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Channel: ネイビーブルーに恋をして
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空母「ホーネット」艦橋ツァー〜「錨を上げて」

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空母「ホーネット」に2年前に続きもう一度アイランドツァーのために
訪れ、前回とは少し、どころか全く雰囲気の異なるボランティアの解説員、
ウィル元中尉、通称「Sさん」の解説を聞くことになりました。

前回も書きましたが、このたびの解説員は80歳を超えており、歳格好といい、
長身の痩身で髭を生やしたイケメンぶりといい、日本に残してきた(笑)
元兵学校生徒の「Sさん」にわりと瓜二つ(日米の人種が違うだけ)なので、
わたしが勝手に心の中で「Sさん」呼ばわりをしております。



さて、プライマリー・デッキに続き、前回見損なった航法室を見学したあと、
その一階上の管制室を見た後は、操舵室へ。
ここは、メインの操舵室となります。


さて、このときわたしはたまたま「Sさん」の次の次に部屋に入ったのですが、「Sさん」は
わたしの前の男性とわたしに、

「皆に説明するからあなた(男性)はこれを(金色の輪っか)を持ってください。
あなた(エリス中尉)はこちらの前に」



ドラムの右と左に手前に引くためのレバーがついてる動力装置の前に立たせました。
え、もしかしたら何か皆の前でやらされるの?
と一瞬キョドってしまったのですが、「Sさん」、それを見て

「怖がらなくていいですよ。立ってもらうだけだから(笑)」

見ると、レバーは赤い金具で動かないようにガッツリと固定してあります。
もしかしたらこんな状態でも動かしたら何かが起こるってことでしょうか。
装置の下部にあるウィンドウには

「エンジン・レボリューション・インジケーター」

と書かれ、これによって変速していくことがわかります。





解説が始まりましたが、本当に立っているだけでした(笑)
だって、舵輪とちがって何も動かないんだもーん。

水平に置かれた黒い計器には水が入っていて、文字盤が動いていました。
これは推測するに水平に対する艦の角度を知るものでしょう。
どこかが浸水してフネが沈没しそうになったとき、傾いているのがわかって便利です。


その上にある計器が「 Rudder Angle Indicater」、
「舵角計」とか「舵角方向指示器」と訳せばいいのでしょうか。

しかし、「舵角指示器」を逆翻訳すると「ラダーセンサー」、
「舵角計」は「ラダーメーター」となって、どちらも一致しませんorz



操舵室はここと「secondary conn」があります。
connというのは海事用語で、操舵ですが、これは動詞でもあり、三人称単数現在形だと
「conns」となります。

うしろに「Helmusman」(ヘルムスマン)という聞きなれない言葉があるので調べてみたら、
これが「操舵する人」(ヨット用語)のことでした。
ヨットをする人、そうですよね?
ついでに知ったのですが、これに対してヨット用語で「艇長」を「スキッパー」というそうです。




天井の赤いレバーは警笛。
なぜ二本あるのかはわかりません。

写っている見学客が二人とも東洋系なのですが、野球帽の人は白髪の女性を交えた
三人組で、もしかしたら日系アメリカ人ではないかと思われました。

こちらを向いている人は、男性二人連れで、こちらは何系かわかりませんが
彼らもアメリカ人であることが喋り方でわかりました。



こちらの緑のレバーは・・・・・何だか忘れましたorz
パイロットハウスに繋がっている警報機で、何かあればこれで
総員出動体制を知らせるというものだったかもしれません。



この操舵室の横には「キャプテンズ・シー・キャビン」が備えてあります。
艦長が四六時中ここにいるのかどうかまでは聞き逃しましたが、
ここでずっと待機できるように寝台はもちろん、シャワートイレまであります。
シャワー室の中に机が見えますが、これはたまたまこのときに、
床のペンキを塗り替えたばかりだったようです。

空母は艦内が広大なので、仮に毎日あちこちをこまめに手入れしていっても、
一巡するのに何年もかかりそうですね。



そこを出てすぐ岸壁側に接した小さな部屋には、高い椅子があり、「Sさん」は
一人で参加していた女性にそこに座るように促しました。

「キャプテンになってください」

「ふーん、キャプテンの椅子って眺めが良くてなかなかいい気分だわ」

などと、なかなかノリのいい女性です。
ところでここの説明に書いてありましたが、艦長というものは一旦航海に出たら

1日18時間から20時間

艦橋にいるものだそうです。
航海中ずっと4時間〜6時間しか寝られないって言う意味ですかこれは。
それとも先ほどの仮眠室で寝ている時間も含めてでしょうか。
いずれにしても艦橋でのほとんどの時間を、艦長はこの椅子で過ごし、
航空機発着や離着岸についての指示を出します。




さて、ここは、

「Auxiliary Conn Station」(補助操舵室)略称AUX CONN

名前は補助ですが、補給のために岸壁にアプローチするとき、ここには
キャプテンを必ず含む士官が全員集まるのだそうです。
他の操舵室、メインとセカンダリーには一人だけが残ります。

なぜ着岸のときここが使用されるのかというと、おそらくですが、
岸壁に面した窓があるからではないかと思われます。



このボードは「マニューバリング・ボード」というそうです。
艦隊行動を監視し観察する操舵手、レーダーマン、ジュニアオフィサーのために
機動部隊の配置が書かれていました。

ちなみに「ホーネット」は旗艦でしたから、いつもこの中央に位置して書かれていました。



この透明ボードは、操舵室の計器と、補助操舵室の壁の間にあり、
外からだけ読むことができるようになっていて、

ブリッジ 057 レンジ 15900 タイム 1709 CRS 

わかる人にはわかるであろうこんなことが書かれております。
CPAはわかるとして、SKUNKってなんなのかしら・・。

ところで、メインの操舵室で説明を聞いていたとき、いきなり大音響で誰かの携帯がなりました。

♪フンバラパッパフンバラフンバラフンバラパッパッパー
♪フンバラパッパフンバラフンバラパーパーパーパー

おお、この曲には聴き覚えが・・いや、それどころではありません。


これだ!

Anchors Aweigh、「錨を上げて」。

1906年にアメリカ海軍中尉であったチャールズ。ツィマーマンが作曲し、
アメリカ海軍の事実上の公式歌(行進曲)となっているこの曲。 
やはり本海軍軍人さんは、着メロにもこだわっておるのう。 
見つけてきたこのYouTube、とにかくかっこいいのでご存知の方も観てみてください。

なぜか1:20に、海上自衛隊からオライオンの友情出演があります(笑)
面白いので元YouTubeでどんなコメントがあるのか探してみたところ、

●「グレイトビデオ!だけど1:20は日本のP-3で、翼にレッドライジングサンが見えるよ」

→「これはロッキードマーチンのP-3Cオライオンで、カワサキがライセンス生産してるんだよ」


●「I found your video  Japanese Navy (JMSDF) aircraft P-3! Thanks :)」(日本人のコメント)


●「日本の飛行機がチラッと見えた(spy)ぞ」

→「ほんまや」

→「墜とせ!そいつはspy planeだ!」 

 

 

いや、一応同盟国なんですけど、日本とアメリカ・・。

というわけで、「錨を上げて」が朗々と鳴り渡った操舵室。

「あ、私の携帯です」

そういってポケットから電話を出し、皆を待たせて悠々と会話を始める「Sさん」。
まあ、ボランティアだからそれもよしとしましょう。
この曲が鳴り響いたとき(Sさんは耳が遠いので大音響だった)、
皆は何も気に留めないように振舞っていましたが、思わずわたしは小さな声で

「Nice.」

とつぶやきました(笑)

実はこのあと、ツァーは終了してしまい、前のもこんな短かったっけ、
と拍子抜けしたのですが、解説員の「Sさん」とのご縁はここで終わらず、
わたしはほんの少しだけですがこの元母艦乗りパイロットと話をする機会があったのでした。


続く。
 


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