ありがたやーと終わった前回の観艦式予行報告ですが、そのころには海域に到着し、
いよいよ観閲が行われます。
後ろを航行する「くらま」を「むらさめ」の我々はずっと見ながら過ごすのですが、
わたしの近くにいたおばけレンズ一脚持ちの人は、途中で「くらま」に乗っている人と
「手振ってるの見えてるよ」
などと会話していました。
わたしもそれを聞いて「くらま」乗艦の知人に電話してみたのですが、通じません。
あとで聞いたらとりあえず着信記録はあったということなので、電波は使えたみたいです。
さて、いよいよ観閲開始。
観閲部隊と観閲付属部隊が作る二つの線の間を、受閲艦艇部隊が逆行してきます。
その間、受閲部隊の乗員は登舷礼を行います。
まずは受閲部隊の旗艦である「あたご」。
舞鶴で会ったねー!っていうか、さっきまで隣にいたんですけどね。
観閲の時には日差しが逆光で、前回もシルエットみたいな写真ばかりになりました。
今年は前回よりも少しだけカメラも大きくなっただけ()ましです。
受閲艦隊は全部で8グループ(この日は外国艦がないので7)に分けられ、
その第1群は駆逐艦となります。
写真は「おおなみ」。
このように、逆行しながら観閲を受ける艦艇の列が行き過ぎていきます。
「むらさめ」のオランダ坂の下には海自のカメラマンがいて、
波しぶきのかかるところで時折レンズをかばいながら撮影していました。
受閲艦隊はそのあとイージス艦、DDH(といえば?)と続き、
皆様お待ちかねの(少なくともわたしの周りでは)潜水艦です。
観閲を受けるのは「ずいりゅう」「こくりゅう」、そして「うずしお」。
「あんなとこに立ってる!」「怖ええ!」
まわりから声が上がりました。
フィンの上に立つ三人はとりあえずライフジャケットを着ています。
潜水艦旗艦のブリッジを大アップしてみました。
なんと!フィンの上の二人がラッパ吹いてる!!
いやー、これ全く見ていて気づかなかったよ。
というか、これだけアップしてみないとわからないって、どうよ。
音なんてぷーとも聴こえてこなかったよ?
観閲部隊第5群は掃海隊です。
旗艦は掃海母艦である「ぶんご」。
あとに続く掃海艇は「つしま」「はちじょう」「ひらしま」「たかしま」「みやじま」。
603は「たかしま」です。
第6群は輸送艦と輸送艦に輸送されるLCAC。
舞鶴でお会いした「ましゅう」に続く「おおすみ」。
事故では色々と大変でしたが、過失がないことも明らかにされ、晴れて観艦式に参加です。
まあ、わたしたちにはわかってましたけどね。
輸送艦だからなんでも輸送できるよ!ということをわかりやすく見せるために、
「おおすみ」は陸自の車両を満載しています。
なるほど。今年はブルーインパルス参加で空自が目立つけど、陸自にも気を遣っていると。
えるきゃっくきたー。
名前は可愛いけどうるさいんだよなこの子は。
走行中は絶対に外に出られない船、エルキャック。
エルキャックエルキャックいいますが、なんの略かといいますと、
Landing Craft Air Cushion
エアクッションですよ。エアクッション。
揚陸艇ですから、このまま陸上を走行するわけですが、
どんなシュールな光景なのか、ぜひ実際に見てみたい。
水遁の術も標準機能。
第7群はミサイル艇。
「おおたか」「くまたか」「しらたか」が観閲を受けます。
827は「くまたか」。
登舷礼している乗員の数が少ない。(乗員21名)
艦隊の列の向こうの空に塊が見えてきました。
祝賀航行部隊の通過です。
塊と見えたのはヘリ部隊で、P-3Cオライオンがそれらを追い抜いてきました。
UH-60J とSH−60Jの編隊飛行。
航空自衛隊のUH-60Jはブルーの迷彩ですが、海自のそれは紅白で、
海自独特の装備を積むため若干重たいそうです。
SH-60はJとKだそうですが、こちらはJの模様。
続いて赤と白の可愛らしい練習機、TC-90がきました。
練習機としては航空教育群の徳島基地での過程に使われています。
今日は徳島から飛んできたのでしょうか。
今度はP-3C三機による編隊飛行。
P-1です。
P-3Cとくらべるとおなかも一回り貫禄があるのがよくわかりますね。
昔「プレグナント・グッピー」と渾名された輸送機がアメリカにありましたが、
シェイプ的にあれを引き継いでいるような。
C-130R。
F-2に続きF-15三機編隊通過。
本当はCH-47とコブラも通ったけど省略。
ふおおおかっこいいいい!
なにこのイケメン飛行機は!
はい、これがアメリカ海軍の誇るP-8A、ポセイドンですね。
P-3の後継としてボーイングが政治力でオンゴーイング(一応洒落)した哨戒機、
ここがおそらくソノブイランチャーだと思うのですが・・はて面妖な。
オスプレイきたー。
P-1にもP-8にも全く反応がなかった周りの人々がどっと湧いた瞬間。
うーん、下から見るとかっこ悪い(笑)
でもなんというか、キモカワイイですよね、オスプレイって。
全方位抜かりなく不気味なオスプレイであった。
というわけで、航空観閲が終わったあときっかり1226(ひとふたふたろく)に、
(っていうかなんなのこの中途半端な時間)予定通り観閲部隊は回頭を始めました。
この1分刻みの時間割をミリミリで厳守(使い方まちがってる?)できるかどうかは
すべて我が「むらさめ」の技量にかかっております。
というか、観艦式そのものが海軍から受け継いだ自衛隊の恐るべき技量の賜物なんですね。
どこの海軍でもこんな芸当(じゃないけど)ができるか?っていったらそうじゃないのです。
それはともかく、この瞬間、後続の観閲部隊艦艇を真横に見ることができ、
おまけにバックに富士山が、という撮影ポイントが来るのです。
冒頭写真はそのときの「うらが」。
続いて「護衛艦と富士山」シリーズをどうぞー。
旗艦「くらま」。
「てんりゅう」。
観閲館部隊でも最後尾の「ちょうかい」はこれを見ることができません。
そしてなぜか「しまかぜ」さんと富士・・・・と思ったら、
祝砲発射!
そう、観閲に続き、訓練展示の始まりを告げるのは「しまかぜ」の祝砲です。
使用する主砲は5インチ単装速射砲です。
今年はかぜが強いせいか、去年のように輪っかになりませんでした。
このあと「きりさめ」「さみだれ」「おおなみ」が一斉に回頭する
「戦術運動」というのをやりましたが、画像的に面白くないので省略。
続いて潜水艦の潜航&浮上です。
一昔前は急激に飛び出してくるドルフィン運動を必ずしていました。
最近これをやらなくなったのは「おやしお」級以降はソナーの強度の問題で
できなくなったから、という話を聞きましたが、真偽は不明です。
今通過している「ずいりゅう」はもちろん、
艦橋に人が出ているので絶対に潜航したりしませんが(笑)
「こくりゅう」はこのように潜航を行いました。
周りのみんなは「沈んだ沈んだ」と大喜びでしたが、
「くらま」の前でぷかーっとすぐに浮かんでしまったので、
「なんだあれだけか」
「あれじゃ潜航したってもたいしたことなくね?」
などと勝手なことを言い合っています。
潜水艦の技量なんていうのは、こういうところで見せられるもんじゃないんだよ!
続いてエアクッション艇エルキャックが高速走行を・・・、
ってことなんですが、さっきの受閲と何が違うのかと聞きたい。
LCACの速さは35kt、時速65kmです。
車だと低速ですが、LCAC的には全速力です。
続いてミサイル艇3隻がこちらも65kmの高速走行を行い、
IRデコイを発射します。
IRデコイとは対赤外線誘導弾ミサイルを防御するための「おとり」です。
3隻同時に発射しましたがその瞬間を撮りそこないました。
ミサイル艇「おおたか」。
ミサイル艇には決して一般客を乗せることはしません。
この高速走行では「おおたか」の立てる波しぶきで海にさらわれてしまいそうです。
続いてP-3Cの対戦爆弾投下。
爆弾槽が空いて爆弾が投下されています。
投下!
今潜水艦が海の藻屑に・・・・(という設定)
投下のあと上がる水しぶきはおそらくビルの10階くらいの高さではないでしょうか。
最後の1機は投弾せず、水しぶきの中を通り抜けていきます。
P-3Cが帰投するたびに機体を水洗いしなければいけないというのがよくわかります。
続いて、IRフレアを発射するのはP-1です。
前回まではP-3Cの役どころだったので、この一投が、
P-1の初めてのお披露目だったということになるのですが、そうでしょうか。
どこから投下されているかよくわかる写真。
美しい飛行機だなあとおもわず見とれました。
フレアを撒き散らしながら去っていくP-1。
さて、今回は海自の観艦式に空自のブルーインパルスが登場するのが話題になっていました。
海の上で演技をするのは怖くないんだろうか、と思ったのですが、
松島で彼らは海の上での訓練をしているということですね。
それでも、大した演技はしないのではないか、と皆んなが囁く中、
艦隊を直角に横切るように一航過。
そして消えてしまいました。
「え?まさか今ので終わり?」「これだけ?」
海自のイベントには詳しいが空自のにはあまり、という人が多いのか、
ざわざわする中、
青い空を斜めに切り取るように同じ方向から現れました。
この日の天気は絶好のブルーインパルス日和。
雲ひとつない真っ青な空を航過するブルー。
ちなみに、旗艦の「くらま」にはブルーの隊長が乗っていて、
乗客に向けて説明のアナウンスを行ったそうです。
制服を着て乗っていたのに、きゃあきゃあ騒がれるどころか、
ブルーの隊員であることに気づく人すらあまり周りにおらず、放置状態だったとか。
入間なら、サインをもらうために皆長蛇の列に並ばないといけないのに・・・。
おそらく隊長は、海自イベントでの「アウェー感」をひしひしと感じたのではなかったでしょうか。
護衛艦(の一部)とブルーインパルスのショットが初めて撮れましたが、
よりによってこれか、みたいな。
写り込んでしまう頭が邪魔。
何が始まるのかな?
桜ですか!
ちなみに「くらま」の上でなく、わたしたちの前で行われました。
あ、これにも少し護衛艦(の一部)が写ってますね。
そしてバーティカルではないハート。
矢が射抜かれることはありませんでした。
キューピッドの矢になるはずの4番機が新人なので省略したという噂も。
そして最後に謎の航跡を残して(というかこれはなんだ)
ブルーは去って行ったのでした。
こんな全方位何もない、まるで青いキャンバスのような空で見るブルーの演技は
短かったけど、見ている人すべてに強烈な印象を残したと思います。
続く。