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舞妓さんの花簪〜京都・旅淡シリーズ

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京都にはなんども来ていますが、高瀬川沿いに歩いてみたのは初めてです。




「サクラの仲間」・・・・・・

ソメイヨシノでないことはわかった。しかしあとはわからない。
というわけで「サクラの仲間」。
別にこれならわざわざ札をつけることもないと思うがどうか。




「サクラの仲間」が満開です。



河原にいきなりあった「友愛」の石碑。
民主党と鳩山のせいで、胡散臭さしか感じねー。(笑)



さきほどの「サクラの仲間」とはまた違う「サクラの仲間」。
(もう、すべての種類を『サクラの仲間』で乗り切る気満々)



元和キリシタン殉教の地、と書かれています。
日本のキリシタン弾圧事件として大きなものは三つあり、「元和キリシタン」事件は
幼い子供を交えた50名が火あぶりにされるという大規模なものでした。



江戸幕府のキリシタン弾圧は慶長17(1612)年に始まりました。
翌年には京都にも波及し、二回目の弾圧は元和年間に激しくなりました。
「元和キリシタン」の名前の由来です。

豊臣秀忠はキリシタン投獄者に対し老若男女の区別なく火あぶりの刑を命じ、
元和9年(1623年)10月31日、52人が大八車に積み込まれてここに運ばれ、
この写真の正面橋から下流を望む河原で一人残らず処刑されたといわれています。

元和キリシタンの殉教:橋本ジョアン、テクラとその子供たち




少しその辺を一周しただけでこんな歴史の痕跡が残っているなんて、
さすがは京都としか言いようがありません。
宣伝のつもりなのか放置してあるのか、正面橋のたもとにはお寺の鐘が・・。



カメラを持って写真を撮って歩いている人もたくさんいました。
ところで橋の向こうにあるいかにもな建物はなんでしょうか。



なんでもインターネットで調べられる便利な世の中になりました。
「本家 三友」とありますが、ここ、京都に残るお茶屋さんで、
いまだに営業を行っているそうです。

お茶屋、というのは芸妓を呼んで客に飲食させる店という定義があります。
料亭との違いは、料理をそこで作るか、仕出しを呼ぶか。
芸妓さんは料亭でも呼べますが、いったんお茶屋を通すことになっており、
花代(芸妓と遊んだお料金)は後日お茶屋に支払うことになっています。

よく言われるのは京都のお茶屋は一見さんお断り。
だから、いくら中国人観光客が所望しても、一般的にはお茶屋で芸妓は不可能です。

ただし、昨今では京都のお茶屋業界も貧すればなんとやらなのか、
外国人向けのお茶屋遊びという企画もあるそうです。
もちろん、中国人の中でもかなりのリッチな人や政府関係者むけだそうですが。

チャン・ツィイーが芸者の役をした「サユリ」という映画がありましたね。
あれを見て、芸者=娼婦だと勘違いした中国人が、このお茶屋遊びで
芸者さんに触ったり着物を脱がせようとするなど信じられない狼藉を働き、
顰蹙を買っているのに締め出すこともままならない、という構図もあるとか。

「粋」などという言葉はおそらく霊的に生まれ変わっても理解できない
文化の人々、ただでさえ、舞妓さんや芸妓さんを呼びとめたり触ったり、
写真を強制して眉を顰められているわけですが、これが超金持ちとなると、
金を出しているのだから何をしてもいい、とさらにやりたい放題に・・。

比叡山より高い京都人の誇りはどこに行った。


ついでですが、銀座の超有名なビルの関係者からTOが直接聞いたところによると、
彼らは階段で腰をかけてものを食う、トイレでは紙を流さずその辺に捨てる、
(掃除の人が日々泣いているそうです)ところ構わずトランクを広げて荷物の整理を始める。

なにより肝心の日本人の顧客がそれを嫌がって来なくなるのが打撃だそうです。



銀座も京都の花柳界も、日本人の中では「敷居の高い場所」であり続けてきたし、
またわたしなど日本のどこかにそういうところがあってもいいと思っていたわけですが、
昨今の遠慮を知らない中国人観光客によって、それらはただの「観光地」へと価値を下げてしまい、
そういう場所を必要とするような層が逃げ出してしまうという現象を生んでいます。

某老舗デパートに来るクレームにも、

「そんなに中国人客が大事なら専用のデパートに鞍替えなさってはいかがか」

というものがあると聞きました。



さて、鴨川沿いの道を歩くことにした、というところからもう一度。



京都の青春。
デートの最中、河原に座って語っていたところ、女の子がいきなり靴を脱ぎ
水に入って行ってしまい、男が慌てる。

「裸足で水に入ったりして危ないでー!」
「うふふ、気持ちいいからトモくんも入り」
「えー、俺ええわ」
「あかんたれやなー」

京都で学生生活をしたものなら誰でも一度は経験・・・しねーよ!



謎の物体。灯篭の土台かなんかでしょうか。



河原の高さにも歩道が整備されているので、ゆっくり散策したい人は
降りて川面を見ながら歩きます。



これも「サクラの仲間」なのですが、
まるで幼稚園でつくるティッシュのお花みたいです。
桜というよりシャクナゲのような咲きっぷりですね。



光源氏のモデルだとかの「源融」さんの在所にあった榎。
苔むした様子を見てもかなりの樹齢だと思われます。 



かなりの樹齢といえばこれも。
京都市博物館の敷地に立っているらしい、この傘型の木は何?
あまりに立派で大きいので目を引きました。



晩御飯を食べるためにハイアット(旧都ホテル)まで歩きました。
おなじみの京都市バス。
全く変わっていないようで時代の流れによって少しずつ変化しています。
最新のタイプはハイブリッド式ですが、時々企画として古いタイプを走らせる、
ということもやっており、そうなるとどこで知るのか「撮りバス」が
どこからともなく現れて、血相変えてバスを追いかけるのだそうです。

なんの世界にも「撮り」っているのねー。



今夜の夕飯はハイアットの和食にしました。



いわゆる懐石風の和食を息子が嫌うので(まあ気持ちはわかる)、
単品で注文できるということを前もって確かめてから来ました。

この鴨のローストはおいしかったです。



鍋焼きうどんを頼んだら、てんぷらと冷凍でないエビが入っていました。



寿司も単品で頼めたため、これに少し付け足して大満足。
それはいいのですが、デザートのフルーツ・・・・。

わたしたちがなんでも三人でシェアしていたためか、
イチゴが6つに切れていたのには驚きました。



石庭をイメージした粉砂糖の上に乗ったブッセ。
これは正直イマイチでした。ふわふわしていてフォークで切れないし。



わたしたちが美味しいご飯に舌鼓を打っていると、
いきなり横に舞妓はんが降臨!
なんと京都のホテル、ディナーを取っている客に「舞妓サービス」を行うのです。
どこぞのお茶屋さんに頼んで毎晩呼んでるんでしょうか。

これは中国人でなくても(笑)嬉しいサービス。
早速お断りして写真を撮らせていただきました。

とりたてて会話はしませんでしたが、
聞いたら色々とインタビューさせてもらえたんでしょうか。

舞妓さんの実態には当方全く詳しくないのですが、彼女はまだ修行中の
いわゆる「半玉さん」ではないかと思われました。
かんざしに「ぶら」と言われる文字通りブラブラがついていて、
これはまだなって1年未満の舞妓さんを表しているということだからです。


彼女のかんざしには桜の花があしらわれていますね。
舞妓が付ける花簪の意匠は月ごとに決まっており、四季の移り変わりを表現し、
その舞妓の芸歴・趣味を反映させるものなのだそうです。



他のテーブルで写真を撮られている舞妓さんの後ろ姿を見ると、
だらりの帯が比較的短いのもそう思った理由のひとつ。

彼女と一緒にお店の人にシャッターを押してもらって写真に収まる客もいました。



さて、明けて翌日。

前日はつい鴨川に靴を脱いで入ってしまっても仕方ないというくらい
気温が高く、まるで初夏のようでしたが、
夜、寝ながらすごい雨音がしているなあと思ったら、朝も降り続いていました。

雨の合間に、任天堂の屋根にはこの辺にたくさんいるらしいカラスが集まって羽繕いしています。



8時に朝ごはんを運んでもらうように注文しておいたら、
若い男性が雨の中これだけのものを持ってバイクでやってきて
ちゃんとセッティングして行ってくれました。
煮豆や御新香、ぬたなどいかにも京都の朝ごはんという感じ。

焼き魚やましてや納豆などというものは決して付いてきません(笑)
(関西人、特に京都人って納豆が嫌いな人が多いのです)
味噌汁のかわりにポットに入れられた薄いだし汁を、お椀に注いでいただきます。
わたしは関西で育って京都の薄味には馴染みがありますが、
知り合いの東北人など、京都出身の奥さんの実家に行くと
何を食べても「味がない」と感じるのだそうです。


これらは料亭の仕出しなので、宿泊費は結構なお値段になってしまいましたが、
昨今、京都のホテル代は高騰しているので、三人で泊まったと考えると
町屋の宿泊は決して高すぎるというわけではありません。
朝食を外に食べに行くつもりなら、ホテルよりも安いくらいです。



メッセージを書くノートをパラパラと見てみると、中国語のメッセージもありましたが、
ほとんどが台湾からの観光客でした。

というわけで初めて経験した京都町屋の宿泊、皆様にも熱烈お勧めします。


京都 町屋の宿

花籠京都

 


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