Quantcast
Channel: ネイビーブルーに恋をして
Viewing all articles
Browse latest Browse all 2816

護衛艦カレーナンバーワングランプリ〜カレーあきらめた

$
0
0

というわけで、「あしがら」「こんごう」の見学を終えました。
 


下艦する見学者をお見送りする乗組員。

 

ラッタルを降りながら、テントの屋根を撮ってみました。
「むらさめ」と「はるさめ」の幟が見えます。
いずれも「必勝」「VICTORY」という文字が見えますが、こういった幟は
艦対抗のスポーツ試合やコンペティションがしょっちゅう行われるため、
どこの艦も当たり前のように常備しているものらしいですね。

ところで、音楽まつりなどで活躍している「自衛太鼓」などの装備、
太鼓やユニフォーム、幟といった備品は、全て隊員のポケットマネーだと
元自衛官に聞いたことがあります。
航空祭で人気のバイクを改造した「ジュニア」シリーズの制作費もそうですし、
ジュニアシリーズで備品のほうきを加工して使ったら大問題?になったことがある、
という話もありました。

「国民の税金を使って」と何かごとに目くじらを立てる人々に配慮して、
自衛隊のこうしたグッズは全て隊員が自費で賄っているのかもしれません。

そのかわり、というのか、たとえば駐屯地まつりで自衛隊員がやっている
出店の収益などをそういった用途に回すという説もあります。



このテントの両側に各艦のカレーコーナーがあるので、
好きなカレーをよそってもらいながら通り抜けるという仕組みです。



降りてすぐのテントを後ろからこっそり撮ってみました。
記録係の自衛官が写真を撮っています。
「天霧」と漢字で書かれた(!)いなせな法被を着た自衛官が
「天霧カレー」(カレーも漢字表記)をよそっています。
右側のかなり年配の自衛官は、晴れ着の余りぎれで作ったような
豪華な法被を着て、よそったカレーの皿に「あまぎり」というシールを貼る係をしています。

多い人で8種類のカレーを食べますから、艦名が分かるように各カレーにネームをつけるのです。



大きな賄い用の寸胴は空になったようです。
でも、底に残っているカレーで一皿くらい食べられそう。
今ならちょっと味見で指つっこんでも誰も見ていないし・・・・いやいや(笑)

ちなみに「あまぎり」のカレーはビーフカレーで、
第一回グランプリで銀賞を受賞しました。

少し前に「しらゆき」のカレーレシピを紹介したのですが、
一般的に護衛艦のカレーはなんだかんだと材料を多数多種類投入します。
これは一度に大量の人数分を作るからこそできる調理なんですね。

だからこそこんな機会でもないと味わうことのできないカレーばかり。
この日のイベントへの入場者が記録的な数だったのもうなずけます。



ここは「ライス配食コーナー」。
ライスは一皿500円で、周りには4種類のカレーを入れることができる
特製のお皿に盛られて販売されています。
一人2皿注文することができ、2皿で900円。



ちゃんと専用トレイを制作した模様。
ここにお皿と飲み物をセットして運べます。
素晴らしい。
参加する人が便利なように持てる知恵を結集して考え抜かれたこのシステム。


読者のみね姉さんもこの日参戦しておられ、2皿8種類を完食したとのことですが、
多少量が多くてもできるだけたくさん味わってみたい、と考えることは皆同じ。
ほとんどの人たちが2皿コースを選択した結果、

開始後2時間半で売り切れてしまった

ということなんですね。
ここらあたりいかに知恵を振り絞っても想像が及ばなかったということのようです。

まあ、この悲劇が来年以降のグランプリにどう生かされるのか、
自衛隊ウォッチャーとしては興味深く注視して参りたいと思います。



カレーを配るテントまでたどり着いたら、その入り口にはこのように
写真入りの各艦カレーの紹介があります。
1商品(つまり一皿?)購入ごとに投票券を一枚受け取り、
自分の気に入ったカレーを一つだけ名前を書いて投票するという仕組みです。

さて、わたくしエリス中尉はこの後カレーを食べられたのか?

結論から言うと、NOでした。
「食べられた」に一票を投じて下さったM24さんには大変申し訳ないのですが。

おそらくですが、護衛艦から出てこのときすぐに並べば食べられたのだと思います。
しかし、なぜかいざとなるとどういうわけかその気にならないわたし、
「別にお腹空いてないし〜」と、ばかりにこんどは
売店の物色にかかったのでございます。

昼になってからやっと入場したときにはときすでにおすしじゃなくてカレー、
じゃなくて遅し、食べたくても食べられなかった人には、チャンスをみすみす逃して、
いったい何をしにここに来たのかと肩をつかんで問いつめられそうですが。



だってお土産やでネタ探しする方が楽しいんだもーん。

ほら、たとえばこんなTシャツなんかどうですか?

防人 俺が守る お前を守る

演歌調です。
誰が買うんだろう。



なんと、くまモンが陸自戦闘服を着ている!
うわー、くまモン陸自バージョン、欲しいなあ。 
よし、カレー作戦は撤退したからその分お土産に全力だ!

攻撃目標変更、前方二箇所の民間自衛隊グッズ売り場!

「とつにゅうう〜!」
(ぱっぱらっぱらっぱぱ〜ぱっぱらっぱらっぱぱ〜〜〜)←脳内に響く進軍喇叭





ー20分経過ー 




はあ、まいったまいった。
最後に買い物したとき、お店の人に「持てますか」って聞かれるくらい買ったわ。

それではすることもしたし見るものも見たし買うものも買ったので

撤退〜!



そこでちょうど最後尾まで歩いてきました。
ふと「今並んだら食べられるんだろうか」と思い、列最後尾に付いてみました。
ちょうどそのとき、やって来た案内の自衛官が、

「このあたりの方はお並びになっても食べられない可能性があります!」

と周囲の人々に向かってアナウンスしました。
それを聞いたとたん反射的にあきらめて歩き出すエリス中尉(笑) 



向こう側の通路にはまだあんなに人がいるというのに?



それを聞いても一か八かで並び続けている人たち。 
この人たち、食べられたかなあ・・。



そしてこの写真を撮り終わった直後。
この後ろに並んでいる人々に向かって、案内員が

「カレーは終了しました!」

と初めて宣言しました。
それでも不思議なことに人々は列を崩さず、次々と並び続けています。
もう一度

「今から並んでもカレーを食べることはできません!」

とアナウンスがありましたが、その隊員に向かってじいちゃんが

「そんなこと言わないで食べさせてよ〜せっかく来たんだから」

と文字通り食い下がっていました。
じいちゃん、そんなこと整理係の隊員に言っても無理だよ。

とにかくこれを聞いても皆全くあきらめようとしないのです。

日頃あきらめが良すぎるわたしにはどうも理解しかねる現象でしたが、
さすがは日本人、カレーが無くなったと聞いても怒りだしたりするでもなく、
どこかの国なら暴動になっていそうなこの状況でも皆楽しげに並んでいます。

なぜ並ぶ(笑)



そのまま手荷物検査場までやってきました。
この辺りにはまだカレー終了のお知らせは届いていません。
ちょうどお昼にカレーを食べることになるので間に合った、とばかりに
先を急ぐおじさん、御愁傷様です。



手荷物検査場の横は球技グラウンドになっていました。
朝わたしがここを通ったとき、サッカーをやっている隊員たちがいましたが、
あとから聞いた話によると某艦の副長もいたそうです。

グラウンドの奥に巨大な石碑があり、

「英魂照海正気集」

とあります。
揮毫したのは

横須賀地方総監 海将 北村謙一 

だそうです。
北村海将が地方総監を務めたのは1970年から72年までの間。
まだこのころは自衛隊にも海軍出身者がいて、北村海将は64期ですが、
好奇心から64期のハンモックナンバーを調べたところ、
北村という生徒はおらず、その代わり「吉本謙一」なる生徒が三番にいました。

「英魂照海〜」の出所は調べても分からなかったのですが、

「優れた気で海を照らし、正しく気を養う者たち」

つまりそれこそ海上自衛隊、っていう意味じゃないかと思います。
適当ですけど。
どなたかこの言葉の原典をご存知でしたら教えて下さい。



振り返ってみましたが、まだ列は全く崩れていません。
デートでやって来た二人は

「どうする?」
「でもカレー無いって・・・」

相談中。
まあ、ここまで来たんだから護衛艦の中でも見ていけばどうですか?



カレーを食べ終わった人はこの左側から出て来ていました。
何があったのか見るために通ってみれば良かったかな。

この右手の自衛官は1佐。

『2佐から1佐への昇進の壁は厚い』

と以前書いたことがあるのですが、1佐になれるのは防大でも同期の45%です。
「2佐」というと艦長職のイメージが強いですが、1佐は隊司令や大きな艦の艦長など。

陽焼けしているし、この日集結したどこかの艦の艦長だと勝手に決めつけてみる。



艦長「もうあの辺の人たちはカレー食べられないみたいですよ〜」
相手「この人出・・・今年は何があったんでしょうなあ」
艦長「艦これ」(ぼそっ)
相手「えっ」
艦長「えっ」

(想像です)



というわけで門のところまで戻ってきました。
この錨ですが、係船浮標(ブイ)用のもので、

「四瓲(トン) 昭和十三、一」

と本体に表記されています。
係船浮標とはこのようなもので、

(wiki)

船舶が停泊するために設けられる繋留施設のことで、
これに鎖やロープなどをかけることで船舶を固定させます。
この方式での停泊を「浮標係留」といい、この錨はそのためのものです。
普通の錨と違ってねじれているのはそのためのものだからですね。

ちなみに船舶が錨を用いて船舶を固定することを「錨泊」と呼びます。

 

なぜたかが、といっては何ですが、浮標のための錨が飾られているのか、
由来は全く分かりませんでした。

どなたがご存知の方がいたら(略)



横須賀地方隊が開隊60周年記念のときに行われた植樹。
植樹したのは当時の横須賀市長と総監部のトップであった
三木伸介海将補・・・・・ん?

わたしこの方存じ上げてまーす。
ちゃんと名刺も頂いております。
「ふゆづき」のパーティでおじさんたちにけしかけられ一緒に写真を撮り、

「わたしは潜水艦に乗っていたんですよ」

とちょっとだけお話もお聞きしたんだったわ。
全く世間は狭い。
というよりわたしがその狭い世界に首突っ込んでるだけなんですけど。



錨の前で記念写真を撮っている姉妹。
手前の子は、「かいじょうじえいたい」の紙の帽子に、
わたしももらった護衛艦うちわを手にしてご機嫌です。

ちゃんとカレーは食べられたかな?



門を出ます。



しかし、中に入ろうとしている人の列はまだまだ、まだまだ長く伸びています。
誘導の係員もいるのに、どうして「カレーは無くなった」って教えないんだろう・・。



基地を出たところに停まっていた車。
フロントガラスのところに何か書いてあるので見ると



横須賀市の公用車のようです。
しかしなぜ英語なのか。
これに乗って来たのはおそらく日本人ではないと思うのだけど、
米軍軍人なら海自が迎えにいくような気がするのですが・・・。




ヴェルニー公園の端からは、カレーをあきらめた人、知らずにたまたま来た人が、
ここから護衛艦の写真を撮ったり、基地内の人の多さに驚いたりしていました。


(続く)

 






 


 


Viewing all articles
Browse latest Browse all 2816

Trending Articles