一つのイベントについてあまり細々話をしていると、
秋のイベントシーズン、次から次へと話をすることが増えてしまい、
エントリの掲載に支障をきたすことがわかってきました。
というわけで、今日は陸自主催の観閲式について
最後までお話ししてしまおうと思います。
車両行進のあとのプログラムにはただ「展示飛行」とだけ書いてありました。
展示飛行と観閲飛行の違いってなんなんだろう、
と思っていたら、こちらはなんと、ブッルーインパルスの演技だったのです。
前回も前々回も予定すらされていませんでしたし、
今回ブルーが来るという予告にも全く気づかなかったので、
(そもそもプログラムに書いていない)
6機の「ドルフィン」が会場に飛来した時にはちょっと驚きでした。
いきなり2番目のプログラムにスランテッド・ハートきました。
水平のハートにはキューピッドの矢は刺さりません。
まあ、総理大臣観閲ということで堅くいったのでしょう。
ブルーの演技はNikon1で撮っていましたが、
ハートを描くために飛行機が離れだしたのでコンデジに持ち替えました。
続いてファンブレイク。
あまり覚えていませんが、ロールしながら飛んでいた気がします。
演技の間にクルーの紹介が行われていました。
防大が一人、一般大が二人、あとは航空学校卒でした。
隊長が日本体育大学出身とアナウンスされたとき、まわりから
「ほおおおー」
といった声にならない声が上がったのがなんかおかしかったです。
ちなみにもう一人の一般大出身者は明治でした。
この日も演技について説明のナレーションが行われていましたが、
それはクルーになって1年目の隊員が担当すると決まっているそうです。
ブルーインパルスの任期はわずか3年と決まっており、最初の1年は
訓練待機(TR)という立場で任務を習得する立場にあります。
レベルオープナーが本日の「締め」でした。
そういえば今日11月3日は入間航空祭ですね。
ブルーインパルスの展示飛行そのものも観閲式の「トリ」でした。
これをもってプログラムは終了。
まず儀仗隊が観閲大の前に整列します。
安倍総理はシルクハットを左胸に当て、稲田防衛相は
右手を左胸に当てる姿勢で降納を見守ります。
国旗降下は君が代で行い、儀仗隊とともに喇叭で退場します。
この前に観閲官はじめ来賓は車とバスで退場。
安倍首相の車には手が振られ、「安倍さーん」という声もかかりました。
スモークガラス越しに手を振っている首相が確認できました。
さて、ここからは観客を一気に帰らせないため(たぶん)、
しばらくの間エンターテインメントが行われます。
まずは高騰工科学校の儀仗隊によるファンシードリル演技。
高等工科学校は前述したように
「陸上自衛隊少年工科学校」
から2010年に改編になりこの名称に変わりました。
2回前の陸自主催の観閲式のころ、わたしは
「観閲式に行きたいけどどこに頼めば行けるのかしら」
などと他人事のようにここに書いた覚えがありますが、
(あれからもう6年経つんですね)
その年の3月にこの改編が行われ、民主党政権下で行われた
あの最初で最後の()観閲式においては、「高等工科学校」として
初めて朝霞を行進したと言うことになります。
かつて彼らの身分は「自衛官」とされていましたが、
改編時に防大生と並び「自衛隊員」になりました。
「自衛官」と「自衛隊員」が同じものだと思っていた方はおられませんか?
簡単に言うと自衛官は制服を着ている「武官」、
自衛隊員は防衛事務次官などの官僚や一般事務官・技官(いわゆる背広組)等、
自衛官候補生、即応予備自衛官、予備自衛官、予備自衛官補のことです。
ここに防衛大学校学生、防衛医科大学校学生、そして彼ら、
陸上自衛隊高等工科学校生徒及び非常勤職員も含まれるということになります。
つまり改編前、彼らはいわゆる「制服組」とされていたことになります。
「陸上自衛隊」と頭についているので、卒業したら自動的に
彼らは「陸曹」の身分が与えられるわけですが、防大に入ったり、
あるいは航空学生になることで、海上、航空自衛官に進路変更することもできます。
防大とおなじくクラブ活動は必須です。
ここでドリル演技をしているのは「ドリルクラブ」の生徒たち。
ドリル部を含むロボット研究部・吹奏楽部・和太鼓部のことは
「特定クラブ」といい、このいずれかに属していればこれだけに専念できますが、
これ以外のクラブに属する場合は、体育クラブと文化クラブ二つを
掛け持ちしなければならないという規則があるのだそうです。
皆さんお上手で最後までほぼノーミスの演技でした。
ほぼ、というのは一番最後に一人が銃を落としかけたのですが、
ちゃんとフォローして無事にリカバーしたからです。
その生徒には皆の温かい拍手が送られました。
お上手!
敬礼しながら銃ぐるぐる回しをなんと全員で。
続いては自衛太鼓の演舞です。
朝霞振武太鼓以外にも「アルプス太鼓」が松本駐屯地から見参。
黄緑に赤いラインが自衛隊音楽まつりでも印象的。
北富士天王太鼓。
陸自北富士駐屯地は山梨県の文字通り富士山の北に位置し、
総火演でもおなじみ第1特科隊を擁します。
音楽まつりでは武道館全体が太鼓の振動で地鳴りをおこすほどです。
どんな瞬間を写真に撮っても皆のポーズが異様に決まっています。
この腕の筋肉を観よ。
きっと腹筋なんかもバキバキに割れてたりするんだろうなあ。
さて、いよいよ演目最後は陸自音楽隊合同演奏。
「チャイコフスキー作曲、序曲『1812年』です」
と曲目がアナウンスされた途端、知り合いのいる黄色席に座っていたわたし、
脱兎のごとく最上段に駆け上ってカメラのモードをビデオにしました。
ナポレオン軍をロシア軍がやっつけていく様を表し、
チャイコフスキーがその譜面に実際の大砲を指示しているこの曲。
ときおり陸自では音楽隊と120迫撃砲のコラボをやっています。
実際に自分がこの演奏に立ち会えるとは夢にも思っていませんでした。
動画を撮りながらのシャッターなのであまりいい画質ではありませんが、
砲火の瞬間が撮れました。
[HD] 1812 Overture - Tchaikovsky - with JGSDF 105mm Cannons 2010
大砲出演の部分だけ抜粋した映像が見つかりましたのでどうぞ。
砲員たちの動きがとにかくかっこよくて思わず見入ってしまいました。
続く。