今年の夏は当初東海岸から西海岸に移動し、そのまま日本に帰るという
動線的に美しい予定を立てていたのですが、急遽ニューヨークで
所用ができてしまったため、サンフランシスコ滞在の日を少なくしてまた再び
東海岸に飛ぶというアクロバティックな旅程になりました。
大好きなベイエリアの滞在期間が短くなったのは残念ですが、その分
勝手知ったる第二の故郷を存分に楽しむことを決意。
そこで、今まで訪れていながら知らなかった場所を歩いてみようと、
地図上で「Trail」と示された場所に片っ端から行ってみることにしました。
わたしが家を借りていたバーリンゲームから車で行ける距離だけでも、
アメリカにはとんでもない数の「トレイル」が存在します。
まずここは住宅街の中の公園で、近所の人が犬の散歩に来るような、
トレイル評論家のわたしに言わせると星ひとつランク。
写真の老夫婦は歩いている間ずっと手を繋いでいました。
ここはメインが球技などのグラウンドで、なんとローラースケーター用の
本格的なリンクがあるのですが、施錠されていないので、セキュリティのため
監視カメラが常時作動しているようです。
「SMILE YOU'RE ON CAMERA」
さすがベイエリア、なかなかキレッキレの警告です。
また別の日、サンフランシスコベイを臨む海辺のトレイルに行ってみました。
湾に沿った部分はほとんど全域にトレイルがあり、
とても10日では制覇することは不可能です。
水辺のカモメが今何か食べられそうな貝をゲットしました。
アメリカの鳩は日本より目つきが可愛らしく色が茶色よりです。
釣り専用の桟橋がわざわざ設置してあるあたりがベイエリア。
散歩道と公園、そしてマリーナがいたるところに。
地図で検索して出てこないようなところにもハーバーが点在しています。
ゴルフもそうですが、アメリカではヨットを持つこともその気になれば
日本より簡単に、しかもお手頃価格で可能。
ヨット以外のウォーターアクティビティの敷居が近いのも
アメリカという国の羨ましいところ。
ちょっとこの地に観光できただけの人が、その日の思いつきで
カヌーに乗ってベイに漕ぎ出すこともできるのです。
トレイルを歩くときにはいつも、30分歩いてUターンし戻ってくる
「1時間コース」、3キロ歩いて戻ってくる「6キロコース」、
気力があって天候状態がよければ「2時間コース」を
その日のスケジュールや体調と相談しながら決めます。
この日のベイエリアは日差しが強く、1時間コースがやっとでした。
帰ってくると、最初のポイントである岩を積み重ねた突堤で
旅行者らしい二人が仲良くサンマテオ橋をバックに自撮りをしていました。
さて、また別の日には、少し足を伸ばしてグーグル本社の近くの
マウンテンビューのショアラインパークに歩きに行きました。
いつもは夏休みで子供達のキャンプが行われているショアライン湖ですが、
♪今は 暦の上ではもう秋 誰も いない海〜
ということで湖面は観光客の足こぎボートが見えるだけです。
ここに来れば、比較的人馴れしたカリフォルニアジリスに会えます。
今年はスタンフォードのディッシュには寄れませんでしたから、
ジリスを見た唯一の機会です。
ここで何度も紹介していますが、カリフォルニアジリスは
地面に穴を掘って住み、天敵である蛇と戦って生きています。
いつものように足元のリスにカメラを向けながらふと気がつくと、
この反対側のかなり広い部分に柵が張られ、何か建てるのか
地面が掘り返されているではありませんか。
確かそこにもたくさんリスが生息していたはずですが、
地面の彼らの巣は一体どうなってしまったのか・・・・。
そしてそこに住んでいたリスたちの運命は・・・?
リス地帯を通り過ぎ、ショアライン湖の横を抜けると、そこからは
スラウという湿地帯が広がっています。
カリフォルニアではここを「バーズサンクチュアリ」、保護地区に制定しています。
ここの主のような存在であるペリカン。
ここには昔からペリカンの一大コロニーがあります。
ペリカンは水上で数匹単位で行動することが多いようです。
みんなで魚を追い込むとか、そういう高度なことはしないのに、
なぜ一緒にいるのか。
例えばこのうち一羽が獲物を見つけたらしい動きをしますと・・・、
全員が同時に首をつっこむのです。
つまり、お互いが「相手が見つけた魚を横取りしちゃる」
という下心の元に行動を共にしているということなんですね。
そう思ってみると、仲良く一緒に泳いでいる彼ら、実はお互い
相手の一挙一動に神経を集中しているらしい様子が窺えます。
単独で空を飛び、獲物を見つけると急降下して水にダイブする
アジサシ。
水に飛び込んでいくところです。
入水角ほぼ90度。
実際に見ると目にもとまらない速さで弾丸のようです。
首が着水した瞬間。
生きていくために1日に何回もこんなダイブを繰り返します。
何年か前はカリフォルニアの深刻な水不足のせいで、この一帯に
水が全くと言っていいほどなくなってしまい、ペリカンのような
体の大きい鳥は姿を消してしまったことがあり、心配したものですが、
今年行ってみると水量はほぼ従前通りになっていて安心しました。
この日は友人と会うことになっていたので、湖を望むカフェを指定したのですが、
レイバーデイとやらでものすごい人だったので彼女が車を停められず、
仕方なくスタンフォードのベーカリーカフェに移動しました。
ここもブランチを楽しみに来る人で混雑していていずいぶん待たされましたが・・。
やっとありついた遅い朝ごはんは、スペイン風オムレツです。
サンフランシスコ市内にも何度か足を向けました。
これは、うっかり間違えて一番渋滞するルートに入ってしまった時。
左も右も恒常的に大渋滞するポイントです。
この日、市内で信号待ちをしていて道路脇にホームレスの群れ発見。
サンフランシスコのダウンタウンは、うっかり道を間違えると
昼間でも道端に転がるホームレスを見ながら昔の駅のトイレみたいな
臭いの中を身構えながら歩いていかなければなりません。
しかし街の外れに生息する皆様はずいぶんお道具持ちでいらっしゃる。
どこかのお店のカートは基本ですが自転車にトランク、テントまで!
何より彼らのきている服の綺麗なこと。
ダウンタウンのホームレスより明らかに『いい暮らし』をしているらしく、
首輪をつけた犬まで飼っているという・・・・。
今いるニューヨークの郊外の街も、散歩に行くために高速を降りると、
そこでいつも爽やかに手を降っているホームレスがいるのですが、
明らかに身なりはさっぱりしていて、時々ホームレスではない人が
横に立って世間話をしているので不思議でたまりません。
最近アメリカではホームレスが増えたのは体感的に事実ですが、
皆が皆悲惨な生活をしているわけではないらしいんですよね。
ダウンタウンまで来たときにいつも通る高速の入り口の倉庫に
「One Way」ならぬ「One Tree」があるのはここでもお話ししたことがありますが、
今回初めて渋滞をいいことに通り過ぎてから写真を撮りました。
昔は矢印の先に木が位置していたのに、明らかに違う方向に育っています。
バーリンゲームで見た交通違反らしい車とそれを停めたパトカー。
車に近づいて声をかけるとき、警官は色々と身構えている様子がわかります。
おそらく右手は銃のホルダーにかかっているものと思われ。
日本と違って、停めた車の運転手がヤバいやつ、あるいは見つかったらヤバいものを
持っているとか言う場合、問答無用で警官を撃ってくることがあり、
それで何人もの警官がこれまで命を落としているわけですから。
昔サンフランシスコ在住だったときに住んでいた家の近くです。
霧の多いときには夏でもこんな空になり、気温は低くなります。
とてもノースリーブやTシャツ一枚で歩ける地域ではありません。
滞在中一度だけゴールデンゲートブリッジを眺める自然公園、
クリッシーフィールドに歩きに行きました。
この日のブリッジはご覧のように上が全く見えない状態です。
スワンの浮き輪は役に立ったのでしょうか。
クリッシーフィールドはゴールデンゲート下を流れる海に面していますが、
そこと一部で繋がった「マーシュMarsh」、沼地の部分には、
サギ(右)とかシギ(左)などの淡水で生息する水鳥がいます。
こちらは海鳥。
すげー変な顔なのでちょっと調べてみたら、
という渡り鳥であることがわかりました。
オスは全身が濃い黒で、額の大きな角斑と後頭部の大きな白色の三角が特徴的
嘴に黄色、橙色、黒色、白色の4色の模様がある(wiki)
いつ見ても観光客でいっぱいです。
(観光客は大概買ったばかりのトレーナーを着ていたり、無謀にも
Tシャツのままで来てそのまま過ごす豪快さんなのですぐわかる)
水上機が飛来しました。
機体番号が判明したので調べてみると、ミルバレーにある
と言う飛行機ツァーの会社の飛行機であることが判明しました。
HPによると、30分間ゴールデンゲートブリッジ近辺を遊覧するツァーは
大人一人189ドルだということです。
ここでのウォーキングは、GGブリッジの下まで行って
元来た道を帰ってくること、と決めています。
ご存知のようにこのGGブリッジ下にはかつて守りの要所だった
フォートポイントがあり、このようなかつての兵士のコスチュームで
イベントを行ったりしております。
GGブリッジの下のフォート内部は博物館になっていますが、わたしはここに
何年か前から「中国万歳」な展示が増えたとご報告したことがあります。
サンフランシスコ市内の「慰安婦像」設立に向けた動きなどもそうですが、
最近は市内のどこかに「抗日博物館」的なものもできたとか。
なぜかGGブリッジのフォートで中国の獅子舞をやっている写真がありますが、
相当チャイナマネーが入り込んでるなあと感じます。
いつも私は歩きから帰ってきてから朝食(というか昼?)を食べるのですが、
この日は散歩の途中にカフェで食事をすることにしました。
カモメの向こうの小屋が「ウォーミングハット」(温め小屋)というカフェです。
パンの種類も選べるターキーサンドイッチはアメリカンサイズ。
半分食べてお腹がいっぱいになったので、持って歩いていたら、
途中で砂の上に落としてしまいました(´・ω・`)
残りを食べるのを楽しみにしていたのに・・・。
カフェの売店にあった「ChocStars」シリーズ。
本人から文句の出なさそうなキャラばっかりですが、配慮してか
左から
「メキシコ」「朝食」「女王」「ラップ」「ポップ」
ここにある他にも
「スープ」(キャンベルね)「GG」(レディ)「ベガス」
「レゲエ」
などがあり、実在の人物ではない
「アンクルサム」
だけが実名?となっています。
というわけで今年も無事にアルカトラズ島を見届けてきました。
そして、帰りにちょっと寄り道をして、昔住んでいたときに
息子を通わせていた幼稚園の前を通ってみました。
看板は新しくなり、外壁も金網の外に木材を貼って目隠ししています。
しかし、この階段などあの頃と全く変わっていません。
この階段を一緒に上がって送り迎えをした息子の姿は
まだあの頃のままはっきりと脳裏に浮かぶのに、その同じ息子が
大学生となっているわけですから、時の経つのは早いものです。