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ピッツバーグ・グルメ〜怒涛の悪評価ジャパニーズレストラン

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ピッツバーグに到着してからあっという間に二週間が経ちました。
Airbnbの部屋を住みやすくするための立ち上げもすみ、
唯一の心配だった、ガレージがないという問題についても、
駐車禁止の時間と場所を把握することによって、路上駐車に慣れてきました。

さて、今日は到着以来ここピッツバーグで訪れたレストランの中から、
アジア系と日本料理をご紹介しようと思います。

バッファローからピッツバーグに到着した夜は、
前回ピッツバーグで最後の夜に行って感激した高級タイ料理、
「プサディーズ・ガーデン」でMKとの再会を祝いました。

ここのタイカレーはいつ食べても感動的に美味です。
そしてこのパパイヤとスティッキーライスのココナッツ和えは最高。


去年はCOVID19のせいでオープンしていなかったお店です。
カジュアルなベトナム料理の「ツーシスターズ」。

お店の名前通り、二人の姉妹が経営しているレストランで、
オーナーらしい姉妹はキッチンでなくフロアとレジで頑張っています。

今回行ってみると、お店は大変繁盛しているように見えましたが、
壁には「人手不足でサービスが十分にできずすみません」
みたいなことを書いた張り紙があり、実際にもオーナー姉妹が
一人で運んで片付けてレジもしてオーダーも取るとキリキリ舞いしていました。


そんな中でも以前から品質を落とすことなく、
美味しいベトナム料理が提供されていたのは嬉しいことです。

前菜がわりにまず生春巻きをひとつ。



ここでは3人が3人ともいつも同じものを注文します。
それがこのチキンフォー。
自由にトッピングする野菜もたっぷりで、見かけより量が多く、
わたしなど全部食べ切ることができないほどです。

味は少し物足りないかなくらいのあっさりで、
その透明なスープもその気になれば全部完飲できるレベル。
コストパフォーマンスの点でも高評価を差し上げたい良店です。

今住んでいる通り沿いにあるジャパニーズレストラン「UMAMI」。

「旨味」という日本語がアメリカで市民権を得たのは、
ネットの発達によるところが大きいのではないかと思います。

西海岸、シリコンバレーに「UMAMIバーガー」が登場し、
その言葉選びに驚いたのが4〜5年前だったでしょうか。

わたしたちがアメリカに住んでいた頃には、日本食を謳うストランでも、
出汁を取っていない(つまりお湯に味噌を溶かしただけの)味噌汁を
平気で出してくることがあり、もしかしたら日本人以外には
昆布だしの旨味は味として認知されていないのか?と思ったものですが、
今では、たとえ日本人など見たことがないような地域の人でも、
ネットで本物の日本食の調理について簡単に知ることができます。

まあ問題はいくら知識があっても味わうことはできない、つまり
本物の味を知ることができないという点については
ネット以前と何も変わっていないということですが。
「UMAMI」という店の名前から受ける印象は悪くありません。
なまじ日本人がやっているというだけで、別に美味しくもない日本食を
これぞ本物、とばかりに海外で広めている微妙な店よりは、
ずっと日本の食について理解が深そうな予感を抱かせます。

そんな「UMAMI」については、MKがすでに友人と行った事があり、
評価については「まあまあ」という事だったので、
特に大きな期待もせず軽い気持ちで一度食べに行ってみました。


お水のグラスがパンダなのはいかがなものかと少し思いますが、
枝豆にはちゃんと塩が振ってあるし、味噌汁も出汁は取れています。具も豆腐にわかめにネギと実にオーソドックス。

鉄火丼。
悲しいのは、ちゃんと紫蘇を使ってくれているのはいいとして、
それがほとんど黄色い色をしていた(つまり枯れかけ)ていたことです。

それから、アメリカのきゅうりは日本のと種が違うため、
日本の胡瓜の1.5倍太く、胴体にくびれもイボイボも全くありません。

これはわたしが頼んだ海鮮丼。
問題のシソは刻まれていて、生のうずら卵、トビコがあしらわれています。
ご飯はちゃんとすし飯の味がしました。

これ以外に、ここではお好み焼きも食べる事ができ、
MKいわく「まあまあ」ということです。
アメリカ人にも美味しく手頃なジャパニーズと認識されているようで、
この二日後、MKが友達と夕ご飯に行ったらまたここになったそうです。


日本料理、特に寿司レストランは、アメリカ人には少し高級で、
たとえばデートに選ぶ店みたいな位置づけの店が多い気がします。

値段が高いのは、生魚を扱うことから仕方がない部分がありますが、
いわゆるインチキジャパニーズの経営者は、
高い値段を取るためにろくに寿司のことを知らないで、
聞き齧り、見かじりの偽寿司を提供しているところがほとんどです。

もちろん前述のように日本人が経営しているからといって
必ず美味しいとは限りません。
日本にある店が全て美味しいわけでないのと同じです。

しかし今回遭遇したジャパニーズレストランほど、値段だけは一流で
中身はとてもじゃないけど日本からは味も中身も、程遠い、
残念なレストランはありません。

しかし、ブログのネタとしてはもう最高の逸材だったので、
早速ここで、ネットの低評価(太字)と共にご紹介していきます。ネタだけに。


昨年の夏に行った、SOBAというレストランに併設されているUMI。
UMIはピッツバーグでも数少ない高級和食の店と自称しています。

SOBAは決して悪くなかった(特に良くもなかったけど)ので、
高いのは分かっていましたが、家族で一度は行ってみようとなり、
MKになかなか予約が取れない中取ってもらい、出撃しました。
このレストランに入るのはとても難しい。
いつも予約でいっぱいで、一流レストランのような錯覚を覚えるからだ。
しかし、金曜日の夜、私たちがいた2時間の間、
多くの空きテーブルがあり、決して忙しいわけではありませんでした!!
要約すると、この経験はすべて気取った見せかけのように感じられました。

この人は「忙しく見せかけて高級なふりをしている」としていますが、
わたしが実際に行ってみたところ、要するにテーブルはあっても、
作る人がいないのだと思われました。

延々と続く階段を三階まで上っていくと、ドアを開けた途端、そこに
寿司カウンター(決して誰も座らない)が出現します。

あれっと思ったのは、そこにいた職人からなんの挨拶もないことでした。
見かけだけは日本人風のアジア系職人は、日本語が喋れないらしく、
「イラッシャイマセ」(ニューヨークの一風堂では金髪の店員にも言わせる)
どころか、助手らしい黒人女性と無言でこちらを眺めるのみ。

実はわたしはこの時点でかなり失望していました。


写真の右手は掘り炬燵風のテーブルですが、土足で利用します。
「掘り」の部分の掃除はどうしているんだろうとか、
土足で出入りするその座る部分はつまり地面に座っていることになるのでは、
とか、掘り炬燵ゾーンにサービスする従業員は、日本仕草のつもりか、
床に指や膝をついているけど、ここは(略)とか、色々と考えさせられました。

「書」のつもりで壁に貼られた「花鳥風月」は、日本なら
小学生高学年の部なら学校で優等賞をもらえる程度のレベルの達筆です。
っていうか、額にするのに、こんな練習用の半紙選ばないっつの。
心あるアメリカ人もこんなことをおっしゃっておられる。

私たちは日本のミニマリズムが大好きなのですが、
このスペースは完全に的外れで、アップデートが必要です。
照明が貧弱で、頭上のスポットライトは何も強調していません。


照明が当たっていないしょぼい滝、
(画面の右側にある水が流れる石段のようなもののこと)


効果のない照明に紛れてしまっている二つの壁画、


テーブルはあまり目立たない蛍光灯のある勝手口を向いていて、
(わたしが座ったのはまさにその席)
拭いたばかりでびしょびしょに濡れたテーブルに座らされたため、
さらにずさんな第一印象になりました。

日本のミニマリズムが好きな人にとってはインチキ以外の何物でもない、
これは確かにその通りですが、まあ日本人に言わせると、
この程度のインチキさはまだ許容範囲というものでしょう。

ここが料金の高い高級レストランを謳っていなければの話ですが。
ウェイトレスはなぜか全員がアフリカ系の女性でした。
カウンター内の助手もアフリカ系でしたが、ここは西海岸と違って
日本人風味のアジア系のウェイトレスは調達しにくいのかもしれません。

しかし、彼女のサービスはフレンドリーで丁寧で、
説明もちゃんとしており、悪いものではありませんでした。
問題は料理の内容そのものです。
って、レストランでこれに問題があればその時点でもうダメなんですが。
ここはピッツバーグで最高の日本食レストランとして宣伝されています。
しかし、先週の金曜日の夜、私たちの体験はひどいものでした。

料理は最悪で、満足感がなく、値段も高く、せいぜい平均的なものでした!!!

このレストランはおまかせの7コースか11コースしかなく、
ニューヨークのNobuより高いし、とてもがっかりしました。

ふざけたことに、ここは夕食しかやっておらず、
しかもチョイスできるのは「OMAKASE」のみ。
オーダーを聞いてその都度一皿作る、ということをできる料理人が
おそらくはいないのだと後からわたしは確信しました。

この人が言っている「7コース」「11コース」は皿数のことです。



こんなこともあろうかと、わたしはいつになく熱心に
皿の写真を全部撮ってきました。
写真がどう加工しても暗いのは、店内の異様な暗さのせいです。

これがその一皿目なのですが、まず、上に載っているものはともかく、
それが白くて丸い洋皿に乗ってきたのに猛烈な違和感を覚えました。

高級日本料理を自称するなら、器にもう少し気を使わないか?
こんな皿で出された日には、海原雄山でなくとも味見前にブチギレ確実だ。
皿の上は、なんか忘れましたが魚の身をツミレにしたものに、
甘いソースがかかっているもので、特に感銘も受けず。
いや、でも、最初の一皿くらいはね?前菜だし。


ところが2皿目、魚の切り身に同じようなソースをかけたものが
全く同じお皿で出てきて、あれっと思いました。

ま、まあ、これもまだ前菜ということなのかも。

写真は拡大していますが、切り身の大きさは寿司に乗っているのと同じくらい。


三皿目、今度はサワラの味噌焼き的なものが出てきましたが、
これにかかっているソースもほとんど同じもの。

ここで嫌な予感が萌してきました。

まさかとは思うけど、ずっとこんな感じなの?
お皿も白い丸皿のままだし・・・。
さて、この辺でアメリカ人の意見を聞いてみましょう。
「7品とも魚が同じに見えました。
真っ白な皿に紙のように薄い切り身、野菜は一つもありません。
海草のサラダ、緑の野菜のスチーム、野菜の天ぷらはどうでしょうか?」
客にメニューの提案をされてるし。

「シェフはベストを尽くしていますが、味はお互いを引き立たせておらず、
すべてのソースは嫌な甘さです。

11品のコースのうち7品が2ピースの小さな刺身でしたが、
どれも同じような味で、独自性、味、創造性が欠けています」

全くその通り。日本料理に砂糖を使うという噂を間に受けて、
どのソースにも甘みをつけてしまったって感じです。

わたしたちは行く前に次の中国系らしい人の感想を読んでいたのですが、
店を出てから、その人の意見に100%賛同していました。
「11品のおまかせコースが進むにつれ、
失望という言葉では言い表せないような感覚に陥りました。

コースのほとんどが魚の薄切りで
甘すぎる醤油ソースは魚の味を消してしまっている」
「提供されたわさびは本物の生わさびではない。
本物のわさびは、まろやかな味とほのかな甘みがあるが、
偽物のわさびは非常に強く、甘みはない。
135ドルのおまかせコース(11品コース)で、
新鮮な食材を提供すると言っているのに、これは全く納得がいかない」

「ウニもない」
全くその通り。もはやこの意見はわたしのものではないかみたいな。
わたしたちは後からこう言い合いました。
「あの中国人の意見そのまんまだったね」

「きっとあの人は孔子様の生まれ変わりだったに違いないだ」
そしてこの「孔子の生まれ変わり」の意見のうちで、
一番参考になったのがこの情報でした。
「白マグロ(エスカラール)が出てきた。油分が多く、たくさん食べると下痢になるため、日本では違法な魚である」



英語ではホワイトツナなので、なんの問題もなさそうですが、
日本語の「アブラソコムツ」のことです。

アブラソコムツの恐怖

日本では幼稚園での集団食中毒?が起きたこともあり、
法律的に売ってはいけない魚として指定されているものが、堂々と。
脂が多いため、危険とされているこのアブラソコムツですが、
毒というわけではないので大量に食べなければ大丈夫。

というわけで、アメリカでは禁じられていません。
しかし、ロスアンゼルスの多数の韓国系寿司屋でこれを偽装して出し、
弁護士事務所から巨額の賠償を請求されたという事件もあったそうです。

孔子様のおっしゃった通り、前菜の最後にこれが出てきたので、
わたしは一切れだけ食べてパスしました。

問題は、この「外道魚」を出す店がいやしくも一流店を気取っていることです。

あーだんだん腹たってきた。
そして、6皿目までがこの白い洋皿の連続だったことで、
呆れ返ったわたしたちは、

「まさかこのまま最後まで行かないよね」
「最後にお寿司が出るよね」

「大丈夫、カウンターでおじさんがお寿司作ってるのが見える」

「11品コースだけ寿司が出ますだったらどうする?」

「もうその時にはテーブルひっくり返して帰る」
とヒソヒソ言い合っていました。


そして初めて白い丸皿以外で出てきた最後の希望、いや最後の一皿。
寿司の上にトマトのトッピング(笑)

寿司の大きさだけは一流っぽく小さくまとまっていましたが、
これは単に材料をケチるための握り方でしょう。

すし飯はいつ炊いたのか冷たくて硬く、粒が感じられる舌触りで、
日本では決してやらないトッピングは、味を誤魔化すため。

「トッピングに溺れ、魚の味をほとんど感じることができませんでした。
魚の寿司でないことを事前に言ってほしかった」

しかもサーモンの握りにはクリームチーズが。

「この夜一番がっかりしたのは、クリームチーズ入りサーモンの握りだろう。
立派な「おまかせ」料理でありながら
クリームチーズの入った握りを出したところは初めて見た気がします」

「握りにクリームチーズ?がっかりです :( 」
それより何より、お高いコースなのにたったこれだけで終了!というのに、
わたしたちはもうほぼ茫然としてしまいました。

おそらく出された全品は全部かき集めても一皿に軽く乗るくらいしかなく、
最後の寿司以外は全部白い丸皿に乗ったカルパッチョ的前菜。

まさにふざけんなでございます。


かろうじてマシだったのはこの偽寿司風デザートでした。
巻き寿司のようなピスタチオをかけたチョコファッジ、
醤油のようなチョコソース、そしてワサビのようなクリーム、
ガリそっくりのマスクメロンの薄切り。

これはアイデアとして面白いし、楽しい話題にもなります。


このコースが一人100ドルでなければ、もう少し寛容になれたでしょうけど。

それでは最後に、この店に対するアメリカ人たちの罵詈雑言をどうぞ。

「シェフは、美味しくない魚や料理の失敗作でこの値段を取る前に、
ロサンゼルスやニューヨーク、デンバーなどの
素晴らしい日本食レストランを経験するべきだ」

「ピッツバーグには選べる日本食レストランが限られているので、
非常に高価で質の悪い寿司と日本食しか知らない客は
こんなところでも満足してしまうのでしょう」

「しかし、本当にがっかりしたのはその量です。
3コースとデザートをいただきましたが、お腹が空いたまま帰りました。
夕食後、そのままブリトーを食べに行きました。
前菜が全部で2オンスの生魚で構成されていたので笑ってしまった」

「お金を貯めて、もっといいところで本物の寿司を食べましょう」
「Gi-jinの方が断然価値があるし、美味しいです」


最後の「GI-JIN」とは、ピッツバーグのもう一つの有名高級寿司店です。
この意見は、孔子の生まれ変わりさんのものだったので、
わたしたちはピッツバーグを去る前に、この店(Gi-jinは漢字で外人と書く。
日本人にとっての外人がやっている寿司屋であると標榜しているらしい)
に予約を入れ、行ってみることにしました。

美味しくてもそうでなくても、またとんでもなら尚のこと、
ここで紹介するネタとなってくれることを祈りつつ。






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