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Channel: ネイビーブルーに恋をして
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平成26年度防衛大学校卒業式~帽子投げと任官辞退者について

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今年も防衛大学校の卒業式が恙無く行われました。

知己の方から今年もニコニコ生放送で放映があるよと教えていただいたので、
当日の夜7時から行われた再放送を見ました。
画面をキャプチャしたのであまり画質は良くありませんが、
見損なった方のために途中までご紹介します。

途中まで、というのは、安倍総理の挨拶の頃に視聴者が増えて、
一般会員が追い出されてしまったのにもめげずに何度も入り込んだ結果、
任命式のシーンから画面が固まってしまい、停止画像にコメントが流れているだけ、
という状態が延々と続くのに業を煮やして見るのをやめたのでした。

教えてくださったのは、当ブログにも何人かおられる、「身内が防大生」である方ですが、
やはり父兄の方なればこそ、防衛大臣および総理大臣がどのような訓示をするか、
ということに強い関心を持っておられるということでした。

我々にとっては国単位で考える漠然としたことでも、防大生の家族ともなると、
国防の現状はそのまま娘息子の将来の運命でもあります。

外圧利用とでもいうのか、アメリカやドイツを始め他国に働きかけて
安倍政権は右派政権であり日本は軍国化に傾いていっている、
ということにしたい民主党始め野党左派やマスコミ(リベラルなんて言うもんか)の
レッテル貼りにも等しい批判に対し、安倍首相がこの場でなにを表明するのか、
それに興味を持たない関係者はいないでしょう。 



それではまいりましょう。

「寿司」ですが、この瞬間まで何もない会場の様子が延々と写っていたので、
寿司を食べながら見るわ、などと雑談しているわけです。
今年もニコニコのコメントをともにお楽しみください(笑)

中谷元防衛大臣。
防衛大臣を退く前から中谷元防衛大臣とはこれいかに。



防大OBであることから、わたしの所属するもう一つの防衛関係団体では
講演会などでお名前をお見かけします。

これは日本が直面している防衛問題の現状について講演会ができるくらい
知悉しているということであり、(民主党時代はそれこそ何も知らないのは
文民統制だと言い放つような馬鹿議員が防衛大臣だったことがあるのです)
制服組出身を防衛大臣にしたことは、
安倍総理が防衛省の設置法条文を現在改正しようとしていることとつながります。

これはどういうことかというと内局の背広組、本官が制服組自衛官より優位を保つと解釈される
12条の条文が不適切だされたということなのですが、同時に部隊運用(作戦)を、
今まで分担されていた状態から制服組主体に改める「運用一元化」を盛り込む予定だそうです。



安倍首相入場のアナウンス。



キャプチャした時にアイコンが写ってしまいました(_ _;)



栄誉礼で儀仗を行う儀仗隊。



国家斉唱(笑)



卒業式授与。



やっぱりハンモックナンバー上位からですか。
一人女性の姿が見えます。



国分良成大学校長が賞状の授与を行う間音声なし。
以前は少しだけ(恩賜の短剣組?)名前が聞こえた気がするのですが、
今年は全くなしでした。
インターネットですから誰が見ているとも限りませんしね。
もちろん、その気になれば外国からでも視聴できるってことは、
成績優秀な将来の将官候補の名前をチェックして、彼らに
ハニーとかマニーとかのトラップをかけることを考えるような
けしからん国だって・・・・。おっと。



一人が受け取って前を立ち去ると、全員が機械仕掛けのようにざっ!と前に一歩進む、
その様子が・・・・・



ピラゴラスイッチという某公共放送の番組で行われる
「アルゴリズム行進」を皆に想起させたようでございます。

話が出たからには(笑)ここで全く防大と関係ないですが、わたしの最もお勧めする
「フィリピン刑務所でのアルゴリズム行進」動画を貼っておきます。
1000名近くで行いギネスに挑戦です。

アルゴリズム行進 (フィリピン の 刑務所)





国分校長挨拶。後ろの人は自分が映っている自覚はないのか。



安倍首相訓辞。

訓示はまず昨年練習艦「かしま」が南方で戦死した日本軍の将兵たちの
137柱のご遺骨を日本に連れ帰ったことから始まりました。
日本の平和が戦死した人々の犠牲の上に成り立っていること、そして
その平和を守り抜くために日本は「平和国家」という言葉を唱えるだけではなく、
国際情勢の変化と向き合って自衛隊もそれに対応してきた、と述べました。

「地にいて乱を忘れず」

という吉田茂元総理が防大1期生に向けた訓示をひもとき、
昨日までの平和は明日からの平和をも保証するものではない、従って
不戦の誓いを守るならば「行動しなければならない」というのが
マスコミの報じるところの

「集団的自衛権の行使を可能とすることなどを含む、
安全保障法制の整備を着実に進めていく考え」

を示したということのようです。
その上で、

「日本が戦争に巻き込まれる、などというただ不安を煽ろうとする無責任な言説は
荒唐無稽なものであることはこの70年の歴史が証明している」

と右傾化への懸念を吹き飛ばし、有事には「自らの命を顧みず」任務に遂行する
自衛官たちの命についても自分が責任を負うものだとしました。

そして「軍事力」とは「戦う」ということにとどまらず、災害派遣はもちろん
国際社会において機雷除去や復興のためのPKO活動で貢献することなど、
広がりを見せている今日、自衛隊指揮官への期待は大きいと語りました。

なんども自衛隊イベントで安倍首相の訓辞を聞いてきましたが、必ず
どこかで首相は自衛隊員の家族に向かって、自衛隊最高指揮官としての責任と、
大事な子女を預かる者としての責任を重く感じている、と述べています。

自衛隊員の生命に責任を持つ、という言葉の意味は、つまりいかなる事態になっても
野党が言うところの”自衛隊員が殺し殺されるような事態”は政治によって回避する、
というのと同義だと思うのですが、 マスコミ的にはそんなことはわりとどうでもいい話なので、
今日もまた記者クラブで決定した「憲法改正への意気込み」という項目だけが
当日の安倍首相が語ったこととして報道されるのでした(笑)


様式美というかお約束というか、といったところでしょうか。



続いて元防衛大臣の挨拶。
中谷防衛大臣の辞には、防大に海外からの留学生が学び卒業することが
強調されていると思いましたが、式典の後の記者会見でも、
日本がこの度シーレーンの安全確保を期したインドネシアとの防衛協力の
覚書を取り交わしたということを話しています。

http://toyokeizai.net/articles/-/63970

これが中国の海洋進出への活発化を念頭に置いたものであることは
間違いのないところです。



白石隆 政策研究大学院大学学長の祝辞。
こういう名前の大学があることをわたしは今の今まで知りませんでした。

内容は・・・・・後ろの寝ている人の左と、演者の右の安倍総理SPの
鋭い目つきが気になって、ほとんど覚えておりませんm(_ _;)m



卒業生代表答辞。(だったと思う)
この人がハンモックナンバー首位の世が世なら恩賜の短剣ですか~。



学生歌というのはたぶん校歌と同義なのですが、なぜ校歌と言わないのかはわかりません。

♪海青し太平の洋   緑濃し 小原の丘辺  学舎は 光輝よひ
真理の 道の故郷   丈夫は呼び交ひ集ひ  朝に忠誠を 誓ひ
夕に祖国を思ふ   礎ここに 築かん  あらたなる  日の本のため♪



というわけで、お待ちかね帽子投げた~~いむ!

学生が一人前に出て、なにやら応援団ぽい宣言をしたと思ったら、
皆が同時に立ち上がり、



轟音を響かせて駆け出して行きます。
昔(2006年)出席した自民党の河野太郎氏がHPで

来賓の前でそんなことをするのは失礼だということから、来賓が退場した後に帽子投げが始まる。
もしも、防大の卒業式に来賓として参加して、帽子投げを見ようとするならば、
来賓退場のアナウンスでさっさと退場し、すぐさま別の入り口から戻ってこなければならない。

とぼやき気味に書いています。
9年も前のことなので今はどうなっているかわかりませんが、
これがあるから挨拶の時間も耐えられたのに、と不満に思う
出席者は多かったのではないかと思われます。



右端にいる卒業生は、何か落としたらしく、わざわざ戻ってきて床にかがんで拾っていました。



皆一目散に出口を目指すのですが、一般人なら狭い通路で団子になり、
将棋倒しになって事故になってしまうかもしれません。

その中で、なぜか二人だけが別の方向に走っていきます。



二人はなぜか赤い毛氈の敷かれた階段を駆け上り、壇上に向かう模様。
なんだなんだ、この二人は何をしようとしているんだ?



と思ったら、カメラは帽子と椅子に移動してしまいました。
この人たちが何をしたのかご存知の方おられますか。



そして嵐が過ぎ去った後の会場。



転んでた人いましたか・・(笑)



国分校長、嬉しそう。
中谷防衛大臣は30年前(くらい)のことを思い出したかな?



続いて、統合幕僚長始め、自衛官が退場。
壇の下に降りて歩いて行くとき、どこからともなく人が出てきて、
通路に落ちている帽子を拾って道を空けていました。



この放送は録画なので、編集されていたのですが、次のシーンは
卒業生たちが任官する部隊の新しい制服に身を包んで再入場し、
任命式、宣誓式となりました。

・・・が、わたしはこのあとまた音声がなくなったところで
画面がフリーズしたままだったので、ここまでしか見ていません。

おそらく、彼らは自衛官の「服務の宣誓」を行ったのでしょう。

さて、卒業式があることを教えてくださった方の情報によると、
今年卒業の59期生は、定員480名に対し、国内入校者562名という大世帯となり、
そのため予算を圧迫し、その年度の3年の硫黄島研修、2年のスキー訓練をなどを
中止するという検討がなされたほどだったそうです。

(スキーはともかく、硫黄島研修には何をおいても行っていただきたいと思いますが)

ところで、防大の卒業生の話になると、ニュースも含め世間では
何人が任官辞退したかということがことさら話題になるわけですが、今年も
たとえばエネーチケーニュースでは、首相の訓辞が

「集団的自衛権の行使を可能とすることなどを含む、
安全保障法制の整備を着実に進めていく考え」

であったということを報じ、最後に任官辞退者が25名であるとわざわざ報じました。



これについて私見ですが、入ってはみたがどうしても自衛官に向いていない、
と自覚しながら自衛官を続けることは誰にとっても良い結果とはなりませんし、
逆にどんな人物でも指揮官にしてしまうのは間違っています。

成績がいいから医学部に入ったけど、医者に向いていないと知ったら潔くやめるのが、
本人のためであり、将来不適格な医者に診察されるかもしれない患者をなくすというのと同じで、
自衛官の「任官拒否」も認められるべきではないかと思うのですが・・・。


そして、報道や世間で言われる「任官拒否」といっても理由は様々で、
優秀な人材を確保したい企業に、自衛官の二倍の給与で
ヘッドハンティングされる者ばかりではなく、防衛産業に関連した民間企業に就き、
人脈によって国防に寄与する、というケースも多いことも語らなくては不公平な気がします。

マスコミはこの件を、毎年自衛隊否定につなげるような印象操作に使うわけですが、
それがまったくの見当違いであることは当然として、むしろそのように言われることを受けて
防衛大学校が辞退をさせまいとすることの方が問題ではないでしょうか。

現に、これもいただいた情報によると、近年任官辞退をしないよう指導が厳しいようで、
そのため卒業するまでは任官辞退を匂わせず、幹部候補生学校に入校するや
退職手続きをする卒業生が少なくないらしいのです。

つまりわざわざ陸空海の制服に身を包み、服務の宣誓を行いながら
退職することを内心決めている者がこの中にも何名か含まれているということになります。


そんな欺瞞のうえに切られる社会人生活のスタートには「幸先悪い」という言葉さえ
浮かんできて、他人事ながら何やら気の毒な気さえしてしまうのですが、
任官辞退が許されない空気が、彼らをしてこのようなことまでさせるのでしょう。

国費で4年間育ててきた人材を確保するために学校がこのように対処するのは当然といえますが、
個人の資質や意欲、適合不適合の見地からみれば、画一的な指導もまた甚だ疑問と言わざるを得ません。

防衛大学校はマスコミの「任官辞退は右傾化への拒否」などという低次元の印象操作に与せず、
長期的に見た組織の精強化という観点で、自衛官の育成を行っていただきたいと思います。









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