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Channel: ネイビーブルーに恋をして
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JFKとアメリカズカップとジョーイP〜駆逐艦「ジョセフ・P・ケネディ・Jr.」

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バトルシップコーブの展示、駆逐艦「ジョセフ・P・ケネディJr.」の見学、続きです。
ところで、前回から今回までの間に、この駆逐艦の愛称が

「Joey P」

であることが分かったので、本稿から彼女をジョーイPと呼ぶことにします。 

「ジョーイP」の艦橋から隣の潜水艦「ライオンフィッシュ」、ミサイルコルベット艦
「ヒデンゼー」、そして戦艦「マサチューセッツ」を望む。

こんなに離れているように見えますが、「ライオンフィッシュ」と「ジョーイP」は
ラッタルで繋がっていて、甲板を伝って行くことになっています。

いずれにしても軍艦の展示がこんな風に(複数同時にすべて公開)
行われているのは、アメリカはもちろん世界でも多分ここだけだろうと思います。


艦橋上のデッキにも航空認識番号の「850」と書かれています。

デリックにはボートが一艘吊ってありました。

 

ボート反対側から。
こちら側のデッキはこのため通り抜けることができません。 

溺者救助用担架・・・・かと思いましたが、これではまず
海に浮くわけがないので、ハイラインでの搬送用だと思いました。

赤の半円型がモダンアートみたいですね。 

前方から艦橋の方向を撮ってみました。
皆が手すりにもたれて岩壁を見ていますが、これはちょうど
岸壁にあるスクリーンとしょぼい噴水装置を使った

「パールハーバー体験」

のショーが始まったところだったからです。

そんなことはどうでもよろしい。
艦橋の前にあるブルーと赤のミサイルは何?

魚雷であることは確かですが、型番がわかりません。
ジョーイPが搭載していた武装は

5 in (127 mm)/38 caliber twin gun mounts
Mark 37 Gun Fire Control System
Mk25 fire control radar
Mark 1A Fire Control Computer
Mk6 8,500 rpm gyro
2 × triple tubes for 12.75 in (324 mm) Mk 32 torpedoes
Antisubmarine rocket launcher (ASROC)
4 × double celled boxes housing 8 missiles
nuclear depth charge capability

これを見る限りどれでもないような・・。
そもそもこういう場所にこういう角度で魚雷を置くかなあ、
と幾つかの駆逐艦を見てきたわたしは思うわけですが、
どなたか正解をご存知の方はおられませんか。 

発射機のシステムがスケルトンで見えるようになっているのは、
展示のための仕様ではないかと思われます。 

甲板の魚雷は三連装の魚雷発射管用のものと思われます。

 

煙突とアスロックの横には登って行く階段がありましたが、
ここは立ち入り禁止になっていました。 

ジョーイPの船名符字(コールサイン)は上から「N」「B」「C」「R」。
教えていただいたところによると日本は「J」がつくそうですが、
それでは「N」は・・・?

 

上部には銃火統制システムのアンテナ(長方形)が見えます。

後部構造物全景。
 

 

どうしても写り込んでしまったピンクの巨大構造物は無視してください。

アスロック(対潜ロケット)Mk 46 8連装ランチャー後部には
ここにもシャムロックがペイントされています。

このタイプは冷戦時代のほとんどの駆逐艦と巡洋艦が搭載していました。

昔の潜水服みたいな艦橋デッキの装備。
これも何かわかりませんでした。 

この右側のドアを入っていくと艦橋があります。



艦橋デッキ。
 

甲板を歩いて行くと、こんなものがありました。
ヘリ搭載艦の甲板の駐機場所にある「不」みたいです。

艦首側から見た主砲と構造物。

四角いアンテナの下の湾曲したアンテナはSPS-10探索レーダーです。

あの鐘を鳴らす人はやっと昨年末から紅白出場をあきらめたようですが、
この鐘は鳴らないようにしてしまっているようです。


まるで外に向かって座るためのベンチのような構造物。
海自の遠洋練習航海の報告会で、訓練幹部たちが、遠洋航海中
船の上から海に飛び込むという訓練を行ったという話を聞きましたが、
もし当艦で行うならばここから飛ぶといいかもしれません。 

ところで、わたしが「ジョーイP」の上で熱心に写真を撮っていると、
横で立ち止まった影があったので撮影を中止し、

「どうぞ通ってください」

というと、その男性はいいよいいよ、先に撮んなさい、と手で合図し、

「この艦にはJFKが乗ったことがあるって知ってた?」

とわたしに話しかけてきました。
実はこのときわたしはこの艦の「ジョセフ・パトリック」という人物が
JFKのなんなのか、全く基礎知識を持っていないまま見学していたのですが、
このセリフによって、ようやくJFKの関係者であるという確信を得たくらいです。
もちろん全然知らなかった、とわたしがいうと、
続けて彼はこのように言いました。

「1962年のアメリカズカップが行われたとき、JFKはこのフネに乗ってそれを観たんだよ」

wiki

1962年、JFKとジャクリーン夫人は、ジョーイPの甲板から
『海のF1』と呼ばれるヨットレース、アメリカズカップを観戦しました。

実に絵になっているこの写真ですが、ジャクリーンの姿勢には
すごく無理があって、写真を撮られていることを意識しまくりです。

彼女がドレスを選ぶとき、夫のジャケットの色と合わせて
このスーツを選んだらしいことがこのカラー写真でわかりますね。

「駆逐艦に乗ってヨット観戦」→やっぱりイメージはネイビーブルね!

彼女がその日クローゼットの前で考えたであろうことが、
髪に巻いたスカーフの色からも窺いしれるではありませんか。 


このときJFKがスピーチをしている動画がありました。

President John F. Kennedy's America's Cup speech in 1962 and JPK DD850

このタイトルだと艦名は「JPK」となっています。
わたしにそれを教えてくれた艦上の男性はさらに続けて、 

「わたしは小さかったが、それをテレビで見てたんだよ。」

「年号まで・・よく覚えておられるんですね!」

男性は誇らしげに言いました。

「そりゃそうさ、JFKはずっとわたしのヒーローだったからね!」

 

 

続く。

 



 

 


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