意外と小さな写真の方が飛行機の動きがわかりやすいと思い、
ブルーインパルスの演技「コークスクリュー」をコマにしてみました。
真っ直ぐ飛ぶ機はともかく、スクリューを描くブルーは凄いテクニックが要りそうです。
今回ブルーインパルスのことをいくつか調べていて、ブルーについて
その飛行やその薀蓄を実に細かく調べている人がいて、
この方はおまけにブルーの「追っかけ」のようなことをして、
クルーに技術的なことを質問したりしているのに驚きました。
マニアというか、ある一つのことを徹底的に掘り下げて調べる人と言うのは
どんなジャンルにもいるのだなあ、と実感。
しかし、この方が渾身のリサーチで「こう操縦すればこうなるはず」
とシミュレーションしても、しょせんそれは「机上の空論」。
しょせん、「機上の空論」、空論は空論でも「そら」の実論には及びもつかず。
というか、ブルーのパイロットからは
「理屈じゃなくて体で覚えるしかない」
なんてごくごく当たり前のことを言われていました。
やはり、実際にやっている本人にしかわからないことなんですね。
さて、一日につき一機種ずつお話ししてきて6日目。
実際には一時間半で六種類の航空機が展示飛行されました。
その六番目の展示飛行は、C-130です
F-2、F-15のときにはあっという間にフレームから外れるので
アテンションマックスで写真を撮っていたのですが、これが現れたときに
あまりにも動きに変化がないので、ついテンションが下がってしまったエリス中尉です。
今日お話しするのはこの飛行機のこと。
誰が言ったか「世界最高の輸送機」。
正式名称がロッキードC-130ハーキュリーズ。
ハーキュリーズはギリシア神話の半神半人の英雄、ヘラクレス。
わたくし、ヘラクレスと言えば、赤ちゃんの時にヘビを絞殺した話しか記憶にないので、
実は何をした神様なのか知りませんが、ディズニーの映画は見ました。
ケンタウルスとコンビを組んだド根性サクセスストーリーが面白かったですね(笑)
その機体はギリシャ神話の英雄の名にふさわしく堂々とし、
こう見えて短距離着陸性能は他の追随を許さず、なんといっても
この巨体で航空母艦からカタパルトなしで飛び立つことができたという・・・・・。
その完成度の高さは、初飛行からすでに60年近く経っているというのに、
いまだに後継機が造られる気配すらない独走状態。
戦術輸送機としては最も成功した機種と言えましょう。
汎用性も高く、あらゆるタイプの派生型が生まれています。
その一例を挙げると・・。
■ガンシップ型(AC-130)
ガンシップ、って言葉知ってましたか?
シップってフネじゃん、とおっしゃる方、
ああ、ナウシカのあれね、とおっしゃる方もおられるかもしれません。
ガンシップとは本来海軍用語で砲を備えた艦船を指すのですが、
ベトナム戦争のとき、アメリカ軍がベトコンを掃射するために作られた
ヘリや航空機のことを第一義にします。
つまり、非装甲の歩兵を薙ぎ払うための武器搭載航空機。
うわー・・・・・・。
さすがは無抵抗の一般市民の上に原子爆弾を二発も落とすアメリカさんだ。(棒)
俺たちにできないことをやってのけるッ!そこにしびれ・・・・ないし憧れない。
えー、つまり局地制圧を目的とした航空機と言うことです。
AC-130は現在現役としては唯一のもので、ベトナム戦争以降、グレナダ侵攻、
パナマ侵攻、湾岸戦争、ボスニア・ヘルツェゴビナ紛争、ソマリア内戦、コソボ紛争、
イラク戦争にも投入されました。
つまりアメリカの首突っ込んだ戦争って、戦後これだけあるってことなんですね。
第二次大戦後一回も戦争していない日本が「右傾化している」と騒いでいる連中は、
まずアメリカさんに何か一言言ってからにしていただきたい。
■無人標的機管制型(EDC-130A/E)
無人標的とは、攻撃、射撃訓練の的となる無人の航空機のことで、
それを管制する装備を搭載している機。
吹き流しを曳航して標的にしていた昔には、しばしば曳航機を
撃墜してしまうという事故が起こったものだそうです。
勿論、今でも起こる事故です(迫真)
有名な話ですが、実は海自は米軍の曳航機を「撃墜」したことがあるんですねー。
護衛艦「ゆうぎり」がリムパック(日米合同演習)参加中に、
米海軍の標的曳航機A−6イントルーダーを
ファランクスCIWS(20ミリバルカン機関砲、1分間3千発以上発射可能)で、
撃墜したのです。ちなみに、
┌─────┐
│誤射 だ よ。│
└∩───∩┘
ヽ(`・ω・´)ノ
イントルーダーは、標的の吹流しを500M以上あるロープで牽引していたのですが
「ゆうぎり」さんたら、レーダー照準を敵機、じゃなくて米軍機にばっちり合わせて、
見事撃墜してしまったというわけ。
ふむ・・・照準を合わせておいて「誤射」とな。
という限りない疑問は残りますが、米軍機のパイロットは二人とも無事だったせいか、
米軍側からは抗議などは特になかったそうです
でも、これ、総司令官が謝りに行ったんだろうなあ・・・。
「幸い損傷も軽かったし、別段気にしておりません。
それよりも『夕霧の君』にキスされて光栄に思っております」
米軍司令が源氏物語オタクならこう言って許してくれたでしょう。
撃ち落としてしまうことを普通キスとは言わんだろう。
・・・そういう問題じゃない?
■電子戦機型(C-130E コマンド・ソロEC-130E ABCCCIII)
電子戦ったら、あれですよ、
電波で探索したり妨害したり探索したり妨害したり。
そういうことなので、興味がある方はウィキを貼っておきましたからお読みください。
(なげやり)
■EC-130E(RR) リベット・ライダー (Rivet Rider)
テレビなどによる宣伝放送を行います。
うーむ。テレビによる心理戦とな。
最近テレビと言う媒体で日本人に対する「心理戦」が、特にNHKで行われている気がするのだけど、
・・・・・そういうのとは違う?
やはり映像媒体はときとして情報戦の重要なツールになりうるのですね。
画像を見つけたの貼っておきます。
ハーキュリーが背中に皿をしょっていて、とてもかっこ悪いです。
その他有象無象。(おいっ)
■地上試験型(GC-130)
■戦闘捜索救難機型(HC-130B/E/H)
■救出作戦用(MC-130P コンバット・シャドウ)
■空中給油型(KC-130F)
■南極観測用(LC-130) ■ブルーエンジェルス専用機(TC-130G)「ファットアルバート」(太っちょアルバート)として、1機だけ運用されていた機体。
ブルーエンジェルス専用機、・・・・・ってこれ、ブルーズの機体を
全部積んでるってことですか?
ディズニーシーにある「ストームライダー」を思い出してしまいました。
後は哨戒用や海上哨戒用、胴長型、給油タイプ各種揃っております。
それにしても、麻薬の取り締まりにどうして輸送機が必要なのか・・・・・。
陸上自衛隊はこれを空挺団の降下にも使用します。
ところで最近、自衛隊の偉い人は、出張の時にどうするか?
という話を聞いてしまいました。
たとえば関東近辺の基地、あるいは防衛省から北海道出張があったとしますね。
そういう時は、入間―三沢―北海道のどこかの基地、
と言う風に中継ぎを挟んで、ヘリと輸送機で移動するのだそうです。
たとえば海自の偉い人であっても、空自の基地から空自機を使ったりして、
何しろ民間航空は使用しないというのですね。
当たり前と言えば当たり前なのですが、少し驚きました。
ですから、この輸送機などで偉い人は「出張」されるわけです。
あ、この場合の「偉い人」がどの程度偉いのかについては、いい加減ですので念のため。