記念式典のあとに午餐会ですっかり満足したあとは、
いよいよ本日のメインイベントであるP-3C体験搭乗です。
体験搭乗をするには抽選に当選しなくてはいけないというのが建前で、
本日基地から招待を受けた関係者であっても、それは同じ。
わたしも最初は出席の返事欄に体験搭乗をしたいかどうか答える欄があり、
さらに抽選で乗れるかどうかが決まる、と聞いていたのですが、
そのことについて招待してくださった方に確認したところ、あっさりと
抽選なしの招待枠で乗せていただくことが決まりました。
「ご夫妻二人で乗れるように手配しておきます」
「いや、夫は乗らないと思いますが・・・」
こういうことに至極消極的なTOは、これも一応確認しましたが
言下に怖いから乗らない、と言い切り、さらに
「怖くないの?なんかあったらどうするの?」
それに対し、
「万が一何かあったって、P-3Cで死ねるのなら本望だ!」
と自衛隊の人が聞いたら気を悪くしそうなタンカを切るわたしでした。
ともかくそういうわけで、体験搭乗はわたしだけが参加し、その間
TOは地上で待っていることになったのでした。
会場から受付までは徒歩で移動です。
他の基地ほどではありませんが、屋台や物販店のテントが軒を並べていました。
食べ物を買った人は、芝生や敷石に腰掛けてお昼やおやつを楽しんでいます。
献血のテントでは客引き?が熱心に献血者を募っていましたが、
超低血圧で(90-60)しかもこれから飛行機に乗る予定のわたしとしては、
血液が不足していると呼びかける人には悪いとは思うものの、
そんなことをしている場合ではありません。
エプロンまで結局戻ってくることになりました。
航空機がいくつか展示されていましたが、なんとP-1も!
防衛省技研と川崎重工が開発し、川崎重工が製作する次世代哨戒機で、
2013年3月の運用開始以降、70機の配備を目指してただいま増殖中です。
P-3Cが2010年以降、耐用年数が切れてくるのに合わせて開発され、
今年の7月にはイギリスでのロイヤル・インターナショナル・エア・タトゥーに参加し、
初めての完全国産機として国際的デビューを飾ったばかりです。
RIAT 2015 JMSDF Kawasaki P-1 DemoFlight
世界が惚れる日本製兵器!英国は米国製を蹴りP-1購入か?
このときP-1はヨーロッパを出発してジブチの基地を経由し、
東回りでの世界一周飛行を達成し7月25日帰国しました。
正面から見たP-1。
顔はPー3の方が男前かなあ。
隣にはP-3Cが展示されていましたが、やはり心なし大型であると感じました。
スペックを見ると幅だけで5m、全長は2.4m、高さは1.8mも大きく、
居住性にはかなり余裕ができそうです。
ちょうど真正面から見るとコブのように見える頭上の膨らみは、
HLR-109B ESM装置のアンテナが設置されています。
Pー1のアビオニクスは、イージス艦とのデータリンクで情報共有が可能となっています。
今度の観艦式に参加して実演を見せてくれるでしょうか。
ブルーインパルスなんか(といってはなんですが)別に観艦式で見なくてもいいから
ぜひP-1の実演と、オスプレイの飛行をやってもらいたいものです。
コーンと黄色いテープで仕切られた外側には進入禁止となっていますが、
その部分に唯一入る方法があります。それがこの汽車(に見せかけた車)。
203MSQと書かれたブルーの車体には、パプリカ王国から自衛隊に留学している
ピクルス王子と、そのガールフレンド、パセリさんのお姿が描かれています。
ちなみにパセリ嬢はパプリカ王国の隣国であるブロッコリ王国の
村長の娘であるということですが、これは結婚すれば玉の輿ってことでしょうか。
王子のガールフレンドが敵国(かどうかは知らんけど)の一村長の娘、
っていうのはヒエラルキー的にありなんでしょうか。
それはともかく、この汽車は乗ったまま柵の外、滑走路とまではいきませんが、
その近くを走ってくれるということで子供達に大人気。
最後尾のカエルは多分ここの飛行隊のマスコットだと思われます。
ミニP-3Cのショーのために待機する車両群。
ご存知とは思いますが、これは領海侵犯してきた某国の潜水艦を、
専守防衛を全く無視して先制攻撃により撃破するという憲法9条無視的出し物で、
ジョージワシントンに「カエレ!」とか言っている人たちが見たら
さぞかし発狂するであろうと思われます。
魚雷命中!!! 領海侵犯は許さない!!! ミニP-3Cデモフライト 海上自衛隊 下総航空基地
艦番号203の護衛艦「あとらす」はイージス艦。
なぜかZ旗を掲揚して航行中(笑)
潜水艦も護衛艦もスクリューを回転させることができます。
潜水艦の機体には「がんばろう日本」と書いていた年もありましたが、
今年は解説56周年記念の文字が入れられています。
こういうメンテナンスすべて隊員がポケットマネーで行うのです。
それにしてもこれらの乗り物、特に潜水艦、どうやって乗り込むのか・・・。
かねてから不思議なのですが、この日も結局、体験搭乗のため見ることは叶いませんでした。
残念です。
Mk-44ミサイルについて先日当ブログでも話題になったりしましたが、
Mk-44は短魚雷。
アスロック(Anti Submarine ROCket、ASROC)、艦載対戦ミサイルの
弾頭にも使われますが、P-3Cなどの対戦哨戒機でも運用されています。
拡大してみると仕様がよくわかるのですが、このミサイルは、
P-3Cがぽろっと地面に置いていくと、スルスルと潜水艦を追いかけていきます。
リモコン操作で動かしているんですね。
どこか見えないところで、一生懸命リモコンを操作している隊員がいるはずですが、
それがどこからなのか、これもいつの日にか突き止めたいと思います。
ちなみにこの「対戦哨戒機ショー」のYouTubeは世界中に拡散されており、
こんな笑える光景を観たのは初めてだ。
だってさ、たぶんこれを毎年やってるんだぜ? オランダ
つーかこれマジでやってんの? もうやだこの星。 イタリア
結構しっかりとミニチュア化してる事に驚いてるんだが。 アメリカ
何が面白いって、本物の自衛隊があれをやってるってことだよな。 国籍不明
自衛隊は国民の税金をこんなくだらない事に使ってていいのか? カナダ
もしもこの世界に日本がなかったら。きっと退屈な世界だろうさ。 ルーマニア
最近公開されたほとんどのハリウッド映画より良く出来てる。スウェーデン
などといった(おおむね)高評価が寄せられているようです。
格納庫は管制塔の横におおきなのが二つ並んでいます。
P-3C体験搭乗には管制塔側の格納庫内に行くようにと言われたので、
少し早いかなと思いましたが受付にいってみました。
しかし、わたしの割り当てられた順番にはまだまだ時間がったため、
そのへんをぶらぶらして時間をつぶしました。
ふと気づくと、同じ格納庫の中にこんな人力?飛行機みたいなのがありました。
中央に置かれた自転車を漕げば翼が動く仕組み。
見るからにしんどそうなアトラクションのせいか、トライしようという人は
あまりいないように見受けられました。
暇なので外に出て歩いているときに発見した隊員作のポスター。
この「にちなん」とか「ずいりゅう」は作者の所属でしょうか。
舞警というのは舞鶴の警務隊?
「厳となせ」
というのは、たとえば
「敵艦からミサイル飛来を確認、対空戦闘用意!見張り員は警戒を厳となせ」
「対空見張りを厳となせ」
などといった場合に使用する海軍用語です。
あの「敵兵を救助せよ」で有名になった「雷」の工藤艦長も、
当時の艦の速度は16ノット、工藤は味方艦艇が敵潜水艦に撃沈された直後かと見て、
艦内に「戦闘用意」を下令、各見張りに「警戒厳となせ」と指示した。
と伝えられています。
それにしても、警告ポスターに薬の使用を禁止するものが多いのは、
実際にそのような不祥事が自衛隊内で何度か起こったことがあるからですが、
岩国の海兵隊基地でもその手のポスターがあちこちにあり、
ストレスの多い職務に精神を蝕まれるようになると、そんな心の隙間に
反社会的な誘惑も忍び寄るというのは世界共通なのだなと思わされます。
さて、そうこうしているうちに受付時間がきました。
いよいよ体験搭乗です。
続く。