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Channel: ネイビーブルーに恋をして
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ウェルズリー大学の「ノバリケン」〜東部アメリカの生き物

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「あるくうた」でもお話ししたように、アメリカでは
地域の観光を兼ねて毎日あちらこちらを歩いています。

息子からかねてから

「学校に大きな池があってそこを皆走ったりしてるよ」

と聞いていたので、TOが来たとき、息子のキャンプが行われている
ウェルズリー大学の構内を探検がてら歩いてみることにしました。



夏休みであるせいで構内には人影はありません。
1870年代にできたカレッジなので、構内の建物は
どれも歴史を感じるものばかり。
先日見学したTOの母校と違うところは、郊外にあるので
キャンパスそのものが広大な自然であることです。



広々とした緑地に通路がありますが、ランプのデザインもお洒落。
この同じデザインのランプが学校の外の道にも設置されています。



息子はこの奥の校舎でキャンプをしているはず。

週ごとに自分がメインでやりたいコースを決められるほか、
体験的なイベントも数多くあります。
息子はフェンシングや手品、音楽(ドラム)を選択していました。
手品は、ただネタを習うのではなく、心理学の授業もあるそうです。
「魔法」なんていうのも探せばありそうだなあ。



どうもこのタワーが学校のメインタワーというか時計台?
もしかしたら教会かもしれません。



階段を上がっていくと教会の内部に入っていけますが、
このときも緑のドアは開いていました。

「いつでも入っていって懺悔できそうだね」



残念ながらわたしたちには学内の建物について何の知識もありません。
いずれにせよ100年以上経っているものばかりで、
しかも今現在も現役で使い続けています。



ボストンは何処に行っても百合が咲いているのですが、
野生のものではなく、かつて植えた球根が増殖しているものが多いです。
ところでここに立っている杭ですが、



この文言、日本でも町のあちこちで見ますね。
これはどこの宗教団体のものなのでしょう?



ステンドグラスのように見えますが、材質がどうも薄い石のようです。

さらに歩いていくと、池のほとりに着きました。



グースが草をついばみに上陸してきています。
と、そのとき・・・。



変わった鳥が変わった泳ぎ方をしながらまっすぐ
岸に向かっています。
首を激しく前後にこぐように振り、ピントが合いません(笑)



岸に上がりました。
やはり激しく首を振っています。
なんだなんだ。



なにをそんなに急いで岸に上がる必要があるのだろう、
と二人で立ち止まってみていたら・・・



陸に上がっても激しく首を振りながら近づいてきます。

「こっち来たよ〜!」
「なにこれこわい」



この鳥さんの威嚇のポーズなんですね。
しかし、こんな鳥を見るのは初めてです。
どの程度の攻撃力を持っているかは知りませんが、
とにかく我々を水上から見とがめ、わざわざ上陸して
追っ払おうとしているらしいことはわかりました。



わたしではなくTOに向かっていきます。
赤い靴ひもが目立ったからかもしれません。



突入直前に立ち止まってこちらを確認。
なんでやねん。



こちらをにらんでいるので初めて顔のアップが撮れました。
顔の部分が全部トサカ状です。
こわいよ君の顔こわいよ。

彼はそのままTOの靴に向かって直進し、
靴をつつきました。

「靴つつかれた〜」
「痛かった?」
「全然」



顔は怖いけどあまり攻撃力はないとみた。
でもこんなのに向かって来られたら大抵の動物は怯えるよね。
子供なら泣いちゃうかも。

このあと彼はTOの靴に2度目の攻撃を加え、




鼻息も荒く引きあげて・・・・
と思ったら、今度はわたし?わたしなの?

「やだー」

脚を振り上げると



ふんっ!今日はこのくらいにしといたるわ!

とばかりに池に戻っていきます。
なんだったんだ・・・・。



通り過ぎるそのご尊顔をバッチリカメラに収めさせていただきました。
なんだこれ・・・。

家に帰ってからいろいろと調べたのですが、この鳥は
カモ科の鳥で、

ノバリケン(Cairina moschata)

という種類であることが分かりました。
ノバリケン・・・?
いったい日本語か外国語か、どちらなの?

英語では

Muscovy duck

といい、カモの種類であることがわかる名前ですが、
ノバリケンって、全くその方向性も分からない名前だなあ。

ノバリケンのノは「野」で、「野バリケン」、つまり
野生のバリケン。
家畜化されたのはただのバリケンというそうです。
変な語感だと思ったら南米の産で、日本には家禽用の「バリケン」が
輸入されたこともあるようなのですが(てことは食べられるんですね)
全く普及しませんでした。

ただ、このバリケンは飛べるので、逃げ出して全国に生息しているそうです。
首都圏ではつくば市の洞峰公園に、白いバリケンがいるようです。



散々威嚇して、気がすんだのか水に戻るノバリケンくん。
グースの群れを突っ切るときにグースにむかって

「何を見てんねんコラ」


とばかりに威嚇していきました。



この池の周辺は一切護岸工事の類いをしていないので、
水辺から岸まで段差なく上がって来られます。
水際は湿地のようになっていて、このような池の端を
わたしたち日本人はもはや見ることはありません。

ノバリケンくん、泳いでいってしまうのか?



なんか泳ぎながらこっちを見ているような・・・。



グースの群れごしにこちらを監視している模様。
威嚇したのに一向に立ち去らないのでムカついてる?



も ど っ て き た (笑)



「ちょっと兄さんすまんな」



「な、なんなのこの人相の悪い人」
「悪かったなあ生まれつきこんな顔なんや。
そこのいてんか。わしあそこの人間に一言いうたるさかい」 



ずんずんずんずんずんずんずんずん
(BGMジョーズのテーマ)



なんともう一度ガン付けに来たのでした。
世界の平和を守るために大変ですね。



近くに来てひとにらみして

「これ以上立っとったらしょうちせーへんでー」

と言い捨てていってしまいました。



「面白い鳥だったね」
「なんていう鳥だろう」

話しながら石造りの古い橋をわたり、ふと下を見下ろすと



お い か け て き て る (笑)

「すごい勢い」
「さすがに橋の上にはつつきに来れないよな」
「駆逐艦みたいだね」

 

そのまま泳いでいってしまいました。
ノバリケンは樹上生活をする鳥だそうです。
おそらくこの先に彼の愛の巣があるのでしょう。
基本的に一夫多妻の団体生活をする習性があるらしいのですが、
一羽で哨戒していたところをみると間違いなくオスだったようです。



湖にそって歩いていくことにしました。
立派な石柱をあしらった手すりがここにだけありますが、
ここは私有地、つまり誰かの「庭」だそうです。
土地の余っているアメリカ郊外の家は、庭に柵を設けず、
隣との境も曖昧でそのままフィールドにつながっていたりしますが、
この所有者は湖のほとりまでを所有地にしたのに、
ウェルズリーを訪れる人たちが湖を一周できるように
柵で仕切って通行止めにするようなことをせずオープンにしているのです。



その所有者のお宅はこのような豪邸。
ベッドルームが軽く10室はありそうです。

 

所有地内の樹木は全てこのように変なカットされています。



しばらく歩いていくと、前庭部分の木だけを切り、
自分の家から湖が眺められるようにした家発見。
それほどの豪邸ではありませんが、何しろ贅沢です。

そしてよく見ると・・



庭に鹿がいるようです。



向こうに見えるのはウェルズリー大学のボートハウス。
なんとここのボート部は、学校内に練習用の池をもっているのです。
ハーバード大学のボート部がチャールズリバーで練習しているのは
有名な話ですが、彼らはチャールズリバー沿いにボートハウスを持っています。



こめんのところどころに白い花が咲いているので何かと思ったら
蓮の花でした。

細い山道のようなところをさらに歩いていくと・・・



蛇が道を横切っていました。



「蛇って顔可愛いよね」
「目が可愛いね」

立ち止まって眺めていると、蛇は慌てて逃げ出しました。
手も脚もないのに、飛ぶようにどこかにいってしまいました。



湿地帯の上には桟橋のような通路が造られ、
ところどころになんのためなのかベンチまであります。

「尾瀬が貧相に見えるなあ」
「あそこほど人もいないしね」



ボートハウスのところまでくると、白鳥が三羽たむろしていました。



そして道を横切るウサギ。



とりあえず草むらに逃げます。



土の上で擬態してじっとしています。
写真を撮ったら手前の花にピントがあってしまいました。



もう一度。
この辺ならうさぎも美味しい草や実をたくさん食べられるでしょう。



元の位置に戻ってきました。
話しながら、時々写真を撮るために立ち止まったりして歩いたので
一周するのに約1時間ほどかかりましたが、
わたしのウォーキングとしてはちょうどいい感じです。

「気持ちよかったね」
「ここ、来年も歩こうね」

息子のサマーキャンプはもう今年でこのウェルズリーは終了なので、
来年からはまた別の学校になるわけですが、
この地域に来たら必ず一度は訪れたい場所がまた一つ増えました。



ところで、この建物の正面に聖者の像があるのですが、
何やら落書きが・・・



ピンクのペンキかチョークで、口紅を塗られてます。

アメリカにもこんなことする奴がいるんだなあ(呆)




 


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