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Channel: ネイビーブルーに恋をして
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ジュライ フォース in パロアルト〜シリコンバレー到着

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今年も恒例のアメリカ生活が始まりました。



今回のフライトは初めてとなる羽田発深夜便。
出発前の飛行機から見る夜景も新鮮です。


今回の機材は、初めてお目にかかるタイプでした。
画面の右側はアメリカの洗面所にあるような薄い薬棚タイプの物入れ。
画面の操作やFAの呼び出し、機内販売の購入はすべてリモコンで行います。


新しくなって大変よかったのはシートの形状です。

二人がけシートの右側に座るような形で、3点シートベルト方式。
(座高の低い女性にはちょうど首にベルトがかかって苦しかったけど)
このシートだと、フラットシートにして睡眠モードになった時、
前のようなちょうど体の幅しかないシートだと置き場がなくなる手を
横において、横向きに寝ることもでき、大変楽でした。

アメニティはグローブトロッターの薄型ポーチに、
SIROのリップクリームと保湿液が最近のANAの定番です。



国際便はいつも搭乗して1時間くらいで食事になるのですが、
夜10時出発の便でもそうなのかな?と心配していたら、
メインの食事はちゃんと着陸前に予定されていました。
一寝入りして目覚めそうになったとき、CAさんが「お目覚めですか」
と起こしてくれたので、今回は食べそびれずにすみました。



機内では黒澤明の「生きる」のイギリス版、
『Living』(カズオ・イシグロ脚本)を観ました。
あっという間に主人公が死んでしまいびっくりしていたら、
実はそれからが本題というか、そこからが感動の嵐でした。

アメリカでもフランスでもなく、舞台が1950年ごろのイギリス、
というのが原作との絶妙な親和性を醸し出していたと思います。



今回はサンフランシスコが目的地なので乗り換えなしです。
直行便がこんなに楽だったとあらためて実感しました。



レンタカーセンターまでの電車の窓から見える空の色は、
お馴染みの「ザ・サンフランシスコ」。
海岸からの霧が西側を覆ってひんやりと冷たい空気が流れこんできます。



最初の宿泊先はパロアルトの住宅街にあるAirbnbです。(この地域はとにかく地価高騰のせいでホテルが高すぎなので)
この一角は「プロフェッサーズ・ビル」と呼ばれています。
もしかしたら近くの大学の教授が大量に住んでいた(いる?)のかな。

路駐には住人を証明するタグが必要ですが、ホストが用意してくれています。
路駐といっても一帯が住宅街なので停める場所に困ることはありません。



Airbnbはこの道路から奥まったところにあるお宅です。



この辺の家はときどき変わった彫塑を庭に置いています。
このお宅の作品は斃れた恐竜とそれを虎視眈々と狙うコンドル2羽というもの。

庭に置く彫塑としてはどうかなというモチーフですが、このお宅、
玄関脇に不気味な人形の頭を置いてあったりして、そういう趣味の方かなと。



木でできた門扉を開けると、ここが今回一つ目の宿泊先です。
わたしが借りることになっているのは一階の手前半分で、
残りと二階全部にオーナーが居住しているという話でした。


門扉の内側にはガレージとバーベキューグリル、アウトドアテーブルセット。
中流アメリカ人家庭にはなくてはならない3点セットです。



最初の10日の宿にこの部屋を選んだ理由は、ピアノがあったから。
聞いたことのないアメリカのメーカーで、おそらくですが
軽く100年近く経過している骨董品ではないかと思われます。

オーナーが小さい頃に習っていた名残か、
鍵盤にマジックインキで音名が書いてあり(笑)
子供用のピアノ教材も本棚に散見されました。



早速ピアノを触ってみるMK。
彼はもうすでに夏のインターンシップに通っています。



次の日、真剣に弾いてみましたが、蓋が開けっぱなしなのが祟って、
内部がもう壮絶な埃まみれ。音はお察し、という状態でした。
おそらく調律など半世紀はしたことがないに違いありません。
力一杯打鍵しないと出ない音があり、ソフトペダルは使用不可。



部屋には暗証番号で入るのですが、二日目の晩、事故発生。
内鍵がかかってしまっていて、夫婦で締め出されてしまったのです。
しかもオーナーの電話番号を入れたわたしの携帯はたまたま部屋の中。

そこでTOからMKに電話をして、オーナーに電話してもらいました。
彼女がやってくるまでの間、わたしたちは外に立っていましたが、
カリフォルニアの夏は夜猛烈に寒く、凍え死ぬかと思いました(嘘)

オーナーはバスローブで出てきて内側から鍵を開けてくれました。



写真に撮るとおしゃれで綺麗に見えますが、建物はおそらく
1950年代(映画”Living"の頃)に建ったものだと思われます。
木の窓はびくとも開きませんし、換気扇などというものもありません。

ちなみにオーナーは「靴を脱いで入室してほしい」と強くリクエストしていました。
わたしたちはむしろそうしないと落ち着かない民族ですが、
アメリカの住居には「玄関のたたき」「靴脱ぎ」という場所がないので、
つい靴のまま入ってしまうアメリカ人が多いせいだと思われます。



次の朝、一人で近隣を歩いてみました。
街角の教会も立派です。



家と家の間に遊歩道で繋げられたちょっとした緑地帯が現れました。


朝、少人数のグループが体操をするくらいのスペースは裕にあり、
柵で囲まれたプレイグラウンドもあって、パーキングも完備。


散歩に出てきたらしい首輪をした黒猫に遭遇。
魔女の宅急便の「ジジ」にそっくりです。



カリフォルニアに来ていつも思うのは、恵まれた植物の生育環境。
どこに行っても緑が豊かで、木々が高く、夏はそこここに花が咲き乱れて・・。
街角でアガパンサスやライラックの芳香を嗅ぐとまた来たなあと思います。



朝、歩いてすぐのところにあるホールフーズに買い物に出たら、
街角にこんなプレートを発見しました。

エレクトリックリサーチ ラボラトリー

1909 年にシリル・フェルウェルによってここに設立された
連邦電信会社の研究所および工場のオリジナルサイトには
1911~1913 年の期間に、三素子ラジオ真空管、最初の真空管増幅器と
発振器の発明者、リー・デ・フォレスト博士が在籍していました。

この研究に基づいた世界規模の開発が、現代の無線通信、
テレビ、エレクトロニクスの時代につながりました。

カリフォルニア州登録歴史的建造物 No. 836
州公園・レクリエーション局とパロアルト市および
パロアルト歴史協会の協力による  1970 年 5 月 2 日



歴史的遺物といえば、実にシリコンバレーらしい遺物がうちの近所にも。
通称「ヒューレット・パッカード・ガレージ」です。



シリコンバレー発祥の地

この家のガレージは、世界初のハイテク地域シリコンバレーの誕生の地です。

この地域のアイデアは、スタンフォード大学教授、
フレデリック・テルマンFrederic Terman 博士が生み出しました。

博士は、彼の学生たちに、東部で設立された企業に入社するよりも、
地元で自分のエレクトロニクス会社を立ち上げるよう奨励しました。

彼のアドバイスに最初に従った二人の学生の名は、
ウィリアム・R・ヒューレットとデイビッド・パッカードといいます。

1938年、この家のガレージで、二人は最初の製品である
オーディオ オシレーターの開発を開始したのです。

カリフォルニア州登録歴史的建造物 No. 976
州立公園レクリエーション局、ヒューレット・パッカード社の協力による

1999 年 5 月 19 日



朝、外を眺めながら飲むコーヒーは最高です。
ここに立ってPCをしていると、前の塀を通路にしているらしい
黒やら茶色やら各種毛色のりすが行き交うのが見えます。
ちなみにこの3日後、わたしはこのAirbnb備え付けのカップを割ってしまい、
大学の売店に同じのを買いに行く羽目になりました。



コーヒーといえば、最初にMKおすすめのコーヒーショップその1に行きました。
Verveコーヒーは日本にも上陸しており、六本木にお洒落なカフェもあります。



こちらのは建物や内装は六本木に通じるものがありますが、
圧倒的に人が少ない(朝だったせいもあります)。

エチオピアのプアオーバーを頼んでみましたが、上々でした。
口に苦味が残らず、さっぱりとした軽い飲み心地でバリスタの腕の良さを感じます。



また別の日のコーヒーショップその2。
ここのプアオーバーはちょっと水加減が好みではありませんでした。



TOが頼んだチアシードのヨーグルトは美味しかったそうです。



実はこのコーヒー屋は広大なコワーキングスペースの一部です。
事務所を持たないオフィスワーカーが、ここを1ヶ月400ドルからという
破格の安さで借りて仕事に利用する施設となっています。



こんな会議用のブースもありますし、



大会議場もあり。
数人で一つのブースのコンピュータとデスクを借りるプランもあります。
東京にも増えているそうですが、シリコンバレーのこの辺はさらに盛んです。



コーヒーの後、MKをインターンシップの会社まで送っていきました。
彼の会社のあるサンタクララもTATAとかインテルなど、
テック系企業が進出してシリコンバレーとなっています。



サンタクララにはジャパンタウンがある関係で、大型日本スーパー、
「ミツワ」があるので、MKを送ったあと、早速行ってみました。

そこで見たこの注意書きによると、カリフォルニアの法律、PRO65は
「カリフォルニア州の顧客に対して、ガン、先天性欠損症、
またはその他の生殖危害を引き起こすことが知られている化学薬品」
が使用されている場合、それを告知することを義務付けています。

要は最近WHOで発がん性を認められ話題になったアスパルテームのように、
人体に有害な成分を決して隠してはいけないということが定められているのです。

日本では元素材に含まれるなら表記しなくてもいいとか、
いろいろとロンダリング?の方法があるみたいですが、
アメリカ、特にカリフォルニアは厳しいようですね。

日本の加工食品はそのほとんどに化学調味料や着色料を含むので、
日本スーパーでは声を大にして宣言しているというわけです。



わたしは日本から輸入された加工品はその理由でほとんど手を出さず、
ほとんどのものはホールフーズやTrader Joe'sで調達します。

今回は、初めてサンタクララのホールフーズにも行ってみました。
おそらくサンフランシスコも含めて、この近辺で最も大きく、
品揃えもよいオーガニックスーパーだと思われます。

市内では閉店してしまったホールフーズもあるそうですが、
シリコンバレーには少なくとも客離れは無縁の出来事のように思えます。



MKはまだ大学の寮に住んでいるので、家族の食事は
互いの住居を行ったり来たりしてできるだけ一緒にしています。


彼の大学寮には一つの棟につき音楽室が数室あって、
一つはグランドピアノとコンサートもできるスペース、
電子ピアノと譜面立てがある小さな部屋は3室と音大並み。
住人であればいつでも予約なしで好きな時間に好きなだけ利用することができます。


週末にはわたしもグランドピアノを楽しみました。



MKの部屋には、彼がラボで使うこともあるということで
自分で買った3Dプリンターがあります。
これを買うと彼がいったとき、この機械が出回り始めてすぐ、夏のキャンプで
「作品」を作って持って帰ってきて驚いたことを思い出しました。

あれから10年以上が経ち、いつの間にかコピー機のような存在に・・・。

これで猫型の小さな物入れを作ってくれました。


この日、外で花火の音がしだしたので駐車場に向かおうとすると、
大学のグラウンドの方角から花火が上がっているのを皆がみていました。



7月4日の独立記念日にはアメリカ中が花火を打ち上げますが、
週末に入ったので早々と花火大会が始まった模様です。

花火が終了してから車にのり部屋に戻ろうとしたら、
花火を見に来た(もしかしたら何かの試合かも)見物客の帰路渋滞で、
いつもなら6分の距離に30分かかってしまいました。

続く。




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