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Channel: ネイビーブルーに恋をして
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Whole Foods Market グランドオープン〜ピッツバーグ滞在記

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先日、とても悲しいことがありました。

散歩の時にいつも使っているBOSEのウェアラブル型イヤフォンが
見つからないので、しばらく記憶を辿っていたのですが、
ふと思いついて昨日車を停めた場所に行ってみたところ、そこには


ねじ曲がったフレームと、外れたレンズの変わり果てた姿が・・・。

なぜこんなことが起こったかというと、その理由は
今のAirbnbの駐車事情にあります。

今住んでいるアパートには駐車場がついていません。
しかし近隣の住宅街は駐禁時間を除き24時間長時間駐車可能なので、
その辺をぐるっと回って空いていればそこに停めています。

駐禁期間というのは、ストリートクリーニングやゴミ収集の車が通る時間。
一度、今日は妙に空きスペースが多いなと思いつつ駐車して降りて歩き出したら
後ろからお爺さんが「フィッフィー!」とわたしを口笛で呼び止め、

「今日はストリートクリーニングだから午後まで停められないよ」

おお、親切にありがとうございます、とお礼を言って車を動かしました。



アパートはメインの通りに面していて、朝8時から夕方6時までは有料です。
ただ、料金は1時間1ドルなので、荷物を積み込むなどの用事がある時には
各ブロック備え付けの機械にお金を払って家の前に停めることにしています。


この日は、翌日にMKの荷物をUーBOXに積み込む予定だったのですが、
週末で家の前に停められなかったため、一旦住宅街に停めておいて、
通りから車が消えてから車を移動することにしました。
これが今回の事故の原因となります。

というのは、最初に住宅街に停めて車を降りた時、わたしは
いつもの癖で左の膝にサングラス型イヤフォンを乗せていたのを忘れて、
その脚を外に踏み出したときに地面に落ちたのに気づかず、
サングラスを地面に落としたまま、その場を去ったのでした。


暗がりの道でサングラスは車の横の路上に落ちた状態。

そのまま朝まで車を動かさなければ何事も起こらなかったのですが、
この日に限ってわたしは夜遅くに車を動かしました。

そしてその際自分の車で自分のサングラスを轢いたと思われます。
破損状況から推察すると、
縦列駐車させた車を出すためにバックさせたとき、後進した左の前輪で
地面にあったフレームの右側のツルだけを踏んだようです。

レンズは綺麗に外れてそのままの形で転がっていましたし、
さらに驚くことに電源を入れてみたら普通に再生できました。

人間の顔に装着することもできないくらい歪んでいるのに、
イヤフォンとしての機能は全く損なわれていないのが、悲しい。


ウェラブル型イヤフォンは、ドライブ時にもサングラスとして使うので、
わたしはこれがないと夏場生きていけないと言っても過言ではなく、
悔し涙にくれながらも、次の日ベストバイに代替品を買いに行きました。

元々、壊したサングラスは、不具合がちょうど1年おきに起こり、
その度にBOSEに丸ごと交換してもらった三代目だったので、
もう十分元を取ったと自分で自分に言い訳をしながら・・・。

しかし、新しいのを使ってみて、これは買い替えて正解だったと納得しました。
同製品は2年経って機能が進化していたのです。

例えば先代は、音量を上げるのを「ボタンを押しながら激しく右を向く」
という側から見てもイマイチな方法で行うことになっていましたが、
これだと、フレームの右側を前に向かって指で擦るだけでOKです。

フレームの材質も、前の艶消しから艶ありになって、
鼻に角部分が当たることも無くなって大変快適なものになっていました。
■ Whole Foods Marketの移転
アメリカの大型オーガニックスーパー、Whole Foods Market。
ピッツバーグ近辺にはいまだに三店舗しかありません。

長年お世話になっているピッツバーグ中心街にある店舗にある日、
大きく「8月10日移転(moving)!」と張り紙がされました。

確かにその店舗は利用者の数に対してアメリカのスーパーにしては狭く、
大型カートが(日本のカートの三倍くらいのもの)使えず、
さらに駐車場は露天だったので、移転が計画されたようです。

今までアメリカ生活を長らく経験してきましたが、
スーパーマーケットが新しくオープンするのを見るのは初めてです。

わたしたちはその日を楽しみに待ちました。


いよいよオープン初日。
新しい店舗は旧店舗のすぐ近くのビルの一階に入っています。
当日にはGoogleマップの住所検索が新店舗に変わっていてちょっとびっくり。

「イーストリバティ店、2022年開業」と書かれたエレベーターホール。



店舗には駐車場からホールを経て一階登って入っていきます。
最初なので、駐車場には案内係が配置されていました。

それにしてもこの綺麗な床、こんなものが拝めるのは、
オープン初日の午前中だけであることをわたしたちはすぐ知ることになります。

このWhole Foods Marketにはこののち約十日滞在して何度か行きましたが、
10日の間に既に床には何かをこぼしたシミができていましたし、
駐車場の柱に早くも車をぶつけた人がいたらしく、傷ができていました。



オープン日の午前中ということで、店内にはアメリカには珍しい、
関係者らしいスーツを着たビジネスパーソンの姿もちらほら。



それよりこの野菜売り場をご覧ください。
これこそ、オープン初日の午前中にしか見ることのできない、
整然と並べられたまるで宣伝画像のような美しさ。
店内で使うカートも全て新調されたもので、ピカピカでした。



お菓子売り場には、こんなローカル柄(ピッツバーグのシンボル黄色い橋)
を取り入れたデコレーションのケーキ(パイかな)があったり。
化粧品やドラッグ、洗剤などの日用品コーナーを見ていたら、
お店の人が近づいてきて、
「今日1日だけ全ての商品が25%引きになります」
と教えてくれたので、わたしはここぞとばかりに愛用している商品を
西海岸に送り、さらに日本に空輸するつもりで買い込みました。



旧店舗はアメリカのスーパーにしては面積が小さく、
Whole Foodsにしてはイートインのコーナーが元々狭かったのですが、
さらにCOVID-19の影響で、イートインコーナーを全て
オンラインデリバリーの倉庫にしてしまった関係で、
最近は外にテントを作ってイートインにしていました。

今度の店舗はテレビ画面が備え付けられたゆったりしたスペースで
買ったものを食べることができますし、外にもテーブルをたくさん設置して
季節の良い時にはアウトドアも楽しむことができるようになりました。

■ あなたの落とした斧は?

基本的にここでの食事は昼は部屋で味噌汁や納豆を使って作り、
日本にいるのと同じようなものを食べています。

市内には日本人経営の日本食料を扱うお店があって、納豆、
(日本で愛用しているのと同じメーカーのもの)
油揚げや塩麹、サバのフィレなどはそこで調達します。

先日、山芋を見つけて手に取ったら、誤って床に落としてしまいました。
それをカゴに入れて他の商品と一緒にレジに持って行くと、
レジの店主が床にぶつかって角の潰れた山芋を見て、

「これ、落としたんですか?」
その口調になぜか狼狽して、は、はあ・・と恐縮するわたし。

「すりおろしてしまったら同じですし・・」

するとご主人、じゃあ割引させてもらいます、とおっしゃるので、
慌てて、いや、落としたのはわたしですからと辞退したのですが、

「床に落としてもそのまま棚に戻す人がほとんどですよ。
でもそんなのもう売れませんから、買っていただけるのはありがたいです」
なんか、「あなたの落としたのは金の斧ですか」の童話の
正直爺さんになった気分でした。

■ 各国グルメ


日本、中でも東京ほど世界各国の美味しい食事が堪能できる都市はありません。
随分前に、日本のミシュランの星獲得店がフランスを抜いて
世界一になったというニュースには、驚きながらも
まあこれだけお店が鎬を削っていれば当然だろうと頷いたものです。

しかし、アメリカというところは、ミシュランとは無縁でも、
世界中からやってきた人たちが料理を作り、
その国出身の人たちが利用するレストランが普通にあります。

例えばこの店は、MKのアパートと大学の間にある、
フランス人経営のクレープカフェ。

もう外側からしてパリのクレープ屋さんという感じです。
ミシュランとは無縁でも、その国らしさを最大限に味わえる店が
地元の人々に愛され溶け込み、間接的にその国の魅力を伝えている、
これが多民族国家アメリカの最大の強みであり豊かな部分です。



このクレープ屋さん、注文はカウンターの窓口で行います。

この日は週末だったので外まで溢れる人が列を成していましたが、
何しろ作る人が、ガラスの奥で働いているオーナーのフランスおじさんだけ、
注文を取ってテーブルに持っていくのはマダムらしき女性だけ、
と二人っきりでキリキリまいしているので、なかなか順番が回ってきません。

しかも店主は、注文が済むまでカフェのテーブルに座ることを厳禁していて、
それを知らず待っている間にテーブルを取る客が現れると、
この忙しそうなのにわざわざガラスの後ろから出てきて、
客に向かって、「注文してから座ってください!」と注意するのです。

今あなたがそれをする?と側から見ても思うのですが。



そして出てきた食事クレープがこれ。
わたしはサーモンの入ったサラダ付きクレープを頼んでみました。
お店には人手を募集する貼り紙がしてありましたが、
この切羽詰まっている状態なのに、きっとこのお店には
応募しにくい何かがあるのかなとつい考えてしまいます。



本来は紅茶を楽しむお店にしたかったのかもしれません。

特別にティーメニューが掲げられ、使っているのは
マリアージュ・フレールの紅茶と、日本ならそれだけで人気が出そうですが、
ところがどっこい、アメリカ人って、本当に紅茶飲まないんだよなー。
お店も、せっかく人が並ぶほど流行っているのに、
店主の様子にどうにも余裕がないというか、見ていて辛いというか。

美味しいとか不味い以前に、店のこれからが案じられました。



さて、いかに日本にいろんなレストランがあると言っても、

「ポーランドのビーガン料理」
というのは流石にどこを探してもなさそうですが、ここにはあるんだ。
ポーランド人の経営するビーガンレストランが。



そもそもポーランド料理がどんなものかすらよくわからないのに、
なぜよりによってそのビーガンを食べることになったかというと、
シェフが例のMK行きつけのコーヒー専門店の常連で、
その名前と存在を知ったからです。

お店の名前はアプテカ(APTEKA)。

ポーランド語で「薬局」という意味の、よくわからんネーミングですが、
ビーガンと何か意味合い的に関係あるのかもしれません。

予約は受け付けず全てウォークイン、しかも営業が金土日のみ、
というやる気があるのかないのかわからないお店ですが、
わたしたちが行った日はほぼ満席でした。

アメリカにはこんなにポーランドの、しかもビーガン料理を食べたい人が
たくさんいるのか、とちょっと驚いたほどです。



ポーランドはドイツと近いせいか、ザワークラウトを食べますが、ロシアとも近いので、ボルシチ的なもの(バルシチ)も食べます。

最もポーランドの象徴的な料理はpierogi(ピエロギ)でしょうか。

ピエロギは西洋風餃子またはラビオリとでもいうべきダンプリングで、
中に詰めるのは基本的にほぼなんでも良いようですが、
この写真の細長いピエロギのように、パスタ的に食べることもあります。



評判のアメリカ料理(高級)にも行ってみました。
お店の名前はスポルク(Spork)。



スポルクって、どういう意味だと思います?
テーブルの右端にある、これのことです。

先割れスプーン。

アメリカには、先割れスプーン=「スプーン+フォーク」で
「スポルク」という名称で発明し、特許を取った人がいます。

日本では1950年代頃に登場し、1990年代からは幼児用、
コンビニ弁当用、また介護の場でも現在進行形で利用されています。
一時学校給食の場で先割れスプーンが盛んに用いられたことがありますが、
『箸の使い方を知らない子供が増える』
という批判の声が起きて、廃止になったそうです。

面白い(根拠のない)のとしては、先割れスプーンは、

「1940年代に敗戦後の日本を西洋化するべく
マッカーサー元帥と米軍によって発明され、
GHQの命により占領下日本の公的教育機関に導入された

という噂があります。

もちろんこれは全くの嘘で、先割れスプーンを発明したのは
マッカーサーではなかったこともわかっています。
てか、いくらなんでもマッカーサーそんな暇じゃないだろう。

驚いたのが、アメリカのレストランで初めて出てきた
「注文もしていない前菜=お通し」。

大きな盃ほどの器に注がれて出てきたこのスープは美味しくて、
これから始まるメニューへの期待を抱かせました。



TOが頼んだズッキーニの入ったカクテル。
メキシコのリュウゼツランから作ったメスカルというお酒が入っています。

ちょっと試してみましたが、変な味でした。
パークリングウォーターで割ったらちょっとマシになったようです。



最も驚かされたのが、これも頼んでいない漬物が出てきたことでした。
アメリカ風にアレンジしたものではなく、本当の漬物です。

ピクルスとたくあんとその他は古漬けの味がしました。

ここの特徴は、真空パック調理で下味をつけていることですが、
まさか本物の古漬けが出てくるとは予想していませんでした。


文句なしに美味しすぎのパン。

料理の添え物としてのありきたりのパンではなく、
立派に主食を張れるようなとてつもなく味わい深いパンです。

しょうもないパンであれば、わたしは基本グルテンフリーなので
パスするところですが、これは食べずにいられませんでした。

間違いなく、これまでアメリカで食べた最高のパンのひとつでした。


そして野菜が何を食べても美味しかったのは、
レストランの隣の畑で栽培しているからだったのです!
(左の煉瓦造りの建物がお店です)

流通経路なし、畑からお皿にダイレクト直送。

流石はアメリカ、土地が広いとこういうこともできるんですね。


続く。




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