今回の滞在における2回目の引越しが完了しました。
最後の宿泊先は、Airbnbで見つけたサンタクララの一軒家です。これまではMKの大学寮のあるパロアルト近くでしたが、
どういう生活パターンになるのかわからなかったので、
とりあえず最後はインターンシップ先に近いところを選びました。
もう一つの理由として、パロアルトよりサンタクララの方が
部屋代の相場がかなり安めだったということもあります。
しかも、3ベッドルームまるまる一軒貸し、長期契約の際の割引が大きく、
大変なお得物件を見つけ出すことができました。
同じ建築業者による住宅が6軒集まったコートのうちの1軒。
いわゆる日本の建売住宅みたいなものです。
上空から見るとこんな感じ。
家の前には各戸2台ずつ車を停めるスペースがあり、
さらに巨大なガレージも内蔵されています。
ドアを開けてわたしたちは思わず歓声を上げました。
今年の5月からAirbnbとなったこの家は、
素晴らしいセンスで改装された超おしゃれな内装でした。
築年数は2〜30年くらい経っているのかもしれませんが、
壁の塗り替えはもちろん、床もフルリノベーションされていています。
壁に設置されたバスケットゴールは、もちろん飾りですが、
これで遊ぶことができるようにいくつかの軽いボールが用意されていました。
中学生時代はバスケ部のカットインポイントゲッターだったわたし、
つい昔とった杵柄とばかりにトライしてみましたが、
勝手が違いすぎて、今のところまだ一回もゴールできていません。
オーナーはバスケットボールファンで、自分自身もプレイしていた模様。
(YouTubeのアカウントの写真が小学生の大会で優勝した時のものだった)
家の中のフロアに段差があると、広がりを感じます。
リビングルームから先には、キッチンとダイニングルーム。
ダイニングルーム。
窓際の飾り棚にはアナログ式レコードプレイヤーがあります。
ただしかけるべきレコードはない模様。
ダイニングルームには本物の暖炉!
「アメリカ人は今時本物の暖炉など使わない」
と前回言い切ってしまってすみません。
暖炉の上の絵といい、置いてあるものといい、
全体的にトーンが調和しオーナーの卓越したセンスが表れていて、
まるでクレート&バーレルかイーサン・アレンのモデルルームみたいです。
Airbnbに掲載されている写真は概ね実物より良く写るので、
実際が写真のイメージ通りだったことは一度もありませんが、
今回初めて写真より実物の方が良いという例に遭遇しました。
■ 前回Airbnbオーナーの「違和感」
キッチンも広々しています。
手前のカートにはコンプリメンタリーのウィスキー。
そういえば、この前に住んでいた物件のオーナーは、
宿泊者に飲食物は一切提供しないという固い意志を持った人でした。
ハウスルールにはこんな文言があったものです。
「冷蔵庫や棚の食品庫にあるものは全てオーナーのものですから
絶対に手をつけないでください。
ここから5分歩いたところにスーパーマーケットがあります」
ハウスルールの細かい部分はオーナーごとに違いますが、
ほとんどのAirbnbは、短期宿泊者へのサービスとして調味料やコーヒー、
お茶、ソース、冷凍食品や前の利用者が残していった保存食などは、
コンプリメンタリーとして利用してもらうというのがほとんどです。
冷凍庫に大量に残された「手をつけるな」という冷凍品を見て、
違和感を感じたのはわたしだけではなかったらしく、ある利用者が
宿泊後の評価コメントで「unnerving」「a little odd」と書きました。
おそらく、手をつけられたくない「自分たち」の食べ物を、
なぜお金をとって宿泊に貸す部屋に大量に残しておくのか、という
家主のホスピタリティに対するユーザーとしての疑問だったと思います。
ところがオーナーはそのコメントがよっぽど気に入らなかったのか、
とんでもない反論を長文であげており、それが以下の通り。
「多くの国で食糧が不足しているのに、それを捨てることはできません。
子供たちが飢えて死にかけているのはわたしの心を傷つけています。
1分しかかかりませんから、YouTubeで『飢餓』について検索してください。
食べ物を節約したり(実際には我が国のような幾つかの国が原因)
少なくとも極端な貧困について考え、何かできるかもしれません。」
まだまだ続くのですが、なんかものすごく早口で言ってそう。
おっしゃることそのものは確かにごもっともですが、
いかんせん、「odd」の真意を取り違えたため、反論になっていません。
サービス業のAirbnbでそれはどうなのよ、といわれたのに、
「食べ物を決して無駄にしない、このアタクシのどこが悪くって?」
とイキリ立ってしまったという感じ。
ちなみにオーナーは名前から中東系の出身と思われます。
ニューヨークで仕事をしたことがある技術者と自称しており、
MKの大学にも行っていたことがある(何で行ったかはわからず)とかで、
インテリで教育熱心な母(おそらく別居中)でもあるのでしょう。
わたしには、ヨーロッパ旅行中に楽器屋で息子がピアノを弾いている写真を
誇らしげに送ってくれていました。
ちなみにチェックアウト後のわたしへのユーザーとしての評価は、
「部屋を完璧な状態で戻してくれました。
全てのカテゴリで星5つつけさせていただきました。
誰もがこのようなゲストを迎えられればいいと思います」
というものでした。
■ビリヤード台のある家
さて、今住んでいるサンタクララの家。
生活感はありませんが、外にものがでていないだけで何でも揃っています。
ただ、トースターがなかったので聞いたらアマゾンで注文してくれました。
オーナーによると皆オーブンかレンジでトースト焼くそうですが、
わたしは長期滞在なので買ってもらえたようです。
それだけではありません。
8月、何日かここサンタクララでも暑い日が続いたのですが、
オーナーは、わたしがいる間にクーラーをつけることを提案してくれました。
それまでもエアコンはありましたが、クーラー機能のないものでした。
アメリカのクーラーは日本のような室外機方式のものではなく、
ガレージにインストールする巨大な機械が主流です。
それを室内のスイッチで調整することになっていて設置が簡単です。
スイッチはこちらで主流のGoogleの「ネスト」というのが元々ついていて、
新しくなったエアコンと連動して使えます。
キッチンの外はパティオになっていて、
アメリカ人には不可欠のバーベキューグリルも完備。
それでは2階に上がってみます。
リビングルームは吹き抜けで陽がふんだんに降り注ぐ明るい空間です。
二日目から使い捨てシートのモップを買ってきて掃除していますが、
「広すぎて掃除が大変」という言葉を初めて実感しました。
こちらは主寝室。
LGの大型画面はリビングと後述するプレイルーム、
そしてこの主寝室と三箇所にあります。
Netflixで「スーツ」上映中。
主寝室にはジャグジー機能付きのバスタブとシャワー室付き。
2階にはここと、反対側に同じサイズの寝室がもう一つ、
2シンクの洗面バス、そして洗濯室があります。
なんと、ガレージを改装したプレイルームまであります。
バーカウンターとフル設備が揃ったビリヤード台、
大画面とその前のソファーセット。
ここに来てから昔取ったキュー(学生時代一瞬)とばかり、
1日1ラウンドだけプレイすることになりました。
ゴルフクラブもありますが、これはもしかしたら
お借りしてもいいってことでは・・・?
アメリカのゴルフ場は近場にたくさんあるし、
ゴルフ好きな人にとっても最高の部屋ではないかしら。
⬛︎ ねこ付き物件
当ブログで言及している「招き猫体質」のせいかどうかはわかりませんが、
わたしは街角で猫を発見する能力に長けています。
車で街中を走っていて、「あ、猫」「猫いた」とわたしがいい、
皆は「え?どこ?」「あー本当だ。すげー」という感じで、
猫発見センサーの精度にかけては自分でも驚くほどなのですが、
このときもサンフランシスコの繁華街を走っていて、
通り過ぎる建物の2階の窓に猫を発見しました。
TOに写真を撮ってもらいました。
また、今のAirbnbに夜初めて帰ってきた時、真っ暗な車の下でセンサー作動。
車を降りて暗い中にスマホを向けてみると、二匹がいました。
初めてのここでの朝を迎え、気持ちよく窓を開けたら、
そこには昨日の猫らしき二匹が・・。
ハチワレは普通にこちらをみていますが、
黒の方は怖がりさんらしい。お隣は猫二匹飼ってるんだね、などと話していたのですが、
その次の日、黒は三匹いたことが判明しました。
プラスハチワレで、合計4匹を養っているようです。
今のところ、とくに怖がりの黒さん始め、新しい住人が
どうして自分たちにこんなに興味を持つのか戸惑っている風ですが、
1ヶ月の間に仲良くなってやろうと計画中。
猫といえば、アメリカ始めキリスト教圏では、黒猫は縁起が悪いので
保護猫でも貰い手が少ないと聞いたことがありますが、
3匹と一部引き受けているというのも珍しいかもしれません。
ちなみに、コンドウマリエさんはアメリカのセレブに人気です。
日本風の「整理術」がアメリカ人主婦のハートを鷲掴みにしています。
■ ヴィーガンカフェ
コロナ前はメイフィールドという名前のベーカリーカフェだった、
パロアルトのモール内カフェが、ヴィーガンカフェに代わっていました。
動物性食材を一切食さないヴィーガンのイメージは、
最近のネットを見る限りそのダークな面だけがクローズアップされ、
決していいものとは言えなくなっているのが残念ですが、
アメリカ、特に西海岸ではヴィーガンは一種の「スタイル」にすぎません。
日頃そうでない人も、インド料理や中華料理を選択するのと同様に、
「今日の気分」で選ぶ料理という捉えられ方をしています。
だからヴィーガンでもそうでなくても、美味しくないレストランは
客が来ませんしあっという間に淘汰されてしまいます。
しかし、ここのようにブランチにこれほどたくさんの人たちが押しかけ、
列を作るヴィーガンレストランは、ちょっと他に例を見ません。
それだけここの料理が美味しいということでしょう。
私たちが選んだのはココナッツクリームとアガベシロップを添えた
フラックスシードのパンケーキ、スイカのサラダ、
そしてココナッツチーズ、ヴィーガンパテを使ったバーガー。
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ココナッツミルクを使ったチアシードプディング。
おしゃれなこと、美味しいこと、そして人気があること。
ヴィーガンというと、美味しくなくても健康のため我慢して食べるもの、
という宗教じみたものに忌避感を感じる人もいるかと思いますが、
少なくともここでは全くそんなネガティブイメージはありません。
続く。