現在カリフォルニアにおります。
恒例の渡米が例年より早くなったのは、6月の第二週に
MKの大学の卒業式に出席するためです。
■ ESTA更新を忘れる(2回目)
出発便は深夜発でした。
深夜便のいいところは、起きてから出発までに余裕があることです。
この日もほぼ1日を最後の準備に注力することができ、
羽田までの車の中で、空港に着いたらどうしようか、
などとTOと話をしていたとき、ふと気づきました。
ESTA更新したっけ?
ESTAは我々日本人が享受することのできる米国渡航簡易システム。
ビザ免除プログラム加入国の国民は、前もって登録しておくことで
現地での審査が大幅に簡略化されるというものです。
2年ごとに更新しなくてはいけないのですが、それが問題で、
しょっちゅう渡米していると、したかどうかも忘れがち。
ということで、わたくし、まんまと今年も更新しておりませんでした。
しかし、わたしは甘く見ていました。
前回同じ状況だったとき、空港で簡単に手続きが済んだ記憶から、
「出発まで3時間もあるから余裕余裕」
とばかりに空港ロビーのカウンターにPCを広げたのです。
ところが、
「ESTAは受付後72時間以内に更新されます」
「ESTAの更新は最低でも72時間前にしておくこと」
という但し書きが出てきて真っ青。
それじゃ何か?最悪3日待たされるってこと?
最速で記入を済ませ、送信して、ステイタスが変わるのを待ちます。
案の定、何回リロードしても結果は同じ。
これ、出発までに降りなかったらどうなるんだろうなあ。
カウンターの前に立ったまま、リロード繰り返すこと2時間。
わたしはスタンディングデスクで作業しているので、
立ちっぱなしはもともと全く苦にはならないのですが、
このときはもはや長時間立っている意識すらありませんでした。
そしてついに、ある瞬間、ESTAが降臨したという画面に遭遇!
チェックインカウンターの人が
「結果がどうでも、とりあえずこちらにきてください」
と指定した時間まであと15分でした。
■ 搭乗
深夜発便は、搭乗してすぐ就寝することになります。
食事は到着前に配られる一回のみ。
今回の機材は出発までに2回変更になったせいで、
窓際を予約したのに通路になっていました。
CAに交渉して、窓側に変えてもらいました。
眠くなるまで「ザ・グレイト・エスケーパー」という
マイケル・ケイン(バットマンの執事を演じた人)主演の映画を観ました。
第二次世界大戦の英国海軍退役軍人バーナード・ジョーダン(89歳)が、2014年6月にフランスで開催されたDデイ70周年記念式典に出席するため、
老人ホームから「脱走」した実話をベースにしています。
THE GREAT ESCAPER | Official Trailer 式典に参加し、現地で知り合った元空軍将校と一緒に、
彼らが元ドイツ兵たちと触れ合うシーンには胸を揺さぶられました。
動画でもお分かりのように、イギリス人は手のひらを外に向け、
ドイツ人は下に向ける敬礼をしています。
90歳の老人にもこんな時代がありましたってことで、
輝くように若く美しい20代の二人と、生きていることすら苦痛そうな、
老いた現代の二人のリアルな姿が繰り返し現れます。
最初は老人たちの姿に見てはいけないものを見るような気分でしたが、
特に最後の瞬間、それは実に尊い姿に思えました。
お待ちかね機内食ですが、残念ながら随分味が落ちたと感じました。
メインの白身魚の揚げたのは「いかにもレンジで温めた食感」。
デザートはお皿に載っている果物と前菜に混入したカステラ?ひとかけら。
有名レストランとのコラボもなかったし、コロナ以降
航空会社は業績を立て直すのに随分苦労しているのかもしれません。
西海岸に到着した瞬間。
スラウと呼ばれる自然保護公園が見えてきました。
画面左下のスラウの中にある一角のビルはフェイスブック本社です。
ただそこにいるだけで磯臭い風に包まれる絶好の立地。こんなところに社屋を建てるとは、さすがザッカーバーグ(褒めてない)
■ iPadを失くす
事情があってiPad Proを2枚持って使い分けているのですが、
飛行機の中で、うち一つが見当たらないのに気づきました。
あーやっちまった。なくしちゃったよ。
てっきり羽田のチェックインカウンター前に置き忘れたものと思い、
宿泊先に落ち着いてから、まず羽田のANAに遺失物としてとどけたところ、
丸々2日後に「ありませんでした」とお知らせのメール。
そこで、今度は羽田の遺失物係に電話してみました。
係の方は目視しに行ってくれるなど手を尽くしてくれましたが、
それでも見つからないという返事です。
そのとき相手が、「正式な型番はわかりますか?」と聞くので、
確かめるために「デバイスを探す」を開けてみると・・
おい(笑)
サンフランシスコ空港にあることになってました。
つまり羽田に置き忘れたというのはわたしの勘違いで、
実は飛行機の中に(おそらく座席の下とかに)置いてきてしまい、
機内清掃に拾われてSFO空港のどこかで預かってもらってると。
「あの、たった今気づいたんですが、SFO空港にあるみたいです・・」
そう羽田の遺失物係の方に告げ、丁重にお礼を言って切り、
サンフランシスコ空港のロストアンドファウンドに、
テンプレートのクレームを(シリアル番号まで入れて)送りました。
すると、即座に「ロスト&ファウンドのカスタマーセンター」とやらから
こんなメールが入るじゃありませんか。
エリス中尉さん、こんにちは
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ありがとうございました。
カスタマーサポート
つまりプライオリティにアップグレード(69ドル)すれば、
お役所仕事をしている彼らのお尻を叩き、
時には脅してすかしてあなたの失せ物を見つけ出しますよと。
ちなみに同じところからメールは三通来ました。
最終メールには、
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ちょっと脅し入ってます。
いかにも1セントの儲けにもならない仕事にはやる気を出さない
アメリカという国ならではの阿漕な隙間商売ですな。
69ドルったら今1万円くらいでしょうか。
↑これをみた瞬間のわたし
これが出国が明日で全く探す時間がない、とかなら
仕方なくこのプライオリティとやらにお金払っちゃうんだろうな。
そうはいくか。
次の日、残りのiPadを持って空港に突入したわたし。
まずは空港ロスト&ファウンド(工事中で仮営業)にたどり着きました。
空港警察の横の、ガラスで区切られたブースの中の人と、
まるで映画の刑務所の受刑者との面会シーンみたいに電話で通話。
すると、中の人は、
「ここでは預かっていないから、ANAに電話してみて」
と電話番号をくれたので、「探す」機能を方位盤のように辿りながら、
指し示すデバイスのマークの方向に進んでいきました。
「きっとここ(デバイスのあるところ)はANAのカウンターに違いない」
オリエンテーリングというスポーツ?がありますが、
広大な空港を歩いていると、まさにそれ気分。
「近づいてきた近づいてきた」
我々の居場所とデバイスのマークは重なりそうで重なりません。
辛うじて一番近いところに立つと、そこはUnitedの出国カウンターでした。
そこで教えてもらったANAの事務所に電話をしてみると、
iPadのカバーの色や型式を聞かれ、
「それでしたらこちらで預かっているものだと思います」
やったー!見つかった。
「それではアイル1のカウンター1前で待っていてください」
数分後、iPadは4日ぶりに手元に帰ってきました。
受け取った瞬間、「探す」から発信したアラームが鳴ったのには笑いました。
今回のことで、本当にアップルユーザーでよかったと感じました。他社のデバイスにももちろん類似の機能はありますが、
アップルのほど正確かつ便利ではないということです。
おそらく今回、iPadは、頭上の荷物入れからキャリーケースを出したとき、
キャリーの外ポケットに入れていたのが滑り落ちたのだと思います。
というわけで、皆様には、アップル製品を失くしたとおもったら、
何より先に「探す」機能をチェックすることをお勧めします。
なにしろMKによると、
「もしそれが盗難されて中国とかに持ち帰られたとしても、
周りにデバイスがある環境なら、世界中どこからでもそれがわかる」
ということですから。
続く。