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パシフィックコースト航空博物館~”歴史的航空人”の顔ぶれ

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サンフランシスコの北、サンタローザにある
パシフィックコースト航空博物館についてお話しするのも最後になりました。

おそらく、サンフランシスコ在住の飛行家だった
ジョセフ・アーサー・グラッソの寄贈したと思われる装備からです。



昔の飛行家が使用していた装備も展示されていました。
だーれ?「Google」とつい読んでしまったのは。(・_・)/ ハーイ



1930年代にすでに度付きゴーグルがあったんですね。

日本の場合はパイロットが努力の末、「昼間でも星が見えるようになった」とか、
「箸で飛ぶハエを捕まえられるようになった」とかいう神話が
まことしやかに(ほんとだったのかしら)語られたぐらいで、
つまり飛行機搭乗員というものはマサイ人のように目が見えるもの、
ということになっていたので、ゴーグルに度をいれることなど
需要もないし誰も思いつきもしなかったのだと思われます。



Resistolというのはアメリカのカウボーイハット専門の
会社ですが、宣伝用に作られたゴーグルということでしょうか。



説明の写真を撮るのを忘れましたorz
ヘルメットとゴーグルと酸素マスクです。
そんなこと改めて書かれんでも見れば分かる?



朝鮮戦争時代にアメリカ軍で使用されていた医療箱。
ちょっと驚いたのは左上にバンドエイドがあること。
アメリカではもうこの頃にバンドエイドが発売されていたんですね。



売店の壁にかかっていたイラスト。
この博物館で最初に説明した「911ファーストレスポンダー」が
絵になっているわけですが・・・・・。

それにしても、この絵・・・・モクモクと煙を吹き上げ、
まさに次の瞬間倒壊予定のワールドトレードセンタービルですが、
29.99$になったところで、一体こんな絵を誰が買うのか。
何を思ってこんな絵を描き、しかも売っているのか。

かろうじてこれが売れのこって安売りになっているあたりに、
まだしもアメリカ人の良識は死なず、というのを見る気がしますが。

 

昔ここにあったサンタローザ陸軍航空基地の鳥瞰図。
オブジェとしても行けそうな凝ったデザインです。



ふと目を留めたポスター。
「イーグル集合」という題がついています。
伝説の航空機と、有名なパイロットが大集合。



左の方にはサビハ・ギョクチェンや、黒人だけの飛行隊、
レッドテイルズのデイビスJr.空将なんかもいるのですが、
後の飛行家の名前は写真が遠すぎて確認できませんでした。

エーリヒ・ハルトマンやレッドバロン、リヒトホーフェン男爵はいませんし、
アメリア・イアハートもチャールズ・リンドバーグもいませんので、
今ひとつ選定の基準というのが分かりません。
いわゆる「戦闘機エース」とかではなく、特定の飛行機に乗っていたとか、
歴史的に意味のあることを為したとか、象徴的だったとか、
まあそういった基準ではないかと思われます。

右の方には、

南極到達を果たした
ロバート・”ファルコン”・スコットJr.大佐!(イギリス海軍)、

日本人には「ジパング」でもおなじみ(だったっけ)、
レイモンド・スプルーアンス大佐!(アメリカ海軍)

(表記がウィリアムになっているけどこれは間違いです)




エノラゲイからノルデン照準器覗いて広島に原子爆弾を落とした
(えええええ~)
トーマス・W・フェレビー少佐!(アメリカ陸軍)

エノラゲイを広島上空までナビゲーターとして導いた
(えええええええ~)
セオドア・ヴァン・カーク少将!(アメリカ陸軍)



そして、音速を超えた男チャック・イェーガー!の上に海軍旗と共にいるのが、

昼間に星が見えるくらい視力を鍛え、さらにはSAMURAI!の著者として
世界的に有名になった零戦搭乗員、
坂井三郎中尉(大日本帝国海軍)!


ほかにも、アポロ計画で最初の宇宙飛行士となったジョン・グレンが
この下に描かれていました。

それにしてもエノラゲイの搭乗員が二人もいるって、どういうことよこれ・・・。



ふと天井を見れば、そこには零戦とB52が。



21型は小隊長機のマークを巻いています。
よく見ると中にちゃんと搭乗員もいるぞ。



尾翼の「虎」は、261空所属機という意味です。
これにも日本人らしい(そりゃそうか)搭乗員が乗ってます。



P−39エアコブラ。
こういうところのスペルもこまめに間違っていますね。

エアコブラの下に見えるのは、そのP−39の宣伝広告。
戦闘機の宣伝広告があるとは知りませんでした。

機体に隠れて内容が見えなくなってしまったのが残念ですが、
右下には

「航空史を創る!」

みたいな決め文句が書いてありますね。



ブラックバードの裏?



P−38ライトニングのコーナー。
妙なポーズをしている搭乗員のブロンズ像は
説明がないので何を意味しているか分かりませんでした。



日本軍の対人爆弾。
持ち主のスワン中尉は、

テニアンで自分のテントにこれが落ちたけど不発弾だったので良かった

という、一行ですむ説明を長々と文学調に書いています。
書きたいという気持ちは分からんでもないですけど。



日本人に取っては「へーそう」としかいいようのない
「俺たち同盟国」のポスター。

英、中、露(このころはね)豪、カナダ、コスタリカ、
キューバ、チェコ、ドミニカ共和国、エチオピア、フランス、
ギリシャ、インド、ニュージーランド、メキシコ、ユーゴ、
南アフリカ、ユーゴ、ポーランド、マレーシア、そして、


イラク!(爆笑)

 

カウンターにおじさんが見えていますが、この方は
わたしがさようならを言って外に出たとたん、一足遅れて外に出てきて、
ピカピカにレストアされた真っ赤なビンテージのムスタングを
これ見よがしに羽箒で磨き始めました。(磨く必要はなさそうだったけど)

ご自慢の愛車を滅多にこない女性客に見せたかったのかもしれません。



というわけで、パシフィックコースト航空博物館、
丁寧な手作り感あふれるいわゆる「おらが町の博物館」ですが、
細部まで行き届いた展示の内容は、航空ファンとして大変評価できます。

展示物に間違いが多いですが、それはまあ、ご愛嬌ってことで(笑)



シリーズ終わり


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