呉から帰ってきた次の日、息子とディズニーシーに行きました。
息子と出かけた、という話などしているとき、息子よりもう少し年上の
子供を持つ父親である知人に
「いいですねえ。うちのなんかその歳だと壁に穴あけてましたよ」
と言われてちょっと吃驚したものです。
ティーンエイジャーの息子は母親なんかと出かけたがらない、
という説もありますが、うちの場合は一人っ子だし、
勉強部屋ではなくいつもダイニングテーブルで勉強している関係で
わからないことなどを尋ねてくることもあったり、あるいは
自分が学習の段階で知った蘊蓄を得意になって聞かせたがったり、
チェロの練習の時にはわたしが必ず伴奏者として付き合う、
という非常に「実利的」な親子関係でもあるので、断絶とか齟齬とか、
ましてや反抗期などというものはないまま、いつの間にか
大人同士のような会話を(政治問題含め)するようになりました。
結構その点話の通じるやつなので、
ディズニーに一緒に行くのは昔より楽しかったりしますが、
さすがに息子はそろそろ友達と行きたがっているようですし、
わたしはわたしで友達同士で行ってくれると助かるなあという気持ちから、
最近はいつも今回が最後、と思いながら行っています。
今年もそういっているうちクリスマスシーズンがやってきて、
またまた二人で行くことになりました。
「ディズニーは大嫌い」
と公言して憚らないエリス中尉ですが、こんな奴に限って、
クラブ33などという秘密クラブに嬉々として行き、
その行程をこうやって逐一お知らせせずにはいられないという・・。
ところで、先週寒さのあまりそれがニュースになった、
というくらい寒い日があったのを覚えておられますか。
その日がすなわち我々がよりによってディズニーシーに
いた日だったのですが、いやー、寒かったですよ~。まじで。
この日のために日頃は見向きもしない某ユニ黒の、
ヒートテック素材の下着を息子のために買い与え、
念のためモンベルのゴアテックスの折りたたみコートを
カバンに入れさせました。
夜になってさらに気温が下がり、びゅううと肌を突き刺すような風が吹く度に
周りの女子高生が「きゃあああああ」と叫び出してから(なぜ叫ぶ)
ダウンコートの上から着させたところ、
「顔と脚以外全然寒くない」
とのこと。
わたしもこんなこともあろうかと買っておいた、こちらは
プラダのゴアテックスとダウンの二重構造のコートを着て、
寒いのでずっと毛皮のトリミングの入ったフードを
エスキモーのようにずっと被っていました。
コートについているフードは実用だったんですね(笑)
おりしもディズニーでは、全体的に今年驚異的なヒットとなった
「アナと雪の女王」、略して「アナ雪」(なぜ略す)が
園内でも何度もモチーフとして登場していましたが、
この日ばかりは、この歌に
「♪すこーしも寒く・・・・・・寒いわっ!」
といちいち突っ込まずにはいられないくらい辛かったです。
ええ、原題は「フローズン」ですからね。寒いんです。
TDRは埋立地にありますから、海からの風が半端なく厳しい。
遮蔽物の少ないシーはなおさらです。
どうしてこんなに寒い日に、ここにはこんなに人が来ているのだろう。
自分もそこにいながらいつもながらディズニーの驚異的な集客力には
毎回ほとほと感心するわけですが、わたしみたいな自称ディズニー嫌いが
なんだかんだ言いながら暑さ寒さ雨も厭わず何度も行ってしまうというのが、
あそこの凄さなんだろうと思います。
園内に入るなり、何か様子が違う・・・。
と思ったら、なんと工事中でした。
「なんだろう。何を作ってるんだろう」
息子は興味津々。
「岸壁を触っているようだから、たぶんだけど
水上のショーを見る観客を効率的に座らせるための
リフォームななんじゃないかな」
着いて早速おやつタイム。
ポートディスカバリーのスタンドで売っているパイが
息子は大好きなのですが、アプリコットが今回は
別の味に変わってしまっていたので、ミートパイにしました。
中はアツアツです。
テーブルに座って食べていたら、横からリスが出てきました。
着ぐるみの仕事はこんな日には暖かくて快適かもしれません。
ミッキーマウスのショーの抽選をするためにケープコッドを
歩いて行きました。
大きなクリスマスツリー。
こうして写真に撮ると、本物のケープコッドの雰囲気そのままで
本当によく研究して再現されていると感心します。
ここからニューヨーク。
前にも写真に撮りましたが、SSコロンビア号は今から出航、
という設定なので(あれ?帰港したのかな)、
タグボートが控えています。
園内で一番巨大なクリスマスツリー。
シーズンオフにこういうものをなおしておく
巨大な倉庫があるそうです。
これを聞いたのはディズニーではなく、USJの中の人でしたが、
おそらくこちらも同じでしょう。
今回初めて気がついたこの銅像。
その服装と錨のマークからコロンブスではないかと予想したところ
大当たり。
ここは「ニューヨーク」と、運河のある「ベニス」の境目なので、
イタリア人でアメリカ大陸を発見したコロンブスの像があるそうです。
ニューヨークに移民してきた日系人のレストラン「サクラ」
の横のハーバーには、船が停泊しています。
「St. ELMO」という名前の、まるでリバティ船のような形の船。
今まで気に留めたこともありませんでしたが、
この船も信号機をあげているのに気付きました。
上から「T」「D」「S」・・・つまり?
「Tokyo Desney Sea」!
左側のは隠れてしまっていますが「P」で、
「出航準備中、乗員は帰船せよ」
です。
コメント無し。
スチームボートはこの日運行していなかったようですが、
おそらく風が強すぎたせいではないかと思われます。
この日はアトラクションも全て花火無しで行われたようです。
で、ハーバーの横を通ったら、なんと珍しい。
船舶の点検をする一団がお仕事真っ最中でした。
屋根の上に上がって板をはがしたり、メモしたり、
その様子をちゃんと写真に撮っていました。
ディズニーでこんな「裏方のお仕事」を見たのは初めてです。
ロストリバーデルタの川沿いにこんなものを発見。
東京ディズニーシーだけで購入できる(らしい)
いかにも日本の女の子が好きそうなぬいぐるみ、
ダッフィーをここに置いて、写真を撮るためのスポット。
なんとこの「ダッフィーのフォトスポット」、園内の
主要地点にいくつかあるらしいです。
椅子には「子供を乗せないでください」とありました。
そりゃそーだ。
とか言っていたら、実際にダッフィーを座らせている女子高生発見。
猫も杓子もダッフィーを抱えているTDSの異様な光景に
「世界広しといえどもこんなものが流行るのは日本だけだろう」
と確信を持っていたわけですが、改めてダッフィーについて調べたところ、
2004年頃から売り出されたぬいぐるみで、これがあまりに受けたので、
オリエンタルランドが、
というストーリーを付加して現在に至るとわかりました。
ストーリーも何も、最初からぬいぐるみってことじゃん!
などときっと高校生時代のわたしなら鼻で笑うところですが、
いやこれ、多いですよ。持っている女の子。
しかし、園内では女の子の二人に一人は持っていそうなこのぬいぐるみ、
これはTDSの中だけの現象らしく、街中では見ませんよね。
つまり、TDSの中だけで堂々と持つことを許されるのか?
さて、TDSの楽しみは何と言っても食事です。
クラブ33の中でもない限りファストフード的なものしかない
ランドの方と違い、こちらは色々とレストランが本格的。
悩んだ末、アラビアンコーストのカレーにしました。
列が外まで溢れていて、カレー人気を実感しました。
ここはあの家のマークの食品会社がやっています。
ご飯もナンもどちらも付いてくるのがお得な感じ。
ここは食べ終わったトレイは従業員が片付けるのですが、
わりと身なりのいい60くらいの爺さんが、片付いていないテーブルに
おい!と大きな声で叫んで従業員を呼びつけたので周りは皆振り向き、
近くに座っていた女子高生たちは一斉に顔をしかめました。
派手な水商売風の奥さん?が一緒にいたけど、
この人は旦那のこんな横柄さを何とも思わず今日まできたのかしら。
それとも「奥さん」じゃないから他人ごと?
そのあとは真っ先にファストパスを取った、
360度回転のジェットコースター、「レイジングスピリッツ」。
毎度毎度思うのだけど、怖かったのって最初だけで、
今や毛ほども感じなくなりました。
急スピードで坂をダウンする「センターオブジアース」も然り。
さて、散々楽しんで、またもや「晩御飯何にしよう」
の相談が始まりました。
寒いので実は早く帰りたかったのですが、最後のファストパス、
インディジョーンズ・魔宮の伝説が取れていたのが9時35分。
とりあえずそれまでは帰るわけにいきません。
そこで考えついたのが、SSコロンビアの中のダイニング。
入り口で尋ねると「60分から90分待ちです」
普段ならパスしてしまうところですが、
順番待ちの列が船内(室内)の階段にできていたので、
こんな過酷な厳寒日にはそれもよかろうと、ここに決定。
並び始めてからここにたどり着くのにきっちり90分。
どこでも時間が潰せるデバイスがあれば楽勝です。
昔一度昼に来たことがありますが、
そのときにはアメリカ人男性がピアノを弾いていました。
今は特別の時でないと演奏は入らないようです。
ここはいわばクラブ33レベルのお食事がいただける、
しかしグルメを売りにしたTDSの中ではあまり珍しくないレストランで、
一皿のお値段が大体2,000円前後、特別コースで5,850円。
つまり結構いいお値段なのですが、驚くことに
そういうレストランでも、皆(わたしたちもね)90分並ぶんですよ。
ただ、このお高めのお値段設定のおかげで見事に外国人は無し。
しかも90分並ぶということもあって乳幼児なし。
ほとんどがカップル(若~初老)や女性同士のグループで、
レストランの中に喧騒というものは全くありませんでした。
息子がローストビーフを食べてみたい、というので、
一つクリスマス特別コースを頼みました。
前菜、スープ、メインにデザートという内容です。
わたしは単品でチキンとシーザーサラダを頼みました。
こちらは正直もう一つかなという残念なお味でした。
ローストビーフのように切り分けできるお皿の方が無難だったかな。
というわけで、ゆっくりディナーを愉しんで外に出たら、
インディジョーンズの時間まであと1時間となっていました。
時間つぶしのためにショップを見て歩き、従兄弟の家に送るクッキーや
CD(琴や尺八で奏でるディズニーソング『和楽器ディズニー』)
などを買います。
いつの間にか(多分コロンビアで並んでいたとき)ショーは終わり、
ミッキーの帽子にもなる三角錐のスクリーンがツリーになっています。
今は工事中で見えるところが激減しているため、
さぞ席の取り合いは過酷なものとなったのではないでしょうか。
わたしたちは今のシーのショーはあまり評価していないので、
わりとどうでもいい感じで見逃してしまいました。
ホテル・ミラコスタ前のツリーも去年と同じです。
この頃になると風が一層強くなってきて、あまりの寒さに、
車のある駐車場までほとんど走るように戻りました。
「ああ寒かった」
車のドアを閉めたとたんホッとして叫ぶくらいの寒さです。
「でも楽しかったね」
「うん、コロンビアのディナーも美味しかったね」
イベントが終わった時にうちでは必ずこうやって
いかに楽しかったかを確認しあうのですが、
こうすることによって心から楽しかった、と思えるから不思議です。
いや、実際楽しかったんですけどね。