明日は観艦式本番という17日、木更津に係留されている一般公開の艦艇をみてきました。
木更津へはアクアラインを通っていきます。
今まで千葉県にはディズニーリゾートと成田空港以外で用がなかったため、
東京湾アクアラインに乗るのはこれが最初です。
今wikiをみたらなんと開通してからもう18年になるんですね。
海のなかをつっきってしまうトンネルをこれだけやすやすと作れる日本。
やっぱり技術の国だなあと改めて思います。
トンネルを出たら今度は海の上を走る高速道路。
大型船舶が航行できるほどの高さを持つ橋梁を作ると、
航空機の邪魔になることから、一部を海底トンネルにしたそうですね。
さて、木更津港の中央突堤に到着。
さすがは木更津だけあって、護衛艦の岸壁前が全部駐車場です。
千葉地本がここぞと熱心にお仕事しております。
ということは、千葉地本のあの大スター、来るか?
あっ、女の子の帽子が風で飛びました。
一番手前が実験艦「あすか」。
「あすか」は省力化やステルス化を目的とした艦載兵器実験艦です。
乗ってきた女の子に、女性自衛官が
「このお船は武器持ってないんだよ」
というと、女の子は不思議そうに
「武器持ってなくてどうやって戦うの?」
と両親に聞いていました。
それはいいところに気がついたね。
女の子的には、戦わない軍艦っていうのが理解できなかった模様。
「あすか」の見学は、いきなり艦橋上に上がって、操舵室の見学から始まります。
外付けのラッタルは、艦内の階段と同じ角度でも、ずいぶん急に感じます。
こんな作りなのは、荒天のときに外洋を走ったりしないという設定の船だから?
航行中にこの階段を登るのは素人には多分大変恐ろしいと思われるがどうか。
木更津港はこのように杭が立ちまくっているわけですが、これはなに?
無許可の船を進入禁止するためでしょうか。
艦橋から前甲板を望む。
操舵室左ウィングデッキからは二隻のイージス艦の甲板が見えます。
同型艦なので、寸分違わず同じ顔をしています。
司令官の椅子。「あすか」の艦長席は赤と青のツートンカラーでした。
「あすか」艦長は2佐ということになります。
OPA-6Dというのは通信電子レーダー指示器です。
この鳥さんは・・・カモ?
カーナビと同じように、衛星通信で艦位がわかるようになっています。
赤いランプが現在位置ですが、その上に海図を置いてわかりやすくします。
出港ラッパはこんな天井のフックに収納してあったんですね。
ちゃんと誰のラッパか名札がかけてあります。
ラッパ吹きの階級は海士長と1曹となっています。
さっきの女の子は、甲板に来てさらに、
じえいかんのおねえさんの言葉の意味がわからなくなったでしょう。
「これって・・・・武器だよね?」
って。
基本的に「あすか」は武器を搭載し、試験をしたらそれは取り外され、
目的艦に改めて搭載されるのです。
あと、そういえば艦内のラッタルが二列になっていてあれ?と思ったのですが、
これは「あすか」に乗り組む乗員は試験艦という性格上、
艦艇乗組経験の乏しい試験要員の乗艦機会も多いからという理由だそうです。
また「あすか」は海上自衛隊で初めて女性隊員が乗組になった艦でした。
お次はイージス艦「こんごう」です。
イージス艦の艦名は山から取られています。
「愛宕山」「足柄山」「妙高山」「鳥海山」「霧島山」・・・。
「こんごう」も「金剛山」にちなみますが、山ではなく「金剛力士像」がマークとなっており、
個人的感想ですが、もっとも「強そうな」イメージを持っています。
モットーは
「Built Up Impregnable Defenses 」(難攻不落の護りを固めよ)
これこれ「こんごう」甲板上の二人、護衛艦上でイチャイチャするんじゃない。
しかも女の子、こんなミニスカートで、もしかしたら階段上ったりしたの?
同じ年頃の自衛官がたくさん見ているというのに・・・。
「こんごう」さんの溺者救助人形は、壁を向いていました。
「こんごう」は竣工してからもう22年も経つんですね。
さすがのベテラン艦、インド洋派遣は二回、リムパック参加も二回です。
2013年、および2014年の北朝鮮のミサイル発射(北朝鮮的には人工衛星)に備え、
「ちょうかい」と共に迎撃態勢を取っていました。
今回もことあらば日本海に出動することになっていたため、観艦式参加は
「ちょうかい」と共に最後までわからない状態でした。(一般客的に)
イージスシステムSTELLAR GRYPHONのかっこいいマーク。
これについては、英語ですが、下のYouTubeをご覧下さると良くわかると思います。
「こんごう」も出てきますよ。
Aegis BMD (FTM-13) Stellar Gryphon Documentary
「こんごう」「ちょうかい」「みょうこう」「きりしま」。
日本のBMD、対弾道ミサイル防衛システム搭載艦です。
「こんごう」の凄いのは防衛システムだけではありません。
日本国民的にはこちらの方がすげー!とか思ってしまう人がいるかもしれませんが()
「こんごうカレー」は、カレーグランプリで横須賀市長賞を獲得した栄光の過去があります。
そのオリジナルレシピは実際に商品化されました。
牛すじや牛ロースを煮込んだルーに、隠し味はチョコレート、はちみつ、リンゴなど。
こんなレシピ、商品化して採算合ったんだろうか・・・。
機関出力が10万馬力。ということで鉄腕アトムです。
というか、今どきのお子さんは鉄腕アトム知らないんじゃないかなー。
お父さんお母さんも、若いとピンと来なかったりしないかな。
ちなみにやっぱり「こんごう」でも艦内神社は機関室の横にありました。
わたし以外にも結構お賽銭を入れて手をあわせる人がいましたよ。
普通に機関室。
ほとんどすべて撮っていいことになっていましたが、艦内の詳細図は撮影禁止でした。
機関室の近くに耐火スーツがお行儀良く並んでいます。
字が・・・・・汚いです。
それはともかく、内容的にはなかなか品数が多くて豪華なご飯ではないかしら。
ここに入った時にカレーの匂いがしたので、「カレーですね」というと、
「これは昨日のカレーの匂いがまだ残ってるんです」とのことです。
朝食は目指し一本がメインディッシュ。
食堂には初代、そして二代目の「金剛」についての艦歴がパネルにされていました。
「ガダルカナル島ヘンダーソン飛行場夜間砲撃は有名です!」
この戦果については、簡単に彼我の損害だけを記しておきましょう。
米国 航空機54 飛行場の破壊
日本 榛名の乗員1名が作戦中熱射病で死亡
日射病って・・・・戦闘における損害にカウントするんですか?
戦闘艦として初めて、平成24年に女性自衛官が乗り組みました。
現在「こんごう」の女性自衛官は25名もいるそうです。
そういえば昨年のカレーグランプリのとき、「こんごうチキンカレー」の宣伝で、
ニワトリの被り物をして、なぜか足ヒレつけて歩いていた女性自衛官がいたなあ。
「こんごう」には誰も突っ込む人がいなかったのだろうか。
不審船撃沈、こんな事件あったんですね。知りませんでした。
ていうか国籍不明とかって、こんなのあの国に決まってんじゃん。違うの?
先任海曹室の看板が妙に立派。
上にある少ししょぼい方は、昔の看板でしょうか。
ようやく甲板までやってきました。
主砲は54口径127mm単装速射砲、オトーメララ製でした。
帰りは甲板を伝うようにして外に出ます。
この日の見学者は大変な人出で、後から聞いたところによると、案の定自衛官に
「何十枚も応募したのに一枚も当たらんかったからせめて見に来た」
と愚痴を言いに来ている人もいたということです。
そんなこと自衛官に言われてもねえ?
というか、たくさん応募するのってもはや黙認されてるんですね。
一枚もハガキを出さずに三回とも参加する人がいれば、万単位のお金を出して
乗艦権を買い取るひともおり、そして何十枚も出しても来られない人もいる。
他人事のように言いますが、観艦式はこの世における不条理の縮図です。
「こんごう」の甲板から、アクアラインのブリッジが全部見えます。
ちょうどわたしが「あすか」を降りると、入れ替わりに入っていくこの三人は!
千葉地本が誇る「千葉衛(まもる)」「千葉未来(みらい)」「千葉翔(かける)」の千葉三兄弟!
なんとハロウィーン仕様でコスプレしているぞ!
千葉衛はわたしがカメラを構えると手を振ってくれました。いい奴だ。
というか、この被り物ってちゃんと外が普通に見えてるのね。
試験艦「あすか」の艦首は他のより角度が急というか、突き出していますが、
艦首・底には新水上艦用ソーナー(OQS-XX)を設置したことから、
投錨の際の干渉を避け、また砕波発生位置をできるだけ後方にしてOQS-XXから遠ざける、
という仕様でもあるのです。
観艦式には大人数が搭載でき、「一般人にも優しい仕様」である試験艦は
必ず毎回参加することになっています。
「あすか」「こんごう」「ちょうかい」。
明日の観艦式本番に備え、木更津港で出航を待つ彼女達でした。
最後の一仕事、みんな頑張るんだぞ。
続く。