2013年観閲式、飛行部隊の展示が終わり、
続いては車両部隊の行進となります。
陸自主催の観閲式において、普通科部隊の行進と、戦車を含む
この車両部隊の行進は、観閲行進のハイライトとでも言うべき最後に行われます。
車両行進は、軽快な
「祝典ギャロップ」
に乗って始まりました。
誰が考えたか、いかにも車両行進にふさわしいスピード感あふれる選曲。
というか、陸自の「音源ページ」に載っていたくらいなので、もしかしたら
最初から車両行進用に作られたのかもしれませんね。
この曲が鳴ったとき息子が
「あ!これ知ってる」
と即座に言いました。
母親のiPodにかなり昔から入っていて、何度も聴いている曲だからですね。
というか、どんな母親だよ。
国際派遣の際先遣隊をになう中央即応連隊。
装輪装甲車、軽装甲機動車など16両でなる車両連隊です。
指揮官はアベ一等陸佐。
うーん、指揮官、渋い。苦みばしっている。
最初に行進してくるのは「国際貢献部隊」。
自衛隊の国際貢献は、主に
「復興・後方支援」
「PKO・国連平和維持活動」
「難民救援」
「国際緊急援助隊」
「海賊対処」
「遺棄化学兵器処理」
「能力構築支援」
などです。
災害に対する派遣で記憶に新しいのはハイチ地震やパキスタンの洪水でしょうか。
平和維持活動では現在も南スーダンに派遣部隊が継続して派遣中です。
偵察部隊。
ちなみに指揮官はモトヨシ二等陸佐です。
バイク軍団は、座っていた位置の関係でほとんど見えませんでした。
87式偵察警戒車「RCV/ブラックアイ」
これも偵察部隊の運用車。
装甲車の定義とは(素人はこういうところから始めるんですよ)、
つまり敵弾の飛び交う中、生身の人間の盾になり、より安全に移動をするための車両。
現在は装輪式と装軌式の2タイプが運用され、戦闘のサポート車両、
そして前線での司令車両の役割を担っています。
このブラックアイを装輪装甲車といいます。
普通科車両部隊。
主目的は兵員の移動ですが、移動中の事態に備えるための武器も装備しています。
砲塔の両側面には、発煙弾発射筒も装備しています。
ちゃんとこの写真にも写ってますね。
89式装甲車中隊。
35ミリ砲、対戦車ミサイルを備えつつも軽快に走行。
96式装輪装甲車中隊。
高軌道車中隊。
即応予備自衛官部隊。
予備自衛官とは自衛隊の予備要員で、有事・訓練等の際に召集され、自衛隊における各任務に就きます。
「即応予備自衛官」は、自衛官としての勤務経験が1年以上ある者、
又は予備自衛官に任用されたことがある者から選抜され、
第一線部隊の一員として運用し得るよう、従来からの予備自衛官よりも高い練度が要求されます。
分野は通信、衛生、情報処理、語学、建設などの分野にも亘ります。
待遇は公務員で、階級は例えば「二等海尉」のように称し、一般の自衛官と同じです。
現段階の予備自衛官は定員に対して下回る数しかおらず、
現役よりも予備役の方が多いアメリカ軍などとは大きく違います。
民主党のあの悪名高きマニフェストには、最初
「予備自衛官の拡充」
が謳われていたようですが、当然のように実際のマニフェストからは割愛されました(笑)
予備自衛官部隊。
指揮官はマツオカ予備二等陸佐。
予備自衛官の階級にはこのように「予備」がつきます。
そして予備自衛官の「宣誓」は、通常の自衛艦宣誓とは少し違います。
私は、予備自衛官たるの責務を自覚し、常に徳操を養い、心身を鍛え、
訓練招集に応じては専心訓練に励み、防衛招集、国民保護等招集及び災害招集に応じては
自衛官として責務の完遂に努めることを誓います。
予備自衛官部隊は、大型トラックなど9両からなる編成でした。
施設科大隊。
指揮官の顔が敬礼で隠れてしまいましたが、旗手の表情が凛々しいです。
スカーフはえび茶です。
陣地の構築などで戦闘部隊を支援する部隊です。
92式地雷原処理車(MCV/マインスイーパー)など、
10両編成の部隊です。
ブルーの隊旗は通信科部隊。
後ろにアンテナのついた通信車両が見えます。
指揮官は奈良二等陸佐。
無線発信監督装置など8両による部隊。
何にするのか分からないけどきっとこのブームはレーダーに違いない(笑)
化学科部隊。
マフラーの色は金茶です。
放射線物質やサリンなどの化学物質の対応と除去を行う、
化学防護車。(CRV)
地下鉄サリン事件で出動し物質の特定を行ったのもこの車です。
その他、NBC偵察車など、核(N)、生物(B)、化学(C)物質に対応する車両も。
衛生科部隊。
指揮官山田三等陸佐。
旧陸軍の軍医部です。
防衛医大とか看護学院を出た隊員がいるわけですね。
この敬礼の仕方は、陸軍というより海軍式に見えますね。
おおお、道理で見るからに頭脳明晰そうな隊長だと思った。
軍医殿でしたか。
率いているのは野外手術システムなどの車両です。
この日、これらの医療システムは展示場で公開され、全て中に立ち入って見ることが出来ました。
需品科部隊。
旧陸軍では「輜重」と称したところで、各部隊の後方支援が主な任務です。
災害派遣では入浴、給食で活躍する第一線部隊で、あの
「野外炊具1、2号、(1号改)」「入浴セット2型」もここの装備です。
「野外入浴セット」の導入のきっかけは、日航機墜落事故でした。
ボランティアである製作会社から提供を受けたところ、
隊員の維持、向上に著しい効果が認められ、装備としての導入、制式に至りました。
指揮官、サワヤ二等陸佐。
情報科部隊。
指揮官若林一等陸佐。
指揮官の雰囲気というのは、自ずとその隊の任務を彷彿とさせます。
この情報科とは英語で言うとミリタリー・インテリジェンス。
中期防衛力整備計画に基づき2010年に職種になりました。
陸上自衛隊開隊以来、職種の新設はこれが初めてだったそうです。
情報科の特技とは以下の通り。(wiki)
陸軍中野学校の流れでしたか・・・。
この車両の上についている葉っぱみたいな形のものは何?
これがもしパラボラアンテナなら、
衛星単一通信可搬装置 JMRC-C4
(えいせいたんいつつうしんかはんきょくそうち ジェイエムアールシーシーフォー)
かな?
無人偵察機などで編成されている、というアナウンスはありましたが・・・。
これは何か分かりませんでした。
各部隊はただそのときは目の前を次々通り過ぎて行くだけでしたが、
こうやって後から写真を見ると、指揮官や隊員の雰囲気に
それとわかる特色が歴然とあって、わたしのような自衛隊ファンには、
(繰り返しますがハードではなくソフトに興味があるのよ)
非常に多くの収穫がありました。
車両部隊行進、もう少し続けます。