Quantcast
Channel: ネイビーブルーに恋をして
Viewing all articles
Browse latest Browse all 2815

大曲花火大会〜「秋田讃歌」

$
0
0

どっこい一回では終わらない大曲花火大会報告。
当日わたしは始まる前にお弁当を食べ終わり、
カメラの設定をすませて本番を迎え、始まったらほとんど
飲まず食わずでファインダーとモニターを覗きながら、そして、
実際にこの目で花火を見るのに忙しくあっという間に終わってしまいました。


そして、後半になればなるほどシャッターハイになってきて
アドレナリン出っぱなしの状態でした。
ただ見るのも勿論楽しいですが、写真を撮っていた人はおそらく
皆わたしと同じような興奮を感じていたことと思います。



帰りの大曲駅で見かけたいわゆる「撮り鉄」たち。
近くで世界的な花火大会が行われていたのにもかかわらず
こちらにはまったく興味を示さず、電車だけを撮りにきております。

電車を撮るために子供を恫喝したり桜の木を切ったり、
とにかく写真を撮るためにならどんなことでもやってのける集団として
最近何かと評判が悪い撮り鉄さん。

しかし一度だけのシャッターチャンスを逃すまいとカメラを構えたとき、
なぜか伴う重度の強迫観念が人をして非常識な言動にも駆り立て得る、
というこの現象に関しては、撮り直しや練習のできない花火や、
自衛隊イベントの写真を撮った経験が一度でもある者には理解できなくもありません。

共感はしませんが。 






このあたりになってくると、シャッターを開ける時間を微妙にずらし、
プログラムの合間に効果を確かめる余裕すら出てきました。
こうなってくるともう強迫観念というよりはむしろ陶酔の域です。

のんびり寝転んで好き勝手いいながら空を眺める、
などという本来の花火を観る楽しみとは全くかけ離れてはいますが。



くまさんの形。

本来「花火は丸いもの」でした。
丸くない花火を採用することによって「創造花火」の緒を作った
有名な花火師の佐藤勲氏がこういう流れを編み出したのは
ひとえに「いままでの通例に対する反抗心」であったとか。

「創造花火」は大曲の花火大会を通して初めて生まれたものであり、
この言葉は大会の代名詞でもあります。

そんな創造花火の技の一つがこの「型物」。
この会社は、
「動物いっぱいの森へ」というタイトルでいろんな動物を登場させました。



パンダ。



アヒル。



牛。



ぶた。
こうやって写真に撮るとわりとしょうもない(失礼)感じですが、
実際に浮かび上がる型物を見るのは本当に楽しく、
観客はおおいに湧いていました。

しかしこういうプログラムが優勝できるかというと、
・・・・・できなかったみたいですね。



この日の最も大きなプログラムは大会提供花火といって、
協議に出演した業者からいろんな「目玉花火」を提供してもらい、
ひとつの大きな作品にちりばめるという趣向です。
この日のテーマは「ボレロ」でした。


(1分20秒からどうぞ)
このときの写真もいくつかありますが、後半になると花火が派手すぎて
写真を撮っても全く訳が分からないものになってしまいます。

わたしもボレロは後半写真を撮ることをあきらめ、
その分自分の目でしっかりと観ることができました。







おそらくシャッターを押すときのブレだと思うのですが、
ちょっと面白いので。



ここからはフィナーレに上がった10号割物の30連発から、
綺麗に撮れたものを。














去年もありましたが、陰影を付けるように
右半分が濃い色になっている玉があります。
よく見るとグラデーションになっていて、
実に良く考えられているものだと思います。













ピースマークが花と一緒に何度も登場したプログラム。
目がつり目の「エイジアンピースマーク」です(笑)



これもよく見ると右下にピースマークが。



さて、というわけで花火終了。
わたしたちのグループは、主催者がずっと片手で掲げるランプを
目印に着いて行きます。
ところで、この日参加したのは総勢9人の団体。
初対面の方が多かったのですが、皆さんと挨拶をし、世間話などをしているうちに、
そのうちの一人である某輸入食品会社の方が

ある海軍中将の孫

であることが判明しました。
誰でも知っているという名前ではありませんが、大隅人事について
調べたことのあるわたしには十分覚えのあるその名前。
それを聞いたとたんわたしが激しく反応したのでその方も驚き、

「女の方でそこまでご存知だとは驚きですなあ。
僕鳥肌が立ってしまいましたよ」

と言われてしまいました。
残念ながら花火大会の間はお話も叶わず、
そもそもその海軍中将個人については、米国駐在武官であった、
ということくらいしか知識がなかったので特に話が弾んだ
というほどではありませんでしたが、そのとき

「秋山真之中将も米国駐在武官でしたね」

というと、

「ああ、よく秋山さんの話はしてましたな」

とおっしゃっていました。
そのうちお話をうかがえる機会があればいいですが。



新幹線の時間待ちをするために立ち寄った花火センター。
ここに大会のポスターが貼ってありましたが、
この写真と比べてもわたしが撮ったのは悪くないと思いません?

素人のわたしより優れている点はシャッタースピードが気持ち長いため、
先がすこし枝垂れていて違う色が出現していることです。



花火の玉が飾ってあります。
これらを筒に詰めて打ち上げるわけです。



20号玉の断面図。
これがはじけると円になり、層ができるわけですね。
この火薬の玉をどう並べるかが創造のしどころです。
赤い紐は導火線でしょう。




待っている間、大曲名物「ババヘラアイス」を主催者さんが買ってきてくれたので
皆でお茶を飲みながら頂きました。

ババヘラとは「ババがヘラで盛りつけてくれるアイス」の意。
名付け親は大曲の高校生だそうです。
ババの腕とか気分とかで形がおおいに変わるそうですが、
基本的には薔薇の形になるように盛りつけるとか。

シャーベットなのであっという間に溶けてきます。
3分以内に食べられなければ負け。なアイス。

ちなみに味ですが、美味しいかとかまずいとか、そういう評価を
あえてするべきではない、とわたしは思いました。



この日の臨時増発にはこんな名前がついています。



こちらは奥羽本線、男鹿線の臨時列車。


ところで、2年前のこの大曲花火のエントリで

「舞い上がれーおおまがりー」

という歌をわたしがいっぺん聞いて覚えてしまった、
という話をしたことがありますが、これは大曲花火大会のテーマソングで、
津雲優という秋田出身のシンガーソングライターが作曲したものでした。

この津雲さんは、なんと2年前に60歳でお亡くなりになったそうです。
2年前の花火大会のときにはまだご健在だったようですが。

この曲と「秋田県民歌」を盛り込んだ「いざないの街」は
花火のフィナーレにも使われていたということも分かったのですが、
この「秋田県民歌」が、いいんですよ。

わたしはババヘラアイスのところで売っているのを見つけ、
この「秋田讃歌II」というCDを思わず買ってしまいました(笑)


ちょっと古めかしい感じがするけど格調高いメロディは一体誰が?
と調べたところ、なんと作曲者は成田為三。


「浜辺の歌」「赤い鳥ことり」「かなりや」

などを作曲した大御所が、昭和5年に作ったものだと知りました。
秋田県民は制定以来この曲を愛唱していて、現在でも
カラオケで歌ったりする秋田出身者は少なくないという話です。
(ソースは秋田在住の主宰者)


メロディに負けず劣らず

「見渡す廣野は渺茫霞み」
「久遠に輝く北斗と高く」

などという歌詞も格調高く、3番には戊辰戦争なども盛り込まれ
実に盛りだくさんな県民歌です。

最後には大曲の花火も登場する、
観光案内の映像とともに一度聴いてみて下さい。





Viewing all articles
Browse latest Browse all 2815

Trending Articles



<script src="https://jsc.adskeeper.com/r/s/rssing.com.1596347.js" async> </script>