在日米陸軍軍楽隊と海兵隊音楽隊のステージが終了しました。
ここで「トラディション-伝統と伝承の響き」と銘打った第一章は
フィナーレを迎えることになりました。
トランペットのソロで幕開けです。
「ラーラーソーソーラソソミー レードレドレドミソ〜」
というフレーズ、聴いたことあるようなないような。
二方向あるエンドの片側には今演奏を終えたばかりの海兵隊が。
反対側には米陸軍音楽隊が。
軽快なラテンのリズムに乗って第一楽章に出演した
全音楽隊が演奏を行うようです。
その間海兵隊ボーカルが見かけによらない軽快なダンスをして
わたしの周りのおばさま方に大いにウケていました。
脚の動かし方が実に独特です。
全部隊がステージに上がったところで、躍りまくっていた彼は
中央に全力ダッシュを始めました。
中央で先ほどクィーンメドレーでフレディの歌を熱唱した
陸軍軍楽隊の歌手とガッチリ握手。
抱き合っている時もあり、その時の空気で何をするか決まるようです。
陸軍と海兵隊二人の指揮者が指揮をしています。
同じゲストバンドとしておいでいただくうえ、階級も同じ上級准尉の
指揮者、あちらを立てればこちらが立たずになるため、(たぶん)
自衛隊としては苦し紛れに二人を指揮台に立てることにしたのだと思います。
海兵隊と陸軍が仲が悪いという話は特に聞きませんが、
だからといってこういうことが遺恨になってもいけないからですね。
完璧に想像で言ってますけど、普通に考えて指揮が並んで二人なんて
全く音楽的に無意味だし、そんなこと以外理由がほかに考えられません。
指揮者が二人ならボーカルも公平に二人、ツインボーカルです。
リッキー・マーチンの「The Cup Of Life」が始まりました。
ここでボーカルを二人にした理由もおそらく指揮者のと同じ。(たぶん)
ここでの歌唱は正直二人ともプロレベルとまではいかないものでしたが、
勢いで行ってしまう感じと、ハモっていたのはよかったです。
ボーカルが歌う間にも人が出てきてはハイファイブしたりして、
全軍友好をアピールするのが本パートに課せられたミッションである模様。
ちなみにこれをする役は決まっているらしく、毎回同じ組み合わせでした。
ソロパートも公平に陸自と海自のトランペット一人ずつが出て、
アドリブ対決?のあとやはりハイファイブでお互い健闘を称え合います。
旧軍時代にこんなイベント、せめてアメリカのように士官学校同士の
スポーツ交流(という名の代理戦争)でもあったら、勝てないまでも
もう少しいい線いったのではないかと(略)
♫Here we go Ale, ale, ale
♫Go, go, go Ale, ale, ale
というサビの部分が一度聴いたら(耳について)忘れられないこの曲ですが、
タイトルの「カップ」というのはコーヒーカップのことではなく、
優勝カップの方の意味のようですね。
つまりタイトルの意味は「人生の優勝杯」ってことです。
米陸軍のピッコロ奏者に美人さん発見ー!
アメリカ人って一般に、この人痩せてたらきれいなのにもったいない、
という人がとても多いのですが、軍人は仕事量が多く滅多に太らないので、
きれいな人がきれいなままで保存されやすい職場の一つではないかと思ったり。
アドリブ対決をするとき、周りには人が集まって応援します。
ソロを演奏する人はピンマイクを搭載していますね。
これが本当の音楽まつりです。
出演部隊の正面がどちらからも見えるように、二手に分かれてのエンディングです。
皆、ちゃんと指揮者を見て演奏していますね。
「カップ・オブ・ライフ」は、1998年FIFAワールドカップ
フランス大会の公式曲で、スペイン語の「La Copa de la Vida」
を英訳したものです。
二人の指揮者、と先ほど書きましたが、本ステージには
実はもう一人、東京音楽隊の野沢副隊長も後ろで指揮をしていました。
つまりトリプルコンダクターだったことになります。
しかし野沢副隊長は後方の指揮を受け持っていたため、
音楽進行上必要不可欠な場所にいたことになります。
武道館より広いここ代々木競技場では、よくみるといろんなところに指揮がいて
マーチングでどんな方向を向いても棒が見えるようになっており、
ライトに照らされる演奏者のために、小さなライトを振っていました。
容れ物が変わると、こういう工夫にも若干の変化が生じてくるようです。
さて、ここからは第二章に突入します。
イクスパンションー広がりの響きー
と題されたステージのトップは、陸上自衛隊北部方面音楽隊。
1952年(昭和27年)、前身となる警察予備隊第二管区音楽隊として
札幌に発足し、札幌オリンピックでは中心的音楽隊として活躍しました。
映画「ベン・ハー」より
Parade of the Charioteers(御者たちのパレード)
音楽まつりを見ていない方はぜひ最初のところだけでも聴いて欲しいのですが、
この「御者たちの行進」、まるっきり和風の曲調ですよね?
この曲を演奏しながら同隊が行進を始めたとき、わたしは
(プログラムを見ていなかったので)大河ドラマのテーマかと思いました(笑)
勇壮な「ベン・ハー」の勝利のパレードの曲が終わると、
6名のサクソフォーン奏者によって「千本桜」のサビが演奏されました。
次の瞬間、同隊隊員による超絶ボイスパーカッションが始まり、
会場はそのインパクトに大きくどよめきました。
ボイスパーカッションは実は「ボイパ」(笑)などといわれて
けっこうメジャーなものなのですが、文字通り声のドラム、
「マウスドラムス」、「口三味線」ということもあります。
マイケル・ジャクソンなどもときどきやっていましたが、
今ではボイスパーカッションのやり方などがネット上で出回るなど、
静かな広がり?を見せているこのジャンル。
いやしかし、まさか自衛隊音楽まつりで聴けるとは思ってなかったわ(笑)
「♫ 少年少女 戦国無双」
という全く意味不明の歌詞の部分を演奏するのもサックス6名。
この「千本桜」は、ボーカロイドの初音ミクが歌って
インターネット空間で広がりを見せた曲です。
作曲したのも同人音楽グループだったり、歌詞が意味不明で
内容も耽美主義というより厨二病的なのがいかにもですが、
わたしは、メロディと「和楽器バンド」の演奏をちょっといいなと思ったとき
ふとしたはずみと勢いで携帯の待ち受けにこれを入れてしまいました。
後悔はしていませんが、そろそろ変えるべきと思いながらも
忙しいのと変え方を検索するのが面倒なのでそのままです。
もし巷でこのサビ部分の待ち受けを鳴らしている人がいたら、
それはわたしかもしれません。
なぜ同隊がボイスパーカッションをフィーチャーしたかについて、
「飲み会のカラオケで披露してたら、『お前次これやれよ』とかいわれて
正式に演奏者としてやることになったんじゃないでしょうか」
わたしは同行者とそんな会話をしました。
口だけで千本桜 / Human Orchestra 2
「千本桜」をご存知ない方のために。
この人は何から何まで一人でやってしまっています。
「千本桜」が終わると、お仕事終了ですたすたまっすぐ歩いて行く
「ボイパ」奏者。
どこに行くんだろう、と目で追っていたら、後方ステージに上り
帽子を被って何事もなかったかのようにティンパニを叩きだしました。
うーむ、本業もパーカッションだったか。
ここからラストまで演奏されたのは「ベン・ハー」からの曲で
Fanfare To Prelude
のプレリュードの部分だと思います。(多分プログラムは順番が違う)
最後に「ベン・ハー」のプレリュードでカンパニーフロント。
指揮は佐藤文俊三等海佐、ドラムメジャーは古舘正夫一等陸曹でした。
さて、令和元年度自衛隊音楽まつり、つづいての「イクスパンション」は?
広がりは海外にフィールドを移し、外国からのゲストバンドが登場します。
続く。