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Channel: ネイビーブルーに恋をして
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海上保安庁巡視船「あしたか」〜よこすかYYのりものフェスタ

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USS「ハワード」の見学を終わり、岸壁に降りてきました。



我が海上自衛隊の「しお」型潜水艦「うずしお」が背中を公開していました。
ラッタルを渡り、文字通り「くじらのせなか」を歩いて出るだけ。

それでも時間があればやってみたいところですが、残念ながらこの日は
この後のスケジュールがタイトだったので、外から写真を撮っただけです。



潜水艦の艦尾旗はここに掲揚します。
平時において、自衛艦は、停泊中午前8時から日没までの時間、
航海中は常時、艦尾の旗竿ないし斜桁(ガフ)に軍艦旗を掲揚します。
万が一戦闘があった際は、戦闘旗として掲揚される予定です。
自衛艦において定時に自衛艦旗を掲揚し又は降下するときは、

定時10秒前に喇叭を以て「気を付け」を令して
定時に喇叭「君が代」を1回を奏するものとし、当直士官は、
艦橋又は後甲板付近に措いて掲揚(降下)を指揮しつつ、
自衛艦旗に対し挙手の敬礼を行う
艦橋及び露天甲板にある者は、自衛艦旗に対し挙手の敬礼を行い、
その他の場所にある者は、姿勢を正す敬礼を行う

海上自衛官は、陸岸において自衛艦旗の掲揚又は降下を目撃するときは、
その場に停止し、当該自衛艦旗に対し敬礼を行うものとする
大きな自衛艦旗であろうと、潜水艦の小さな旗であろうと、
当然ですが、同じ時間内で掲揚を行うということですね。



セイルの上には桜一つの尾鰭状切れ込みがある隊司令旗が揚がっていました。

正確には隊司令旗(甲)といい、この場合の隊司令、すなわち
横須賀基地潜水隊司令は、一佐をもって任じられることになっています。

この旗は、隊司令の乗り組んでいる自衛艦等に乗艦して
部隊の指揮をとる場合、又は検閲若しくは巡視のため、
その指揮下にある自衛艦等に乗艦する場合においては、
乗艦から退艦までの間、その自衛艦等に掲揚されます。
ということは、今この瞬間隊司令が乗艦しているってことですか?
潜水艦ですし、さすがにそれはないような気がするのですが・・。



セイルの上のリースみたいなのはなんだろう?
もしかしたらクリスマスの飾り?



と思ったらさすがにそれは違いました。
うずしおSS592と書かれていますが、輪が小さいので
さすがに救命用の浮き輪ではないと思います。これは何するもの?

ちなみにこの「浮き輪」、端っこに取っ手みたいなのがついてます。


「うずしお」の手前には、海上保安庁の警備船、
「あしたか」が公開されていたのでこれに並ぶことにしました。


海上保安庁の巡視船「あしたか」は、
びざん型巡視船の3番船となります。

第3管区海上保安本部の横須賀海上保安部所属で、
竣工は1994年、三井造船玉野事業所で建造されました。

つまり「あしたか」はもう就役して28年のベテランということですが、
同級は最新船の「きりしま」が2022年12月21日(あれ、今日だ)
竣工予定であることから、同型が今後も増えていくのかもしれません。



電光掲示板ならぬ布には、「ようこそ あしたかへ」の文字。

あ、これ知ってるぞ。
この掲示布で、不審船に向けて「武器を捨てよ」「止まれ」などと
中国語やハングルや英語で警告するんですよね?

こういうことを言えるのも、海保の観閲式に参加して、
模擬捕物?シーンを見たからこそです。



というわけで、見学の列に付きましたが、進まないんだこれが。
船が小さい上、ソーシャルディスタンスを考慮して
入り口で人数を制限しているため、船上にいる人もほとんど動かず。

この日は暑くも寒くもない見学には好天だったので、
待つのに何の苦労もありませんでしたが、
「いずも」と警備艇の写真ばかり時間つぶしに撮りまくりました。


例えばこんな写真とか。
マスキングしていますが、ボートの上の家族の顔は全員明らかに固くこわばっています。

まあ、遊園地のライドみたいにはいかないよね・・。

下船しただけの人数を乗船させるというシステムなので、
20分くらい待ってようやく甲板に立つことができました。

「びざん」型巡視船はM61バルカンで武装しています。

6砲身からなるガトリング回転式のキャノン砲で、
日本で開発&ライセンス生産されたJM61–Mをもとに、
箱型の単装砲塔に組み込んだJM61-RFSというタイプです。
こちらは赤外線捜索監視装置との連接により、
目標追尾型遠隔操縦機能(RFS)を備えています。



見学通路は甲板を左回りに進み、上部構造物の船内に入っていきます。
入り口に立っている保安官は、船内に入るまでの間、
目の前の人に丁寧に説明したり質問を受けたりしていました。

このとき彼から、この巡視船が就役してかなり経っていること、
かつては尖閣で警備活動していたこと、そして巡視船というものは
武器などをアップデートしないということを教えてもらいました。



キャビンに入るとすぐ右手にキッチンがあります。

「どうぞ奥まで入って見てください」

と言われましたが、本当にどこかの家にお邪魔している気分。
どこかの家と違うのは、もう30年近く経つのに、
油汚れやシミなどが一切見当たらず床も綺麗なことです。

毎日の掃除がいかにちゃんととされているかってことなんでしょう。



ニンジンはありませんでしたが、じゃがいもと玉ねぎがあるので、

「カレーの材料ですか」

と聞いてみたところ、昨夜はカレーだったというお返事でした。
近くにいた人が、やっぱり金曜日はカレーなのかと聞いていましたが、
それは海自ならではの慣習で、うちでは決まっていないということです。



ここが乗員の食堂兼居間、休憩所。
小さい船なので、ここにファクシミリやコンピュータが置かれています。
LANケーブルなんかも、就役当初はなかったらしく、
配線工事をしたっぽい形跡が。

炊飯器はおかわりしやすいようにか、台所の外、食堂の一角にあります。
動揺で転げ落ちないようにするための枠は乗員の手作りっぽい。


USBとSDカードの所在を表すためのホワイトボード?

「主航士」「航士補」「機士」「通士」

どれもこれも海自とは全く違う名称です。
これらはまず階級ではなく、職務上の資格を表し、
「航士」は「航海士」、あと「機関士」「通信士」の略です。

階級は、海自の尉官・佐官にあたるのが「保安正」「保安監」ですが、
自衛隊とは微妙に区切りが違っています。
海自の三佐は海保では一等海上保安正ですが、
一尉も海保では保安正であり(二等)、二尉は三等保安正となります。

保安士は所謂下士官、曹であり、
兵員にあたるのが「保安士補」となります。
ちなみに海上保安大学校は卒業時に学士号が授与される高等教育機関で、
4年9ヶ月の教育機関にわたり幹部保安官としての教育を受けるため、
難易度も国公立大学受験と同程度となっています。

決して簡単に門をくぐることができる大学ではなさそうです。



大ヒットした「海猿」以降となる海保を舞台にしたドラマ(のようです)。

『DCU』は、2022年1月〜3月放送されていたドラマで、海上保安庁に新設された水中事件や事故の捜査を行う
架空のエキスパート集団DCU(Deep Crime Unit、潜水特殊捜査隊)が、
従来の海上水域だけでなく、警察の捜査では困難な
「危険極まりない日本全国の河川や湖」など、
あらゆる水中に潜り隠された証拠を探し、
「水中未解決事件」を解決する活躍を描くミステリー、ということです。

キャッチコピーは「水は嘘をつかない」
隊長が50歳の三等保安監(阿部寛)と言う設定がすごすぎ。
今見ていたら、古田敦也元監督が政治家役で出ていたのを知りました。
結構いろいろドラマとかにも役者で出てたんですね。びっくり。


操舵室はこの一階上にあります。
レーダー装置や警救情報(この言葉も初めて知った)表示装置など、
見学する人にわかりやすい説明もありました。

コクピットは非常にアナログっぽい作りです。



船長が座るのは右側の羅針盤の前でしょうか。



船室の後ろ側にはまるでバスのようにシートが並んでいます。
現場に急行する時などには全員がここに座るのでしょうか。



「あしたか」の主機はディーゼルエンジン、
推進装置はここにもせつめいのあるウォータージェット推進器です。
船底から汲み上げた海水を後方に高圧の水流として噴出し、
それを推進力にする仕組みを持ちます。

現地の説明によると、「バケット」なるものを上下させると、


水流の向きが変わって後進(下図)に切り替えることができます。
ちなみに「フリーダム」「インディペンデンス」級など、
アメリカ海軍の沿海域戦闘艦もこのシステムを採用しています。

これはこの方式が高速急行を要する場面の多い任務に適しているからで、
低速では燃費が悪いため、自衛艦で搭載している例はありません。



デッキに出て外を見てみました。
右側が例の「警告バナー」です。



コクピットの後ろは、左舷側がシート、
右側がこのような、おそらくナビゲーション室があります。
ここには通士という役職の乗員が勤務するのでしょう。

右のラッタルから降りてくるとそこはもう後甲板でした。
30年近く一度もリノベーションしていないというだけあって、
かつては白であったと思われる幕や天井のキャンバスは真っ黒です。


後甲板には複合艇が設置されていました。



おとなりに展示されている「うずしお」。



複合艇は海保では「高速警備救難艇」が正式名称です。
全長約5メートル、幅2メートルで定員は6名。

本船では出入りが困難な、浅瀬や狭い海域などで使用されます。



これどうやって海中に投下するんでしょうか。
ダビッド(というのかどうかもわからない)ごと動いて、
アームのように海上に人が乗った艇を下ろすのかな。

今写真を見てつくづくどうするのか不思議に思ったのですが、
現場にいた乗員の方に聞くことをそのときは思いつきませんでした。

一般公開あるあるです。


さて、この後、わたしは知人二人と合流して陸自の装備を見た後、
最後に「いずも」の見学に向かいました。

続く。








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