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Channel: ネイビーブルーに恋をして
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ピッツバーグ到着〜ペットフレンドリーなAirbnbとK-9

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ナイアガラ観光の後ピッツバーグに到着したというところまで来ましたが、
その前に、バッファローで起こったあるLGBTQ案件についてです。

■ボブ・アップリンジャー逮捕の地

それは、バッファローウィングスの店を探し求めて、
バッファロー周辺を彷徨っていた時のことでした。

検討していた中に、バッファローの古いホテル、
ホテル・レノックスのレストランがあったのですが、
ホテルのロビーに入ってみたら人がおらず、レストランも
どう見ても営業しているように見えなかったので諦めました。



ホテルの向かいに、歴史的遺跡を表す立て札があったので、
とりあえず写真を撮って車に乗りました。


ボブ・アップリンジャー逮捕の地、とだけ読めたので、
そういえばデリンジャーという有名な銀行強盗がいたなーと思い出し、
「アップ」と「デ」が違うだけのリンジャー系強盗か?
などと考えながら車を走らせ、それっきり忘れていたのですが、
写真を整理していて、これを読んだところ、


ボブ・アップリンジャーなる人は強盗でも泥棒でもなく、
今の基準では犯罪すら犯していなかったことが判明しました。

とりあえず翻訳しておきます。
「1981年8月7日、(最近じゃないですか)この近くで、
ボブ・アップリンジャー(1951−1988)は、
ゲイの男性を装った覆面警察官に逮捕され、
逸脱した性的活動に従事したという罪『浮浪罪』で起訴され、
有罪判決を受けました。
1980年にニューヨーク州で同性パートナー間の合意に基づく
性行為が合法化された後、警察はLGBTQの人々を迫害するために、
この『浮浪罪』(loitering)と『勧誘法』(Solicitation laws)を
使用し始めました。

1983年、バッファローの弁護士、ウィリアム・ガードナーを弁護人とする
原告の訴えによって、ニューヨーク州控訴裁判所が
『浮浪法』の適用を違憲であるという判決を下し、
アップリンジャーは有罪判決の却下を勝ち取ることができました。
1984年、アメリカ最高裁判所はエリー郡地方検事による上告を却下し、
その判決は支持されることになります。
これは、ゲイの人々を逮捕するためのニューヨーク州法を
(それは成人間の合意に基づく性行為そのものを利用するものだった)
効果的に打ち破る結果になった最後のケースとなり、これによって
国内法の基礎が築かれ、将来の『自由』が確保される結果となりました」

ロバート・アップリンジャーが逮捕された時の指紋付き調書
それで向かいのレノックスホテルの旗掲揚竿に、
いわゆる6色レインボーフラッグ(LGBTQを表す)が揚がってたのね・・。
彼が最初にゲイ捜査官に逮捕されたのは18歳の高校生の時。
この写真は、30歳になったときで、彼は相手の男性に警官かどうか尋ね、
違うと言ったので誘いをかけた途端、手錠をかけられたということです。

まあ、おとり捜査官に警官かどうか聞いても本当のことは言わんだろうな。
(というか、この警官がどんな容姿だったのか興味あるな)
彼とその弁護士がこの逮捕に対する無罪を勝ち取ったのは、
LGBTQのコミュニティにとって、大きな第一歩になったということから、
そのコミュニティの主導によって、看板が立つことになったようです。

ところで、アップリンジャー(アップリン”ガー”かも)氏、
わずか37歳で亡くなっていて、これはもしや・・・?と思って調べたら、
やはりその死因はエイズだったということです。しかも彼は死ぬ二週間前まで自分がエイズであることを知らなかったとか。



■ Airbnbにチェックイン
そもそもわたしがこの夏アメリカに来たメインの理由というのは、
MKの引っ越しの荷造りなどを手伝うことにあります。
9月から西海岸の大学院に進学が決まっている彼ですが、
8月20日までの間、地元のIT系企業でインターンシップをしているため、
この夏は帰国せず、直接引っ越しをすることになりました。

今のアパートは7月末で全員が追い出されるというシステムなので、
(入居を継続しない人は全員同じ日に退去する)
わたしたちが借りたAirbnbにしばらく同居する予定です。

そこからU-HAUL(ユーホール)という引っ越し&トラックレンタル会社の
コンテナに何日かかけて荷物を積み込み、(その間預かってもらえる)
一家全員で西海岸に移動してから向こうで荷物を受け取るというわけ。
ピッツバーグのIT系のベンチャー企業は、多くが
ローレンスヴィルという川沿いの地域に集中しているらしいのですが、
彼のインターンシップ先もそこの一つであることから、
その会社から歩いて5分くらいのところのAirbnbの部屋を決めました。

条件は、ベッドが三つあること、部屋が階下と階上に分かれていること、
洗濯機と乾燥機があってもちろんフルキッチン完備、バスタブ付き、
(案外アメリカの家にはシャワーしかない家が多い)
そして夏の暑い時期なのでエアコンが付いていること、
そして一番大事なのは、料金が高くない(ホテルより安い)こと。


そして決まった部屋は、バトラー・ストリートという、
ピッツバーグでも屈指の賑やかな飲食店街のど真ん中にあります。

ドアを開けるといきなり二階に登る階段があって、そこには
リビングルーム、ダイニングルーム、キッチン、バスルームがあり、
テレビはもちろんYouTubeやNetflix、Huluなど、ネットTVが見られます。
手前のソファは大きなベッドになる仕組み。


洗濯乾燥機が無料で毎日使いたいだけ使え、しかも
こんな便利なところにあるのはありがたいです。
ホテルだとクォーターで一回あたり洗濯乾燥に20枚くらい使ってしまうし、
待ち時間はどこにも行けないので地味にストレスなのです。


キッチンには食器も鍋釜も揃っていましたが、残念ながら
テフロンが剥げた状態のものがほとんどだったので、
ちょっとした安い食器や扇風機(29ドル)と共に買い足しました。
こんな時にありがたいのが、「ターゲット」などの大型スーパーです。
家電、食器、文具、衣類(これが馬鹿にできない品質)
小物に食品、ドラッグストアにあるもの全て、とにかくなんでも
広いワンフロアーで揃うので、新生活を始める大学生の家族が
8月の終わりにもなるとレジに長蛇の列を作ることになります。


オーナーはアメコミ好き。
さりげなく文字を隠しているあたりが版権対策か。
「これSPIDERMON、HIINK、GREAT AMECA、IRON MOONですけど?」


バスルームは一つしかありませんが、広いので満足です。奥のドアを開けると・・・・


外に出られる階段でした。

一度だけ降りてみましたが、階段は埃だらけで床材が軋み、
「デスパレートな妻たち」の、怪しい黒人一家の地下室に行こうとして
階段を踏み抜いてそのまま胸まで落ちて死んでしまった人を思い出し、
(ニッチな感想です)怖くなったので、一度でやめました。
ちなみに外と言っても隣のカフェがバルコニー席として使っていて、
もし客がいるときにここから人が現れたら、
確実に「誰?」みたいな目で見られるであろうことが予想されました。

アメリカの家って、境界線が時々よくわからない部分があります。
(たいていの家には庭に塀もつけてなかったりするし)


階段の右手のドアはルーフトップになっています。
ここで星空を見ながらビールでも飲んでください、みたいな場所でしょう。

そして案の定、緑の偽芝生の向こうは、他人の家の屋上なんですよね。
これって、屋根から人のうちに侵入できるってことでもあり、
逆もまた真なりで誰か入ってくる可能性もあるってことです。
戸締まりはしっかりと。


寝室は階段を上っていった三階に二つあります。



一番広い部屋にはクローゼットがあるので、当然のように
わたしがここを使っています。ベッドの上にかかっている絵は、女の人の目が怖いので、
外してタンスの後ろに隠してやりました。


ちなみにここはペットフレンドリーを謳っていて、
二つの寝室の裏側に、天井の低い(けれどやたら広い)スペースがあります。



そこにはペット用のベッドと水飲みボウルが置いてありました。
愛犬の就寝場所として使ってくださいというわけです。



元々は屋根裏の物置部屋としてシーズンオフのものを収納する場所でしょう。
右の廊下の境には、ペット用のラッチ付き簡易ドアが設置されています。
■犬用アイスクリームとK-9


そして、バトラーストリートの向かいにペットトリマーの店があります。
お店の名前はSalty Paws(塩辛い肉球)。
ペット連れがこのAirbnbに泊まると、綺麗にするのも簡単というわけ。

ちなみに窓の横の犬は犬用アイスクリームを食べています。
この店はペンシルバニアで初めて「ドギーアイスクリーム」を扱った店です。

ちなみに、ドギー・アイスクリームって何?と思ったので、
ちょっと調べてみました。

たとえば、
「ピーナッツバター・バナナアイスクリーム」の作り方と説明
市販の犬用アイスクリーム「フロスティポーズ」に匹敵するおいしさで、
難しい名前の原材料は一切使用していません。
冷凍バナナにピーナッツバターと少量のヨーグルトをブレンドし、
クリーミーでタンパク質が豊富なおやつを作りました。
完熟バナナは甘く、ピーナッツバターはたんぱく質をたっぷり含んでいます。

乳糖不耐症の愛犬には、ヨーグルトをココナッツバターに変えてみましょう。
ヨーグルトの代わりに、ココナッツヨーグルトや
ココナッツミルクを加えてもよいでしょう。

夏休みのお祝いに、暑さを乗り切るために、
あるいはただ愛犬を甘やかすために、
ピーナッツバターバナナアイスクリームは
これ以上ないほど簡単でおいしいアイスクリームです。

このヘルシーなお菓子は、人が食べても同じようにおいしいです。
倍の量を作って、家族みんなで食べてみてください。

犬用ピーナッツバターバナナアイスクリーム

このアイスクリームを食べると、愛犬はバナナに夢中になります。

作者 キキ・ケイン
準備時間: 5分
調理時間: 4時間
合計時間: 4時間5分
収量:1カップ1倍

スケール
材料

バナナ1本
ピーナッツバター 大さじ2
プレーンヨーグルト 大さじ2
(お好みで無脂肪またはココナッツミルクなどの乳製品をお使いください)

材料

ブレンダーまたはフードプロセッサー

作り方

熟したバナナをさいの目に切り、4時間以上冷凍する。
フードプロセッサーに冷凍バナナ、ピーナッツバター、ヨーグルトを入れ、
なめらかになるまで撹拌する。
固まるまで再び凍らせてスクープにするか、犬用のクッキーを散らしたり、
フルーツをたっぷり添えてすぐにお召し上がりください。

愛犬はきっとあなたに感謝するでしょう。

いや、あの・・・これって、
人間用のアイスクリームと何が違うんですか?

市販のアイスだと添加物とかが入っていて犬に良くないから?
アメリカ人って、自分のためアイスの手作りなんかしたことなくても、
犬のためなら頑張ってやってしまう人がいるのか・・・。



ここに来て最初の週末のことです。
朝早くからこの通りにパトカーが現れ、路駐していました。



「塩からい肉球」トリマーショップの前に停まった車には
バックウィンドウに『K-9』と書いてあるではないですか。

なんと、この日、K-9がトリムしてもらいに来ていたのです。
もしかしたら犯人逮捕のご褒美にドギーアイスも食べさせてもらった?
人だかりがしてその中心に犬が見えたので、わたしが道の反対側から
上の写真を撮りながら見ていたら、お巡りさんの一人がそれに気づいて、

「そんなところから撮ってないで、ほら、こっちで撮りな!」
みたいに手招きするではありませんか。

えー、と思って通過する車を待とうとしていたら、お巡りさんったら、
車をまるで歌舞伎の役者のような仕草で止め、渡らせてくれました。
(どうみても職権濫用です本当にありがとうございます)



Port Authority Policeと書かれたハーネスをしていますが、これは、
「港湾局警察」の意味で、ペンシルバニア州アレゲニー郡の法執行機関、
かつ交通警察機関(つまり警察)の正式な名称となります。
軍用犬について書いたとき、軍用犬はそのように訓練されているので、
下手に撫でようとしたらハンドラーの敵だと認識して襲ってくることもある、
とどこかで読んだのですが、少なくとも警察組織のK-9に関しては
全くそのようなことはなく、市民になでられて尻尾を振っております。

こちらのレトリーバー?のZANE(ゼイン)君はトリムしてもらったかも。
彼も皆に頭を撫でられてじっとしています。嬉しくもないが別に迷惑でもない、といった様子。


リーシュを持っているのがハンドラーで、そのよこは
K-9のシャンプーを先導してきた警察官のように見えました。


港湾警察の皆さんも、K-9が市民に親しまれることは
大変ウェルカムの様子で、しばらく「Kー9展示会」みたいになってます。
そこに一般市民がシェパードを散歩させて通りかかりました。
見ていると、K-9くんの方はシェパードと彼の咥えているぬいぐるみに
どうやら興味津々で、尻尾をブンブン振りながら近づこうとします。



次の瞬間ハンドラーのお兄さんが眉間のところを指で指す動作をすると、
ぴたりと立ち止まってその場から動きませんでした。
シェパードの方はちょっとK-9が怖いらしく、尻尾を垂らして、
反対側に行きたそうにしているという犬模様が展開されていました。
それから、今回ポートオーソリティのK-9で検索していて、
このような記事が見つかったので挙げておきます。
     Local News                      Port Authority Police Mourning The Loss Of K9 Officer Arko
ローカルニュース
港湾警察はK9アルコ巡査の逝去を悼む


「このような事態を受け、港湾局はディピッパ中尉とその家族に対し、
アルコが亡くなったことに哀悼の意を表しています。」

アルコ巡査(Officer Arco)というのがK9のことです。
2歳の時に職務に就き、10年間勤務して12歳で亡くなりました。殉職とかではないようですが、現役での逝去ということで、
ニュースにもなったということでしょう。(-人-)
オフィサー・アルコの在りし日の姿


そうかと思えばソルティパウの並びには、
「ファットキャット・チョコレート」なる店が入った「マーケット」があり、
その中にはLGBTQな彼女的彼がウェイトレス?をやっている
「オリバーズ・ドーナツ」という猫的な店もあります。

ウェイトレスの彼に聞いてみたところ、オリバーはオーナーの猫だそうで、
三毛猫のほとんどは雌なのに、なぜ男性の名前なのか、
これは従業員たちのLGBTQと何か関係あるトリッキーなネーミングなのか、
とどうでもいいことをつい考えさせられてしまいました。

バトラーストリート沿いは、ITのベンチャー企業が多く集うところですが、
昔から芸術家が居住する地域であることでも知られているそうです。

芸術家とLGBTQと犬猫、なんだか親和性がある気がします。
ついでに、猫とリベラル思想の親和性も高いというか。
冒頭の、いつも朝通ると窓ガラスに取り付けたベッドで寝ている
ロシアンブルーの横には、今アメリカで話題となっている堕胎禁止令について

「アボーションは女性の権利」

と書いた張り紙が内側から貼られているのでした。




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