行くつもりをしていた方ならご存知ですが、
今日は本来なら航空観閲式の予行が行われていたはずでした。
しかし、中止になってしまったのです。
台風が来ているという予報があったので、わたしが知り合いに
「中止になることなんてあるんですか」
と聞くと、その返事は
「よほどのことがないと中止になりません」
そこでわたしはNIKOND810専用のレインコートを買って(笑)
苦行に耐える心の準備をしていたのですが、なんと防衛省の方から
なぜか直々に電話がかかって来て、中止になったと知ったのが金曜日。
やはり台風直撃が予想されるというのは「よほどのこと」だったのでしょう。
もしかしたら百里基地でファントムさんが炎上したこともちょっと
中止になった原因だったかもしれないなあなどと思ったり。
それにしても、今回のチケットを闇で買った人、泣くに泣けませんね。
来週は晴れますように。
さて、博物艦「ミッドウェイ」のハンガーデッキは、見学者がここからツァーに出発する
スタート地点として、ターミナルのようになっています。
飛行甲板、船首上甲板、各甲板、艦橋、機関室。
わたしはこの2016年の訪問で船首上甲板とCAGエリアを見学し、
今年の訪問で飛行甲板と居住区でもある第2、第3甲板を見ました。
しかし、まだ肝心の艦橋と機械室は見られないまま終わりましたので、
最低でもあと一回は行かねば全制覇できません。
いつになるかはわかりませんが、必ずみなさんにディティールを
ここでご報告することをここで一人勝手に誓いたいと思います。
さて、今日はハンガーデッキの展示をご紹介していきます。
ちゃんとした丸ごとの航空機の他には、このように操縦席だけ
切り取って、コクピットに座ることのできる展示もあります。
これは
A-7コルセアII。
ノーズを切り落として丸いドームに変え、特徴的なインテイクは
塞いでしまっているので、5年くらい前のわたしなら
これが何か特定することは不可能だったと思われます。
「ミッドウェイ」には1970年代から1985年まで、
ヴォートのFー8「クルセイダー」とともに配備されていました。
ヘリコプターH2「シースプライト」のコクピット部分。
「ミッドウェイ」など空母に搭載される汎用ヘリとしてデビューしましたが、
多目的戦闘システムを組み込むことで対潜、対地戦闘、対艦ミサイルからの防衛、
監視の他、救難、輸送、援護、訓練支援など幅広く活用されることになりました。
アメリカでは「スーパーシースプライト」を最終形として2001年に除籍になりましたが、
他国海軍ではまだまだ現役でその姿を見ることができます。
ハンガーデッキは人の往来が激しく、人が写り込まない写真はまず撮れません。
この黄色い機体を見たとたん、「テキサン」とわかってしまったのは、
Tー6 SNJ ノースアメリカン社
が歴代の戦争映画に「零戦役」で数多く出演し、それについて語ってきたからです。
空母着艦の練習をするために、着艦フックをつけたものも存在しました。
「テキサン」というあだ名は大量に作るための工場がテキサスにあったからで、
アメリカ海軍ではここの案内板にも書いてあるように「SNJ」、陸軍ではAT-6、
イギリス連邦諸国では「ハーバード」の名称で認識されていました。
静浜基地のTー6を見学した時、操縦資格のある隊員が少なくなっていくにもかかわらず、
エンジンにはオイルを入れて年に何回か稼働させ、飛べる状態を保っている、と聞いて
空自のロマンみたいなのを感じたものですが、今でもそうなのかしら。
かつて艦載機部隊として所属した航空隊のマークが入った航空魚雷も、
天井からつった状態でこのように展示してあります。
紫ジャケットの航空燃料係が立っている上にある、
「FREELANCERS」とは、VF(戦闘飛行隊)21
のニックネームです。
飛行機が三つ描かれていますが、これは撃墜マーク。
同航空隊はベトナム戦争中にMiG17を3機撃墜した、と
パイロット名が刻まれているというわけです。
白い眉毛付き目玉マークの魚雷は、
VMFP-3 (Marine Tactical Reconnaissance Squadron 3 )
つまり偵察舞台の所有です。
偵察部隊→見張り→目玉→\( ˆoˆ )/
というわかりやすいマーク。
手前こちらの魚雷のマークの部隊、
は今厚木にいる第5空母航空集団で「ロナルド・レーガン」に乗ってます。
ところで、陸自音楽隊のCDに、調子のいい出だしにかっこいい中間部を持つ
「ダムバスターズ・マーチ」というのがあって、てっきりわたしは
この航空隊の讃歌だと思っていたのですが、こちらではなく、第二次世界大戦時
ドイツのルール地方の貯水池(つまりダム)を破壊した(つまりバスター)
英国空軍第617中隊、通常ダムバスターズ
のことだったと知りました。
ダム・バスターズ・マーチ(The Dam Busters)
同盟国にあやかったのかなと思ったのですが、アメリカ海軍のは
朝鮮戦争中に北朝鮮のダムを壊した部隊という意味の「ダムバスター」です。
ぜひこの勇ましいマーチを一度聞いて見てください。
1965年といいますから、「ダムバスターズ」戦闘機隊がMiGを撃墜していた頃の
空母「ミッドウェイ」ハンガーデッキの写真。
「あなたはここにいます」というところに飾ってあります。
ハンガーデッキの床がほとんど見えないくらいの航空弾薬、
扱う水兵たちはTシャツか上半身裸で作業しています。
画面右奥には大きな扇風機が回っていますが、ベトナム湾の
「ヤンキーステーション」における艦内の気温はさぞものすごかったことと思われます。
続く。