本エントリジャンルを「テーマパーク」にしていいものかどうか、
少し考えましたが、このジャンル欄はgooブログ付属のもので
自分でタイトルを作れるカテゴリーと違って、たとえば
「海軍」「歴史」「自衛隊」「飛行家」
など、当ブログの中核を占めるジャンルに相当する分野がないのです。
(そのわりに『韓流』というジャンルには聞いたこともない
韓流スターとやらの名前はずらずらとあり、一体誰得だろうかと略)
さて、この日朝霞駐屯地に知り合いとなったK1佐を訪ねていき、
1佐自らの案内でちょっとした駐屯地内ツァーをしてもらいました。
基地内をわたしの運転する車で走っていると、2人の自衛隊員が
道を歩いていました。
「女性自衛官です」
2人とも髪を短くし着帽していたので言われるまで女性とは気づきませんでした。
朝霞駐屯地には女性自衛官教育隊があるのです。
女性の自衛官候補生(ライジング・サンのあれですね)、一般曹候補生、
陸曹候補生(陸自の曹昇任予定者)の教育を行う期間で、
ここでは前期教育だけが行われます。
昔は「婦人自衛官教育隊」という名称だったそうですが、
2003年(平成5年)から「女性自衛官教育隊」となったのです。
ライジング・サンでは、ストーリーの都合上、自候生のなかに
女性が2人いて一緒に訓練をするという設定になっていますが、
これは実際にはありえませんので念のため。
ただし、女性教育隊の隊長は女性とは限りませんし、
指導するのが男性自衛官というのはあるようです。
昨夜、たまたまテレビを付けたらディズニーチャンネルで
歌手のマイリー・サイラスが新兵を演じている映画をやっていました。
上官がすなわち恋のライバルともなるという青春もので、
上官に対しては
「Yes,Mom,yes!」
と鬼軍曹に対する返事のSir.を変えた返事をしていたり、
素敵な男性教官に2人で張り合ってアピールしたりと、
時間があったら最後まで観たいくらいだったのですが、
我が自衛隊の女性教育隊でもそんな話
(素敵な男性自衛官をめぐって恋の鞘当て笑みたいな)
ってあるのかな・・・・なんて不謹慎?
さて、わたしたちは広報館、通称りっくんランドに入館します。
勿論無料です。
これについては、あの悪名高いレンホーが事業仕分けの際、
あきらかにディズニーランドを指して
「家族4人で行ったら数万円を超えてもリピーターが後を絶たない」
といって、有料化しようとしたという事件がありましたね。
入ってすぐにある体験型装備展示。
右から防弾用の鉄板の入ったチョッキ、
携行荷物を詰めたバックパック(っていうのかな)、
一番左は・・・・・忘れましたorz
「実際に背負って見て下さい」
勧められて真ん中の背嚢を背負ってみました。
いや、わたしではありません。TOが、です(笑)
TOは決して体の厚みがないわけではなく、
むしろ最近とみに幅が増してきている(特に胴回り)のを
気にしているほどなのですが、そのTOが華奢に見えるくらいです。
それだけこの荷物に厚みがあるということですね。
一番右は「防弾チョッキ2型」という制式名称で、
見た目は普通のチョッキですが、背中と胸に防弾用の
鉄板が入っているため、重さは12キロになります。
イラクではこんなものを着て動き回らなければならなかったなんて、
本当に自衛隊員たちの活動には頭が下がる思いです。
自衛隊の資料館なのに、岩石を模した展示スペースに、
どれも実際に身につけることの出来る装備。
こんなものを背負ってばれないように持ち出すことは出来ないでしょうし
だいたい重いので、まさか持って帰る人はいないでしょうが
盗難防止用にどれも鎖でつないであります。
緩衝剤のようなシートを敷いて、傷つかないようにしている心配りも。
鉄板入り防弾チョッキをガンガン置いたら、本物の岩じゃないので
こっちが割れてしまうからですねわかります。
・・・・ん?それとも装備が傷まないように?
ヘルメットも靴も、イラク用と航空用が並んで展示されています。
右側のベージュの方が砂漠仕様ですが、靴の中に
砂が入り難いように、靴のタン(ベロ)部分に工夫があります。
左は航空靴なのですが、普通の仕様とは少し違います。
その自衛官人生のほとんどを航空靴を履いて歩んできた?
K1佐がまず砂漠用を取り上げて後ろを見せます。
「こちらは普通の仕様ですが、航空靴には
後ろにファスナーが付いているんです。
これは何のためかというと・・・・・・」
はいっ、わたしわかりました!
万が一飛行機が海に不時着した時、
海中でも靴が脱げるようにですね?
空挺レンジャーの基礎訓練でプールにフル装備で飛び込み、
水中で靴を脱ぐ訓練をしていましたが、
ああいうとき靴が脱げないとそれだけで溺れてしまうのです。
軽くおっしゃっていましたが、わたしは
「海に落ちる可能性」
を考えて作られている装備、というものに対して
今更軽いショックを覚えました。
やはり自衛隊というのは常人の住む世界とは考え方が
根本から違っていることをあらためて知らされたというか。
2000ポンド爆弾が展示されています。
詳しい説明がなかったのですが、これは不発処理した爆弾でしょうか。
この爆弾の後ろには、
我々は果たします
地域社会への貢献
我々の組織、設備、力を生かして国民生活の安定に
寄与するため、いろいろな活動を行っています。
と書かれたパネルに、緊急患者の空輸、部外工事への出動、
雪まつりの雪像作りなどの自衛隊の写真があります。
部外工事については今まで自衛隊が手がけ、
施設大隊が出動した各工事が地図で示されています。
これによると、
蔵王エコーライン
桜島避難道路
九州横断道路
幻の道路(小泊〜竜飛線)
白馬村クロスカントリー競技場
名寄ピヤシリスキー場
が自衛隊の受け持った大きな部外工事です。
これらは大きな事業になりますが、
それほど大規模ではない工事もしょっちゅう手がけており、
この朝霞駐屯地周辺で行った部外工事は
和光市、朝霞市の中学校4校
和光市庁舎建設予定地
新座市総合運動公園
などだそうです。
あまり意識したことはありませんでしたが、学校や
公的施設の建設に自衛隊が出動していたんですね。
「子供達の学校を作るのに血に飢えた軍隊である自衛隊が
工事を行うことはどうたらこうたら」
と騒ぐ国籍の怪しい市民団体が今なら湧きそうですが、
この頃(昭和42年〜昭和50年)にはこういうことに対しては
目こぼしというか全くスルーしていたんですね。
学生運動真っ盛りの頃で、今集団的自衛権のデモを組織したり、
何が何でも反対意見からしか報道しないマスコミの現在のトップが
当時は学生だったわけです。
きっと、その頃火炎瓶を投げたり篭城するのに忙しかったのでしょう。
「国民のための活動」
のなかには勿論のこと、不発弾処理なども含まれるわけで、
当朝霞駐屯地には、東部方面隊後方支援下に隷属する
不発弾処理隊である
第102不発弾処理隊
があり、記憶に新しいところでは2013年、品川の住宅街で
住民1150人を非難させての不発弾処理に出動しています。
これを報じるマスコミの論調が相変わらず「旧軍非難」
「戦争をした日本非難」に終始し、処理部隊については
何のねぎらいも心配も見せないという、屑っぷりでしたが、
処理隊が不発弾処理を行った場合の特殊勤務手当は、
出動1回につき5,200円と定められており、この危険な作業が
ほとんど「給料の範囲内」で行われていることを示しています。
しかもこの5,200円というのは「危険だった場合」に限られ、
危険性の低いものについては1時間当たり110円となっています。
つまり、「これは絶対に爆発するようなものではない」と
判断される不発弾の場合は、時給110円で終わるわけです。
ベースの給料というものを全く控除して語っているとはいえ、
ワ●ミでも時給930円の時代に、これはないのではないでしょうか。
先日、非常に不愉快な写真を見ました。
訓練を終え、街中を歩く迷彩の自衛隊員達の列に、
自衛隊に対するありとあらゆる讒言非難の類いを書いた
プラカードを突きつけ、叫ぶ「市民」団体。
写真の、迷彩のフェイスペイントを施した隊員は、
眼差しをまっすぐ前に向け、無表情でしたが、
自分の母親のような中年女性に、面と向かって悪意を向けられ、
内心どんな思いをしているかを考えると胸が痛みました。
あいつらは(もうあいつら呼ばわりでいいよね)、自衛隊が
何をされても決して反撃しないことを知っているから
ああやって安心してやりたい放題なのです。
岩国や沖縄の基地で米軍軍人個人に嫌がらせしている輩も、
それを絶対に禁じられている相手だから嵩にかかっているのです。
相手が人民解放軍や韓国軍の兵士でも同じことができるのでしょうか。
そもそもこの、自衛隊が国民を脅かす!といって嫌がらせしている連中は、
実際に日本を脅かしている中国や朝鮮半島はどうでもいいのでしょうか。
この、「反撃できないからやりたい放題」という構図が、
そのまま日本とこれらの周辺国を表わしているではありませんか。
つまりこの市民団体は、周辺国ないし周辺国民ととメンタルが
(もしかしたら血統も)同じ人たちということです。
爆弾処理や災害派遣でもしかしたら自分たちの命が救われていた、
あるいは将来救われる可能性もあるのに、その自衛隊に対して
ここまで自分たちの主義主張のために、傲慢で理のない振る舞いをするからには、
災害時に一家揃って救出されることを拒否するくらいの覚悟はあるんでしょうね?
さて、このりっくんランド、レンホー仕分けで有料にすることが決められ、
そのことが報道されると、それが宣伝になって見学者が激増しました。
しかしこれは同時に「駆け込み見学」の賑わいでもあったわけで、
実際に実験的に有料化されると、そののち案の定入場者はがた減りし、
実験期間の終了を待たずして元の無料に戻したという経緯でした。
この蓮舫来訪(漫才コンビみたい)のときの自衛隊内の「空気」について、
K1佐からご本人の感想でもあるところの発言を聞いたのですが、
もう少し後のお楽しみとさせていただきましょう。
しかし、あの一連の仕分けパフォーマンスで、蓮舫という議員は
民主党悪政の象徴(のひとつ。あまり多すぎて・・・)として
レジェンドとなりましたね。
だいたい商業テーマパークと自衛隊広報館を同列で語った時点で、
小賢しいだけで実の無い、おつむの内容を披瀝したようなものですよ。
・・・といいながら、当ブログもこのエントリのジャンルを
「テーマパーク」にしてるじゃないか、と言われてしまいそうですけど。
続く。