先日アップした国際情勢についての西原正氏の講演会は、
全国地球防衛協会連合会(仮名)の総会のときに行われました。
いまさら仮名にしても何にも意味がないような気がしますが、一応これも
検索をスルーするためのちょっとした工夫だと思っていただければ幸いです。
人物の名前を出さなかったり、仮称を使ったり、あるいは日にちをずらしたり、
こういったネット社会でのちょっとした身バレ防止のための努力というものを
当ブログでは怠らずやってきたつもりだったのですが、それがある方面に限り、
あまり意味を持っていなかった「らしい」ことが今回わかりました。
その話をする前に、総会当日のご報告から参ります。
講演会の後、開始時刻ちょうどに会場にはいったところ、聞いていたより規模の大きな
大宴会場での懇親会が始まろうとしていました。
中央にいるのは在日米海軍、空軍の制服を着たアメリカ人と、陸空海の自衛官。
海自の制服の後ろ姿は海幕長です。
わたしの属する某地球防衛協会の会長代理の方が迎えに来てくれて、
決められたテーブルの周りにたどり着きました。(立食だけど一応テーブルが決まっている)
さっそく政治家の先生方のスピーチが始まります。
自民の木原稔代議士。
今確かめるためにツィッターを見たら、この人のツィートがなかなか。
二言目には「審議拒否!」…軽すぎる。
国会で質問することが国民の代表たる代議士の本懐ではないか。
気に入らないから審議を拒否するのではなく、昼夜を問わず審議を要求すべきではないか。
ごもっともです。民主党はそれしかできない政党。
いや、最近は国会で厚労委の委員長の首を絞めて怪我させ、それが
「委員長に飛びかかれ」と紙面で(しかも手書き)指示が出されていたそうなので、
自分たちの主張のためには(というか足を引っ張るためには)暴力も辞さない、という
クズ政党であることがまたしても明らかになったところですね。
丁寧に答弁すると「時間稼ぎだ」と言われ、簡潔に答弁すると「誠意が感じられない」と言われ…
お察しします。
確かにその通りですが、他に表現の仕方があるだろうに。
「女性と黒人 出馬を表明 米大統領選、共和党」琉球新報 5月5日 朝刊
(しょせん)琉球新聞ですから・・。
またしても遭遇、佐藤正久議員。
このとき近くにいた方が
「佐藤議員は滑舌が少し悪いのが残念だ」
とおっしゃったのですが、わたしはこの時、初めて国会に登壇した時と比べると
別人のように演説がなめらかで明瞭にになっている、と、
ちょうど考えていたところだったので、その旨弁護しました。
地球防衛協会の一番偉い人。
後で名刺交換させていただきました。
ところで、佐藤議員が興奮した口調で報告したことがあります。
この日付けで、国会では「防衛省設置法」改正案が成立したのでした。
法案の内容の一番大きな「目玉」は、内局の所掌事務規定の見直し、
そして、制服組と背広組の関係の見直しということになろうかと思います。
わたしはこの次の日、ある海将と会談したのですが、そのときにこの法案について
伺ったところ、部隊運用に関する業務の統幕への一元化がなったことによって、
「つまり話が早くなる」
と一言で明快に説明してくださいました。
しかし案の定、マスコミの論調は一貫して
「文民統制の終わり」=「制服組の暴走」
とどぎつい言い換えを行っては不安を煽っているものばかり。
確信犯なのか故意犯かはわかりませんが、マスコミの論調は(野党はそれに追随)、
「文民統制」と「文官統制」を意図的に混同させているものばかりです。
はっきりさせておきますが、この法律はマスコミがミスリードしているように
「文民統制」を廃止するものではありません。
本来の「文民統制」とは、国民から選挙によって選ばれた政治家たる防衛大臣が、
制服組、背広組すべてを統制するというもので、改正後も
最高指揮官が政治家であることで、文民統制は生きております。
それでは「文民」と「文官」の違いとは何でしょうか。
「文民」=政治家
「文官」=防衛省背広組
と考えていただければいいかと思います。
そもそも日本で戦後、警察予備隊創設を主導した占領軍総司令部民政局別室(略称:CASA)
の意向であった「シビリアン・スプレマシィ」(文民優位)を、まず二世通訳
(今、日系二世について調べてますが、やはり彼らの語学能力には限界があった模様)が
「文官優位」または「文官統制」と誤訳したことが、今日までの錯誤の原因となりました。
それに加えて、当時の内務官僚の、
「軍人はほうっておくと何をするかわからないので、しっかり押さえつけねばならん」
という考えによって、誤訳が意図的に放置され、かつ悪用されてきたという見方があるそうです。
たとえば自衛官の処遇改善の一環として、「統幕長を認証官に据える」という自民案を
佐藤議員らは進めていますが、これに待ったをかけているのが背広組であって、
その根底には「制服組が自分たちの上に立つのが面白くない」という内局の本音があります。
それでは法改正後はどうなるか簡単に言うと、「軍事」に関する補佐は各幕僚長が、
「政策」的補佐を内局官僚が、それぞれ専門的見地から行うことになります。
今までは、事務次官の裁量次第では防衛大臣の命令がトップダウンにならなかったり、
現場に知悉した制服組の情報でも、それが背広組の意向に反するものなら、
報告さえ上がらないという弊害があったのですが、制服と背広を対等の関係にすることで
その無駄がカットされる(話が早くなる)というだけのことなのです。
とにかくマスコミはどういうわけかこれを「文民統制の弱体化」と位置づけ、
「文官統制」と「文民統制」は全く別物なのに、皆これをあえて混同して語り、
いたずらに「軍靴の足音」がががが、とミスリードして国民の不安を煽っているだけに見えます。
じゃー聞きますが、あなたがたのいう「文民統制の弱体化」って具体的になんですか?
そもそも文民が統制しているから戦争にならない、なんてのはわたしに言わせれば幻想ですね。
暴走した文民(政治家)が戦争をおっぱじめ、いわゆる「暴力装置」である軍隊は、プロフェッショナルとして
それに従って戦っただけという例はいくらでもあるではないですか。(湾岸戦争とかね)
もしそうなったとき、(つまり文民が戦争を始めたとき)文民統制は何の意味を持ちますか?
つまり何が言いたいかというと、今回の法案では「文民統制」を廃止したわけでもなんでもないし、
そもそも「文民統制が戦争を防ぐ」=「その弱体化が戦争につながる」というロジック自体、
全くデタラメなのです。
ところでこのテーマは、佐藤議員が、その当選直後から、防衛関係議員(石破大臣、浜田大臣、中谷大臣)
らと共に、防衛省改革の一環として推進してきたものでした。
民主党政権時に反故にされ、
民主党政権時に反故にされ、
民主党政権時に反故にされ、
ようやく法改正に至ったのがこの日だったということなのです。
この日の佐藤議員の感慨深そうな面持ちも当然のことと言えましょう。
佐藤議員は、自身のブログで
今回の法改正で、初めてわが国の防衛体制において、
健全な「シビリアン・コントロール(文民統制)」が顕現されることとなる。
と語っています。
文官統制が廃止されることで健全な文民統制が可能になる。
この猿にでもわかる簡単な理屈を理解しているらしい(つまりちゃんと報道している)のは、
わたしの見た媒体では産経新聞だけでした。
さて、設置法案の話はこのくらいにして。
この後歓談に移る前に、会場に来ていた招待者が名前を呼ばれました。
自衛隊関係は将官以上、議員の代理人(宇土議員の奥様もおられ、ご挨拶させていただきました)
などが呼ばれるとその場で手を上げて「はい」と返事をします。
自衛官の挙手は全員「グー」であることもちゃんと確認しました。
アメリカ海軍、空軍の軍人さんがきておりましたが、空軍さんの方が
呼ばれたときすらすらっと
「よろしくおねがいします~」
と全然訛らない発音で言ったので会場はどよめいておりました(笑)
日本勤務が長い方なんですかね。
そして歓談タイム。
今回初めて海幕長にご挨拶させていただきました。
わたしの存じ上げている元海将と同期でいらっしゃるので、話題として
「元海将がMAST Asiaで講演をなさっていたそうですが後で知って残念でした」
というと
「僕のも聞いてくれなかったんですね・・・いや、聞かない方がいいです」
なんと、海将も同日講演されていたのです。
そしてこのとき、元海将が
Military Statemen Forum
で渡米されているということを伺ったのでした。
海将は海自のトップの方々に不思議と共通する、どちらかというと学者的なタイプで、
物腰柔らか、ソフトな声音が、元海将から伺っていた
「江田島時代当時の校長の部屋で、フォートナムメイソンの紅茶とフルーツケーキを二人でご馳走になった」
という逸話になぜか深く頷いてしまう知的で上品な雰囲気の方でした。
さて、本題です(笑)
この後、わたしは地球防衛協会の会長代理に連れられて、旧知の元陸幕長と、
先日水交会で初めてお会いした軍医殿、じゃなくて中央病院の副院長にご挨拶に行きました。
ここで驚天動地の出来事が起こったのでございます。
元陸幕長はわたしを見るなり、こうおっしゃるではありませんか。
「あなた海軍にくわしいんだってねえ。ブログに出てましたって教えられたよ。
ネービーブルーとかいう」
orz <・・・・・・・・・。
わたしの脳裏には「どうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうして」
だけがぐるぐると渦巻き、次の瞬間、以下のことに思い当たりました。
当ブログを見た関係者(多分自衛隊の中の人)、かつわたし個人を知っていて、
(どこかで名刺交換した?) ブログと実在のわたしを結びつけられる人がこの世に存在する。
それが一体どういう人物なのか思いを巡らす間も無く、わたしは気付きました。
隣の軍医中将じゃなくて海将も、気のせいか「何か知っておられる風」な表情をされていることに。
わたしはもしかしたら、自衛隊という組織をあなどっていたかもしれん。
確かに、テーマを自衛隊について特化して書いているブログについては、
自衛隊の「そういう部隊」(どんな部隊だ)がリスト化しているらしい、という噂について、昔軽~く
「こんな話があるけど、当ブログもそのリストに入ってるといいな♥」
みたいなことを書いたことはあります。
しかしまさか元陸幕長ご本人がこんなブログ見るわけないよね~と思っていたため、
写真をアップするわ、陸幕長の現役時代の話で漫画を作成するわとやりたい放題やってしまっていました。
幸い元陸幕長は「まだ読んでない」とおっしゃってましたが、
これは何としてでも「読まないでください」というべきだったかもしれません。
この期に及んで元陸幕長だけでなく、各方面に何か失礼なことは書いてなかっただろうかと、
その日は眠れなかった、小心者のわたしでございました。
それにしても、自衛隊の情報収集力&伝達力おそるべし。