昨日進水式の行われたDDH、やっぱり「かが」でしたねー。
わたしは内部情報を少し前に聞いていたので、さりげなーく最初は
「きましたね、と思わず厳かにつぶやいてしまった名前」
であるとほのめかし、二度目は7月25日のイントレピッド見学のエントリ中、
取ってつけたように「加賀」と無理やり入れて、
アリバイを作っておいたのですが、これに気付いた人はおられましたか?
まあ、こんなことで得意になってみても、所詮二箇所からの又聞きだったんですけどね(笑)
さて、平成27年度総火演、予行演習の本番についてです。
その前に、冒頭の写真、これ、ちゃんと撮れてるでしょう?
視界が白く煙っていて鮮明ではなかったので少し加工していますが、
一瞬にして消えてしまい、全く同時に発光するわけでもない曳火射撃を
ほとんど全部捉えることができたので嬉しいですー!
これも種明かしすれば来そうだなと思ったので連写しまくっただけなんですけどね(笑)
曳火射撃というのは砲弾が空中で炸裂し、主に歩兵に対して
ダメージを与えるための砲撃形式をいいます。
普通の砲撃と違うのは、「空中で」というところで、
地面に激突した衝撃で爆発する一般の砲撃だと、目標に直接
損害を与えること、特に塹壕の人員を攻撃することができません。
というようなことを解説しだすと、軍隊というのは左翼ではありませんが、
人を殺傷する訓練をするのが存在意義なんだとあらためて思います。
こういう力を見せつけて抑止力とせねばいけないというのは、
確かに不幸ではあるけどそれが国際社会の現実であり、
「こちらが武力を放棄すれば向こうからも攻撃してこない」
と、なんの根拠もなく信じている反日左翼の方々は、
「 流血を厭うものはこれを厭わない者によって必ず征服される」
という著書「戦争論」におけるクラウゼヴィッツの言葉が、
過去の「歴史」から導き出した結論であることを、まず知るべきだと思います。
と初っ端からついついヒートアップしてしまいました(笑)
まるで質疑が始まるなり興奮して机をバンバン叩きながら
「日本国憲法下で集団的自衛権は違憲ですね!!」
と喧嘩腰で質問し、安倍総理に
「もう何回も何回も何回も何回もお答えしていますが」
とからかわれた福島瑞穂みたい?
いやわたくしは彼女と同じ側では断じてありませんが。
さて、総合火力演習は10時から12時までの2時間にわたって行われます。
前段演習は約一時間、陸自の主要装備品を実演しながら紹介していきます。
前段演習が10:00~11:05となっているのは、最初の5分を
会場の説明に費やするからではないかと思われます。
いちいちこうやって煙を出して、
「黄色い煙の出ているのは二段山と三段山です。
特科火砲の目標地域で、約3000メートルの距離です」
などということを説明してくれるわけです。
ちなみに手前の黒パネルの「黒の台」は機関砲などの目標で600~800m、
その向こうは「2の台」「3の台」などといい、戦車砲などの目標地域で、
だいたい1000mから1800mの距離があります。
さて、装備紹介は自走榴弾砲からです。
M110 203mm自走榴弾砲
防衛省の命名は「サンダーボルト」ですが、現場では「自走ニイマル」
とか「20りゅう」などと呼ばれています。
本番ではちゃんと隊員は迷彩メイクしていますね。
75式自走155mm榴弾砲
96式装輪装甲車の向こうにいるのはFH70。
これら自走砲三兄弟(だよね)は遠・中・近でいうところの遠距離火力であり、
そのなかの特科火力(artillery fire)というカテゴリです。
特科火砲は、火砲10門の大隊、5門の中隊単位で、三段山(3キロ先)に射撃を行います。
射撃の後、
「ダンチャーク、いまっ!」
の声で目標への弾着がわかります。
しかし3キロ先の目標に弾着するのってすごく時間がかかるんですよね。
人間が歩いたら1時間かかる距離だからもっともかもしれませんが。
これは、火砲12門によって8秒前から砲弾が飛んでいく弾道にそって射撃し、
一秒間隔で砲弾を破裂させることにより弾道を確認できる射撃です。
驚いたことに、砲撃音は2回しか聞こえないのに、弾薬は
見事に一つづつ順番に空中で線を描いて炸裂します。
そしてこれ。
同時弾着といって、広場と後方陣地の合計21門の火砲が、
時間をずらして撃って空中で同時に炸裂させるという技。
異なる火砲、異なる射距離で同時に弾着させるのは100分の1単位の精度を要します。
一度聞いてみたかったんですが、自衛隊以外でこんなことやっている他国軍ってあるんですか?
そして今年の曳火射撃による富士山である。
ええ、これも紛れもなくわたしが撮ったものでございますとも。
が、雨のため望遠レンズのまま撮り続けた関係上、富士山の左端が欠けてしまいました。
まあ、撮れただけ去年よりは進歩したってことでよしとしよう。
しかし、今年の富士山は去年より心なしか形が悪いような気が・・・・。
リハーサルでも注目した迫撃砲の射撃。
迫撃砲、そして誘導弾は中距離火力に分けられます。
砲身の先の人は何をしているかというと、筒の先につけられたキャップを
ぐるぐると回して外しています。
右から二番目の人の足元にあるパイプは何でしょうか。
120ミリ迫撃砲は分隊長が指揮をとり、砲手、副砲手、操縦手、弾薬手2名の
計6名で操作を行います。
81ミリ迫撃砲はトレーラーに積載する時に3つの部分に分けられるそうです。
砲手、副砲手、弾薬手の合計4名が人チームで射撃を行います。
このとき迫撃砲部隊が何をしていたかというと、120ミリと81ミリで、
一つの目標に同時弾着させるというのを三回繰り返していました。
近距離・普通科火力の軽走行気動車の上部ハッチからは
01式軽対戦車誘導弾が発射されます。
無反動砲なんですが、そうはいわないみたいですね。
01というのは10の「ヒトマル」の反対で「マルヒト」と読むそうで、
現場でも公式名称の「ラット」より「マルヒト」の方が通りがいいとか。
射撃の瞬間、飛んでいくミサイルを捉えることができました。
大きさは直径140ミリ、全長全長970ミリだということです。
去年はこの偽装スーツ、ギリースーツを暑いのに着込んだ隊員が
前に立ってその姿を見せてくれましたが、今年は雨のせいかなし。
というか、偽装スーツの人は結局出場?しなかったってことでしょうか。
やっぱり雨が降っているのにあれを着て地面に転がると後で大変だからねえ。
陸自にはこんな中隊もございます。
第301映像写真中隊。
市ヶ谷にあり、自衛隊において最大且つ唯一の映像写真専門部隊です。
中隊長は三等陸佐であり、総火演で仕事をしているのは写真小隊。
総火演の29倍の倍率に涙を飲んで、当日ライブ映像をご覧になっていた方も
中にはおられるかと思いますが、そのライブ配信用映像の撮影を担当する小隊です。
カメラマン集団ですが、こんな格好をして「中隊長」とか「小隊」とか言っていると、
必要以上にかっこよすなあ。
ちなみにカメラの使用状況はキヤノンがやや多いかな、という感じでした。
海自はNikonで陸自はCanon、とか決めているわけではないんですね。
この日は大変な雨。
写真中隊の雨よけカバーは大変参考になりました。
なるほど、雨の日の撮影はこうすればとりあえずカメラは守れるのか。
まあ、たいていの自衛隊イベントで、観客は三脚使えないんですけどね。
続く。