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平成28年度富士総合火力演習〜"FIRE AND FORGET"

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さて、匠の技でTOTによる富士山を描いた特科火砲部隊が
満場の観衆を沸かせた富士総火演会場です。

弾着が決まると、皆は口々に「おおお〜」と呟くのですが、
その人数が多いため、ストリームの映像にはしっかりと
「おおお〜」といううねりが記録されていました。

なんでも会場には2万6千人の来場があったそうですから、
その10人に一人がつぶやいたとしても2600人分のどよめきです。




続いては120ミリ迫撃砲など、迫撃砲・対戦車誘導弾の展示です。
まず、CH47チヌークが迫撃砲を牽引して飛来しました。



 UH-60は、120迫を操作する隊員を運輸してきたのです。



衝撃を受けないようにそっと砲を着地させたら、上で牽引していたロープを外します。



残念ながらCHと砲を撮っているちょっとの隙に
リペリング降下が終わってしまっていました(´・ω・`)

120迫の砲員たちは地面に降りると迫撃砲に突進します。



組み立てはもう終わっているので牽引索を外せばあとは撃つだけ(多分)

120迫は榴弾、対軽装甲弾、発煙弾、照明弾など4種類の弾薬を
射撃することができ、軽くて持ち運びが簡単、
島嶼部などへの展開がしやすい装備となっております。



砲を目標に向けてもうすでに先端の牽引具を外し中。



そこに、車で81mm迫撃砲と120mm 迫撃砲を牽引してくる迫撃砲小隊あり。
これらの砲は小さいですが、弾道を高して撃つことで
山の裏側や壕に隠れている敵を制圧できます。

 

車が止まるなり飛び降りて、あっという間に準備完了。
この起動の速さが、戦車などに先駆けて敵に攻撃を仕掛けるのに向いています。



120mm迫撃砲は毎分15〜20発の射撃が可能です。

分隊長が指揮を執り、砲手、副砲手、操縦手、2名の弾薬手の
合計6名で射撃を行います。

81mmは分隊長、砲手、副砲手、弾薬手の4名で行います。




砲身に迫撃砲弾が埋まるようにして合図を待ちます。

砲身の内側にはライフリングという螺旋状の切り込みがあり、
砲弾面にはこれと噛み合わせるための突起が刻まれているそうです。



81mmの説明を読むと、この弾込め係は副砲手なんだそうですが、
120迫も副砲手ってことでよろしいんでしょうか。

そして、手を離したときがつまり発射のときなんですね。
なんでもこれを「落とし込み」といって、砲弾を自重で落下させると
撃発・発射するのが一般的な迫撃砲の仕組みなんだそうです。

手を離さない限り決して爆発しないので、持っている間は安全ってことです。



まず炎が噴き出し・・・、



その後弾薬が薬莢を脱ぎ捨てて?射出されます。



もう一発。



発射は全部で3回行われ、同時弾着を繰り返します。

 

迫撃砲小隊が陣地変換を行ったあとは対戦車部隊の登場です。
誘導弾の発射装置を車両に搭載しています。

これは87式対戦車誘導弾。
ただの車に見えますが、目標にレーザーを照射してミサイル弾を誘導します。 



中距離多目的誘導弾、96式多目的誘導弾システム(MPMS)など、
戦車の装甲の薄い部分に命中させたりする能力を持っている火器とともに
フィールドに一列に並びましたが、実際の射撃は後方への爆風が大きいので、
会場から見えないところに置いてある装備から発射を行いました。

このあと、本来は96式多目的誘導弾の発射が行われるはずだったのですが、
この日はどういう事情か実射はなく、映像だけの紹介となりました。



設営隊が設置するという指向性散弾。
あらかじめ仕込んでおいた鉄球が扇状に飛び散り、
相手歩兵を殺傷します。(こえ〜)



これが敵歩兵のつもり。



風船がこんなの受けたらそりゃ割れるに決まってますわ。

これ、昔は「指向性散弾地雷」といったそうですね。
日本が対人地雷の撤廃に批准したので「地雷」という言葉をなくした、
というんですが、これなんだか変じゃないですか?

名前が「地雷」じゃないからこれは地雷じゃない、ってこと?
対戦車用だから対人用じゃないって言い訳もなんだか苦し紛れみたいだし。

昔、批准の話を聞いたとき「周りの国はどこも批准してないのに日本だけが」と、
我が国のいい子ちゃんぶりに少し呆れたことがあるのですが、
なるほど、こういう抜け穴があったのか・・。

なかなか防衛省も悪よのう。いや、別に責めてるわけじゃありませんが。



続いて軽装甲の上から01式(マルヒトしき)対戦車誘導弾、
通称「マルヒトATM」が発射されました。

これ、適当に撃ってるみたいだけどどんな仕組みなんだろうと思ったら、
なんと、赤外線画像誘導システムを搭載した追尾式なので、
本当に適当に撃っていたことが判明しました。

あらかじめ何かを狙うというのではなく、とにかく撃ったら、
ミサイル本体が、戦車などが発する赤外線を捉えて追尾するため、
さっさと逃げてしまえるというわけです。

この撃ちっ放し能力を英語で”Fire&Forget”といいます。
いいなあファイアーアンドフォーゲットって響き。
昔そんなバンドありましたよねー。
それはアースウィンドアンドファイアーや。 


 
続いて対人狙撃銃の射撃です。
このクソ暑いのにギリースーツ着用でご苦労様なことです。

対人狙撃銃は狙撃手と観測手が2名一組で射撃を行うことになっていて、
800mくらいの距離なら目標にどんぴしゃり当ててしまいます。

やはりゴルゴ13が入隊の暁には適材適所でここにきてもらわねば。



当たり前ですが狙撃は陰に隠れて行うものです。
しかし皆に見てもらわないと意味がないので、総火演では
このように台の上から狙撃を行います。



目標はこの車の窓(のなかの人物)。
この日は最初から窓枠部分のボードが外れかけておりまして、
ゴルゴも多分やりにくかったんじゃないかと思います。



しかし依頼された仕事はきっちりやる。



続いて小銃小隊。
96式装輪装甲車が96式40mm自動擲弾銃を射撃。
近距離に敵がいるという設定です。



歩兵を乗せて続々と集結する96式。



まず敵歩兵に見立てた黄色い風船撃破。

次に同じ96式から12.7mm重機関銃の連射。
赤い弾道が隣に集中して吸い込まれていきます。

この重機関銃は一分間に400〜600弾を発射することができます。



96式が二種類の火器で敵を掃討しながら進むと、
車両内に乗っていた小銃小隊の歩兵が外に出てきて地域を占領します。



06式小銃擲弾による敵歩兵に見立てた風船撃破。

風船を直接狙わずとも、着弾してから破裂してくれるので、
ゴルゴばりの狙撃能力はとりあえず必要ないみたいです。

ところでこの06式小銃擲弾を作っている会社ってどこだと思います?
ダイキン工業なんですよ。
なぜ空調会社がグレネードを?

あまりにも不思議だったのでなんとなく呟いたら、近くにいたMKが

「クールだから」

  ___
  \●/ ))
(・∀・)ノ 




対戦車榴弾である84mm無反動砲、カール・グスタフさん射撃。



続いて携帯対戦車弾が炸裂。



無反動砲も撃って、白い+印のついたボード全員無事死亡。



最後に発煙弾。
このように、対戦車榴弾、対人榴弾、発煙弾、照明弾と
4種類もの弾薬を一つで皆撃てるお得な火器、
それが84ミリ無反動砲なのです。


そうそう、照明弾といえば、わたくし今回は夜間演習にも参戦いたしましてね・・・。
おっと、その話はまたいずれ。

続く。




 


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