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「いずも」引き渡し式観覧記~「我が海軍」

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安倍首相が予算委員会の答弁中に、海外との「軍」との比較議論の中で、自衛隊を
「我が軍は」と一瞬言ったことを捉え、政権の足を引っ張るチャンスとばかりに、
民主党、共産党と左翼御用学者、マスコミがまた大騒ぎしようとしました。(しています?)


以前自衛隊関係者から聞いた話ですが、海外では自衛隊ははっきりと軍であるとされており、
むしろミリタリーと称しないことが日本への不信感と捉えられることもあるというのです。
そもそも、「Self-Defense Forces」は直訳すると「自衛のための”軍”」、フォースというのは
そのまんま「軍隊」と同義であって、いくら日本人に英語ではピンと来ないからといって、

「ミリタリーはダメだけどフォースならおK」

とはいかなる意味か、とおそらく英語圏の人間は皆首をひねっているでしょう。
まあ要するに皆言葉遊びなんですよ。

「”我が軍”とは言いましたが軍はミリタリーではなくフォースのつもりで言いました!」

と安倍さんは突っ込みに対しては答えればいいんじゃないかな、と思いつつこの件を監視していると、
左翼御用達反日芸人(学者じゃないですよね)のK山Rカ氏が、バカッターことツィッターで、

「オバマ大統領は演説で ”our military"とは言うけど"my military"とは言いません」

と発信したのを知りました。

そういえば当ブログ開設1年目くらいに、エントリ文中で「我が海軍」と書いたところ、匿名で

「あなたは海軍の関係者ですか?」

と非難するニュアンス満点のコメントしてきた奴がいたなあ(遠い目)

いくら海軍ファンったって、「私の海軍」なんていうつもりも資格もないわけだし、
だいたい「我が」は「我らが」つまり「日本の」という意味ですが何か?
とそのときにも返答したように、日本語の「我が」には英語の「our」、ドイツ語の「unser」、
フランス語の「notre」の意味を包括しますからね。


安倍さんも普通に、

「これら外国の軍隊と”我が日本国の自衛隊”を比べますと」

を口語において省略して”我が軍”としただけにすぎないと思いますし、おそらくは(ですが)
民主党だってそうなんだろうなあとは内心思ってるんだと思いますよ。
こうやって、足を救うつもりでやればやるほど(うちわ疑惑とかね)国民からは

「つまらんことで国会の審議を止めるなこの馬鹿者どもが!」

みたいな非難が寄せられその度に支持率が落ちていくのもわかっているはず(おそらく)
なのですが、麻生政権を引きずり落としたときの勝利の味がまだ忘れられないのでしょう。
あの政権交代よもう一度、ってところですかね。もう絶対無いと断言してあげますが。


ところでわたしは当初、てっきり安倍首相が「軍隊」といったことに民主党始め反政府派は
異論を唱えているのかと思っていたのですが、そもそもそういう方々って、日頃
「自衛隊は軍隊だ!」と言ってませんでしたっけね。

はいそうです、軍隊は違憲のはずなのに、日本には自衛隊という名の軍隊があるんです。
だから憲法改正しないといけないんですよ、と政府に持って行かれるとまずいと気づいたのか、 
あるいは振りあげた拳の降ろしどころに困ったのか、彼らがすぐに論点を
「我が」に鮮やかにすり替えたのは、見ていて愉快でした。


しかも枝野さんなんか、そのことを非難する声明の中で「我が党は」っていっちゃってますよ?

「ほー、それでは民主党はお前の所有物なのか?」

ってもし突っ込まれたらやっぱり本人も「我々の」のつもりで言いました、って言い訳するでしょ?
子供かよ。

ちなみにK山さんですが、オバマが演説で「my military」と言っている部分を探し出してきた人がいて、
(これもすごいですよね)早速赤っ恥をかいていました。ご苦労様なことです。




さて、本日の出席者には

「早く行ってカメラのために最前列をキープしよう」

などという落ち着きのない人は、わたしとここで知り合ったMさんくらいしかおらず、
ましてやバスに一番乗りして岸壁に着いた時にも、現地まで走っていくなどという
はしたない事をする人は、一人もいませんでした。

皆一応関係者ですから、式に出席するのが目的です。
ごつい1眼レフを持っていたのはわたしが見た限りではMさん一人でした。
よって、わたしたちは会場までの道を悠々と歩いていくことができました。



岸壁の両側には紅白の垂れ幕で通路ができています。
先に歩いている集団は、別のバスできた艤装員家族の皆さん。



右側のカメラマンさんは、わたしたちと同じバスで隣の席でした。
カメラはわかりますが、鉄製の譜面台を持っていたので何に使うのか尋ねたところ、
彼は防衛大臣付きのカメラマンで、譜面台は大臣が挨拶するときに録音機を
置くために持っているのだと答えました。

「それだけのために・・・?」
「そうです」

彼は自分は陸上自衛官で市ヶ谷勤めだということを語りました。

「ああ、写真中隊って言うんですよね確か」
(なんで知ってるの、みたいな顔で)「そうです」

自衛官といってもスーツを着て譜面台を持って歩く仕事もあるってことですね。

彼は自分がどこに待機すればいいのか、案内係の海自隊員に聞いており、
この入り口から入るようにと指示されているのですが、横に旗を持って
立っているゴツい自衛官は、まさに防衛大臣旗を持つ係。
彼もここで防衛大臣の到着を待ち、会場では旗を持って付いて回るのが役目です。

そういう役目の隊員は儀仗隊のようなベルトに脚絆着用するようです。



ここは防衛省関係者並びに招待者入り口。
ここを通り過ぎて・・・・、



会社招待者席と艤装員家族席の入り口は一緒です。



入って行って、そこで招待状の入っていた封筒を見せると、
色でわかるらしく、名前を確かめもせずに左に誘導されました。



こんなものをアップする出席者はおそらく他にいないでしょうから、
参考までに、当日配られた資料をお見せしましょう。
一番左にはマスコミ(カメラマンでない記者)と見送りの従業員がいるところです。
参列者の向かいには、儀仗隊と並んで音楽隊がいます。

ところで図の「オーロラ」って何かしら。「オーロラ三人娘」なら知ってるけど。 
確かここには映像モニターがあったような気が・・・・・・あ、「オーロラビジョン」か! 



「ふゆづき」のときにも、われわれが現場に到着した時、こうやって整列し、
身じろぎもせずに乗員たちは立ち尽くしていました。
あのときは篠突く雨が容赦なく彼らを打ち、参列者は心から同情したものですが、
今日は本当にお天気でよかったです。彼らのためにも。

彼らが立っているのは艤装員の家族席の真ん前で、気が利いているなと思ったのですが、
ここにいるのは「いずも」乗員の全員ではもちろんありません。

後で聞いたらさすがは巨大ヘリ空母、乗員は470名はいるということだったので、
せっかく見に来ても、娘息子なり夫の顔を全く見られなかった家族もいたということです。


ところで護衛艦の乗員を組織するのは、副長が人事の権限を持っているときいたことがありますが、
どういう選定のされ方で選ばれたにしても、「いずも」のような最新鋭艦、しかも
内外から大変な注目をされている護衛艦の初代乗組員になったということは、
おそらく彼らとその家族にとってたいへん名誉なことなのに違いありません。



誰もいない会場に入ったわたしたち、思わず顔を見合わせて、

「近いですねー」

と驚きあいました。
三井造船所は岸壁が広いせいで、艦体まで距離を感じましたが、
今回はすごいでしょ~?



防衛省関係者はまだバスさえも到着しておりません。
見てもおわかりのように、一段地面より高く造られた式台には
三井造船のときのように椅子が全く置かれていない、つまりここでは
最初から最後まで立ちっぱなしでいなければならないということなので、
政府関係者は式典開始ぎりぎりにご入来するということのようです。

このとき時計を見ると9時50分。
うーん、あと40分ここで立って待つのか・・・。



誰もいない隣の防衛省出席者の式台には、足元に出席者の名前が書かれています。
制服組の立つところなので、階級順とか色々と決められているんですね。



隣のMさんと話をしながら暇に任せて写真を撮りまくります。
もうすぐ降下されるJMUの社旗の下に見えるのは赤、黄、青のランプ。
航空管制と何か関係があるのかな?



甲板にはテレビ局のカメラマンらしい人影が。
「ひゅうが」の就役式はやはりここJMUで行われたのですが、式典の後、
定繋港の横須賀まで、なんと防衛省は報道陣を乗せて航海したという話です。

報道関係に自衛隊への理解を深めてもらおうとここまで計らったというのに、
「ひゅうが」が空母になるから中国がどうしたこうした、みたいな今回と同じような
論調の報道は当時から行われていたと記憶しますし、「おおすみ」の事故の件のように
明らかに自衛隊を非難する立場に立って報道をしていたことからも、自衛隊側は

「メディア・ファティーグ」

とでもいうべき無力感を彼らに対して持つに至ったのではないか、とふと思いました。
おそらく自衛隊が、今後報道陣を護衛艦の最初の航海に乗せるようなことは二度とないような気がします。



右胸にバッジをつけているのは副長と航海長でしょうか。
皆顔色が緑ですが(笑)、これは彼らの立っている人工芝が顔色に反射しているのです。

いかに訓練しているとはいえ、小一時間身じろぎもせず立ち続ける乗員たち。
視線も動かしてはいけないようで、直立しただ正面を向いていますが、その目の端には
きっと艤装員家族席の自分の家族をしっかり捉えているに違いありません。


続く。 

 


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