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Channel: ネイビーブルーに恋をして
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ナイアガラフォールズとニコラ・テスラの関係

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gooブログの〇〇機能のせいで、せっかく仕上げた記事が
ほとんど全て記憶されておらず、ゼロからやり直す羽目になりました。
こういう時には本当にやる気がなくなるのですが、頑張ります。
(独り言です)

さて、空前絶後に不味かったバッファローウィングスの夜から一晩空け、
次の日、後述するナイアガラフォールズ観光を済ませてから、
わたしたちは懲りずに美味しいバッファローウィングスを求めて
ナイアガラからもう一度ホテルのあった市街に戻ってきました。

昨日のあれをバッファローでの最後のウィングスにしてしまったら、
もうバッファローウィングスの存在そのものを嫌いになりかねない、
とTOが言うもので、(わたしはそうは思いませんでしたが)
今一度、バッファローにチャンスを与えることにしたのです。

って何様だよ。
というか、どれだけバッファローウィングス好きなのわたしたち。



ナイアガラの滝近くから、ピッツバーグに戻る道ぞいにある
目ぼしいウィングの店の情報を片っ端から検討して行った結果、
市街の飲食店が立ち並ぶ通りにあるレストランなら堅いだろう、
と店を決め行ってみたところ、何やら良さげな雰囲気の店。



ピンときて入ってみると、専門はハンバーガーで、しかもこの店は
エイジドビーフを使ったバーガーもあるというのです。

そんな店ならバッファローウィングスも普通に美味しいんじゃないかな。

店内はオールドアメリカンな感じで、壁には至るところに
LPレコードのジャケットが飾ってあって、店主の趣味がうかがえます。

ビリー・ジョエル、ジョーン・バエズ、ビートルズ、スティング、
ロッド・スチュアートにモンキーズ・・・。
写真右側に写っている3人の初老の男性たちは、ドンピシャの世代なのか
顔を巡らせてジャケットの曲について話題にしていました。

ここもオリジナルのTシャツなどを扱っているようですが、
少なくともオバマ来店の写真や新聞記事などを飾ってはいません。

日本でも有名人の色紙を壁に貼っているところって、
碌なもんじゃねえ、とまでは言いませんが、有名人が来ることと、
美味しいことは全く関係ないことだと思うんだな。



ウィングとバーガー、サラダを頼むことにしました。
サラダは果物やナッツ、ドライフルーツがたっぷりです。
このサラダもゴートチーズが当たり前のように入っていましたが、
わたしはヤギも羊も苦手なので、抜いてもらいました。



これがバッファローウィングス(本物)ですよ。
テリのある表面、食べるとチリパウダーとカイエンの刺激がピリッとして、
淡白なチキンの身を楽しく美味しいものにしてくれます。

辛くなった口を人参とセロリで少し宥め、なんならほんの少し
ドレッシングを香る程度につけると「味変」にもなります。

これですっかりわたしたちのリベンジは成立しました。

左は、おそらくアメリカで初めて食べるアヒツナバーガー。
マグロの身は「たたき風」でシアーという半生状態です。

ビーフバーガーがメインですが、ビーフが食べられない人のために、
チキンはもちろん、ダック、ひよこ豆のパテ、そして
なんとマグロのたたきのバーガーも提供しているお店でした。

その意気や良し。



さて、時間を戻して、その日の朝、我々はナイアガラフォールズの
手前にある公園の入り口の駐車場に車を停めていました。

これが今回借りているホンダのCR-Vなる4WDです。

シカゴのレンタカーでは、大都市の空港ハーツということで
膨大な数が展示されたVIP会員専用サークルから車を選べたのですが、
わたしは、こういう時には迷わずドアを片っ端から開け、
車内に首を突っ込んで、匂いを嗅いで車を選びます。

車内の匂いで車の経年が瞬時にしてわかるからです。

臭いのチェックをしながらも、車内に置かれた鍵を視認して、
インテリジェントキーかどうかを確かめるのも怠りません。

そういういわばプリミティブな方法で、今回は
走行距離1000キロも行かないほぼ新車をゲットすることができました。

HPを調べたら、WLTCモード14.2km/L(今は10モードじゃないんだ)
ということで、燃費もなかなか悪くありません。

実際、五大湖沿いを走り回っていた頃は毎日給油が必要でしたが、
街中を走るようになってからは給油は一週間に一度で済んでいます。

ただし、皆様もご存知かと思いますが、今アメリカでは物価高、
特にガソリン代が急騰していて、昨日一番安いunleadedを満タンにしたら、
なんと53ドル(日本円で7,000円くらい)かかってしまいました。

今の車の二代前、ハイオク車に乗っていたことがありますが、
円高のせいもあってそれ以上なのにちょっとびっくりです。



このナイアガラ公園の駐車場には、前回MKときた時にも停めています。

もし万が一、今後ナイアガラ観光を車で行うという方のために
何度も書いていますが、くれぐれも車は滝の近くに停めず、地元の人が散歩に来て停めるこの無料の駐車場をご利用ください。
このロットが満車でも、もう一つ奥に無料の場所があります。

ここに車を停めるメリットは、無料であることの他に、
滝に向かって流れていくドラマチックな流れを見ながら歩いて行けること、
そして夏は鳥たちの姿が川の近くに見られることです。



さっそく変わった鳥が姿を現しました。

黒に羽の付け根だけが赤と黄色のナイキマークというこの鳥は、
Red-winged Blackbird、和名を ハゴロモガラス (羽衣烏)といい、
オスだけがこの模様でメスは茶色だそうです。


サンドパイパー=イソシギではないかと思います。

スタンダードナンバーになっている「The Shadow of Your Smile」
という曲がありまして、この曲の題は日本語で「いそしぎ」です。
Andy Williams ~ The Shadow Of Your Smile (Live)


「いそしぎ」というのは原題「Sandpiper」という、
エリザベス・テイラー主演の映画で、ヒロインのテイラーが
翼の折れたいそしぎを保護して連れて帰るというシーケンスがあります。

もっと大きな鳥だと思っていましたが、こんなに小さかったのね。



川面にコロニーを作って生活しているらしいいそしぎの集団。
この辺りはまだ流れがそう激しくないので、水鳥が多く見られます。



右側のイソシギ、首を傾げていてかわいい。


隣の草地はグースの縄張りでした。
皆しめしあわせたように川面に体を向け、くちばしは後ろに向けて。
何かあったら水に逃げるための習性でしょうか。



その横手に、なんとガチョウの保育所がありました。
本日の預かり児童は三羽、保育士さんはちゃんと子供たちを見守っています。
そういえば、イルカもペンギンもコロニーを作る動物の中には
子供だけを集めた保育所があり、面倒を見る保育士がいるらしいですね。



マザーグースが雛鳥を引率中。
雛鳥歩いてないし。



これがグースの赤ちゃん。
身体の大きさに比べて脚の比率が大きい。



しばらく(と言っても数分)歩くと川面も水鳥の姿も無くなりました。
そして川の流れがご覧のような激流になります。

しかし、人がここに落ちれば確実に命はないような場所でも、
護岸工事や柵は必要最小限しか行われていません。

日本ならガチガチにコンクリで岸を固めて柵をつけ、ご丁寧に
川の横には「危険!」「水遊び禁止」と立て札を立てるでしょう。

そんなこと言われなくてもわかっとる、と誰でも思うことを
あえて呼びかけて憚らないのが、日本の行政というものなのです。

もっとも、景観を重んじて行政の手を入れるのを住民が拒み、
その結果災害の規模が大きくなるということも実際にはあるので、
一概にそれが悪だとはいいませんが、まあ少なくとも観光資源に対しては
極力手をつけないで自然のままに残す方向でお願いしたいものです。




ただし、夜になるとこの激流をライトアップするために
実にたくさんの投光器が岸に取り付けられています。



ライトアップといえば、これはMKが冬友達とカナダに行った時の写真。



時間ごとに色が変わっていくそうです。



絶対カナダ側から見る方がいいですよね。



というわけでアメリカ滝の横にたどり着きました。
いつ見てもこの凄まじい眺めには心を掴まれるような気がします。

ここからは向こうにカナディアンフォールというカナダ側の滝が見えます。



滝つぼから巻き上がる水滴が虹のアーチをかけ、
そのアーチの下を滝巡りの遊覧船が通過していきます。



赤い遊覧船は、向こう岸のカナダから出ています。
カナダの国旗の色から赤い船に赤い水滴よけコートというわけです。

見たところ観光客は圧倒的にアメリカ側の方が多く、
遊覧船の待ち時間もカナダはアメリカの5分の1くらいのようでした。

滝の眺めもカナダ側からの方がいいらしいし、
一度はカナダからナイアガラを見ておくべきだったかな・・。


前回はコロナ禍下でしたし、真冬だったので、
人影がなかったアメリカン・フォールの向こう側に人の姿が見えます。


アップしてみました。
あれ?この写真の上の方に何か銅像がありませんか?



これは、公園の入り口にあった案内図ですが、TOが指差しているところの
左側は、アメリカの「ゴート・アイランド」といいます。

さらに調べたところ、アメリカンフォールの横手には、

ニコラ・テスラのモニュメント

があるということがわかりました。
はて、なぜナイアガラの滝にテスラの像が・・・・?



そこでこれですよ。

前回人気のないナイアガラで、この写真を撮った時、当ブログでは
昔ホテルでもあったんだろうか、などと適当なことを書いたのですが、
これは廃墟などではなかったのです。

The Tunnel at the Niagara Parks Power Station
「ナイアガラパークスの発電所のトンネル体験。
100年以上前に建設され、復元された水力発電所を探検してみてください。
インタラクティブな展示、魅力的なモデルなどを発見してください」
などという言葉があり、特にこの「トンネル」から
ナイアガラを眺めるというのは、ぜひ体験してみたくなります。



今回発電所の存在に気づいたのは、この写真を拡大したら
デッキの上に黄色い制服らしきものを着た人がいて、
さらにエレベーターの装置らしきものがあることを確認したからでした。


HPによると、発電所の中にはいつでも入れ、中にはかつての
発電所の遺構がそのままの形で保存展示されて見学することができるとか。

で、この発電所なんですが、ここにニコラ・テスラが関わっていました。

かつてナイアガラフォールズにあった世界初の大規模水力発電所は、
他ならないニコラ・テスラの残した業績の一つでした。

ニコラ・テスラはジョージ・ウェスティングハウスと共に、
ナイアガラの滝に世界初の水力発電所を建設し、
世界を「電化」の第一歩に導くという偉業を成し遂げています。

この旧ナイアガラフォールズ発電所の唯一の遺構である
アダムズパワーステーション(パワーハウスNo.3)が、
そのとき建造された水力発電所の一つでした。

人類が電気というものを生活になくてはならないものとして
使い始めてからの歴史の中で大きなターニングストーンである
このアダムズパワーステーションは、国定歴史建造物に登録されており、
さらに今後、ここには科学博物館を作るという話もあるそうです。

ナイアガラの滝のアメリカ側を訪れる観光客は年間約800万人。
カナダ側には年間約2,000万人が訪れます。
(あれ?ということはカナダ側の方が多いんだ)

よく、人はナイアガラフォールズのことを、

「死ぬまでに一度は見ておくべき場所」

と呼びますが、ここにあるのは、自然が作り出した造形美のみにとどまらず、
世界を今日の「電化」に導いた歴史的遺跡でもあったのです。

ナイアガラ・フォールズの「電気的な意味」は、
テスラの生み出した多相交流電流(AC)の最終的な勝利であり、
今日、地球全体を照らし続けているのはそのシステムです。

こちらがアメリカ側のニコラ・テスラ像。
上の写真に写っているのがこちらです。



こちらは2006年に除幕された、カナダ側、
クイーン・ヴィクトリア・パークにあるテスラモニュメント。

テスラが特許を取得した700の発明の一つである、交流モーター
(交流誘導電動機、多相交流を用いて回転磁界を作る原理を元にした装置)
の上に立っています。

アメリカとカナダ、どちらにも一つづつテスラ像があるというのも、
彼の成した偉大な功績を思えば、もっともなことかと思われます。


続く。




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