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平成26年度富士総合火力演習〜状況終了

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今過去記事へのコメントを書きながら、冒頭の迷彩メイクの
隊員さんの顔を見ていて、ふと気づきました。

なぜ彼らが右目を残してメイクしているか。

そう、関係者ならもうとっくにお気づきだったと思いますが、
彼らは銃や砲撃の際

スコープや照準を見るために銃を右目に当てるから

つまり、装備をファンデの成分で汚さないように、
顔の右半分に化粧しないという慣習ができているののでは?



これ、確信を持って書いています。正解ですよね?

というか、これまでの人生で 考えたこともなかっただけに、

「右目残しが自衛隊メイクのトレンドか?」

などと追求してみたのですが、ちゃんと理由があったということに
気づいて感動しているエリス中尉です。



さて、機動展開ののちシナリオは島嶼部に機動展開した
部隊による奪回の段階に入ってきます。

水陸機動部隊がまず上陸をするわけですが、
防衛省は本年度の防衛大綱で尖閣有事に特化した

「水陸機動団」

の創設を打ち出しています。
佐世保に3連隊を配備し、新しく創設する

「陸上総隊」

の直属として2〜3千人規模を投入する予定。
島嶼(とうしょ)部が侵攻された場合、水陸両用車を
数キロ離れた海上から発進させ、戦闘部隊を揚陸させます。

この水陸両用車についてはこんな画像を拾ってきました。




戦車じゃないじゃん!船じゃん!
と思われた方、それではこれをどおぞー。



ね?戦車でしょ?

この水陸両用戦車はアメリカから中古のものが4両、調達されたばかり。
来年あたりはモニターにこの映像が出てきそうなのですが、
今回は時期尚早で、LCAC(エルキャック)が2機映っておりました。
(ちゃんと見ていないのですが、たしか)

海自艦艇から揚陸するというシナリオだったので、
おおすみ型輸送艦が投入されたという設定ですね。


ところでこの水陸機動団には米軍の垂直離着陸輸送機

MV22オスプレイも導入する予定

で、同機で前線に部隊を投入することも可能になります。
さぞ佐世保周辺のサヨクが発狂することでしょう(笑)

こうして見ると、本当にオスプレイで騒いでいる連中というのは
中国共産党の意を受けているってのが良くわかりますよね。



本日大活躍の87式偵察警戒車、全車が発砲態勢を取った瞬間。



これは、92式地雷原処理車の登弾。
広範囲に地雷の敷設された地雷原を啓開(船舶用語で障害物を取り除き、
航行できるようにすること)するためにロケット弾を発射します。

登弾されるのは「爆薬ブロック」。
これはワイヤーでつながれた26個の爆薬からなります。
総火演では危険なため、火薬を4分の1の6個か7個に減らして行います。



炸裂までずいぶん時間がかかったように思えました。

空中で末端部のパラシュートが開き、ロケット弾本体の中から
数珠繋ぎ状になった爆薬がパラシュートに引き出されます。
爆薬は縦一列に地雷原上に落下し、炸裂した爆薬は
敵が埋設した地雷を爆破し、車両が通る道を確保するのです。



そして10式戦車投入。

ちなみにわたしのNIKON1はこの時点でとっくに息絶えていたため、
仕方なくソニーのRX−100を投入しております。



10式は4基が一列に並んで手前に侵入し、それから敵陣を向いて
走行しながら台に向かって発砲。
砲身が火を噴くタイミングはほぼ同時でした。 






侵入してきて正面に向きを変える直前だったかと思います。



わたしの座っていた場所の前にはオート隊がジャンプするバンプがあるので、
そこにさしかかる前に撮らないと、あとは右手の観客に遮られてしまい
撮れなくなります。


10式戦車の導入は将来的な国防を見据えた結果ですが、何を一番
重視したかというと、なんといっても機動性。
軽量小型でありながら火力・防御力も向上していなくてはなりません。




この日の注目も主に10式戦車に集まっているように思われました。

シグマのレンズもヒトマルだけを狙っているようですが(笑)
向こうには74式が二台砲撃態勢を取っているのよ。



90式との一番大きな違いはテールの張り出しですかねー。
グンと突き出している方が90式。
10式は40トン、90式からは10トンも軽くなっているだけに
装甲もできるだけミニマイズされた結果、この違いとなっています。



大きく左右に蛇行しながら正確な行進間射撃を行う「スラローム射撃」、
及び急速後退しながら正確な射撃を行う「後退行進射撃」が可能で、
「スラローム射撃」は90戦車では行えなかった射撃方法であり、かつ
90式以上の高い砲安定化能力を有しています。

コメント欄で後退行進攻撃の意味について疑問が呈されておりましたが、
これははっきりと理由があります。

車上から無反動砲を撃った後、すぐさまそこを離脱することになっている、
と軽装高機動車の展示の際アナウンスで強調していたように、
後退(しかも急速に)しながら砲撃を行うというのは
向こうからの反撃に備えて同時に退避することが可能という意味なのです。

迷彩メイクの右目塗り残しと一緒で、自衛隊のすることには必ず合理的な
意味があるのだと考えても良さそうですね。



89式走行戦闘車。
なぜここにこの写真が入っているのかわかりませんでした。
最後に全種が一斉射撃するのでそのための走行かな。 



ふと気づくと,左手にヘリが全機ホバリング待機していました。
いつ見ても不気味な眺めです。
戦車の一斉射撃を待って一時になだれこむ準備です。



89式装甲戦闘車(ライトタイガー、通称FV)二台。

後ろのハッチや側面に3つ、丸いものが見えますが、これは
ガンポートで、ここから小銃を乗員が掃射できます。

蓋は防弾ガラス仕様ですが、装甲の弱点にもなるので
時代遅れの設備だといわれているとか。



10式に続いて90式もフィナーレ?に向けて正面に移動。



そして全車が一度に砲撃を!



決定的瞬間を撮り損なったので、YouTubeの動画を
そのままキャプチャしました。
これはこの前々日の19日のフィナーレになります。
このときはあまりお天気が良くなかったんですね。

わたしはこのあと大曲の花火大会に行ったわけですが、
今この映像を見て「まるでナイアガラ・・」と思いました。

きれいでしたよー。↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓



それと同時にホバリングで待機していたヘリ部隊が侵攻してきます。
この前に座っていた人たちは、前列を背もたれ付き座椅子で脚を伸ばし、
悠々の鑑賞をしながら撮影を行っておられましたが、
フィナーレ終了と同時にさっさと席を立ち、
混雑する前の会場をとっとと後にしていました。

隣の人に「ではまた来年前列で」と声をかけていたので
かなりのベテランなのだと思われます。



一斉砲撃とほとんど同時にヘリ部隊が動きだし、上空を通過。
第一空挺団の降下訓練においても、島嶼奪回の一番最後には
ヘリ部隊の前進によって「締め」となっていました。

奪回つまり敵勢力が無力となった時点で、占拠されていた敵地に
ヘリが降り立つというのがパターンとなっているようです。



そのときフィールドはこんなことになっていました。
全車一斉砲撃のあとの硝煙?が巻き起こす真っ白な煙幕。



というわけで見事敵を制圧し、島嶼の奪回なったあと、
旗を緑に変えて移動となります。



♪ソードソードミードミード
ソミドミドソドー♪ 

という喇叭が二回繰り返され、状況終了。

息つく間のない40分間でした。

本作戦最初はP−3Cによる偵察から始まりましたが、実際にも
那覇市にある海自第5航空隊は15機のオライオンをそれこそ
フル稼働して、休みなく警戒と監視を行っています。

海自だけでなく海保の警戒も一瞬たりとも気の抜けない状況です。

1日午前10時すぎ、尖閣諸島(沖縄県石垣市)周辺の日本の領海に
中国海警局の船3隻が相次いで侵入し、巡視船が領海から出るよう警告すると、
海警から中国語と日本語で

「貴船はわが国の領海に侵入した。ただちに退去してください」

と応答があったというニュースがありました。

以前にも難破漁船を廻り人民解放軍の船が出動した、
というニュースを取り上げましたが、中国はこのように波状攻撃によって
こちらの反応を常にうかがい、試すような示威行動を繰り返しています。


何度も書きましたが、中国に対しては隙を見せないこと、
この総火演のように「いつでも即応態勢だぞ」と内外に知らしめることで
パワーバランスを取ることができます。

知ろうとしない人たちには見えて来ないかもしれませんが、
我が国はそれに対してただ手をこまねいているわけではありません。
政府も自衛隊も、常に態勢を状況によって変更し、
万が一の事態に備えてあらゆる想定を行っているのです。

総火演そのものは恒例のデモンストレーションでもありますが、
我が国が防衛態勢を先鋭化しつつあるあの地域にまさに照準を合わせ、
かつ先を見据えているということは十分伝わってきましたし、
この日一日、目の前で展開された隊員たちの素晴らしい練度は
何よりもわたしには頼もしくこの目に映りました。


続く。

 


 


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