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Channel: ネイビーブルーに恋をして
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「坂の上の雲」NHKの胡乱な創作

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NHKはいったいどうなってしまったのだろう。

ここ何年か折あるごとにそんな疑問を感じてきました。
うちにはテレビが無いので逐一放送をチェックすることはできませんが、
インターネットのニュースに触れている限り、
何か日本人でない勢力が内部に入り込んで、その力が
近隣諸国視点の報道をこの局にさせているのではないか、
と思われる事象が近年あまりにも目についてきたからです。


震災のあと、わたしは実家のある関西のホテルにおり、
NHKを情報収集のために観ていましたが、
あるとき、海外から救援隊が到着した、というニュースをやっていました。

「海外からの救援隊が・・・」とアナウンサーが読み始めたとき、
混乱していたらしいスタジオで、マイクがディレクターの声を拾いました。


「韓国!韓国!」


そしてアナウンサーは改めて、韓国からの救援隊の到着を報じたのですが、
他にも来日した救助隊の国名はまったく報じられないままニュースは終わりました。

(そして、その韓国からの救援隊は実質ホテルから出ることもせず、
結局何もせずに帰ったことは勿論のことどのメディアも報じなかったと記憶します)


また、出先にあったテレビで流れていた昼の情報旅番組。

「昼どきなんとか」というタイトルの、日本の各地に行って名産などを紹介するもので、
もうどこの何かは忘れましたが、その地の名産品をレポーターが紹介したとき、
アナウンサーが何の前ふりもなく、

「韓流スターのイ・ビョンホンさんもこの何々が好きなんですよ!」

と叫んだので思わず画面を見直してしまいました。
(レポーターも返答しようがなく、反応はありませんでした)


毎朝の連続ドラマ。

わたしは「カーネーション」以来全く観ていませんが、
インターネットでは、今放映中のドラマで、主人公の父親の乗るタクシーが
「ヒュンダイ」製であったということが一時話題になりました。
ビールの瓶でさえラベルを隠す「企業宣伝絶対禁止」のNHKが、その時は
なめまわすようにタクシーの車体をロゴまで映したそうです。


スポーツ試合の放映においては、荒川静香のトリノオリンピックの優勝時、
なでしこジャパンのワールドカップ優勝時にも日の丸、君が代をカットされました。


そして、日本の過去を捏造までして誹謗する意図で制作された
「ジャパン・デビュー」では、ついに訴訟が起こされるに至っています。


民放のようにパチンコ屋やサラ金の会社がスポンサーになる可能性もない、
日本国民の視聴料で成り立っているこの公共放送局に何が起こっているのでしょうか。



わたしは一度、「真珠湾からの帰還」という、真珠湾攻撃に参加したった一人生き残って
捕虜第一号となった特殊潜航艇の乗組員を描いたドラマについて取り上げ、
この局の思想誘導と捏造、自虐史観について糾弾したことがあります。

ある程度歴史に造詣がある人でさえ「いいドラマだ」などと思ってしまうほどに巧妙で、
ゆえに思わず危機感を覚えるくらい、このドラマに隠された意図は悪質なものでした。



で、「坂の上の雲」です。


勿論いろんなところで「司馬の原作とは全く違う表現が多い」
などと言われており、わたし自身も

「娯楽作品としては上質なのは認めるが、これを史実と思ってはいけない」

という警告を僭越ながらさせていただいたことがあります。
その時にも少し書きましたが、

「史実にも司馬史観にもない、いわばNHK(つまり左翼)史観を
エピソードの合間に混入させてくる」

とわたしが断じた部分について、今日は少しお話しします。



先日記念艦「三笠」の見学をした際、帰りに入った海軍カレー専門店で放映されていた
「坂の上の雲」を見て、TOが俄然日露戦争と日本海海戦に興味を持ち出し、
「これ、まとめて借りておいて」
と頼んだのでレンタルで取り寄せ、わたしももう一度観ました。

せっかくなので、この機会に第一部から第五部までの「混ぜ込み部分」、
「印象操作」の意図が感じられた部分を抜き書きしてみることにしました。

お断りしておきますが、わたしは司馬の原作との精緻な照合をしたわけではないので、

「いや、これは原作にそう書いてあった」

というものである可能性もあります。
もしそうであったら、ぜひご一報ください。
賠償はいたしかねますが、謝罪はいたします。


■ その1

英国旗を揚げていながら清国兵を搬送していた高陞号を
東郷平八郎艦長の「浪速」が交渉決裂のあと撃沈させた事件。

戦闘の火ぶたを切る合図と同時に轟音。
次のシーンは清国兵たちの記念写真があたかも彼らの死を悼むように映し出される。
(清国軍に、日本海軍のような団体写真を撮る習慣があったかどうかは謎)

若い辮髪の兵士たちは皆さわやかに微笑んでいて、とても当時の中国人とは思えない(笑)
その写真にナレーターはこう被せる。

「イギリス人の船長以下数名は救出されたが、清国兵は全員溺死した」

あと、やたら何度も清国海軍の丁提督を「偉大な」と持ち上げ、その死を何度も悼んでみせる。
はっきりいってくどい。しつこい。


■ その2

正岡子規が大陸に新聞記者として派遣が決まり、喜び勇んで家に帰ってくる。
母親(原田美枝子)が

「日本はずいぶん親しかったお国と戦っておるんじゃのう」

はっとする子規。
続けて母親、唐の掛け軸、陶器、そして漢字の偉大さを称え、
「(漢学者の祖父が言うには)夢のようなお国じゃということじゃった」
と遠い目をする。

それまでの気持ちがしぼみ、悄然となる子規。
てか、息子が喜んでるのにわざわざ水差すなよ。母親。


■ その3

戦闘でかわいがっていた部下を失くした秋山真之。
そのショックがいつまでも尾を引いている。
兵学校先輩の広瀬武夫に向かって


「戦(いくさ)は・・・・恐ろしい」
「さっきまで隣におったやつが一瞬にして死んでしまう」

さらには

「わしは、やっぱり軍人に向いとらん」
「わしがあの時命令を出さんかったらあいつは死なずに済んだ」

とまで言う。
(これ、秋山真之本人が聴いたらさぞ怒るだろうなあ(笑)

秋山、これに懲りず、子規と妹のリツに向かっても同じ話をし、
戦争の恐ろしさを彼らに訴えてみせる。



(まあ、本人を知っているわけではないから断言はしませんが、
当時の軍人はたとえ内心どう思っていても、ましてや同じ軍人に向かって
「向いとらん」だの「恐ろしい」だのとはまず言わんのではないかと)



■ その4

従軍で大陸に渡った正岡子規。
駐留している村で、日本兵が中国の村人から略奪しているのを目撃する。

村人が皆怯え、あるいは睨むように日本軍を見ている中、
年老いた中国人が中国語で日本兵に向かって

「わしらの村にはもうなにもなくなった。
どうやってわしらは生きていけばいいんだ。
(幼児を指して)この子の親はおまえらに殺された。
いまにこの子が大きくなって仇を取る」

というようなことを叫ぶ。
日本軍の曹長は子規が

「この老人は何を言っているのか」

と尋ねるのに対し

「日本の兵隊さんありがとうと言うとるんじゃ!」

と居丈高にうそぶく。
子規は、そんなはずはないと食い下がるが、逆に曹長から
(森元レオ)罵詈雑言を浴びる。



■ その5

そんな子規を救うのが軍医、森林太郎、鴎外。
二人は文学の話で意気投合する。
(ちなみにこんな史実はありません)

「今回の戦争の戦死者のほとんどは病気だ。たとえば脚気・・・」

と、森鴎外をディスってみせる。
(脚気に関しては森は軍医としてその蔓延の責任を後年問われている)

母親や曹長のセリフによって戦争を疑問に思い始めた子規は、鴎外に尋ねる。
鴎外は

「勝った日本軍の誰それが、清国に
『日本の文明開化と明治維新を手本に戦後の復興をせよ』
と手紙を書いたらしい。
不思議な親切、というやつだ」

という。さらに、朝鮮についても

「その不思議な親切は朝鮮にも向けられてる。
朝鮮の人々にとっては(併合は)余計なお世話だろう」

などと朝鮮人の立場に立って嘆いてみせる。
いきなり鴎外が朝鮮の人々の心情を代弁するのも、
はっきりいって余計なお世話というしかない。

というか、仮にも軍医が戦場でこんな反政府的なことを言いますかね。
ちょっとは常識で考えろよNHK!
そりゃ単にあんたがたの考えだろうが(゚Д゚)、ペッ!!



■ その6


閔妃暗殺についての見逃せない(悪質な)表現。
ナレーターはシリアスな音楽に乗せてこう言葉を継ぐ。

「王妃、閔妃が三浦日本公使三浦梧楼率いる日本人に暗殺されたのである」

さらにこれを「ありうべからざる事故」とする。




いや、ひどいですね。

どれもこれも、「現代の価値観」から創作した、ちょっとしたエピソードなのですが、
ちゃんとしたドラマの間にこういうのをちょいちょい混ぜてくる、これがタチが悪い。

とくに閔妃暗殺について、これを「日本人が犯人」とするのは問題ありです。
まるで日本の放送局の視点で作られたとは思えません。

最後に少しこの事件についてお話ししておきましょう。



現在の韓国は閔妃を「皇后」と称しますがこれは大間違いで、「王妃」です。
李氏朝鮮国王の高宗の妻ではありますが、高宗はそもそも皇帝ではないので。


いきなり結論を言うと、やったのはなんのことはない国王である高宗。

「王妃を殺したのは、私の部下だ」

と自分で証言しているんですね。
また、現場にいた王子の純宗は、

「殺したのは、禹範善だ」

と証言し、後に刺客を放ってこの禹範善を暗殺しています。
犯人とされる兎自身が、「自分の犯行である」と言ったという証言まであるのです。

なんで殺しちゃったかな、命令しといて、って話ですね。


この事件にかかわった何人かは、命令をしたとされる高宗によって訴追され、
犯人ならびにその家族に至るまで全員が処刑されました。


その反面、当時も疑いを掛けられていた日本は国際世論の非難を恐れ、
本件事件に関与したといわれる人物を逮捕・拘留し、調査しましたが、関与は確認されませんでした。
つまり、この時点で日本すでにシロ、無罪だったのです。

それにしても、この事件、ダンナが奥さんを殺したんですよね?部下を使って。
夫が命じて、自分の部屋から奥さんを連れて行かせ、凌辱させて殺したと。
そして、その部下に罪を負わせて家族まで殺してしまったと。

うーん、これは酷い。



じゃなんでこんなことになったのか。

そもそも夫の高宗は閔妃を結婚当初から放置してやりたい放題放蕩し放題。
放置されていた閔妃は「自分探し」のために(たぶん)政治にのめりこみます。
彼女は夫の一族を追放して、自分の一族をポストに据え、
(今でも韓国ではしょっちゅう大統領関係でそんな話がありますが)
実権を握るようになったわけです。

(ロシアのエカテリーナ二世と全く同じパターンですが、エカテリーナと違って
閔妃は夫を始末してしまわなかったので、これが結局自分の命を奪います)

閔妃は、「頭はいいがとても国を統べる能力などなかった」と言われ、
ましてや人望も全くありませんでした。
日本から軍事顧問を呼び、日本式の近代軍隊を作ったのはいいとして、
いままでの軍を放置してこちらに全く歳費を回さなかったため、まずこの旧軍軍人に恨まれ、
その開化政策にも不満を持った彼らに暗殺されそこなっています。

閔妃はまた贅沢好きで、その資金のために日本が出費していた鉄道の利権を
勝手にロシアに売却して問題になったこともあります。
日本はこのあと、巨費を投じて権益を買い戻すことになりました。

そのほかにも自分の地位を利用してただ私腹を肥やすことに執心したため、
敵対勢力からは勿論、民衆からも憎まれていました。
朝鮮はこの頃、この敵対派と閔妃一族、真っ二つに分かれていたのです。

閔妃を殺害したのは要するにこの「敵側」であったということです。

つまり最初から最後まで全く日本関係ないじゃん!
ってことなのですが、どっこいそうはいきません(笑)

この、皆に嫌われていた贅沢王妃の閔妃をわざわざ「国母」と崇め、日本人が殺したとし、
(日本版ウィキは編集合戦になっている)
それを反日のための「核心的逸話」として初等教育にまで使っている国があるのです。

はい、韓国という国ですね。


というわけで、いまだに何かにつけて「韓国推し」をして視聴者から
「いったいどこの国の放送局だ」
と糾弾されているところのNHKが、国民に注目度の高かったドラマ「坂の上の雲」
において「日本人が殺した」と韓国の言い分を主張するのは何の不思議もないと。

いったどこの国の放送局だ。


しかし、これ本当に日本人だったとして、その目的は何だってことになってるんでしょう。
これ、韓国はどう説明しているんでしょうね。
まあ、日本を糾弾するに「理屈」も「根拠」も必要としない国ですから、
「なぜ」という問いに答えなどないのかもしれませんが。


このドラマにおいても「ありうべからざる事件」とかいっているわりに、
NHKは日本がなぜ閔妃を殺さなければならなかったかには触れていません。

しいて言えば、その前後で遼東半島を日清戦争の勝利で得たのに、
三国干渉によって手放さなくてはいけなくなった日本が、それゆえ
ロシアの南下を防ぐ意味もあって朝鮮半島に手を伸ばした、という
ことを述べて事件と関連付けるような印象操作をしています。



この閔妃殺害は、非常に惨たらしいものであったと言われ、
その遺体が辱めを受けていたのが日本人に対する韓国人の憎悪を
いっそうかきたてているようです。

しかし、この事件の前、先ほども述べた王妃暗殺未遂事件、
つまり旧軍によって起こされた壬午軍乱で、
閔妃は自分が逃亡するときに、身代わりとして王宮に侍女を残したのですが、
この侍女は気の毒にも朝鮮人の手によって、
まさに閔妃と同じような残虐な方法で殺されているのです。


控えめに言いますが、女性に対してこの種の残虐な殺戮をやってのけるのは
少なくとも一般的な日本人ではないように思われます。

南京で日本兵のものとされている殺害方法を見ても思うのですが、「感覚が違う」のです。


さて。

一言で言うと閔妃殺害は朝鮮内の権力闘争の結末であったにすぎませんでした。

しかし、ただでさえ歴史を自分たちの望む方向に創造する傾向のあるこの民族、
日本との歴史会議において、日本側の学者が提出した詳細な歴史資料を投げ出し、
「韓国に対する愛はないのか!」と叫んだ民族が、
この閔妃暗殺に関する現実を素直に受け入れることはありえない気がします。



「韓国、韓国!」

と某ニュースのスタジオでマイクが拾ったあの声が象徴するように、
「中国、韓国への気配りと配慮」だけはいたるところになされる現在のNHK、
日本を貶めるためなら平気で当事者の証言さえ改竄、歪曲するこの「公共放送」にかかっては、
「坂の上の雲」のような、おそらくほとんどのスタッフが志をもって作っているドラマに
こういったことを巧みにねじ込んでくるなど朝飯前なのでしょう。


そういえば、中国への配慮も抜かりなく、この局は、クローズアップ現代という番組で
かつて天安門事件の死者は一人もいなかった、と言ってのけています。



「坂の上の雲」はトータルで見ると素晴らしいと思います。
観ていて引きこまれるドラマ作り、丁寧なプロット、お金をかけたセット。
題材が「日本海海戦の日本軍の勝利」で、司馬遼太郎という巨人の原作であるため、
なによりも物語の骨子は文句のつけようのもありません。
何よりもキャスティングが良く、さらに映像的時代考証もきちんとなされている。


それだけに、こういった胡乱な創作がわたしには許しがたいものに思えるのです。






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