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鹿屋航空基地〜海自の「鳥たち」

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T-34 練習機 メンター

変な名前だな、と思われた方。
メンターは英語のMentor。

ホメロスの抒情詩「オデュッセイア」の登場人物です。



メントール(右)。

早い話、スターウォーズで言えば、
アナキンスカイウォーカーとヨーダの関係。
メントールはオデュッセイアの父であった王の
僚友であり、息子のオディッセイアの

「良き指導者、理解者、支援者」

であることから、mentorは英語で「指導者」という意味。
初等練習機であることからこの名が与えられました。

単発レシプロ機で、戦後のパイロット教育の原点ともいえる機です。
空自のメンターは「はつかぜ」という愛称が付けられています。

富士重工がこの機をライセンス生産していましたが、
後にこれを改造したLM-1「はるかぜ」を陸自のため製作。



ウィキペディアより。

LMのLは「連絡」( liaisonか、連絡のレ)、
MはまさにメンターのMです。

さらに、これを改造したのが



KM-2 練習機 「こまどり」

また鳥か。
KMのMはこれもメンターのMなんですが、
このK。

「改造《KAIZOU》のK」

だというのです。
うーん、やっぱりLMのLは《LENRAKU》かな。

海自は練習機をT-5に変更していきましたから、
1998年にはこの「こまどり」は用途廃止になりました。

このころまでにパイロットになった海上自衛隊の隊員は、
皆、この「指導者」に最初はお世話になったということでしょうか。




S2F‐1 対潜哨戒機 「あおたか」

アメリカ名は「Tracker」。
「追いかける人」みたいな感じですかね。

日本ではおなじみ鳥類シリーズで「あおたか」。

はて、アオタカなんて鳥いたっけ?
と思って辞書を引くと「蒼鷹」。
さらに聞いたことがない。
英語で言うとgoshawk。
これをもう一度日本語に翻訳すると・・・

おおたか。    ///ORZ///

なるほど、「おおたか」はミサイル艇に取られたからですね。
ちなみに海自の飛行機(ヘリ含む)の「鳥シリーズ」ですが、

うみつばめ
ちどり
らいちょう
しらさぎ
はつかり
ひばり
かりがね
べにばと
まなづる
うみばと
こまどり
おおわし

退役したものも入れてこれだけです。
決して二文字の鳥名は使わないんですね。
(ちなみにこのウィキのページは『おおわし』を
『おおたか』と間違えています)

がん=かりがね
つる=まなづる

といった風に。
確かに自衛隊の飛行機ですから、鳥と言っても

すずめ
がちょう
あほうどり
わらいかわせみ

などというのは何となくしまりがないですからね。

飛行機として最もかっこいい鳥の名前であった

はやぶさ

はもういろんなものに使われてしまったし。
ただ、また別の日にお話しするつもりの



この水上艇救難機、US-1Aなんて、言わせてもらえば
形といい、水上に着水する様子といい、どうみても

「ぺりかん」

なんですが・・・・。
この新明和工業製作の一連の飛行艇にはすべて
愛称が付けられていません。
かすかに「名称としてのこだわり」が見えるのは
このUS-1の前身であった

「PS-1改」

で、これもやはり「改造」の改ですが、大戦中新明和の前身であった
川西航空機の製作だけに名機「紫電改」を彷彿とさせます。



さて、この「あおたか」ですが、アメリカから新造機を供与され、
日本の会社がそれをライセンス生産することもなく、
使用が終わったときにはそのほとんどを返還しています。

ここにある「あおたか」はアメリカに帰らなかった貴重な一機。


この機がアメリカから海上自衛隊に供与されるとき、
自衛隊内にこんな話がありました。

受け取りのために海自のパイロットがアメリカまで赴き、
使用法の説明とともに操縦訓練を受けることになったのです。

このS-2はもともとアメリカでは空母艦載機ですから、
主翼を折りたたむこともできます。
そのために装備を小さな機に詰め込みすぎていて、
パイロットには居住性が悪いと非常に不評でした。

アメリカ人よりは日本人は小さいので、
その点はマシだったかもしれません。

とにかく、受け取りに赴いたパイロットたちは、そこで
訓練の一環として母艦の離発艦訓練も受けることになりました。

日本が空母を持っていないことは米軍も百も承知ですが、
もしかしたらこの機のパイロット訓練マニュアルがそうなっていたので、
あらたにマニュアルを組みなおすのも面倒だからやらせよう、
まあ、彼らにもいい思い出になるし、ってことだったのかもしれません。

しかし、海自の隊員の間ではまことしやかにこんな噂が立ちました。



「S-2と共に空母が供与されるらしい」


S-2のおまけに空母。
さすがあアメリカさん、超太っ腹だ!

・・・・・・・って、それはないわ。




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