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Channel: ネイビーブルーに恋をして
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「こんごう」出港~平成27年度自衛隊観艦式

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昨日木更津港に停泊していた艦艇の一般公開について書きましたが、
カンのいい方は、わたしが「ちょうかい」について何も書かなかったことで、
本番に乗るのでは「ちょうかい」ではないかと推察されたかもしれませんね。

実は、わたしが「ちょうかい」に乗ることはわりと早くに決まっていました。
ただしそのころは一般応募は締め切ってもいなかったころで、他の艦艇、
たとえば「ちはや」「くろべ」などといった船が次々と当選者にチケットを送っている間も、
「ちょうかい」「こんごう」のイージス艦は結果が保留されていたようです。

今だから言えるのですが、当時「ちょうかい」に乗ることが決まっていた人には

「北朝鮮のミサイル情勢によってはイージス艦は観艦式に出ないので、そのときはごめんね」

という防衛省からのお達しが来ておりました。
わたしがここで「そんなことになったら観艦式どころではないと思う」と書いたのも
それを受けてのことです。
10月10日が近づいても全くその気配も起こらないことから、防衛省はイージス艦の
乗艦券を放出しだしたと言われています。

しかし今回は、イージス艦に限らず、乗艦券の世間への配布は大変遅く、
自衛隊の中には実に1週間前にようやく回ってきたという状況だったようです。


ともあれ、今回わたしは、先導艦、受閲艦、そして観閲艦と、全く任務も
艦艇から見える景色も違う三艦艇に乗り込むことになったわけですが、
これは大変ラッキーなことであったと思っています。



前日にアクアラインを通って木更津に来たのは、土地勘のない場所で、
どのような状況で艦艇に乗り込むか全くわからなかったため、
前乗りして、現地の様子を把握しようと思ったのでした。


前日から君津近くのビジネスホテルに一泊し、翌朝は中央突堤といわれる岸壁に車で到着。
こんな朝早くから、自衛官が立って交通整理していました。

このときで6時くらいだったでしょうか。
横須賀のときほど早く並ばなかったのは、イージス艦の場合、
やはり早く来たからといっても、いい場所が取れるとは限らず、
そもそも「どこをいい場所とするか」は人によって意見が分かれるところだからです。

何度も言いますが、わたしは先導艦の「むらさめ」で、とりあえず写真を撮る任務は果たしたし、
「ちょうかい」は、観閲艦といっても列の一番しんがりのフネなので、
訓練展示やブルーインパルスの写真を撮ることはすっぱりとあきらめていました。



平成27年10月18日、観艦式当日の朝日が登りました。
今日は1日快晴との予報です。
例年本番は雨が降るというジンクスがあったようですが、今年は
晴れ男の安倍首相が観閲官なのでお天気が良くなったのかも。



木更津では、車から突堤まで近いのと、
乗艦券チェックと手荷物検査などを済ませゲートをくぐったら、
待たされずにすぐに乗艦となったのが嬉しかったです。



乗り込むなり最初に毛布をゲットする人多し。
イージス艦はこのように前甲板は前半分をロープで区切られており、
出港作業になったら全員甲板から艦内に避退させられます。 



今回、わたしがまず席を取ったのは艦橋の操舵室左ウィングでした(つまり左翼)。
見るポイントをどうせ見にくいに決まっている訓練展示ではなく、受閲艦艇航行と艦橋に絞ったのです。
そして、あとは出港作業ですかね。



とはいえ思いつくのが遅くて、ウィング前方は皆取られました(笑)
この絵を見てもお分かりかと思いますが、ここの素晴らしいところは
”カメ爺”の出没率が大変低いことで、年齢層は下より低めです。 

「むらさめ」のチケットをあげたNさんは「艦橋は雰囲気悪い」と言っていましたが、
それは主に操舵室の中の「カメ爺ではない爺」のことでした。
ウィングは皆場所を譲り合っていましたし、この日嫌な目に一度も遭いませんでした。

つまり、問題児は常に「団塊の世代」なんだなとわたしは思ったわけですが、
それについてはTOが面白い考察をしていました。

「あの人たちは生まれてからずっと競争社会で生きてきたため、
人を蹴落としてでも自分が勝たなくてはといつもどこかで思っている」

確かに、皆が並んでいる集団の中で自分一人ずいずいと前に体を捩じ込ませ、
いつの間にか一番前に割り込んでいる、というのは、例外なく団塊世代の老年男性です。
「文句あるのか」と人をねめつけていたのもまさにその世代ですし、
この考察はある程度、”傾向として”当たっているのではないかと思われます。


しかし、民度においては世界トップクラスと言われる日本人ですらこんな人たちがいるわけですから、
これが中国人なんかだったらいったいどんなことになるのか。
考えただけでゾッとしますね。

まあ、中国では観艦式なんか色んな意味で一般人の参加は不可能ですが。



ウィングから眺めていると、大型のタンカーのような船が
曳船を従えて後ろの岸壁につけました。



この時間は後甲板の自衛官たちは待機だけなので、和やかです。



そのうちそれが整列し、どうも作業についての確認が行われている模様。
この写真だと、海自の艦艇がどのように隣接する艦艇との間に舫を掛けるかよくわかりますね。



このころ、出港支援をする曳船が到着しました。



木更津港所属の曳船のようです。
支援のために三隻が近づいています。



曳船の操舵室をちょっとアップにしてみました。

メガホンを首に下げた1尉はここでの入稿作業の責任者でしょうか。
さっき海曹海士の前で説明をしていた人です。



各自がもう一度持ち場に付き、乗艦が終わるのをこの体制で待ちます。
同じ年頃の海曹同士、和やかに話していますが、海士くんたちはそういうことはしません。



「こんごう」で乗組員が運んでいるのは、皆に配るカイロ。
寒さ対策で用意をしていたようですが、さすがにこの季節では
周りでもらっていた人は見かけませんでした。



「こんごう」の操舵室には女性の士官がいるぞ。
ちなみにイージス艦の艦長は1佐がなります。



「こんごう」への乗艦は終わったようです。
地上にいた乗組員が最後に乗り込んでいるところ。



「ちょうかい」との間にかかったラッタルを取りはずす作業に入りました。



「こんごう」の信号員は待機。



操舵室の一つ下のウィングは、出港作業の時にここから見張りをしますが、
まだこの時間は仕事がありません。

「あー眠てえ」



こちら我が「ちょうかい」左舷。
ここで説明のために立っている自衛官は、何度もなんども同じことを
質問してくる客に辛抱強く同じことを説明しています。

「出港作業の時にはここは危険ですので艦内に入っていただきます。
その際荷物などは残さないでください」



「こんごう」の出港作業が始まったので、「ちょうかい」左舷には人が誰もいなくなりました。
皆艦内に閉じ込められています(笑)



出港が近くなると、舷側を見張る人員がデッキに立ちました。



右舷には出港作業中もいて良かったようです。
「こんごう」は観閲付属部隊なので、主に右舷前方でイベントが行われます。
このままの場所で1日を過ごす人も多かったのではないでしょうか。



「こんごう」の艦長(赤いストラップ)始め幹部がデッキに出てきました。
イージス艦の艦長とか副長とか、特に優秀な人がなるのではと思うんですが、どうでしょう。

艦長は1佐、砲雷長と船務長が先任で2佐(右端と奥)、左は航海長か機関長で3佐。
合ってます?

 

ロープを片付ける海士。




甲板ではラッタルが外されました。
まず「こんごう」というカバーが外されます。



こういうものもおそらく他の国の海軍なら適当に仕舞うのでしょうが、
どっこい自衛隊ではこういう作業もきっちりとやり方が決まっているのだった。



端と端をミリ単位できっちりとたたんでおります。
バナーを踏まないように回っていく海士くんの躍動を観よ。



「ちょうかい」との間の防眩物を直接当てないためのカバー。
うーん・・・なんというか、すごい。ここまでするのか。



というところで時間はマルハチマルマルになりました。
つまり自衛艦旗掲揚の時間です。
そのときに目を離せない作業にかかっている自衛官以外は整列。



見えにくいけど我が「ちょうかい」の掲揚台。



自衛艦旗掲揚は(海軍)5分前から待機が始まります。
これも海軍から受け継がれたしきたりです。



時間となり、三つの艦で同時に掲揚が始まりました。



どこでラッパを吹いているのかと思ったら、信号員の待機場所でした。
「ちょうかい」の信号員が同じところで吹いているラッパが聞こえます。
しかし、サウンド発動が微妙に違ったため、
真ん中で聞いているわたしたちには、少しずつずれたラッパ譜「君が代」
が耳に入ってきて、特にわたしなど大変気持ち悪かったです(笑)



今日いちにち艦尾で翻る自衛艦旗が掲揚されました。
本日の観艦式を見守る旭日の旗です。



「なおれ」の号令と同時に皆がバネ仕掛けの人形のように動き出しました。
今から「ちょうかい」との間の舫を撮る作業です。



後ろがわで二人がもやいを引っ張っています。

 

また連続写真を撮ってみました。
「ちょうかい」が結びつけていた舫の端が外され、海に落ちたのを
例のやり方で引っ張っていっては先で手から放し、
自分が元のところに戻っては引っ張り、を繰り返します。

   

クロスするようにかけられていた舫の一本が海に落ちました。
引き上げ作業に一人女性海曹が混じっていますね。

  

先に紅白の旗をつけた棒は、これでロープが海に落ちたときに
スクリューに絡まないかどうかを見ていて、もしロープが流れるようなら
赤旗を揚げてスクリューを止める合図を出しますが、基本的に
そうならないようにロープは引き揚げられるので、赤旗が出されるのは稀だと思います。

  

引き上げられるやいなや、舫は舷から姿を消しました。

 

2本目の舫が引き揚げられ、残るは艦尾同士を結ぶ1本だけになりました。



こうしてみると舫は太いですね。



最後に、後部を「ちょうかい」と繋いでいる舫を外します。



ぽちゃん。(擬音)

外したとたん、「こんごう」の艦尾は「ちょうかい」からするすると離れていきます。



女性海曹は、笛をくわえたまま下を覗いている海曹の指示を受けるようです。
異常があれば合図をする係はこの海曹なのでしょう。



最後の舫が離され、あっという間に遠ざかる「こんごう」。
行動海面で会おう!


続く。


 


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