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「しまかぜ」のお昼はカレー〜2019年海自観艦式中止に伴う艦艇公開

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本来昨年度行うはずだった海自の観艦式は、オリンピック開催の
陸自基地利用の関係で1年先延ばしにした結果今年になりました。

去年素直にやっていればおそらく中止にはならなかったと思うのですが、
さらに今回、いつもと違って予行を本番を連休の三日間に連続して行うことにし、
運の悪いことにそこにピンポイントで台風が来てしまったので全滅したわけです。

後からならなんとでもいえますが、開催日を一週間くらいに分散して
リスクを分散しなかったツケを負う形になってしまいました。

聞くところによると、連休の三日連続で予行と本番を行うことにした理由とは、
今回海自がイベントを新隊員募集の広報活動と位置付け、
学校が休みの日に開催して学生に参加してもらおうとしたからだそうですが、
まさかこんな形で裏目に出ることになろうとは。

というわけで今回一番がっかりしたのは地本の自衛官ではないかと思われます。

 

もちろんわたしもがっかりしたのに違いないのですが、実は、
ニューヨークで最終週に風邪を引いてしまって治ったばかりだったので、
12日と13日が中止になったというニュースを聞いたとき、正直なところ
ほんの少しだけほっとする気持ちもあったのです。

それで体力を温存して14日の本番に全力投入と意気込んでいたのですが、
・・・その後の顛末は皆さんもご存知の通り。

中止が決まったので、前日は装備も軽めに用意も適当にして、
家で夕飯まで食べて、それから寝るためだけに横須賀に向かいました。

次の朝、ホテルのレストランから横須賀軍港を眺めていると、
フリートウィークの最終日には4連メザシになってた潜水艦基地から、
一隻が出航するところでした。
カメラを持っていたらよかった、と思いながらiPadで撮ったのがこれ。

おそらく呉からやってきて、フリートウィーク期間中訓練に参加し、
本番がなくなったのでとっとと母港に帰るようです。

しかもこの天気、昨日の台風一過が嘘のようにまた曇天です。
激しい雨の中艦艇見学は辛いなあ、と気持ちが挫けそうになりながらも、
まずは船越岸壁から攻略しようと、タクシーに乗りました。

 

さて、ここでちょっと、事前演習に参加したunknownさんの動画をご紹介します。

その場回頭

おお、確かにその場で回頭しておる。

飛行艇着水

US-2の着水です。

ちなみに当日の航行予定表がこれです。
従前の観艦式とは大きく方法が変わっていますね。

観閲艦に乗っている人たちは、右舷にいても左舷にいても、
これを見て今気がついたのですが、13日の朝、海自艦艇と一緒に移動していた
海保の巡視船「いず」は、観艦式に参加する予定だったんですね。

今年もブルーインパルスの航行が予定されていましたが、これは
安倍総理が特にお好きだからという理由もあったそうですよ。

さて、それでは当日観艦式のチケットを持っている人のために行われた
艦艇一般公開の様子を粛々とお伝えしていきましょう。

9時から開門ということで15分前に船越に到着すると、入場を待つ人の列が
思ったより長くできていました。

この日のために予定を空けていた人、地方から泊まりがけで来ている人が
思ったより多いのにちょっと驚きます。

しかし、開門すると列は普通の一般公開よりずっとスムーズに進み、
あっという間に基地の内部に入ることができました。

誘導される通り歩いて行くと、対岸に珍しい艦艇がいます。

手前で潜水艦を押し船が移動させていますが、これがどこに行くつもりかは
後でわかりました。

まず見えてくるのが掃海艇「えのしま」。

掃海母艦を先頭に進む小さな掃海艇の単縦陣、観艦式でわたしは
これを見るのを楽しみにしていたのですが。

今年の観艦式は掃海母艦「うらが」を先頭に、「ひらど」「はつしま」
「あいしま」「ゆげしま」の計5隻が参加することになっていました。

「えのしま」はもともと横須賀が定係港です。
「うらが」も他の掃海艇たちも、各港に帰ってしまったのかもしれません。

入場すると、岸壁に沿って指示された道を歩いていきます。

まず皆の前に現れるのは潜水艦救難艦の「ちよだ」。
今回「ちよだ」もですが、潜水艦救難艦は観艦式に参加予定はありませんでした。

「ちよだ」というと、三井玉野で行われた引き渡し式のとき、
自衛艦旗がなかったという事件を思い出してしまうわけですが、
彼女にとっての不幸は、その名前を見るたびに、わたしのように反射的に
事件を思い出す人がいて、このことを一生言われ続けてしまうことに他なりません。

ちよださんは何にも悪くないのに・・・・。

もともと観艦式参加予定もないことから、見学も行っておりません。

どんどんと歩いて行くと、2〜3隻ずつメザシ状態にして公開している
観艦式参加艦艇岸壁にたどり着きました。

そこでは、入隊を志望する「金の卵」たちを引き連れてきた地本の自衛官たちが
(ほとんどが陸自)一塊りになって記念写真を撮っていました。

観艦式がなくなっても、見学にここまで来てくれる若者は入隊の可能性大です。
これまで自衛隊が集積してきた人誑しのあの手この手なりふり構わないテクニックで
(人聞きが悪いな)一人でもたくさん入隊につなげたい!という気合が、
彼らの背中に漲っているような気がして、わたしは目頭が熱くなるのを覚えました(嘘)

さて、それでは見学開始です。

今回わたしが本番で乗るはずだった観閲部隊の5番艦、「あけぼの」を見つけ、
ここから攻略して行くことにしました。

とはいえ、甲板を舷側に沿って歩くだけの見学なので、
あっという間に隣の「しまかぜ」にやってきてしまいました。

当日の艦艇配置はご覧のような密集形です。
3連メザシの外側から出航して行くことになるので、
「あけぼの」に乗っていたら出航までずいぶん待つことになったでしょう。

これは「あけぼの」から「しまかぜ」に移って、その前甲板からとったもの。

ところで「しまかぜ」といえば、観艦式ではいつも「はたかぜ」とともに、
祝砲発射をするのが任務で、今回もそのようになっていました。

unknownさんが送ってくれた祝砲発射前?の「はたかぜ」と「しまかぜ」。
171が「はたかぜ」、後ろの172が「しまかぜ」です。

 

祝砲を撃った後の白煙が残っていますね。
こちらは「しまかぜ」。

どちらもミサイル護衛艦と呼ばれターターD・システムを搭載しています。

船越岸壁の対岸にある先ほどの変わった艦ですが、遠くから見ると
英連邦ということだけしかわかりません。
写真に撮って艦名を拡大し、これがインド海軍の

「サヒャディ SAHYADRI」シヴァリク級フリゲート

であることが初めてわかりました。
「サヒャディ」はまだ運用されて7年しか経っていないのだそうですが、
それにしては艦体のサビが目立つような気が・・・・。

この状態で観艦式に参列するつもりだったのか・・・?

手前にいるのは、最初の写真に全体像が写っていますが、
対潜コルベット艦で、

「キルタン」INS Kiltan (P30)

です。
もしかしたらインド海軍は練習艦隊として日本に寄航したのでしょうか。

「あけぼの」もその外側の「しまかぜ」も、甲板だけの見学となります。
「しまかぜ」の右舷を歩いていると、先ほどの「しお」型潜水艦が、
艦体を見せるため「しまかぜ」に横付けしているところでした。

横付けするにあたって、まずはハッチの周りをブースで囲み、
開けているハッチが見えないようにしています。

雨が入らないだけでなく、潜水艦の機密の一つである外殻の厚さが
ハッチの厚みからわからないように、ってことなんですね。

ブリッジのドアが四角いので、これは三菱重工で作られた潜水艦です。
ちなみにここが丸いのは川崎重工製。
型が全く同じなので、ここでどちらか見分けるためにそうしているのです。
多分ですけど。

この潜水艦が観艦式で航行する時には、ここに艦長が立って∠( ̄^ ̄)します。
掲揚竿にはもちろんのこと、旭日旗が翩翻と翻ります。

ところでこの写真を見て、雨の強さがわかっていただけますでしょうか。

もし台風の被害がなく、観艦式が決行になっていたとしても、この天気では
けっこうタフな見学になったに違いありません。
わたしなど雨が降ってもきっとデッキで頑張っていたと思いますから、
まず間違いなく風邪をぶり返してえらい目に合っていたことでしょう。

潜水艦は自分で名乗ってくれないと「しお」か「りゅう」かしかわからないのですが、
この潜水艦はちゃんと見学者に見せるために

SS 599「せとしお」

の看板を出してくれていました。

「せとしお」は潜水艦部隊の唯一の「しお」型代表で航行する予定でした。
母港がここ横須賀であることから、このサービスをしてくれているのでしょう。

ちなみに参加予定の潜水艦は

「しょうりゅう」「こくりゅう」「せとしお」

と、わずか3隻だけでした。
4年前でもう記憶があまりないのですが、いつもはもう少し多くて、
『潜水艦部隊』として航行してましたよね?

 

開門直後でまだ艦上は閑散としています。
雨はこの頃が一番強く降っていたかな。
護衛艦の上では傘を刺すのを許してもらえました。

観艦式で航行中の甲板では確か傘は禁止されていたと思います。

 「しまかぜ」の後甲板から「ちよだ」はこんな位置関係にありました。

ところで、「あけぼの」からラッタルを渡って「しまかぜ」に移ると、
途端に美味しそうな昼ご飯のカレーの匂いが漂ってきました。

見学者で周りにいた人たちは皆、鼻を動かし、

「カレーだ」「しまかぜのお昼カレーだ」「いい匂い〜」

と騒然と?なっているのがおかしかったです。

衝撃的だったのは、海自では金曜以外にもカレーを食べていることでした。
昔体験航海の時にお昼に向かう隊員さんたちに、

「好きなメニューはなんですか」

と聞いてみたら、全員が示し合わせたわけでもないのに

∠( ̄^ ̄)「カレーです」∠( ̄^ ̄)「カレーです」∠( ̄^ ̄)「カレーです」

だったくらいなので、週二回カレーでも大歓迎なのかもしれません。

ちなみに、他の護衛艦に

「なんでも質問してください!なんでも答えます」

というプラカードを持って立っている人がいたので

「今日のお昼のメニューはなんですか」

と聞いてみたら、

「えー・・・」

と絶句してしまわれました。
なんでも答えますのなんでもにお昼のメニューまでは含まれていなかった模様。

他の艦艇見学を済ませてもう一度「あけぼの」の近くを通った時、
CIWSと主砲を動かす展示をしていました。

これはオトーメララの砲身が思いっきり下を向いた瞬間です。
甲板に人の姿が全くないのですが、皆右舷側から見ていたのかな?

 

続く。

 

 


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