浜松基地エアーパークに展示されているF−1について少し書いてみましたが、
今日はそれ以外の展示を駆け足でご紹介します。
室内の展示は一階と二階に分かれ、受付を通ると一階部分は
航空自衛隊の任務と活動、研究開発、そして航空機のメカニズムがテーマ。
まずはXF-2のモックアップを見ながら入っていくと、
実は同じフロアにバーチャル航空管制司令塔があります。
時間があったらここで体験してみたかったのですが・・・。
ここでは戦闘機の能力や、後方任務について、映像で説明しています。
そしてそこにF-1が展示されているのです。
F-1の横にあるカットエンジンを見たら、階段をあがり、
二階展示室へと・・・・・・。
そこは、現在空自で使われている航空機の模型が。
鹿屋の航空史料館を見学したとき、そこに展示されていた
そう大きくない模型をさして、案内してくださった元自衛官の館員は
一体が何十万(忘れましたが)くらいかかるのだ、とおっしゃっていたのを
これを目の前にしたときにふと思い出しました。
全ての航空機の模型、一機であの値段なら(といっても覚えていないんですが)
これだけ全機そろえたらいったいおいくらなのか・・・・。
あ、この航空機群、下の方をF-2(洋上迷彩)が飛んでいますね。
静浜基地のプロペラ練習機、T-7もちゃんといます。
続いて黄色い救難ヘリ群。
そして、後ろに行くと重量級の輸送機の皆さんが。
しかし、このでかでかとした注意書き・・・・。
お子様が乗ってしまうという事件でもあったのだろうか。
まさか、と思われる方もおられましょうが、親と一口で言っても
なかなかいろいろいるものですから。
今日、とある商業施設でキーキー(文字通り)言いながら走り回る子供を、
マクラーレンのベビーカーを押した母親が全く放置していたところ、
よその子に激突してその後大騒ぎになっていましたからね。
その向かいにはブルーインパルスコーナー。
ブルーの隊員の人形、ヘルメット、
写真や模型など。
というか、ここは「ブルーインパルスの模型を展示するコーナー」?
続いては搭乗員装備品、救命装備品の展示。
ところで空自の敬礼は、旧軍の陸軍式?海軍式?
うーん・・・・もしかしたら角度的には中を取って真ん中へん?
これを見る限り、海自のより角度はあって、陸自より肘は低い気がする。
まあ、人形なので全くあてにはなりませんが。
搭乗員が装着する
「強制開傘式背負い型落下傘」。
ガン・デプロイト・パラシュートと呼ばれており、
脱出高度を感知すると自動的に火薬の力を利用して
強制的に落下傘が開く仕組みになっているものです。
ゴムボートまである搭乗員の装備品の数々。
薬や包帯、サバイバルナイフなどなど。
右上から行くと、
黄色い箱は「海水脱塩剤」。
錠剤を海水にいれると飲み水になる。もちろん非常用。
緑のものは、航空糧食。
うーん、ちいさい。カロリーメイトみたいなものかしら。
黄色いのはわかりませんが、その下は保温材。
携帯型カイロの大判でしょうか。
その真下の白いパックは、なんとこの小ささで携帯毛布。
普通の毛布の2,3倍の保温力があるそうです。
なにでできているんだろう。
続いて地上武器のいろいろ。
実物がそのまま展示されています。
バルカン・エア・ディフェンス・システム。
ラインメタル・対空20ミリ2連砲。
81式短距離地対空誘導弾の説明。
スティンガー。
赤外線探知機、誘導技術の面で優れており、一人で操作可能。
というか、これどうやって二人で使うんだろうか。
ご覧のように携帯式です。
目標機に対して全方向から射撃が可能で、敵味方の識別装置も備えていると。
しかし、この後ろ側から弾が出るドリフ的展開をつい考えてしまうのは
わたしだけでしょうか・・・・・・わたしだけですねすみません。
各種飛び道具。
どうしてここに飾ってあるのだろう。
もう旧式となって使わなくなってしまったということでしょうか。
ラインメタル対空20ミリ砲の説明を熱心に読んでいる女性。
自衛隊では制服のことも「装備品」というのですね。
空自の冬服の、何とも言えない中途半端な色が、
エリス中尉、正直申し上げてあまり好きではない。
このデザインも、ふた昔前の民間パイロットのようで、あまり重みが無いというか。
え?空自だから伝統墨守の海自や、戦車で土を蹴散らす陸自みたいな
いわゆる「重み」はいらんのだ、って?
やっぱり空自でかっこいいと思うのはフライトスーツかな・・。
さらに言えば、白いマフラーを見せるブルーインパルスのユニフォームが素敵です。
ブルーの制服はドルフィンキーパーもいいですよね。
このような説明も。
軍人さんが左胸にいろいろつけているカラフルなあれ、何かと思っていたのですが、
「防衛記念章」
というのだそうです。
よくわからないのだけど、勲章みたいなものかしら。
そういえば、偉い人ほどたくさんつけているような気がしますね。
下の部分を読んでいくと
「第30号防衛記念章・海外訓練経験者」
「第27号防衛記念章・25年以上勤続者」
「第33号防衛記念章・イラク特別処置法に関する業務従事者」
このような感じですから、やはり勤続年数が長くなり、えらくなると、
それだけ胸のこの防衛章がにぎやかになっていくということのようです。
そのイラク復興支援関連の制服が、これ。
今までの自衛隊には無かった「砂漠迷彩」採用。
強烈な日差しを防ぐための帽子、砂埃を防ぐマスク。
手袋も半長靴も、すべてサンドカラーです。
さて、というところが二階の展示ですが、この二階には
全天周シアターというのがあり、迫力の大スクリーンで、
航空機の映像を楽しむことができます。
わたしは時間が無かったので見られませんでしたが・・。
さらに、そこから三階に上がっていくと、
「コミニュケーション・フロア」で、そこにはまず
図書館があります。
そう充実しているわけではありませんが、自衛隊、航空関係の著書が。
「秘めたる戦記」
「太平洋戦争海藻録」
「最後のゼロファイター」
「マリアナ沖の七面鳥撃ち」(これをタイトルにするか・・)
ちょっとわたしなら手に取ってみたいと思ってしまう図書が多数。
もちろん、ちょっとしたものが食べられる喫茶・軽食堂も完備。
三階にあるだけなのに「スカイラウンジ」とはこれいかに。
きっと、空自だからですね。
ここでは、あの自衛隊限定ドリンク「元気バッチリ!」
をオーダーして飲むこともできます。
この階には、操縦シミュレーターもありました。
ブルーインパルスの頭部のみ。
「やわらか戦車」を少し思い出してしまいました。
向こうをぶらぶらしているのは息子です。
三台あるうち、稼働しているのが一機だけだったので、
前の人がやるのを後ろから見ていました。
取りあえず一回だけやってみました。
それはそうと、二機が壊れている、というのはこうです。
ポッキリ根元から折られた操縦桿。
これ、絶対誰かが故意にやってますよね。
そして、そこにはこんな貼り紙が。
「残念ながら」
「連続して発生しました」
操縦桿が折れたのは「故障」ではなく、この言い方によると
「破損された」
と言うことですよね。
だれか犯人がいるということをうっすらと訴えつつ、
その犯人への怒りが読む人にはわかる、
実に真意を述べるに簡潔な名文だと思います。
そしてさらに
「今年度予算が成立ししだい」
この一言に、自衛隊の置かれた立場と、その中で
できることしかできない、という悔しさがにじみ出ている
(ような)文章だと思われませんか?
民間の博物館なんかではないので、こうやって壊されても
予算が降りるまで直すことなんてできないんだよ!
直したいがな!
みたいな、心の叫びが聴こえてくる(ような)文章です。
それにしても、酷いことするやつがいるなあ・・・。
さて、それではエアーパークの探訪記、
最後に、体育館のような格納庫に展示されている航空機を紹介しましょう。