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Channel: ネイビーブルーに恋をして
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戦艦「伊勢」慰霊祭~「陸の男の艦隊勤務」

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「伊勢」の慰霊祭はこうして終わりました。

あれ、慰霊祭の様子ってアップされたっけ?読んでないが?と思った方、あなたは正しい。
慰霊祭の様子は本シリーズの最後に持ってくることにして、今日は慰霊祭の後、
着岸作業をしている間に見学した甲板と、作業の様子をお伝えしたいと思います。

このとき、すでに艦尾には自衛艦旗が掲揚されていたのですが、
ふと、どうして出航の時に降納したのだろうと考えました。
自衛隊法によると、自衛艦旗は

(1) 停泊中にあつては午前8時から日没までの時間。
ただし、自衛艦が外国港湾に停泊中の場合においては、必要に応じ何時でも掲揚するものとする。

(2) 航海中にあっては常時掲揚する。

となっているはずなのですが。
もしかしたら荒天の航行時は例外という規則でもあるのかな?

それとも降納していたのはわたしの見間違いで艦首旗だった?




ちなみに艦尾に立てる旗を「軍用船舶旗/Ensign」と称しますが、
このEnsignをメインマストに掲揚するとそれは

「武力行使する場合」

つまり戦いの合図となります。
外国の港に入るときにには「戦いに来たのではありません」
ということをわかりやすく表明するため&相手国に敬意を表するため、
他国の港に入るときはその国の旗をマストの一番上に揚げ、自国旗はその下にします。

ちなみに、これは横須賀港に入港した韓国海軍の補給艦デーチョンの写真なのですが、



メインマストに自国の国旗をあげつつ他国に入港した稀有な例です。

上がっているのが国旗、つまり「Jack」と呼ばれる所属国旗なので、
これが「戦闘態勢」なのかどうかはわたしにはわからないのですが、
とにかく、日本国旗を揚げるべきところに彼らは自国の旗を揚げちゃったわけです。

わかりませんが、彼らの山より高いプライドがきっとそれを許さなかったのでしょう。

日本に現場が銃弾を貸してくれと頼んで自衛隊が貸してあげたら、
韓国政府がお礼を言うどころか、突っかかってきたという話や、
古くはIMF入りして日本が援助したとき、後からもっと先に貸してくれればとか、
日本の援助は迷惑だと言い放ったという話を思い出しますね。

理由はおそらく同じようなところにあるに違いありません。

万が一本当に戦う気だったとしても補給艦なのにそれは良かったのか。

ちなみにこの話にはドリフのコントのようなオチ?があって、



その直後、デーチョン号は変速機から漏れたオイルに引火し、爆発を起こしてしまいました。
このときにもなぜか韓国国旗らしきものが二竿見えているのにご注目。(外せよ)
手前には民間の警戒船が心配そうにうろうろしていますね。

自衛隊側がデーチョンに「悪いことは言わんから再接岸しれ」と(たぶん)言ったのですが、
誇り高い()彼らはそれをきっぱりと拒み、そのまま出航していったということです(T人T)



Ensignからついいきなり脱線してしまいましたが、
着岸作業の間、私たちは三々五々外に出て甲板を歩きました。

観艦式で「ひゅうが」に乗った時には柵が巡らされていましたが、
基本的にヘリ搭載型護衛艦に「手すり柵」はないのですね。
なんだかすごく新鮮な眺めでした。
「夜は甲板に出るな」とされているわけがよくわかります。
洋上で満月でもない限り、すたすたと歩いていると急に甲板がなくなり、
そのまま海にというような事故もたまには起こるに違いありません。 



Mk 41 VLS(垂直発射システム)。
これを見ていると近くの男性が

「VLA(Vector Launch ASROC)ね」

と言ったのですが、言下に隣の女性が(わたしではない)

「いえ、これはVLSです」

と訂正したのでなんだかおかしかったです。



広大な甲板。
どう見てもヘリ空母ですありがとうございます。

しかし、実際に「ホーネット」の甲板に上がったこともあるわたしに言わせると、
ヘリ搭載型はこんなに小さくていいのね、という印象でした。

見学者もいますが、何をするでもなく自衛官も出てきています。
(見張り?)



頼まれて陸自さんの写真を撮ってあげる人。
これを見ながらわたしが案内の自衛官に

「たまに陸自の人が護衛艦に乗り組むと大変なんですってね」

とふと聞くと、

「ええ、大変です。
時化ると皆部屋から出てこなくて、ドアを開けると
中で皆が倒れていて・・・・ガス室みたいに」

海自の人でも最初は

「自分の吐いたものを飲み込んで船酔いに耐える」

というような修羅場での錬成を経て一人前の海の男(女も)になるわけですが、
陸の人はいきなり任務が修羅場と化してしまうとそういうことですね。

「それでは陸自の医官は大忙しですね」

「いや、陸の医官も一緒になって倒れてますから・・。
それに艦内を歩いていると時々・・・踏んじゃうんですよ」

「ああ~・・・踏んじゃいますか~・・・」

「もはやそれを人に報告するレベルじゃないんですね」

これだけ取ってもあの派遣で現地に赴いた陸自医療チームの労苦には頭が下がる思いです。m(_ _)m



CIWSはもちろんですが「ひゅうが」と同じ位置にあります。
日本では「シウス」とこれを呼びますが、本家アメリカでは
「シーアイダブリューエス」といちいち言っている模様。

商品名ではなく、これはそういう兵器の「総称」なので。
例えばこれはレイセオン社のファランクスという「火器」であって、
「ゴールキーパー」とか「シーガード」とか、他の製品名を持つシウスはいくつもあるわけです。



こうして人が立っているのと比べると大きさがわかりやすいですね。
どうも白いオバケのQ太郎(知ってます?)部分は男性の身長と同じくらい?

床面からの全高は4.7m。
これを作動するのに必要なのはたった一人。
監視員だけでいいんです。
システムの軌道から目標撃破に至るまでの軌道修正は
全自動で行われるのですから。

なんかすごいよね。フィードバックもしてしまうなんて。



航海灯・・・・でしたっけ。



当たり前すぎて今までなんとなく意識したことはなかったのですが、
海上自衛官の正帽って、年中白なんですね。
確かにこれが白だから垢抜けて見えるし、グレイの護衛艦で
白い帽子は大変目立つので人が見分けやすい。

全て戦後のアメリカ海軍のスタイルを踏襲しているようですが、
これはなかなか良く考えられているのではないでしょうか。



ところで、このときのお天気を見て気がつかれませんか?
一瞬とはいえこのときには晴れたんですねえ。ええ。
朝からずっと降りっぱなしなのに、接岸してから嫌味のように・・。

「どんな天候の変化にも動じず任務を行う」

これを目標として海軍軍人の初等教育は行われると聞きましたが、
まさにそれを絵に描いたような本日の航海でした。



まるで構造物のように見えているのは接岸している岩壁のクレーン。
出航した岩壁とは違う、JMUのドックに着岸したからです。
このあと「いせ」はドック入りの予定があったんですね。



甲板からふと下をみると、民間のタグボートが押していました。
キャビンの人たちの顔がはっきり見えるくらい近くです。



わーいと喜んで甲板から手を振ると、船長さんらしき人が手を振り返してくれました。
笑っていらっしゃるように見えるのはその直後だから。
どれどれ、と中の船員さんが外を覗いています。

このあたりでもう一度艦橋に戻って着岸を見ることにしました。

続く。


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