11月3日というのは、
「その前後の日と比べて偶然とは思われない程の高い確率で晴れになる」
特異日です。
入間航空祭が例年この日に行われるのも1年に4回しかない
晴れの特異日でありかつ祭日であるからです。
今年の11月2日つまり前日、航空祭の招待券をいただき、
行くつもりになっていたところ、結構厳しい雨が降ってきて
次の日も午前中は雨、という局地予報を見たときには
珍しいけどこういうこともあるのだなと思っていたら、結局
特異日の特異日たるゆえん、予報は早々と更新され、
航空祭当日の早朝にも全く持って行った傘は必要なくなりました。
そして雲ひとつない秋晴れです。
ちなみにこの「特異日」のことを英語でシンギュラリティといいますが、
これは「確率が高い」という意味ではなく、ある気象状態が、
「その前後の日と比べて」大きな確率で現れる日のことです。
つまり晴れの多い季節で前後にも晴れが多ければこう呼ばれません。
さて、今回わたしは招待客用入場券をいただいたので、
一人で行動したのですが、最近の異常な「早乗り」が習い性となったのか、
4時台に家を出ずにはいられず(笑)6時半にはすでに現地におりました。
去年招待券を持っていたら正門の脇の小さな門から別に入れたので
どうしようかなと思っていたのですが、今年は稲荷山門で待つ人が
去年の推定3分の1以下になっていたので、結局皆と一緒に入りました。
招待者用のテントに行くと、そこでレセプションに参加か否か聞かれ、
参加するのなら三千円也を支払って胸にリボンをつけてもらいます。
「このリボンが無くなったらスタンド席には入れませんので」
念を押されて、エスコートの自衛官に招待席まで連れて行ってもらい
まだ選び放題のシートに落ち着きました。
今回はスタンド最上階に座ってみました。
前に並んでいるC-1の前で取材用の撮影を行っています。
今日のプログラムに空挺部隊の降下があるのですが、
第一空挺団の隊員とそれを輸送するC-1の機長がガッチリ握手、の構図。
陸空の広報が付き添っていますね。
招待席は椅子に座れるのでシートを広げることもできない
エプロンに比べるともう天国のようなのですが、
(招待券くれた方、心から感謝しております)
ただ、ブルーインパルスの地上での様子は全くわかりません。
ウォークダウンなど気配さえもわからないくらい遠くです。
整備中のT-4の向こうのCH-47Jが展示準備中。
ノーズの先にある赤い大きなバケツにご注目。
U125Aが一番に離陸を始めました。
T-4のクルーが登場してキャノピーを閉じています。
最初はCHの模擬消火展示でした。
先ほどの大きな赤いバケツを空輸しています。
U125Aが消火する場所を偵察して指示します。
バケツがひっくり返っていないのにどうして放水しているのか
仕組みが説明されないのでわかりませんでしたが、もしかして
原子力事故の際福島で陸自のCHがやらされたあれと同じ方法では・・・。
かなりの水量(たしか18トンとか)なのにそう見えません。
後ろを向いたチヌークの後部が開いていて人の姿が見えます。
バケツを監視する人?
救難展示、続いてはUH60J。
それはそうと、向こうのビルの屋上に見物人がたくさん・・。
これは絶好の見物ポイントですね。
今マップで調べてみたらここには狭山区役所が・・・。
空自ではどう言っているのか知りませんが、陸自でいうところの
リペリング降下をした隊員が、引き揚げ用の担架に人を乗せ、
自分も一緒に引き揚げてもらうの図。
担架を先に収納してから引き揚げてもらいます。
最後にお辞儀をして退場しました。
礼儀正しいロクマルさん(UH-60Jの愛称)です。
離陸前のひととき。
機体の整備をするクルーの紹介も行われ、整備機体には
整備する係の名前が書かれることも説明していました。
入間に最初に来た時にはパイロットの名前だと思っていて
読者の皆さんに教えてもらったりしたものです。
あれー?なんか見慣れないT-4がいる・・。
現地でも説明していましたが、この1機は「レッドドルフィン」仕様といい、
もともとは芦屋基地第13飛行教育団の機体だったものです。
第13飛行教育団のT-4の定数がカリキュラムの変更で削減され、
浜松基地第1航空団にそのうちの何機かが移動したのですが、
塗装を変えなかったので、通常塗装とレッドドルフィンが混在した状態なんだとか。
こちら通常塗装の浜松基地第1航空団機。
パイロットが手を振ってくれています。
こちらは後席のクルーが両手を振ってご挨拶。
T-4部隊の紹介に、たしか
「経験を積んだツワモノです」
みたいな台詞があったのですが、皆ベテランなんですよね。
CHの搭乗員を乗せた車が到着。
一番愛想よく観客に手を振っていた人。
こういうシーンが見られるから航空祭は好きです。
搭乗前の各種打ち合わせも和やかに。
こちらにも敬礼している未来の女子自衛官。
いよいよ離陸が始まりました。
まずは2機が同時にテイクオフ。
669のパイロットは646の方を見ているようですね。
完全にシンクロしていて1機にしか見えません。
レッドドルフィンも発進。
赤の塗装を施しているのは、通常のT-4が尾翼の先端に
視認しやすい蛍光色の赤を塗っているように、視認性のため。
T-4は練習機なので、視認性第一なのです。
最初は4機編隊での飛行。
そのときエプロンを空自制服の一団が通り過ぎました。
中に美人な隊員がいる気がする・・・。
T-4演技中ですが、C-1がタキシングを始めました。
結構煙がたつもんですね。
この角度から見るとこの飛行機は猛禽類そっくりです。
体は大きいですが、駆動性にも優れているのです。
こちらラストの〆に入ったTー4軍団。
1機ずつひらりひらりと垂直降下していきます。
そのとき一瞬ですが機体は斜め上を向いた状態になります。
そして演技を終わって帰ってきたT-4。
結構長い間後輪だけで滑走路を走ります。
お疲れさま〜。
続いてはC-1。
わたしがよくこんなものが空を飛ぶなあ、と思う飛行機ナンバーワン。
しかも結構これで身軽だっていうね・・・。
なぜかいつもC-1と行動を共にする U-4も離陸。
全然同じジャンルの飛行機?と思えないんですが、
この理由をどなたかご存知のかたおられますか。
そのとき滑走路向こうをオイルタンクを積んだトラックが通りました。
あっ、「ブルーインパルス」って書いてある!
C-1が全機飛び立ち、どこか海の上で編隊を組んで
もう一度入間上空に帰ってくるまで結構な時間が必要でした。
というわけで、その間エプロンではミス航空祭の皆さんがまず
一人ずつご挨拶をしたようです。
ようです、というのは、わたくしこの間しばらくの間
猛烈な眠気に勝てずに目を閉じて仮眠を取っていたものですから・・。
ちなみにこのミス航空祭は、この中からさらに「ミス」「準ミス」
を選んだりするわけではありません。
賞金が出るとか水着審査があるとかそういう殺伐としたものでもなく、
いかにも空自らしい華やかなイベントとして地元に親しまれているようです。
とかなんとかやっていたら、C-1の編隊飛行、キター。
あの大きな機体のC-1がこんな編隊を組んで・・・・。
壮観です。
横から見たC-1、何かに似ていると長年思っていたのですが、
あれですよ、あれ、お座敷芸の「シャチホコ」。
参考画像
にてねーよ!ちう声も聞こえますがあくまでも個人的な感想です。
続いてC-1からの空挺降下が行われます。
まずお試し降下として一名だけ。
普通降下で用いられるゴールドの傘での降下です。
地上では落下目標と風向きを示すためにスモークが焚かれています。
見事そのスモークの真ん中に着地。
スモークの向こうにはちゃんと消防車も待機しているという。
続いては10人くらいが降下を行いました。
まず最初の人。
飛び降りるときには両手を胸で組むようです。
続いて二人目。
何回飛び降りてもこの瞬間は怖いだろうなあ・・。
10個の傘が開いているところに、別のC-1が低空飛行でやってきました。
「あぶなーい!」
「低すぎるよ、低すぎる」
「傘にぶつかったらどうするの」
皆口々に心配していましたが、実はかなり向こうを飛んでいます。
ブルーインパルスのすれ違い演技と同じで目の錯覚を利用しているんですね。
鈍重な体型のC-1の中をツバメのようにスイスイと飛んでいる
(ようにみえる)U-4。
要人の輸送に使われることも多い飛行機です。
しかし何を思ったか(笑)垂直になってみせたりするC-1。
君らの見かけによらない軽快な駆動力はようわかった。
はりきってこんなこともしてくれます。
これ、中に乗っているパイロット以外の人ってどうなってるんだろう・・。
演技を終えて帰ってきたC-1。
皆普通にランディング後の滑走を行いましたが・・・、
最後の1機が着地して短い距離で滑走を止めてしまう技を披露。
「どんな狭い飛行場でも着陸することができます」
そして全機でタキシングしつつ元の場所に移動していくC-1。
それにしてもこの轟音の中電話するのは無茶な気がするがどうか。
続く。