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安倍首相訓示はどう報道されたか〜平成28年度 自衛隊記念日 観閲式

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朝霞で10月28日に行われた自衛隊記念日の観閲式についてです。
観閲式が本当に始まるのは、徒歩部隊が入場し終わって、
観閲官たる内閣総理大臣が臨場する瞬間です。



車から降りた安倍総理が観閲を行うことを宣言した後、

「こちらへどうぞ」



皆で団子状態になって移動(笑)
紫の旗はもちろん内閣総理大臣旗です。



第302保安警務隊の前に立ち、儀仗隊の栄誉礼を受けます。 
この後 紅白の台の上で国旗掲揚されるのを見届けた後、
オープンカーに乗り込みます。



車のフロントガラスに掲示していある5つの星は総理大臣の印。
自衛隊の最高指揮官たる内閣総理大臣の旗と同じです。



巡閲のためには徒歩部隊の一番端までまず移動するのですが、
それには観客席の近くを車が走行することになります。
安倍首相はその間ずっと観客に座っている人々に視線を向けていましたが、
これは政治家としての習い性とでもいうのか、

「どこか見ているように見えるが実はどこも見ていない」

という状態だったのではないかと思われます。
それにしても最近安倍さん、父親の安倍晋太郎に似てきましたね。

 

みなさんここぞと写真を撮りまくり。



オープンカーを先導する白い車にはSPが乗り込んで
厳しい視線を四方に注いでおります。
エンドまで行った車はここでUターンして帰ってきます。



そして部隊の巡閲を行うわけです。
総理の後ろの車には「防衛大臣旗」が付けられています。
後ろ座席に乗っているのはもちろん稲田大臣。



近くに座っていた人が、

「”晋ちゃんと稲田姫”っていうお菓子があったけど、
すぐ無くなってしまいそうだから買っとこうかしら」

と会話していましたが、おいおい(; ̄ー ̄A 

稲田大臣の隣は森山陸将です。



で、この安倍首相の隣の青マフラーは誰っ?!
職種はこの色だと通信科ということになるのだけれど、
安倍氏の隣に座るからにはボディガード兼用ですよね?
確かに強そうでは、ある。



合同音楽隊の演奏は、曲によって指揮者が交代します。
このとき「巡閲の譜」を演奏していたのは海上自衛隊
東京音楽隊の隊長樋口2佐でした。




さて、準閲が終わり、観閲間の訓示が行われました。
毎年毎回、マスコミというのはこの安倍首相の訓示の中から
安倍政権の目指すところを指し示すような象徴的な部分だけ
取り出して報道してきましたが、今回の訓示はどう頑張っても
マスコミ的に「美味しい」内容とは言えませんでした。

つまり全編自衛隊への感謝に終始していたのです。
ここで安倍首相のこのときの訓示を要約してみます。 


大災害が起きたとき被災者にとって自衛隊はまさに「希望の光」です。
台風10号での被害、熊本地震、いずれにおいても自衛隊は
危険も顧みず、夜を徹して、懸命の捜索・救助活動にあたり、
被災者の不安な心に寄り添いながら、生活支援に全力を尽くしました。
 「真に国民のための自衛隊たれ」
自衛隊創設以来のこの素晴らしい理念を、その身を持って、実践し、
今、国民から揺るぎない信頼を勝ち得た、諸君たちを誇りに思います。

 

カンボジアPKOに始まる、自衛隊の国際貢献の歴史は、20年を超え、
南スーダンでは世界の60を超える国々ととも国連PKO活動に従事しています。
 
首都ジュバで共に活動しているカンボジアの部隊の若い女性隊員が、
ある時、自衛隊員にこう話しかけてきたそうです。
 「約20年前、日本は、私の国を支えてくれた。」
内戦に苦しんだカンボジアが、国連PKOの下、平和への道を歩み始めた90年代初頭、
まだ幼い少女であったその隊員はこういったそうです。

「かつて日本が私たちにしてくれたのと同じことを、
わたしたちは今南スーダンの人たちにしている。
日本の人にこの姿を見てもらえて嬉しい」

自衛隊が撒いた「平和の芽」はカンボジアに花を咲かせ、
今また南スーダンに種が植えられているのです。 

危険の伴う、自衛隊にしかできない責務を立派に果たしてくれている諸君に、
心から敬意を表すとともに、今後も、「積極的平和主義」の旗を高く掲げ、
国際的な舞台で活躍してくれることを期待しています。

戦後、日本はひたすらに平和国家としての道を歩んできたし、
今後も、その歩みが変わることは決してありません。

 

国際情勢が激変する時代にあって、国際社会と手を携えながら、
平和国家として歩んでいくために平和安全法制はあるのです。
 

平和安全法制により日米は、一層緊密に、協力できるようになりました。
のみならず世界、フィリピンを始め、東南アジアの国々、豪州やインド、
欧州の国々、ASEANやEUからも、強い支持を得ています。

この法制によって、諸君には、尊い平和を守り抜き、次の世代へと引き渡す
新しい任務が与えられるでしょう。
隊員諸君には、かけがえのない平和の守り神として、
精強なる自衛隊をつくりあげてほしいと願っています。
 

今この瞬間にも、我が国の領土、領海、領空を断固として守り抜くため、
自衛隊の諸君は任務に当たっています。



一人の海上自衛官が、5日前、31年に及ぶ自衛隊人生に幕を下ろしました。

 「父は、ほとんど家にいなかった。たまにいても、ゴロゴロしていた。」

高校2年生となった彼の息子さんは、そんな父親に反発した時期もあったそうです。
しかし今月、同じ艦(ふね)の仲間が開いた送別会に招待された息子さんが
そこで見た写真には、家では見たことのない厳しい表情で、
真剣に任務に打ち込む、若かりし日の、制服を着た父の姿がありました。
イージス艦一筋だった父がミサイル防衛の最前線でいかに重要な役割を果たしてきたか、
どれだけ多くの後輩たちから尊敬を集めてきたかを聞かされた息子さんは、
送別会の最後、マイクを握り、こう言ったそうです。

「父の背中が、今日ほど大きく、偉大に見えたことはありません。
僕も、お父さんのように、立派な自衛官になります。」
 

隊員たちの御家族の皆様、どうか、誇り高き彼らの姿をよく御覧ください。
国民の命と平和な暮らしを守るというこの崇高なる任務を、
高い使命感と責任感で全うする彼らは、日本国民の誇りであります。

御家族の皆様。
大切な伴侶やお子様、御家族を、隊員として送り出して下さっていることに、
最高指揮官として、心から感謝申し上げます。
皆さんの支えがあるからこそ、彼らは、全力を出し切り、
国民の命と平和な暮らしを守ることができる。本当にありがとうございます。
彼らの任務遂行に万全を期すことを、改めてお約束いたします。
 

隊員諸君。
私と日本国民は、常に、諸君を始め全国25万人の自衛隊と共にある。
その誇りと自信を胸に、それぞれの持ち場において、
自衛隊の果たすべき役割を全うしてください。
常に自らの職責の重要性に思いを致し、日本と世界の平和と安定のために、
益々精励されることを切に望み、私の訓示といたします。


あまり要約になっていませんが、つまりはそういうことです。
自衛隊員とその家族への感謝、彼らを誇りに思う気持ち、
安倍首相が自衛隊式典で行う訓示の主眼は常にそれなのですが、
各マスコミのタイトルはこうです。  

朝日 安倍首相、自衛隊観閲式で訓示「平和の守り神として」

NHK 安倍首相 自衛隊観閲式で訓示 新任務に万全期すよう指示

毎日 「国際的な舞台で活躍を」首相、観閲式で訓示

時事 新任務への備え指示=安倍首相、自衛隊観閲式で

産経 安倍晋三首相「平和の守り神として精強なる自衛隊を」 
   観閲式で訓示 安保関連法の意義訴え   どうも、マスコミというのは、自衛官へのねぎらいの言葉などは
訓示の「基礎部分」なのでニュースにする価値もないと思っている模様。


続いて、安倍首相は各自衛隊の中で特に功労に価する任務を果たした
部隊に特別表彰を行いました。

陸自 第101不発弾処理隊

沖縄県における不発弾処理に対する表彰です。

海自 護衛艦「こんごう」「きりしま」「ちょうかい」「みょうこう」  
お分かりのように、北朝鮮からのミサイル防衛のために出動した
イージス艦隊です。

空自 警戒航空隊

領空侵犯に対するスクランブルなどに対する功績に対して。
 

このあとは観閲台の前を徒歩による観閲行進を行うため、
部隊は皆左手、中央から退場していきます。



国旗も退場。



そのとき、ほぼなんの前触れもなく航空機から
自由降下が行われました。
金色のパラシュートで行う降下は落下地点を操作しにくく、
さらに落下速度も速いため、二本足で地面に立つのは難しいのですが、
自由降下だとピンポイントで降りる場所を決められます。



三人の降下員は、選び抜かれたベテランに違いありません。
風のない日とはいえ、高高度から観閲台の正面に間違いなく着地し
二本足でアスファルトに降り立つ姿に観衆は惜しみない拍手を送ります。



瞬く間に傘をたたみ、集合して観閲官に向かって敬礼。
簡単に見えて実は大変な訓練と個人技の賜物なのでしょう。


ここまでで式次第のほぼ半分が過ぎました。
いよいよ観閲行進が始まります。


続く。

 

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