ブログでオーストリア滞在中のことについてお話ししているうちに、
実際にはアメリカ国内を移動する時期がやってきて、
今これを製作しているのはサンフランシスコです。
今日はウィーンからアメリカに移動した日のことをお話ししたいと思います。
ウィーンでザルツブルグの3日を挟んで宿泊したヒルトンともお別れです。
目の前にスタッドパーク(市立公園)があり、交通も便利でした。
もしウィーン旅行を考えている方がおられたら、おすすめです。
ホテルから空港まではフラットレートのタクシーをホテルに頼んで
呼んでもらい、三人分の大荷物(トランク10個くらい)を積み込み、
さあ、出発、という時に、TOが運転手さんに向かって
「ウィーンエアポート・プリーズ」
そこまでは良かったのですが、どこの航空会社か聞かれて、
「オーストラリアン・エア」
「おい!」
わたしとMKが同時にツッコみ、運転手さんは苦笑していました。
「オーストリアにカンガルーはいません」
という自虐Tシャツが売られているほどに、オーストリア人にとって
この手の間違いをされるのは日常茶飯なのでしょうけど、
まあ本当にオーストラリアン・エアに乗る人もいるかもしれないし、
しっかり間違いはただしておきました。
というわけでオーストリア空港のオーストリアン・エアにチェックインします。
シンボルカラーは赤なので、ユニフォームは真っ赤なスーツに濃いブルーのスカーフ。
ウィーン空港は割と最近リノベーションしたらしく、とても今風です。
なかなか攻めているオーストリア航空のコーナー。
ラウンジに用意されている食べ物も果物多めでなかなかよし。
滑走路が二本だけということでそんなに大きな空港ではありませんが、
特に冷戦時代は中立国だったせいで、ハブ空港となっていました。
右側に見えているのは中国の海南航空機です。
滑走路の向こうに謎の建物発見。
空港周辺の草刈りをする道具でも置いてあるんでしょうか。
見たことのない塗装の飛行機を発見。
コレンドン航空はトルコの航空会社です。
オーストリア空港の利用は初めてです。
目の前のモニターでは、ウィーンの観光案内のイメージビデオ風が流れています。
インテリアは制服の色よりも随分落ち着いた感じの赤があしらわれ、
Cクラスの席は今時当たり前ですがフルフラットになります。
寝るとANAのシートのように両手が下に落ちてしまうこともありません。
ウィーン発の便では、特に視聴の需要が多いのでしょうか。
映画「サウンド・オブ・ミュージック」を放映していたので、
ここでお話しする為に全編通して観ました。
これはザルツブルグ大聖堂。
映画の至る所で観光案内をしているのに今更気がつきます。
この登山電車が出ているのがザルツ・カンマーグートで、できれば
乗ってみたかったのですが、今回は時間がなく断念。
次いでお楽しみの機内食ですが、さすがというかなんというか。
これはアボカドやラディッシュのサラダなのですが、
土台?にお皿のように敷いてあるのはカテージチーズです。
シンプルにオリーブオイルとバルサミコ酢で味付けされていて、
この組み合わせは機内食と思えないくらいの完成度でした。
メインはチキンを選択しました。
外側をパリッと焼いた骨つきチキンはローズマリーと焼いたレモンをあしらい、
付け合わせの野菜もまるで一流レストランで出てくるようなあしらい方です。
パンは日本やアメリカの航空会社のようにレンチン()していないらしく、
パサパサになっておらず、それにバターとハムスのようなペーストが添えられて。
わたしが今まで乗った航空会社の食事の中で最高でしたし、もしかしたら
オーストリア滞在を通じて取った食事の中で、シュタイレレックに次ぐくらい
高級感がありかつ美味しかったと言っておきます。
ブレてしまいましたが、こんな本格的な格好をしたシェフみたいな人が乗っています。
とにかくオーストリア航空、食へのこだわりがこんな演出からも窺えます。
ところで、今回「世界一周周遊プラン」を選択した我が家は、
「地球を同じ向きに三大陸めぐり、各都市で24時間以上滞在」
という条件を満たすべく、大西洋からアメリカに渡りました。
もしこれを読んでいる方、近々例えばアメリカに行く予定がおありなら、
そして時間の余裕がちょっとだけあったら、
日本ーヨーロッパーアメリカー日本
と寄り道するだけで、航空運賃がアメリカと往復するより、下手すると
半額近く安くなるというこのプランをぜひ検討してみてください。
エコノミー、ビジネス、おそらくファーストクラスに関わりなく条件は同じです。
このプラン、知らない人が多く、こんなのがありますよと教えてあげると
皆一様に知らなかった、とえらく驚かれます。
わたしたちは全日空が直行便を飛ばしていたので今回ウィーンを選択しましたが、
別に他の大陸(アフリカとか)でもいいんですよ。
さて、というわけで飛行機は大西洋を飛び越してダレス空港に到着。
ここで乗り換えです。
アメリカの空港はどこでも必ずといっていいほど、軍人を讃え、
その功績を紹介するコーナーをいろんな形で持っています。
日本は子供連れとハンディキャップのある人が優先搭乗させますが、
アメリカの空港では「ミリタリーサービス」が優先的にコールされます。
昔、海外から帰還してきた軍服の軍人の一団と一緒になったことがあり、
機長はどこそこで中流の任務を終わったなんとかキャプテンのグループ、
と彼感謝の言葉とともに彼らを紹介し、機内から拍手が起きたものです。
最近のアメリカの空港は、人手を減らし、効率的に注文を取るために
このようにタブレットで注文する形式が増えてきました。
外国人も多い空港では、言葉の問題もなく、双方ハッピーです。
ピッツバーグに到着し、レンタカーをピックアップします。
いつもわたしはフリークェントカスタマーの特権である「プレジデントサークル」、
つまりハーツ的には余って乗り手のない車、どれでも好きなのに乗っていってください、
というコーナーに案内されるので、今回もたかをくくってそうなると思いこんで、
フルサイズクラスのセダンを予約していたところ、なんとピッツバーグのハーツでは
なぜか普通のカスタマー扱いされ、律儀にセダンが割り当てられていました。
こちらは三人で、合計10以上のトランクがあるのにも関わらずです。
「あー、これじゃ全部荷物載らないね」
「プレジデントサークルで大きな車を選べると思っていたのに・・・」
仕方なくスウィッチ(車の交換の時にはチェンジではなくこう言います)
をお願いしたら、なんとこんな車が出てきました!
クライスラーの「ノーチラス」。
ノーチラス、名前がまたいいじゃないですか(・∀・)!!
大きい割には燃費も良く、操作しやすくてアクセルのレスポンスも早く、
さすがはクライスラーと感心しました。
今回の滞在では巷で「エアビー」と呼ばれているところの民泊を予約しました。
MKが今回大学の研究室でインターンシップをすることになったため、
アメリカに戻ってきたのですが、アメリカの大学というのは、
夏の間寮を利用することができないため、民泊を借りて、ついでに
わたしも彼の生活の手助けをしつつ滞在を楽しんでしまおうという考えです。
後でわかったのですが、この辺りはユダヤ人街で、シナゴーグがあり、
周りの住人はほとんどがジューイッシュのようでした。
わたしたちの部屋のオーナーもユダヤ人で、彼女は昔、
小さいときに鎌倉に住んでいたことがある、といって、挨拶の時
携帯の白黒の写真を見せてくれました。
土曜になると、その辺を黒いスーツに帽子、丸いパンケーキを頭に乗せた
ユダヤ教徒の皆さんが歩く様子に最初は驚きました。
わたしたちの泊まった部屋は、向こうの棟の一階(地下付き)です。
軽く築100年くらいはいっているのではないかと思われます。
とにかく、アメリカの家は大きいのでその点は助かります。
最初の日は猛烈に暑く、次の日には大雨が降り洪水警報が出ました。
窓付け型のクーラーは、とりあえず掃除が必要だったのですが、
三日目から稼働してどうなることかと危ぶまれた生活がなんとかスタート。
わたしがうっかりしていてwi-fiがないのを見落として契約してしまったのですが、
こちらで携帯用wi-fiを買うことでこちらの問題も解決。
ありがたかったのがキッチンの広さと食器の多さです。
コンロ台が二つ、オーブンが二つとよくわからない品揃えですが、
これだけ余裕があり、鍋もお皿もいくらでも使えるので、滞在期間
工夫と手間をかけた料理を作ることができました。
料理を作るのが好きなMKがレシピを提案し、買い物をして
日本で使ったことがないような食材を使って作るのです。
他にもそうめんやラーメンなども、工夫して出汁から作ったり、
おかげで夏中思わぬ「お料理大会」が開催されることになりました。
キッチンの後ろには、アメリカの家にはよくあるように、バックヤードがあります。
バックヤードには仕切りがなく、基本的に集合住宅に住む人が誰でも通れるのですが、
暗黙の了解があって、人の家の前をウロウロつする人はいません。
しかし、朝、リスはもちろん、ウサギが来ていたこともあります。
MKのインターンシップが始まりました。
初日なので父兄参観を決め込み、中を見せてもらいました。
差し障りがあってはいけないので写真の紹介はこれだけにしますが、
工科大学の研究室というのは、とにかく機械類に囲まれていて、
分野違いの人をもワクワクさせる「何か面白いことが起こりそうな」
知的な空気に満ちていて、いつ見てもいいものです。
ところでこの紫の物体は、もしかしたら泊まり込むためのものの・・・・?
さあ、これからアメリカでの生活の始まりです。
続く。