本来ならば自衛隊記念日に伴い海自の観艦式が行われるはずでしたが、
今年はオリンピック開催の都合により、陸自の観閲式になりました。
その総合予行に行ってまいりましたのでご報告します。
どんなイベントにも全力入魂を旨とするわたしは、
当日朝も暗いうちから朝霞訓練場の第1ゲートにイス持参で並びました。
携帯で「ザ・ラストシップ」の第4シーズンを観ながら待っていると
あっという間に開門の7時となったので、最初の一団で手荷物検査を受け入場。
ちなみに観閲式には総理大臣が来臨するということで手荷物検査は
他のイベントに比べて慎重です。
手荷物検査と別にもちろん金属ゲートも潜りますし、驚いたことに
検査済みの荷物には赤いプラスチックの紐を付けられて
「会場を出るまで絶対に外さないでください」
と念を押されました。
どうですか、この誰もいないこと(笑)
わたしの同行者(イベント友達)はすでに一足先に小走りで
席を取るために行ってしまっています。
遠くから、ヘルメットをかぶった牛がご挨拶してくれているではないですか。
長野地本のキャラクターは「しんちゃん」という牛です!
キャラクターにはメスの牛もいて、こちらが「なのちゃん」なので、
二匹合わせて「しん・なの」=「信濃」というわけです。
聞いたわけではないけれど間違いないと思います。
続いて待ち構えていたのは東京地本のトウチくん。
自衛隊おそるべし。
いたるところにキャラクターを配して波状攻撃をかけてくるつもりです。
以前この中に当時の東京地本本部長(ちなみに階級は陸将補)が
入っていたとご本人から聞いてショックを受けたものですが、
まさかこんな朝早くから本部長は入っていないでしょう(と思いたい)
ところで、朝早くに行くと、誰もいないところを歩いて行くので
ずいぶん向こうの方から皆がこの!わたしだけに手を振ってくれるのですが、
こういう時って、なんかすごく気恥ずかしいというか、
近づいて行くまでのあの気まずさというかなんというか。
そんなときに便利なのがカメラです。
しかも彼らはこちらがカメラを構えるとすかさず敬礼してくれます。
(ただしトウチくんは手が短いのでパタパタするだけ)
ほら、こんな感じで待ち構えられるとさあ・・・。
ちなみに手前が新潟地本キャラクター、おにぎり(コシヒカリ)の妖精、
ヒカリン・マイさん。
奥はゆるゆるの自衛隊地本キャラの中でもなかなかよくできている、
とわたしが評価しているところの千葉三兄弟の長女未来さん。
7時に入場すると、こんなにガラガラです。
次に待ち構えてたのは千葉衛(まもる)くんだ!
と思ったらこれは衛くんではなくかけるくんでした。
陸自が衛、空自は翔でしたね。失礼しました。
ところで、後ろに展示してある装備の上にもキャラクターが!
と思ったら本物の自衛官でした。
どの装備にもフル装備の自衛官が、朝の7時から
生ける展示となって、微動だにせず座っているのです。
特に装甲車の上の人、これ皆からずっと観られているわけで、
居眠りでもしようものならリアルタイムでSNSに投稿されてしまうのは必至。
改めて自衛官って大変、と思ってしまいました。
さて、スタンドまで後一息、というところに埼玉地本のサイポン。
このサイポンの中の人、ものすごく背が高くて細身なので
サイポンのイメージが若干変わりました(笑)
さて、というわけで連れが確保した席に合流。
なんと一番上の一番端、しかも観閲台寄りではありませんか。
隣には記録班で配されている防大カメラマンがいるという席。
でかした、連れの人。
観閲台の下ではSP部隊の打ち合わせが始まっていました。
席に着いてからあらためて装備点検(わたしの場合カメラ)をし、
調整をして適当に周りのものを撮ってチェックをします。
今回はD810にオールインワン、ニコン1V2に広角レンズ、
ニコン1V3に超望遠を付けて参加です。
ニコン1専用の望遠レンズは数字では300mmまでですが、
フルサイズ換算で800mmになり、一眼レフに付けたら
バズーカ砲になるレンズ並みに被写体に寄れる(ただし画質はいまいち)
ということなので、軽いこともあって持参しました。
ニコン1望遠の試し撮りで先ほどの生ける展示自衛官を狙ってみると、
やっぱりちゃんと目を開けていました。当たり前か。
試し撮りその2。はるか向こうのスタンドの陸自女子会。
わたしの座ったスタンドの裏側は偉い人専用駐車場になっていて、
次々と三自衛隊高官の車が到着してはベタ金ベタ銀の将を降ろしていきます。
ここに、わたしはまだ絶滅していないアーミーグリーンの
従来型の制服を着た将を発見しました。
新制服の制定以来、上から順番に変わっていっていると思ったのに、
まだこれを着ている人がいたとは。
しかし今更言っても詮無いことではあるけれど、
どうしてこの色を変えてしまったかなあ(個人の感想です)
スタンド後方はるか向こうも望遠で狙ってみました。
赤い風船があるのでこれは気象班に違いありません。
今日はパラシュート降下も予定されていると聞きますが、
決行するかどうかは気象班の判断にかかっています。
コシヒカリの精(♂)ヒカリン・マモルが会場を引廻されています!
スタンド席が埋まり出した時を狙って、地本キャラを投入してきたのです。
そういえば、さっきすれ違った時に敬礼してくれたんだった。
投入といえば、地本キャラクターに比較的詳しいわたしですら
全く知らなかったネコ型自衛官が突如現れ、会場は騒然としました(嘘)
はて、神奈川地本が全面的にネコ型を採用していることは知っていたけど、
確かそれは「はまにゃん」というあまり可愛くない(失礼)ネコだった気が・・・。
「たま、だって・・・」
「そりゃまネコですし?」
「でも直球すぎません?」
とか言ってたのですが、あとで調べてみると、直球と言っても
たま=弾
であったことが判明しました。そっちのたまかよ。
性別は不明とありますが、三毛だから当然♀だと思います。
特技:ほふく前進
おお、かかとが地面に付いている!(かかとを上げると撃たれるらしい)
基礎ができてます。
しかも第4ほふく前進を行なっているぞ!ネコなのに。
たま(弾)さんは予備自衛官で、普段は会社勤めをしているそうです。
ってどこだよその会社。(猫の手も借りたい禁止)
終わって敬礼。
これを、各ポイントの芝生でやっては移動するわけですが、
中の人が(え?中の人などいない?)空気読んでいて、
心持ち動きがネコっぽいんですよこれが。
歩き方とか、こういうお辞儀とかね。ネコはお辞儀しませんけど。
しかし、この観閲式登場でたま(弾)さんファンが増えたと思います。
周りもニッコニコに和んで盛大な拍手を惜しみなく送っていました。
ちなみに今わかったのですが、はまにゃんは海自、たま(弾)は陸自、
空自のネコは「トップニャン」といって28歳、血統書
(ベンガル猫)持ちのクールでスマートなパイロットだそうです。とほほ。
会白いヘルメットの警備係が整列して入場し、自分の警備場所に着いたら
ピタッとそこに止まってスタンド側を向き、あとは微動だにしません。
少しでもスタンドから目を離さないように命を受けているのでしょう。
わたしの隣の防大くんに聞いたところ、防大の記録部隊は
いずれも写真部で、何人か会場に配置されているそうです。
スタンドの向こう側にも彼と同じ三回生らしく、
超望遠レンズのカメラを持っている防大生の姿がありました。
なんと、招待客用の座席の拭き掃除まで行なっていました。
ニコン1の望遠レンズを試していたときに向かいスタンドのさらに向こう、
第2ゲートの荷物検査のところに空自の歩哨犬とハンドラーを発見しました。
不審者やテロリストなどにも果敢に立ち向かう訓練を受けている
精悍なドイツ・シェパードですが、見ているとこのわんちゃんがもう健気。
時々こんな風に熱い視線を送り、ハンドラーが好きで好きで仕方ないんだろうな、
って感じがこんな離れていても手に取るようにわかるのです。
それに応えるようにハンドラーは犬を愛撫してやって・・・。
「人獣一体」という言葉がふと浮かびました。
この時など、どちらともなく同時に後ろを振り向きました。
同じところを見ているのがなんともいえません。
自衛隊で犬の訓練をする部隊を歩哨犬管理班と言いますが、
自衛官として本来の警備も行うそうで、側が思っているように
犬と一日一緒にいればいいというような任務ではないそうです。
振り向いたあと、犬がハンドラーにもたれかかるようにして
立っているのを見て、その可愛さに胸がキュンキュンしました。
おそらく彼らは入間基地から警備任務で派遣されているのでしょう。
歩哨犬は不審者の制圧だけでなく人命救助にも当ります。
先の北海道の震災にも入間基地始め各空自基地の歩哨犬たちは派出されました。
自衛隊のいま「航空自衛隊入間基地・警備犬班」
その頃、スタンド後方から陸海空三自衛隊の一団が行進してきました。
一番後ろを歩く自衛官は巻いた国旗を捧げ持っています。
「ああ・・・・国旗を守ってるんですね」
「旗は大事です。国旗も、軍旗も」
「ですよね!」
そのあと、わたしたちが観艦式での自衛艦旗の掲揚を巡って今回韓国がやらかした
「あの」干渉について、散々熱くなったのはいうまでもありません。
続く。