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Channel: ネイビーブルーに恋をして
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ノーウォークの「ホテル・ゼロ」〜言った者勝ちの国

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息子を学校に落としたあと、わたしたち夫婦は、ニューヘイブンから
車で約1時間ニューヨークのある南に走ったところにある、ノーウォークに到着しました。
ニューヘイブンがボストン(ウェストボロー)から2時間ですから、空港からだと
だいたい4時間弱車で行ったところということになりましょうか。

ここに5日間の宿を取ることに決めた理由は、ニューヘイブンとニューヨークから
どちらも1時間とちょうど真ん中にあったからで、せっかくなので滞在中、
ニューヨークのイントレピッド博物館(空母イントレピッドを展示している)に
ぜひ取材のため(って感じですよね最近)行ってみたかったからです。

息子を見送ったあと、わたしたちはインターステート95を南下し、
ノーウォーク(Norwalk)に到着しました。



高速から降りると、東部には全くよく見るタイプの郊外型の街並みが続きます。
信号待ちの時にふと右側の窓から上を見ると、ヘアサロンの2階の窓に猫発見。



鼻筋の通った猫さんです(笑)

この猫のヘアサロンから1分も行かないところに、予約したホテル、
「ゼロ・ディグリーズ」、通称「ゼロ」がありました。
レジデンスイン、ヒルトンハウス、コートヤードマリオットなど、全国展開の
だいたいどんな内装かわかってしまうホテルはいくらでもありましたが、
当ホテルはいわゆる「デザイナーズホテル」であるらしいことで、
せっかく久しぶりで夫婦での滞在をするのだからと、思い切って選んだのでした。



ホテルのロビーもこのようにモダンなスタイルです。
期待できそうでしょ?



ロビーで使用できるパソコンはもちろん?アップルの最新型。



時計を兼ねたコーナーの装飾。
全くおなじものが、10メートル向こうにあるのが謎。



ルーフトップに上がってみると、このようなくつろぎコーナーが併設されていました。
ちなみに巨大なチェスの駒は、重くて持つだけで大変です。
このほか、卓球台とビリヤード台などもありましたが、雪深いこの地方、
冬場はここはどうなっているのか気になります。



さて、最初に通された部屋は、HP通りのおしゃれな内装でなかなかです。
ただし、駐車場に面していて景色ははっきり言って最低です。

「5日も泊まるんだから部屋変えてもらおうか」

TOが言いました。
もしわたし一人なら決してこういうときに交渉しません。
外の景色が多少悪かったとしても一人なら別に平気だし、それより何より、
フロントに行って交渉して荷物を運び直して、という面倒なことをするくらいなら、
我慢した方がずっと気が楽だという性格によるものです。

しかし、連れ合いはこういうとき必ず粘り強く交渉するのが趣味(?)で、
過去、何回もフロント係と、時として喧嘩寸前となっても自分の要求を伝えてきた百戦錬磨。
我が夫ながらその熱意には呆れることすらあるのですが、彼によると
これもまたゲームのような感覚だそうで・・・・。

部屋の電話を取るなり彼は眺めのいい部屋が空いていたら変えて欲しいと頼み、
交換できる部屋のキイを取りにフロントに行きました。



そして変えてもらった部屋。
おお、少なくとも窓からは緑が見えておる。



今度の部屋は眺めはこんな感じでまあまあです。

「ここでいいんじゃない?」

ということで、荷物を運び込み、運んできたカートをTOが返しに行っている間。



洗面所をチェックしたわたしは思わず絶句しました。
(一人なのでずっと黙っていましたが心情的表現)

バスタブがないのです。

アメリカのホテルには時々あるのですが、アメリカ人というのは
お風呂に浸からなくても一向に平気な人種で、
バスとはつまりシャワーを浴びることだったりするんですね。
わたしの知り合いでアイルランド系アメリカ人の女性と結婚した人は、

「僕はお風呂に首まで浸かりたいと思うのだけど、彼女はその感覚がわからないらしい」

と実に悲しそうに言っていたことがあります。
日本人の中でも特に風呂好きのわたしとTOが、5泊の宿泊期間
全くお風呂に浸かることなく生きていけるとでも?

「シャワーしかないんだけど」

「・・・・・」

運び込んだ荷物をそのままに、即座にもう一度フロントに向かう彼(笑)
しばらく待っていると、フロントのお姉さんと一緒に帰ってきました。

「今度こそいい部屋に変えてもらったから。フロントの人が荷物を運ぶのを手伝ってくれるって」

どうして今回はフロントの人が来たのだろうと少し不思議ではありましたが、
ともかく彼女の案内で「三度目の正直」の部屋を見たわたしたちは思わず嘆声をあげました。



なんと、いきなりコーナースイートに昇進です。



バスタブはもちろん、シャワーブースと別に存在することを確かめます。



ベッドはキングでしたが、実際に寝てみたところマットレスが大変よくて、
日本のホテルのように片側で寝返りを打たれたら起きてしまうというようなことはありませんでした。

アメリカの夫婦は一つのベッドで寝るのが普通なので、マットレスの方も
そのニーズに応じて機能が発達しているのかと思われました。



広い部屋にはこんなおっしゃれーなワードローブがあり、デザインが装飾にもなっています。



扉を全部開けたところ。
下には冷蔵庫、上には金庫が収納されいています。



そして問題の景色は・・・・・!?



ホテルの前には川が流れ、川沿いに電車の線路が走っているのですが、
さっの部屋は線路だけが見えており、この部屋は川の滝の部分の正面に作られていました。

「すごーい!これコーナースイートでしょ」

「言ってみるもんだねえ」

「あきらめたらそこで終わりだったのね」

後で調べたらこのホテルで一番いい「キングスイート」であったことがわかりました。
値段はわかりませんでしたが、少なくともこんな部屋に5泊していたら、
大変な出費となっていたことだけは確かです。



このホテルのもう一つの特色は、ちゃんとしたレストランが併設されていること。
アメリカのホテルで実は大変これは珍しいことなのです。
もちろんレストランがあるホテルはいくつもありますが、大抵は
宿泊者の便宜のためだけにあるようなもので、味は二の次三の次なのが普通ですが、
ここはちゃんとしたレストランで、ディナーを食べるためによそから人がやってくるレベルです。

イタリアンですが、ローカルグリーンをふんだんに使ったサラダなどもおすすめだそうです。



グリーンピースの冷たいスープには、たっぷりハーブが浮かせてありました。



わたしの頼んだスキャロップのサラダ。



TOは珍しくビーフステーキを頼んでみました。
ステーキなのにハンバーガーのように出てくるのがアメリカ風。



二人で一つデザートを頼んでみました。
イチゴとベリーがメインで、小さなパンナコッタが付いています。
ただ、これは失敗でした。
なぜかこのパンナコッタ、牛乳ではなくヤギのミルクを使用していて、
ヤギや羊のミルクが何より嫌いなわたしは一口も食べられませんでした。 

というわけで、食住について大変ラッキーなホテル滞在となったわけですが、
あらためてこの国では何も言わないことには始まらないというか、
黙っていても何も手に入らないというか・・、
つまり、言ったもの勝ちの国であることを再認識しました。
どうりで押しが強くて主張する声が大きな人ばかりの国になるわけだ。 

よその国からやってきて無茶苦茶なことを言っている外国人を、
我々はつい「みっともない」という目で見てしまうものですが、実際にアメリカのように
声が大きいと大きいなりの見返りがなまじある国がある限り、世界各地において
ああいう民族運動が止むこともないのだろうなと、ふと思いました。

まあ、日本人がそういうとき世界的基準でおとなしすぎるだけで、
ホテルの部屋を変えてもらうくらいはワールドスタンダードの範疇かもしれませんが。 



おまけ*今回初めて見てウケた便利グッズ。
下のスロットにベーグルを入れて、上の部分をがしゃんとやると、
ベーグルが綺麗に二つに切れる、

「ベーグル・ギロチン」。

いかにもアメリカ人の考えそうなツール。というかこれ欲しい(笑)

 


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