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Channel: ネイビーブルーに恋をして
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防衛大臣来臨〜平成29年度富士総合火力演習

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平成29年度総火演本番の予行が続いています。
前回も少し書きましたが、この日の御殿場は爽やかな風が吹く過ごしやすい日でした。
地元に帰っても同じだったので、どうもこの日は関東一円涼しい一日だったようです。

ジリジリと強い太陽に炙られ、不快な湿気のある空気に全身を包まれて
自分が塩漬けのように感じられるほどに汗をかきかき過ごすのが総火演である、
と覚悟していただけに、この日の御殿場での快適さはまるで奇跡のように思われました。

おそらく今後何回行っても、こんな総火演は2度とないのではという気がします。

さて、特科火砲が終わり、ヘリ火力の中でもアパッチが試射を行うと、
本番前のリハーサルは終了です。

C席の上段から見て初めて知ったのですが、アパッチの射撃点の真下には
地面にバラバラと落ちる薬莢を受け止めるため、ネットが貼ってあります。

薬莢もリサイクルするために収集するんでしょうか。それとも産廃?

駆動の軽快性を見せつけるように飛ぶアパッチ。
こういう角度からのヘリを見ることができるのも東富士演習場ならではです。

今回は、去年米海兵隊が装備展示の時に乗って来た水陸両用車、
AAVのお披露目が一つのハイライトでもあります。

リハの時からフィールドを走り回っていたのですが、

「なんか妙に速くね?」

と皆がざわざわするくらい体の大きさの割に速くて軽快でした。

去年展示されていた海兵隊のものとはカラーが全く違います。
側面の鎧のようなギザギザと穿たれた鋲が斬新。

防衛省は、去年ここで公開された海兵隊の水陸両用車AAV7、通称アムトラックを
25年度予算以降調達してきたのですが、速度がイマイチなため、
より高性能の車両が必要と判断し、研究開発費50億を投じて開発したのが本装備です。

なるほど、どうりで速いわけだ。

高速度を得たというと、素人に思いつくのは装甲を軽くしたんではないか?
ということですが、零戦トラウマ的にいうとこのアンフィビアン、
(陸自の人にアンフィビアン、とぽろっと言ったところはい?と聞き返されました。
あんまり一般的な単語じゃないみたいですね)防御は大丈夫なんだろうか。

2回にわたるアメリカ海軍イージス艦の事故で、現代の武器は想定範囲外の攻撃に
案外脆いものだということがわかったような気がするのですが、
例えば諸島での実践に投入されたとして、敵の対戦車攻撃ということまで
想定されているのかが普通に気になります。

というところでリハーサルは終わりました。
フィールドの整備が始まり、まず施設科の整備隊が金属探知機を持って歩いてくるのですが、
まるでミュージカルかブラスバンドのドリルのように()皆歩調を合わせ同じポーズ。

この後全員が金属探知機を振り回し「俺たちがいなきゃ(総火演は始まらない)」という
曲に合わせて踊りまくるところまで軽く想像できました。

この可愛いキャタピラトラックの正体がわかりました。
金属探知チームが拾った金属片を後ろの荷台に集め運搬します。

会場では、あちこちで射撃目標の設置が始まっていました。
何もないところにいきなり指向性散弾の的である風船がポッと現れたので
写真を撮りアップにして見ると、車の中から隊員が風船を運び出しています。

風船は、ちょうどジムのバランスボールと同じくらいの大きさです。

車の荷台の中で膨らませて、その都度取り付けていきます。

こちらは黄色い風船の設置班。
作業しているのは二人とも女性に見えるけど気のせいかな?

風船を荷台から引いてきたエアーポンプの管で膨らませているようです。
施設科でこの係をしているお父さんが、この夏休み、海水浴に家族を連れていって、
子供の浮き輪ビニールプールを膨らませたことを思い出し、

「あーなんかついこの間同じことしたばっかりだなぁ」

としみじみしたりするんだろうか。

こちらは青いバルーン(狙撃手の目標)を設置する人たち。
残っているバルーンの破片を片付けています。

迫撃砲などの目標地点でも整備が行われています。
遠目に白い線に見えている目標地点のラインですが、白い土嚢なんですね。

「+」の書かれたボード設置中。
作業中の人がボードと一体化していてワロタ。

地面の整備を行うグレーダ(向こう)とロードローラー。

これを見ながら、同行者に「激闘の地平線」のストーリーを
事細かく最初から最後まで話してしまったわたしでした。

後にも先にも、施設科の隊員が主人公という映画は
(後からレンジャー隊員になるとはいえ)これだけだと思われます。

「映画的には地味な職場ですが、実際は地味でもなんでもないですよね」

「今の陸自では、最も実践的に活躍しているのが施設科ですからね」

東日本大震災でも、その日頃のスキルを生かした活躍ぶりは凄まじく、
寸断された道路などの応急的な復旧なしでは、救助も物資も届くことはありませんでした。

ところで、AAV7ですが、30年度までに52両調達。
同年度末までに新設される陸上自衛隊の「水陸機動団」のために配備されます。

ただ、AAV7は水上でも速度が遅く、ぷかぷか浮いているうちに
あっさり撃沈されてしまう可能性があるため、その問題を解決するための
新型開発というわけです。

戦車は陸自のシンボルではありますが、日本という国で保有していても
海外にPKOで持っていく以外は実際の使い道がなく、
訓練では諸島防衛とかいっていても実際に尖閣に持っていくことはできず、
というか、実際に日本で戦車が出ていかなければならなくなったら
おそらくその時には攻め込まれて終わってるということでもあります。

というわけで、水陸両用車を保有する新部隊設立は、ある意味陸自の存在意義を
実戦によりフォーカスした、「生き残り作戦」という面もあるような気がします。

その頃、音楽隊の演奏が始まりました。
前回と同じく「士官候補生」に始まり「ゴジラ組曲」、
先日呉音楽隊の演奏で聴いた「平和への行列」など。

「ゴジラ」については、周りの人が

「これ聞くとテンション上がっちゃうんだよなー」

とつぶやいていました。

指揮は第一音楽隊の一等陸尉が務めました。

モニターでは自衛隊紹介の映像を流していました。
陸自の普通科に配属された女性のインタビューなどです。

会場の左前列の一角は報道席です。
報道陣カメラマンの中に不肖宮嶋茂樹氏発見!

ホームページで自慢しておられる、

カメラバッグとカメラベストの「いいとこ取り」だ。
両手が完全に自由になり、重さを両肩と腰に分散させる独特の構造で、
機材の重さが気にならない。
かつ、常にバッグが体に密着しているので、盗難の心配も解消される。

というnewswearのカメラバッグを装着されてます。
この商品ページを見てたら、レディースのが欲しくなっちゃった。

いや、実は今一眼レフを安く譲ってもらえるという話がありましてね・・。

この頃から会場に来賓が到着し始めました。
この方は、あの、「官邸のラスプーチン」と言われたこともあるらしい、
飯島勲内閣官房参与じゃございませんか。
奥方らしき女性は白の上下に夏らしいカゴバッグで参加です。

富士学校長が陸幕長に演習を報告。

国分良成防衛大学校長が海自迷彩の自衛官に誘導されて到着しました。

「国分校長だ」

「わたしこの人嫌いなんですよね。
李登輝氏の来日と慶應での講演会を妨害した張本人だし」

「少し前日本に来てませんでしたっけ」

「来ましたね。
わたしはご挨拶できませんでしたが、夫がお目にかかりました。
あの時はもう防大校長だったので運動できなかったんじゃないですか」

国分氏の専門は現代中国政治です。

開始10分前に、例の無線傍受おじさんが、

「小野寺防衛大臣ただいま出発」

とアナウンスしてくれました。でっていう。
招待された来賓は、富士学校で待機し、時間ギリギリに車でやってくるようです。

黒塗りの車の窓を開けて中から小野寺防衛大臣が観衆に答え、
穏やかな微笑みを浮かべて手を振っているのが見えました。

防衛大臣になってマスコミが早速粗探しをしていますが、堅実すぎて隙がなく、
(加計問題での前川元事務次官への追求はすごかったですね)
つい最近は、

防衛相、イージス艦を「隠密視察」 都内で政務のはずが(朝日新聞)

とかどうでもいいことをほじくってネチネチと難癖をつけております。

稲田前防衛大臣を政権の弱点とばかり執拗に攻め続けたマスコミが、
この防衛大臣2度目の小野寺氏を、今からなんとか引きずり落とすきっかけを
虎視眈々と狙っている様子がうかがえますね。

車は防衛大臣旗を立てたジープに先導されて来ます。

お立ち台の上で富士学校長の敬礼を受ける小野寺防衛大臣。

この次の瞬間、平成29年度富士総合火力演習の幕が切って落とされます。

 

続く。

 

 

 


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