MKの大学院卒業式に出席した後、一度帰国したのですが、
8月半ばになってもう一度アメリカに渡り、現在に至ります。
彼は卒業後、地元でインターンシップと就職もすることになりましたが、
8月に大学の寮を退去することになったので、
とりあえずその後は一緒に住みつつ、秋からの家を探す計画です。
社会に出た息子に親がここまでしてやるのもどうかという説もありますが、
彼はここでは外国人ですし、第一まだ車の免許を持っていないので、
家探しや引っ越しなど、車を持っている友達にそこまで頼るのも
流石に憚られることもあり、親の出番となったわけです。
そういうわけで、今回わたしも8月半ばまで日本にいたわけですが、
その間の暑さにはもう殆(ほとほと)身体も心も参ってしまいました。
ここ20年というもの、8月中日本にいたことがなかったこともあり、
身体が全く酷暑に順応できなかったものと思われます。
ニッポンの夏ですから、蒸し暑くて当たり前なのですが、それにしても昔は30℃を超えると今日は暑いなくらいだったのに、いつの間に熊谷でもないのに34℃が普通になったと声を大にして問いたい。
ちょうど昨日、海軍写真を提供してくださったKさんが、
「湿度52%」という画面のスクショを送ってこられたのを見て驚きました。
気温があれで湿度がこれって、もうほとんどサウナだよね。
日本はトータルで最高の国だと国民として思いますが、夏は最低です。
元々夏苦手なわたし、出発前はほとんど死んだ魚の目で生きていましたが、
こちらに来て時差ボケが解消するにつれ、調子を取り戻し、
最近はようやく西海岸の砂漠気候を楽しんでいるところです。
さて、飛行機到着後、すぐに契約していたAirbnbの部屋に向かいました。
昨今カリフォルニアは物価が高騰し、そのせいでホテルが高いので、
できるだけ良心的なAirbnbの物件を探すことにしています。
最初の部屋は、オーナーがまだAirbnbを始めてすぐということで、
まだ評価がついておらず、そのためリーズナブルなお値段で借りた
ベルモントの丘の上の素敵な一軒家でした。
2ベッド1バスルームでキッチンは独立。
とにかく清潔で全てが揃ったAirbnbでした。
下に小さな庭を望むウッドデッキのテラスで、
朝のコーヒーを楽しんだものです。
その晩はアサートンの日本風居酒屋「酔尚Dranken Monk」で食べました。
つくねは夜だけの居酒屋メニュー。
前回、家族3人でお昼を食べに行ったら、その日はたまたま父の日で、
お勘定の時にお店は「父の日おめでとう」カードを造花をくれたのですが、
同じメンバーで行ったため、ウェイトレスが覚えていてくれて、
「ウェルカムバック」と挨拶してくれました。
■ 大学寮を退出
わたしたちが到着して1週間後、寮の退出日になりました。
2年間何かとお世話になったこのドームも今日で最後です。
滞在中利用させてもらったピアノにもお礼を言ってお別れをしました。
パッキングもわたしが手をつけるまで何もしていなかったのですが、
週末だけでなんとかここまでまとめ、あとは運び出すだけ。
今回は引っ越しのために大きめの荷台を持つSUVを借り、
20分の距離に借りた次の宿泊先との間を往復する作戦です。
全部荷物を運び出しました。
このキッチンにも大変お世話になりました。
もう今頃は次の住人がここで暮らしていることでしょう。
最後に部屋で記念撮影。
2年間の学生生活を送った部屋を感慨深そうに後にしました。
部屋を出て駐車場で最後に携帯から「チェックアウト」すると、
自動的にIDは抹消され、キーとして使えなくなります。
余談ですが、最近ニュースで知ったところによると、彼が在学していた時期、同大学に在籍した日本人は学部・院合わせてたった6人だったそうです。
機械工学部卒の日本人が二人だったことは確認しましたが、
やっぱりこれはいくらなんでも少なくないでしょうか。
■ 次のAirbnbに住んでアパート探し
寮から引き揚げた引っ越し荷物を持って、
家族3人でしばらくここに住むことになりました。
マウンテンビューにある比較的新しい2ベッドルームのアパートです。
わたしは、スタンディングデスクのあるこの小さな方の寝室。
MKはここでエアベッドを敷くことになりました。
Airbnbのホストに頼んで持ってきてもらったエアベッド。
昔ボストンに住み始めた日、知人が貸してくれたエアベッドは
手動で空気を入れなくてはいけないタイプで、寝心地も悪かったのですが、
今どきのエアベッドは、空気入れなど全く必要ありません。
ベッドエンドのコンセントを繋ぎ、スイッチを入れると、
勝手に空気が入って膨らんでいくという驚異の仕組みに進化していました。
あれよあれよという間にヘッド付きのツインサイズベッドの出来上がり。
ちなみにアメリカでは日本の「シングル」が「ツイン」です。
この間料理ができないので外食ばかりになりましたが、
幸いカリフォルニアというところは美味しいレストランがたくさんあります。
まず、カストロストリートというこの辺りのレストラン街で、
良さげなラーメン屋さんを見つけたのでGO。店名が「遊玄」というあたり、日本人の経営であることは間違いないでしょう。
トッピングを追加していく方式で、普通に美味しかったです。アメリカの日本食も、わたしが住んでいた頃とは様変わりし、
本物か本物に近い、美味しいものが食べられるようになって嬉しい限り。
これもインターネットが世界を狭くした結果でしょう。
夜はMKが友達と行って美味しかったというフードトラックのタコス。
ストリートタコスというジャンルで、お店のトラックは
営業の終わった後の酒屋のパーキングで営業しています。
ストリートタコスについては、無認可の違法出店で食べたタコスの豚肉に
寄生虫がいて、脳で繁殖したという怖い話があるのですが、
とりあえずここはヒスパニック系のお客さんが詰めかけていて、
近隣では人気ということらしいので心配はしていません。
メキシコ系客にテーブルを占領されてしまったので、家で食べました。
見た目あまり美味しそうではありませんが、さすが本場?の味でした。
次の日、早速家探しにかかりました。
前もってネットで条件の合うところをピックアップしておき、
内覧できるかどうかアポイントを入れていきます。
これはその一軒め。
マウンテンビューのカリフォルニアストリートには
このような2階建ての囲み式アパートがいくつも並んでいます。
四角い中庭に入るには、オートロックの解除が必要なので、
セキュリティはそれなりですが、わたしとしてはピンときません。
理由:リノベーション後で写真では良く見えますが、なんか部屋が臭い。
交通量の多いカリフォルニアストリートに面した窓が小さくて部屋が暗い。
しかもあなた、ワンベッドルーム月2,900ドルってどう思います?
カリフォルニア、ことにシリコンバレーの物価は上がり、
今や年収800ドル以下は貧困層という位置付けです。
このしょぼいアパートも、新規入居者にはとんでもなく吹っ掛けてます。
暗い顔のわたしにMK、「だめかな?俺はいいと思うけど」
就職して最初に住む家だから多くは望まない、と考えているようですが、
親としては、もう少しちゃんとした?ところに住んでほしい。
何かあってすぐに飛んでいける距離じゃないですから。
このアパートで唯一評価できた、よそのうちの窓猫。
二つめのアパートはセルフツァーでした。
テキストで指示を受け、鍵を解除して勝手に見ることができる方式です。
比較的大きな敷地で、中には人口の日本風?池があり、
なんと「鯉の孤児院」という立札がありました。
見ると立派な錦鯉がざっと10匹以上泳いでいます。
どこからか引き取って、池を日本風に改装しているようでした。
部屋は値段の割に(2600ドル)広くて、まあまあかなという感じ。
わたしが評価したのはこの作り付けのクローゼット。
しかし、クーラーは付いておらず、(自分で取り付けるのは可とのこと)
共用のランドリーが遠いのが気になりました。
そして予定を入れていた3件目が冒頭の写真のアパートです。
Trader Joe's、コールズ、TARGET、Walmart、その他ジム、ホテル、
レストランも多数ある施設の一部となっているアパートで、
ワンルームに当たるStudioが3000ドルからという物件ですが、
車を持たなくとも買い物ができること、建物が新しく、
セキュリティ面など安心できることも多いなど、メリット多数。
唯一の懸念材料は家賃でしたが、この賃貸オフィスの人が、
今日契約したら家賃を6週間分差し引くとネゴしてきたので、
こちらも散々家族でオフィスに居座り、鳩首会談して向こうに圧をかけ、
(向こうには想定内だったかもしれませんが)結局、
最初に見たアパートよりも安くなり、納得のいく結果に落ち着きました。
それにしても、この辺の地価の高さよ・・・。
MKの現在のインターンシップの給料も、初任給も、
日本なら大手企業の部長職以上のレベルですが、547スクエアフィート(51平米、15.43坪)の部屋の賃料が日本円で月40万というこの地域では、
全体的に高給とは言えないというのが辛いところです。
さて、想像もしていませんでしたが、部屋探し1日目にして、
ホップ、ステップと部屋がグレードアップして行った結果、
ジャンプの物件であっさりと決めることになりました。
あとは、必要最低限の家具探し、そしてまたしても引っ越しです。
続く。