブルには呉地方総監、幕僚長、候補生学校長、
第1術科学校長、そして第4艦隊司令と海将・海将補がいます。
そして潜水艦隊司令、基地隊司令と一佐の職が続きます。
その後ろが呉潜水艦基地隊司令などで二佐職。
前から5番目までのテーブルが地上部隊の司令官と先任伍長で、
その後ろが水上部隊の艦長艇長になるのですが、これもよく見ると
一番前にいるのが補給艦「とわだ」。
そして護衛艦が続きます。
テーブルの後ろの方、つまり席次でいうと「末席」に、
掃海艇の艇長がくるわけですが、艇長の位は三佐か、
あるいは一尉なので、階級的にもこの並びとなるわけです。
エアクッション艇、LCACの艇長、 呉音楽隊長は二尉なので、
このテーブルに配置です。
たかが宴席のテーブルなのに、厳格に階級順になっているので
やっぱり軍隊の組織なんだなと改めて感じ入った次第です。
ちなみに先任伍長はどの配置であっても先任伍長なのですが、
どこの配属かで席次に上下が出てくるのが面白いと思いました。
この場におけるヒエラルキーの頂点、呉地方総監とその令夫人。
お二人を撮るカメラマン、
そしていつも影のように黒い鞄を持って立っている副官の図。
去年も最後に挨拶された方ですが、今年のスピーチでは
日本が今ある状況について、
「北の馬鹿たれが色々とやらかして・・・」
はい、馬鹿たれ呼ばわり入りました〜。
というわけであっという間に祝賀会はお開きになりました。
しかし、テーブルにはまだもう一回宴会がひらけそうなくらい
食べ物が残っているのにご注目。
体育館の出口ではご丁寧にも総監夫妻が一人一人と言葉を交わし、
ご挨拶をして来客をお見送りくださいました。
帰りは門前でと列の自衛官の敬礼を受け教育隊を辞しましたが、
最初にこの教育隊に来たとき、 よもや自分が同じ場所で
何年か後に敬礼されることになっているとは夢にも想像しなかったなあ・・。
それにしても、自衛隊のこういう式典に参加するたび、
わたしは一人一人の自衛官たちのきりりとした佇まいや
厳しい訓練の日常に培われた賜物である緩みのない眼差しを
いまどき稀有な有り難い存在であると思うと同時に、
この組織に生命財産を守られていることに頼もしさを感じずにはいられません。
彼らは「国の宝」だとわたしは思います。