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Channel: ネイビーブルーに恋をして
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令和最初のかしま艦上レセプション〜海上自衛隊練習艦隊行事

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呉で卒業を見送り、神戸でお迎えして大阪で激励した日本国練習艦隊が、

愈々横須賀に入港してきました。

神戸の後、

中城、佐世保、大湊、舞鶴、呉、三机

とほとんど日本を一周して日本での最後の寄港地に到着し、
ここから約半年にわたる遠洋練習航海に出航するわけです。

呉では艦は最後のオーバーホールを受け、連休中、実習幹部は
それなりに休みを取ることもできたという話です。

というわけで、わたしも横須賀の艦上レセプションに参加してまいりました。

そしていきなりですが、写真はいつものKさんにお借りしたもので、
こちらは横須賀入港直後の練習艦隊を撮ったものだそうです。

こちらもKさん写真。
ヴェルニー公園はバラが今満開だったんですね。

護衛艦とバラを眺めながら歩いてみたかったのですが、車だったので残念。

この日TOとは一枚ずつ別々に招待状をいただいていたので、
わたしは招待状一枚につき一人許される同伴者もを誘い、
ご本人と打ち合わせの上、1730の受付開始より30分前に
横須賀地方隊の門付近で待ち合わせることにしました。

ところでいつの間にか地方総監部前の看板が変わりましたね。
明るいブルーに白字、大きく桜に錨マークが描かれ、
大変見やすくスッキリしています。

約束を10分すぎるという電話があったので仕方なくここで待っていると
さらにそれから10分遅れて同伴者登場。

おかげで、早めに入って行く人たちの観察?ができました。

車でそのまま入っていき、誘導に従って岸壁の柵沿いに駐車します。

ここで気がついたのですが、江田島で見送り神戸で出迎えた
「やまゆき」がいません。
改めて招待状を見ると練習艦隊は「かしま」と「いかづち」だけとありました。

「やまゆき」がいつから、なぜいなくなったのかわかりませんが、
大阪と神戸のレセプションで「やまゆき」艦長と話した限りでは、
遠洋航海に参加しないとはおっしゃっていなかったので不思議です。

 

練習艦隊は最近二隻艦隊が基本になっているようです。

帝国海軍の昔は基本三隻でしたし、自衛隊でも2002年から2016年まで
三隻編隊だったのですが、ここ3年二隻編成が続いています。

さらにwikiをみると、海上自衛隊開隊以来、1969年まではずっと
四隻で艦隊を組んで遠洋航海を行なっていたことがわかりました。

ちなみに最初の練習艦隊の陣容は、

「はるかぜ」「くす」「すぎ」「かや」

というものです。
幸運艦にちなんだ海自最初の駆逐艦を旗艦に、残る三隻は

「オグデン」「コロナド」「サンペドロ」

というアメリカから貸与された艦でした。

この時一気に貸与されたタコマ級哨戒フリゲート18隻にはなぜか
「くす」型として、全部木の名前が与えられています。

なぜ終戦直前濫造された「雑木林駆逐艦」こと
「松・橘」型の命名基準を用いたかが大いに気になります(笑)

まだ受付時間にはなっていないはずですが、もう人が入り始めています。

「かしま」の隣に係留されていたのは「たかなみ」でした。

「たかなみ」は東日本大震災の時もここ横須賀地方総監部にあって、
地震発生の報を受けるや海上自衛隊の先陣として東北沖へ急派され、翌12日、
宮城県石巻港近くの岸壁に孤立していた幼稚園児11人を含む135人を救助しました。

これを「レスキュー フロム ザ・シーの実践だった」というのは、
「たかなみ」艦長、米丸祥一二佐(当時)です。

レスキュー・フロム・ザ・シーとは文字通り海からの救出で、
元々は阪神大震災の教訓を元に、
第2護衛隊群司令部が作成したマニュアルに書かれています。

「たかなみ」艦長米丸二佐インタービュー


そういえば、この艦上レセプション会場で、東日本大震災のとき
横須賀地方総監として災害対応指揮を執った元海将にお会いしましたが、
総監としてのご自身と海上自衛隊の活動記録を書いたご著書には

「FROM THE SEA」

というサブタイトルが付いていたのを今更のように思い出しました。

前回ここに来た時には向こうの岸壁で「いかづち」の帰国を迎えたのでした。
今そこには「てるづき」など護衛艦の姿が見えます。

 

ちなみに今見えている左舷の錨が、江田島出航の時に泥に取られ、
艦長の判断で前進と後進をかけて引き揚げられたという、あれです。

この後のパーティで「かしま」に乗っていた幹部と話したところ、
舷側に立って今か今かと待つもフネが全く動こうとしないので、
おかしいなと思っていたら、艦内に入れという号令がかかったとか。

錨鎖が切れて飛ぶ可能性を考慮して甲板から避難させたのでした。

おっと、艦体に傷が付いてますが、これは出航までに塗り直しますか?

「かしま」舷門では、乗員が敬礼で一人一人をお出迎え。
看板の後ろにおられるのが「かしま」艦長高梨一佐です。

それにしても、この舷門に立つ自衛官の表情をご覧ください。

写真というのは不思議なもので、時として取り繕った本心を
見事なくらい露わにしてしまうことがあるものですが、
この写真からは、決して単なる儀礼やマニュアルからではない、
誠実かつ温かいホスピタリティの気持ちが感じられます。

一般人にとって自衛官に敬礼されながら軍艦に乗艦するというのは、
個人差こそあれ、多少の緊張を感じる一瞬だと思いますが、
こういう時の自衛官は、こちらに威圧感を感じさせまいとしているようです。

さて、入場するとやっぱりまず、お料理に目が行きます。
横須賀のスイカカーヴィングは、もうインスタに出回っているでしょう。

年号が令和に変わって初めての艦上レセプション。
というわけで字体も麗しい「令和」に鶴亀をあしらったデザイン。
「かしま」のスイカカーヴィング小隊放つ渾身の作品です。

神戸の艦上レセプションが割と最近だったので記憶に新しいのですが、
比べると気のせいかこちらの方が豪華なような・・・。

ご参考までにこちらが関西での同じ「かしま」メインテーブル。

何が大きく違うかというともう一目瞭然ですね(笑)
スイカにもギリギリまでカバーがかかっているので、どんな飾りか
乾杯の瞬間までわからなかったという・・・。

なんどもしつこいですが、初めての方のために書いておくと、
関西ではこうしておかないと皆乾杯前に食べ始めてしまうのです。

まさか「まだ食べないでください」と注意するわけにもいかないし、
自衛隊としては「オペレーション・ラップ」発動もやむなしだったと。

去年の練習艦隊司令官が奇しくも言ったという

「大阪では笑いを、マナーは東京で学ばせます」

が、この対応の違いに一部具現化されているというわけです。

関西では見なかった小さな番傘が可愛いですね。

これら和菓子も「かしま」キッチンで作るのでしょうか。
両レセプションを通じて食べなかったのでお味にはコメントできませんが、
和菓子店で売っているのと全く遜色ないこの美しさに感嘆します。

陸空の養食はもちろん、海自でも、和菓子が作れる職人が乗っているのは
「かしま」「はしだて」を置いて他にないかもしれません。

魚の口が爪楊枝で大きく空けられております。
この後の艦隊司令挨拶で、

「かしまの料理は世界中でいつも大変楽しみにされている」

と梶元海将補がおっしゃっていたように、かしまの料理がワールドワイドで
絶賛されていることはさておき、海外ではこの演出、(魚の頭を飾る)
同じようにするのかどうかものすごく気になります。

魚の眼が怖いどころか、刺身すら苦手(寿司はOKらしい)なのは、
我々が、子豚の丸焼きがリンゴを咥えているのを見るような感じ?
外国の方々との感覚の相違は埋めがたいものがあると思うのですが・・。

練習艦隊経験者に聞いてみたいことの一つです。

会場に人が増えてきました。
今回、練習艦隊は晴海に寄らなかったので、例年晴海と横須賀で一回ずつ催す
レセプションもこの日の一回だけになり、その分招待客も多かったと思われます。

横須賀地方隊の招待だけでなく、海幕の招待客、市ヶ谷勤務の自衛官、
元将官、政治家などが一堂に会するレセプションとなるので、
客層が関西と違うのは、当然といえば当然でしょうか。

会場のあちらこちらでは挨拶が始まり、名刺が飛び交っております。


そんな中、料理の写真を撮っていたら、新任少尉が声をかけてきました。

関西での艦上レセプションでも思ったのですが、今年の訓練幹部は、
一切飲み食いせず、来客に積極的に話しかけてきて、
パーティにおけるホスト役を積極的に勤めようとする姿勢が目立ちました。

何年かに亘って艦上レセプションに出ていますが、新任幹部が集まって
雑談していたりが目立つ年もないではなかったので、おそらく今年は
接客と社交について特に指導があったのかもしれません。

最初にお話しした幹部は「かしま」乗組で出港時トラブルの体験組。
水上艦艇志望ということでしたが、

「航空と潜水艦の適正もあるらしいのでまだどうなるかわかりません」

航空と潜水艦は身体条件が特殊なので、志望しても弾かれることが多いそうですが、
逆に、特にこの二つを志望していなくとも適正があれば候補に残ることもあるようです。

まだ誰も手に取っていない、おなじみ練習艦隊紙パック酒。
わたしはこうやって写真を撮っただけでしたが、レセプションが終わったら
TOがいつの間にかパックを3つゲットしてきていました。

「お酒飲まないのに・・・」

わたしがいうと、

「でも料理に使えるし・・・・それに」

「こんなのもあったから。写真撮るでしょ」

撮るよ。撮りますとも(笑)

かつて練習艦隊の遠洋航海に積んでいく変質しない酒を
海軍に納入していた三宅酒造さん、今年は遠洋航海に
ある意味これほど日本らしいデザインはないかもしれない、
アニメ風女性自衛官イラスト付きカップ酒で、攻めの姿勢です。

 

続く。

 

 

 


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