ボストンに到着して早くも2週間が過ぎ去りました。
いつもいつも来たと思ったらあっという間に帰る日が来て、
さらに帰国したと思ったらあっという間に次の年が来て・・。
つまり月日の経つのがこのアメリカ滞在によって
さらに早く感じているのではないだろうかと思う今日この頃。
息子のサマーキャンプも最初の週が終わり、
次のキャンプを控えてホテルを移りました。
キャンプを行う学校はボストンの東部にあるウェルズリーで、
ホテルは車で20分くらい離れたウォルサムという町にしました。
キッチン付きのホテルというのは、アメリカでもありそうでなかなかないため、
場所とホテルの種類も限られてきます。
今年はハイアットハウスという、ハイアットリージェンシーのコンドを
初めて利用してみることにしました。
本家のハイアットと比べると長期滞在客をターゲットにしているので
宿泊料もかなり安めです。
部屋は二つのコンパートメントに分かれており、このソファは
シートを取って下部を引き出せばベッドになるというもの。
メインの寝室には大きなキングサイズのベッドがありますが、
息子が大きくなってからはソファベッドを使っています。
日本の宿泊施設ではまず望めないこの広いキッチン付き。
下手したら分譲マンションのキッチンより広かったりして。
レイアウトも大変使いやすく、使いやすいキッチン。
手前のカウンターテーブルは
息子が勉強&パソコン机に使うことにしました。
アメリカのホテルは程度の違いこそあれ、モーテルでなければ
朝食がついてくることが多いです。
ここは、アメリカ式のバッフェ式朝食と、
月曜から金曜日までの毎夕、ちょっとした食事が出されます。
チキンブリトーとか、ピザとかをメインに、スープとサラダ。
どうしてもその日のメニューがいやなら部屋でご飯も炊けますし、
オーガニックスーパーで材料を買ってくれば味噌汁でも何でも作れます。
というわけで、食生活に困ったことはまずありません。
この写真は最初の朝、学校に行く前に朝ごはんを食べているところ。
向こうのテーブルに座っている母親と二人の女の子ですが、
ティーンエイジャーの長女はすらりと背が高く素晴らしいスタイル。
思わず見とれてしまうくらいなのに、お母さんは典型的な
アメリカの中年体型で、前から見ると顎もないくらい太ってしまっています。
でも、よく見ると二人はそっくりで、つまり30年くらい前は
お母さんもこのスタイル抜群の娘みたいだったのだなあと・・。
逆にいうと、この娘30年たてばこうなってしまうのか、と思われます。
ああ諸行無常。
なんともやるせない「ビフォーアフター」です。
アメリカ人ってある年齢から極端に太ってしまうんですよね。
まあ、食生活が食生活ですから、逆に言うとあんなものを毎日食べていて、
この娘さんのようなナイスバディを(瞬間とはいえ)
キープできるというのもすごいなあとも思ったりするのですが。
ラウンジの壁にあった飾り皿。
さて、今日は来週から始まるキャンプを前に、
オリエンテーションが行われるのでそれに参加します。
ホテルの周りは企業が多く、ホテルも乱立といった感じで立っています。
I−95というフリーウェイは文字通りフリー、無料です。
5車線ある広大な高速道路ですが、午後にはよく混んでいます。
高速脇に池があるので、このあたりにはガチョウが住んでいて、
よりによって朝の通勤ラッシュの時間、団体で道路を横切ったりします。
アメリカでは都市部でない限り結構よく見る光景ですが、
リスやタヌキが轢かれているのはよく見ても、
ガチョウが轢かれているのはいままで見たことがありません。
皆ガチョウの行進の時にはおとなしく通り過ぎるのを待つのです。
おそらく、故意に轢けば犯罪として罰せられる州法もあると思います。
かくいうわたしは今までリスが飛び出してきてブレーキを踏んだことが
2回ありますが、なぜか同じ日の20分違いの出来事でした。
冒頭写真は今回のキャンプ会場、ウェルズリーカレッジ。
この名前に皆さん、覚えはありませんか?
そう、あの蒋介石夫人、宋美齢が留学した大学ですね。
東部セブンシスターズといわれる女子大学の名門の一つで、
このシスターズがいずれも1800年代に創立されているように
ウェルズリーも創立は1875年。
いまだに合格率28パーセントの難関大学でもあります。
ちなみに全米最難関といわれているのはバーナード・カレッジで、
コロンビア大学と提携しています。
「ある愛の詩」で、主人公のハーバード大学の学生の恋人は
ラドクリフ卒でしたが、これもセブンシスターズの一つです。
息子には将来も全く関係のない大学ではありますが、
今回興味のある内容を備えたキャンプがたまたまここにあったので、
去年までのキャンプを1週間で切り上げて、こちらに
3週間参加することに決めました。
以前の学校からはボストンに向かって20分ほど戻ったところにあります。
なんといっても、この町はわたしの行きつけのブティックが
2軒もあり、滞在期間必ず立ち寄っていただけに嬉しい(笑)
歴史の古い町なので、町全体が「東部アメリカ」の矜持を感じさせるような
一種いかめしい雰囲気を持っています。
わたしはこういうのが好きですが、息子は西海岸の自由な雰囲気が好きで
こういうところは
「辛気臭くて好きじゃない」
そうです。
この石造りの立派な建物は、大学わきにある消防署。
左に回れば消防車の車庫があります。
昔の設備をそのまま使っているので、消防車はぎりぎりの大きさで、
ここの「ファイアーファイター」は、まずこの車庫に消防車を
こすらずにいれることが試練の第一歩ではないかと思います。
構内に入りました。
このロータリーに車を走らせ、子供をドロップオフ、
ピックアップします。
オリエンテーションの日は、いたるところでスタッフが待ち構えていて、
いちいち大げさな挨拶に始まり、握手をして、
手続きが行われる建物を案内します。
どこまで続いているのか、広大な緑のキャンパス。
どうも向こうの方には湖もある模様。
ホールには、貢献のあった卒業生の写真が掲げられていました。
1930ごろ卒業した日本女性の、着物姿の写真があり、
日本人として感動しました。
キャンプ期間中胸に下げるIDの写真を撮ってもらう息子。
当キャンプのイメージカラーはオレンジと紫のようです。
インターネットでメディカルレポートも送ったはずなのに、
なぜか「スクールナースに話を聞いてください」と
隣の部屋に行かされました。
「アレルギーがあるということだけど、どうやって日ごろ避けてます?」
みたいな当たり前の質問をされたので息子は
「食べない」
と当然の答えをしています。
それから、コンピュータをぱこぱこと叩いて、
「昨年、DPTの予防接種受けました?」
受けていない、というと、
「当キャンプは世界中から参加者がいるのですが、
それぞれの国の予防注射の規定と、マサチューセッツのは
少し違っていることもあります。
それでいうと、これは受けていないといけないのですが」
えー、今更そんなこと言われても。
「ここに、万が一のことがあったら責任を負う、
という文言を書いてサインしたらそれでいいですよ」
万が一って何かしら。
まあ、それでキャンプに参加させてもらえるのはわかった。
しかし、英語で教育を受けていないものの悲しさ、
こういうときに何をどう書けばいいのかわかりません。
「あの、何て書いていいのかわからないので書いてもらえます?
サインだけしますから」
白紙にまずサインをしてナースに渡すと、息子が情けなさそうに
「文章書く前にサインすんなよ・・・」
情けない母親でごめんよ息子。
でも、わたしの英語力でこれは無理だわ。
なんとかスクールナースから解放され、外に出ました。
このキャンプはウェルズリーの施設を利用して、オーバーナイト、
あるいは9時半終了のコースもあるのです。
9時半まで何しているんだろう・・・。
テーブルに、それらのコースへの短期参加に必要な
申込用紙が備えてあり、皆取っています。
オレンジのテーブルではスナックやフルーツが振る舞われていました。
小袋に入ったポテトチップスやクッキーなどです。
そして、この円形劇場のようなところで待機。
親はここで説明を聞くようです。
その間、息子は泳力テストを受けに行きました。
日陰に人が集まり、説明開始。
東部の学校なので、西海岸と違って圧倒的に
コケイジャン、白人の家庭が多いです。
西海岸ではうじゃうじゃいる中国人も、さすがにここにはあまり来ていません。
キャンプではどのようなことをやるかとか、ピックアップの方法とか、
だいたいそんな説明でした。
週末も希望すればトリップに参加することもできます。
ニューヨークに一泊して「オペラ座の怪人」を観る、というプランだそうです。
また、独立記念日の前夜には花火も行う、ということで、
息子に「行きたい?」と聞いてみたところ、
「別にいいや。俺アメリカ人じゃないし、どうせしょぼい花火でしょ」
しょぼいって・・。
まあ、世界一と言われる花火大会に毎年参加している我々としてはね。
っていうかそういう問題じゃないんですけど。
説明は早々に終わりましたが、そのあと「質問タイム」になりました。
皆さんにもお見せしたかった。
アメリカの親というのが、こういうときいかに張り切るか。
些細なことでも聞かずにいられないのか、もらった書類に書いてあることも
わざわざ手を挙げて聴く聴く。
一人の人が何回も手を挙げて、しかも手を挙げる人が一向に減りません。
せっかくの機会にできるだけ聴かないと損!という感じでしょうか。
こういうのを見ても、日本人とは違うなあと思います。
これだけ抑えていれば情報としては十分だと思われるのですが・・。
なんと、みんなと朝ごはんを食べるコースもあるようです。
子供のためというより、忙しい親のためにあるコースですね。
さあ、ここで息子はどんなキャンプ生活を送るでしょうか。
初日にピックアップした時、どうだった、と聞くと
「面白かった」
それだけ?ほかには?
「ご飯がおいしかった」
それは・・・・よかったね。